最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

米Microsoft、「Xbox 360 E309 Media Briefing」を開催
コントローラ不要の新エンタメシステム「Project Natal」、小島プロの最新作「METAL GEAR SOLID: RISING」の展開などを発表

6月2〜4日開催(現地時間)

会場:Galen Center


 米Microsoftは、E3前日にあたる現地時間の6月1日、ロサンゼルスのGalen Centerにおいて「Xbox 360 E309 Media Briefing」を開催した。単一メーカーのプレスカンファレンスとしては類を見ない2時間強に渡る長時間のイベントとなったが、その長さに見合う実に盛りだくさんの内容が発表された。

 本稿では取り急ぎ、MicrosoftがXbox 360を通じて行なっていく新サービスとサプライズ発表を中心にご紹介していく。また、喝采を持って迎えられたXbox 360が誇る魅惑の新作ラインナップ「10 World PREMIERES」については別稿にて詳しくお伝えしたい。

【Galen Center】
「Xbox 360 E309 Media Briefing」の会場となったGalen Center。ダウンタウン南部の南カリフォルニア大学の隣にある。カンファレンス会場としては大規模であり、ここにもメガショウへの復古の影響が感じられる

【10 World PREMIERES】
Xbox 360の自慢のラインナップ「10 World PREMIERES」については別稿にて詳しくお伝えしたい。少しだけ紹介すると、左上から順に、専用のスノボコントローラーが楽しい「Tony Hawk Ride」(Activision)。大喝采で迎えられた超大作「Modern Warfare 2」(Activision)。ご存じ日本が誇る人気RPG「ファイナルファンタジー XIII」(スクウェア・エニックス)。「Gear of War」チームが手がけるXbox Live向けカジュアルアクションゲーム「Shadow Complex」(Epic Games)。あらゆる点で最強のレースゲームに仕上がった「Forza Motorsport 3」(Turn 10)。最後は「Halo: ODST」に続く新たな「Halo」フランチャイズになる「Halo: Reach」(Bungie)



■ 大いなる収穫の時期を迎えたXbox 360プラットフォーム。「MGS」がついにXbox 360へ

マイクロソフト インタラクティブエンターテイメント LIVE、ソフトウェア、スタジオ担当コーポレートバイスプレジデントのジョン・シャパート氏。昨年、東京ゲームショウでも基調講演を努めた人物だ

 プレゼンターを務めたマイクロソフト インタラクティブエンターテイメント LIVE、ソフトウェア、スタジオ担当コーポレートバイスプレジデントのジョン・シャパート氏はカンファレンスの冒頭で「我々は不況下でも順調だった。人々は不況だからこそ楽しみを求めるのです」と切り出し、「今回は売り上げのチャートやグラフは見せません。10本の未発表のゲームタイトルをお見せします」と切り出し、拍手喝采を受けた。

 近年のE3で各プラットフォーマーが、自社にとって都合の良い数字やグラフだけを見せて、いかにも自社のプラットフォームが勢いがあるかをアピールすることが恒例となっているが、シャパート氏の発言は、そうした過去の“数字合戦”を揶揄した表現であり、Xbox 360はそのようなアピールをしなくても優位なポジションにいるのは自明だというわけだ。

 実際に、Xbox 360の優位性はエクスクルーシブ(独占)タイトルの多さでも感じることができた。今回発表されたXbox 360の新作ラインナップ「10 World PREMIERES」では、12タイトル中、実に9タイトルがXbox 360独占配信となっている。マルチプラットフォームタイトルについても「Xbox 360はどのようなジャンルのブロックバスタータイトルも遊ぶことができる」(シャパート氏)と、タイトルの獲得に絶対的な自信を覗かせた。

 毎年恒例のビッグサプライズタイトルは、2006年の「Grand Theft Auto IV」、昨年の「ファイナルファンタジー XIII」に続いて、PSフランチャイズのキラータイトルの最後の砦だった「MGS」シリーズの最新作「METAL GEAR SOLID: RISING」だった。いずれも前作はPSフランチャイズ独占あるいは先行配信のタイトルばかりであり、もはやサードパーティーに聖域はないと言えそうだ。

 そのほかにも、マルチプラットフォームタイトルの多くが、発売後にリリースされるダウンロードコンテンツ(DLC)の一部あるいはすべてが独占や先行だったりするほか、今回新たに動画/音楽配信サービスの強化や、Twitter、Facebookといったソーシャルサービスへの対応が発表されるなど、Xbox 360はコンテンツの囲い込みをあらゆる領域で広げつつある。こうした動きに対して、SCEや任天堂はどのような取り組みで対応を行なっていくのか、明日以降の各社のプレスカンファレンスが楽しみだ。


【The Beatles: Rock Band】
「Xbox 360 E309 Media Briefing」は、MTV/Harmonixの新作「The Beatles: Rock Band」で幕を開けた。Harmonixのバンドによる実機デモの後、ヨーコ・オノ(ジョン・レノンの妻)とオリヴィア・ハリソン(ジョージ・ハリソンの妻)に続いて、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターというThe Beatlesの関係者全員が顔を揃えるというビッグサプライズに、会場のボルテージはいきなり最高潮に。Microsoftのパワーを実感させる最高の“前座”だった。同作はXbox 360独占タイトルではないが、かの名曲「All You Need is Love」をDLCとしてXbox Liveで独占配信し、その収益を国境なき医師団へ全額寄付することが明らかにされた

【METAL GEAR SOLID: RISING】
小島秀夫氏の「Xbox 360 E309 Media Briefing」への参加は、世界的な動きや直前のティザーