Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

SEGAブースレポート
セクシーな主人公に来場者釘付けの「Bayonetta」、
競技の特徴を活かした「Mario & Sonic Winter Games」など8本のゲームを出展


6月2~4日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 SEGAブースでは、セクシーな魔女が戦うアクション「Bayonetta」や、ソニックとマリオが冬季オリンピック種目で戦う「Mario & Sonic Winter Games」など8本のタイトルを出展していた。どのタイトルも人気で、特に「Bayonetta」は常にギャラリーが絶えなかった。

 各コーナーはゲームを象徴するイラストと共に試遊台を置き、スタッフがプレイを積極的にフォローしてくれるため、ゲームをたっぷり楽しむことができた。面白かったのは、「Bayonetta」の主人公魔女ベヨネッタのコスプレをしたコンパニオンがいて、彼女がびっくりするくらいゲーム内のキャラクターに似ていて、セクシーなのだ。来場者に非常に人気で一緒に記念写真を撮る人が多かった。

8本のタイトルが全てプレイアブルで出展されていた。下段の中央が魔女ベヨネッタの姿をしたコンパニオン。記念写真を撮る人たちがとても多かった。カメラを向けると、きちんとゲーム内のポーズをしてくれるのも楽しい。ちなみに、身長までゲームの主人公と同じだという



■ セクシーな魔女の魅力を引き出すためのやりこみ要素。プレーヤーの挑戦心を刺激する「Bayonetta」

開発元のプラチナゲームズの本作のディレクター神谷英樹氏(左)とプロデューサーの橋本祐介氏
コンパニオンから、コーナーのイラストまでベヨネッタを前面に押し出した出展に来場者は目を引きつけられていた

 「Bayonetta」は北米ではPS3、Xbox 360版を2009年発売予定だ。日本では2009年秋を予定している。今回は会場での試遊に加え、開発元のプラチナゲームズの本作のディレクター神谷英樹氏とプロデューサーの橋本祐介氏からゲームの説明を受けることができた。本作は神谷氏がかつて手がけた「デビルメイクライ」を彷彿とさせる作品だ。本作は神谷氏が「女性主人公のアクションを作りたい」という想いから生まれたという。

 試遊台では序盤のステージをプレイすることができた。美しい庭園を進むベヨネッタの前に現われる筋骨隆々の体躯と、赤子のような幼い顔というアンバランスな天使達。プレーヤーの操作でベヨネッタは華麗に舞い、倒す。攻撃はパンチ、キック、銃で行ない、黒い蝶のような羽を広げての2段ジャンプや、壁を歩いての重力を無視したような移動も可能になっている。

 ベヨネッタは両手だけでなく、足にも銃を装備していて、“4丁拳銃”で敵と戦う。パンチやキックと組み合わせて多彩なコンボが繰り出せる。ベヨネッタがまとう黒い服は、実は魔力で体の表面を覆わせている髪の毛だ。コンボがつながっていくとこの髪の毛に魔力を触媒に異界からの怪物を呼び出す事ができる。結果としてその瞬間はベヨネッタは裸になってしまう。ベヨネッタの肌の露出はほんの一瞬なのだが、それでもコンボを狙ってしまうところがあって、このギミックは面白いと感じた。

 デモプレイでは庭園の戦いと、因縁を持つもう1人の魔女との戦いだったのだが、神谷氏と橋元氏のデモプレイではさらに溶岩に沈んでいく街での戦いと、空を飛ぶ巨大なドラゴンとの戦いを見ることができた。溶岩におびえ逃げようとする天使を押し倒し、サーフィンボードのように踏みつけて溶岩の波を進んだり、崩れていく建物を垂直に駆け上がったりと、ベヨネッタの魅力を活かしたアクションが楽しかった。

 最初はベヨネッタのいる教会のステンドグラスを破って、ドラゴンが首だけで襲いかかってくる。ある程度ダメージを与えるとドラゴンはぐったりとなるが、次の瞬間ベヨネッタがいるフロアごと空に持ち上げられてしまう。しかも、建物の壁を壊してもう1本の首が襲いかかってくる。実はドラゴンは双頭で、ベヨネッタは空中で彼らと戦うことになる。他にも巨大な天使がベヨネッタを乗せた橋を持ち上げ振り回したりと、ステージそのものにも大きなギミックが仕掛けられていて、次のステージが楽しみになる。

 試遊台でのプレイで感じたのは、本作の間口の広さだ。ボタンを連打すれば簡単に技がつながり爽快なコンボが決められる。難易度設定でイージーにすればオートで多彩な攻撃を出すこともできるという。さらに本作にはベリーイージーモードも用意される。「このモードの目指すところは“うちのおかんでもクリアできる”難易度です」と神谷氏は語る。ベヨネッタや世界観に魅力を感じた人なら誰でもクリアできることを目標にしているという。

 間口の広さを持ちながら、それでも神谷氏や橋元氏が最終的にフォーカスしているのはハードコアゲーマーだという。1回目は誰でもクリアできる。しかし、もっと華麗に戦えるのではないか、ベヨネッタらしい戦い方ができるのではないかという方向で楽しんでもらえるために作品を作っていると神谷氏は語る。

 ベヨネッタは手と足に武器が装備可能になっていて、それで戦い方が変わる。また敵の武器を奪うことができるため、こだわれば戦闘スタイルの組み合わせは膨大な数になる。こういったこだわりプレイに関して、開発スタッフはいくつもの「報酬」を用意している。コンテンツのアンロックなど多彩な隠し要素があり、やりこみがいのある“美しい戦い”を求めることのできる作品となると言う。早く製品版をプレイしてみたい作品である。

ベヨネッタはセクシーで美しい女性だが、戦い方はパワフルな上、非常に攻撃的だ



■ 実際の競技をエッセンスを活かした「Mario & Sonic Winter Games」。オリジナル要素も盛りだくさん

本作のプロデューサーを務めるセガ第2CS研究開発部部長の大橋修氏
ブースでは、マリオとソニックが一緒に登場。来場者に人気だった

 「Mario & Sonic Winter Games」は、Wii版とDS版の発売が北米では2009年10月に予定されている。本作は北米やヨーロッパではSEGAから、日本では任天堂から発売されるため、日本では任天堂からスケジュールが発表される。この作品も会場での試遊に加え、前作にあたる「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」からプロデューサーを務めるセガ第2CS研究開発部部長の大橋修氏によるデモプレイが行なわれた。

 Wii版は、Wiiのコントローラーを活かした様々なアプローチで多彩な競技を体験できる。スピードスケートでは、コントローラーを左右に振ることで、スケート選手の手の動きを再現、ボブスレーでは胸元にコントローラーを構え、傾きセンサーでバランスをとる。アルペンスキーはヌンチャクコントローラーを前に出して、スキーの板でエッジをきかせるように傾けて進む。バランスボードにも対応していて、ボブスレーはバランスボードにおしりを乗せて座った姿勢でバランスをとって進むことができる。

 冬の競技は滑っていくスピード感を活かしたものが多い。高速でスクロールしていく景色が非常に美しい。この他にもタイミングよく指示されたとおりにコントローラーを振ることで華麗なジャンプを決めるフィギュアスケートなども用意されている。全体的に直感的にプレイできるゲームが多いが、ホッケーは本格的な駆け引きの楽しめるものになっていたり、競技ごとに様々なベクトルを持っている。

 Wii版は「ドリームスキークロス」というモードがあり、マリオカートのコースの雰囲気を活かしたデザインなど様々なコースが登場する。オリンピック競技に即したモードでは派手なオリジナルギミックやデザインは取り入れることができないが、オリジナルモードでは様々な要素を入れていくという。セガと任天堂のテイストをどのように活かすかは注目したいところだ。

 DS版でもハードを活かしたアプローチを行なっている。アルペンスキーでは、スクリーンの左右をタッチペンで押し込むことでそれぞれに曲がる。下をこするとクラウチングし、スピードアップする。スタート時に画面をこするとスタートダッシュができたり、旗の近くを通るとさらにスピードアップするなどのギミックも搭載されている。

 2人乗りのボブスレーの場合、十字キーで前の、ボタンで後ろの選手を動かす。両手で2人のバランスをとり最高速を目指すのだ。コースは3Dで描画されており、DSでもコースのスピード感が伝わってくるのがとても気持ちいい。スピード感は特にこだわって作った部分だという。

 DSは「アドベンチャーツアーズ」というモードがあり、キャラクターを操作してマップを移動し、様々なキャラクターと会話し、競技を進めながらストーリーを進めていくモードで、セガと任天堂のキャラクターの掛け合いが楽しめる。どんなストーリーや会話が展開するのか、楽しみなモードである。この他にも多彩なモードが搭載されるという。

 大橋氏は「Mario & Sonic Winter Games」に関して、間口の広さ、わかりやすさを念頭に置き、競技の特性を活かしたギミックを盛り込んで本作を開発していると語る。そこから記録を目指すためのやりこみもできるように作っている。前作では競技のみのシンプルな作品だったが、今作は豊富なオリジナルモードも大きなセールスポイントとのことだ。

Wii版スクリーンショット。キャラクター性を活かした演出が楽しい。ゲーム部分ではスピード感に特に注目してほしい
DS版のスクリーンショット。下段はアドベンチャーツアーズ。セガと任天堂のキャラクターがどんなストーリーを展開するか期待したい



【The Conduit】
Wiiで発売されるFPS「The Conduit」。リモコンをつきだして格闘攻撃をしたり、ヌンチャクを振るとグレネードを投げたりといったギミックが盛り込まれている

【Sonic & SEGA All Stars Racing 】
セガのキャラクターが多数登場するレーシングゲーム。北米で、PS3、Xbox 360、Wii、DSの発売を予定している。残念ながら日本での発売は未定だ

【その他のタイトル】
左から、「Alien vs. Predator」、「P51」、「Alpha Protocol」

(2009年 6月 6日)

[Reported by 勝田哲也 ]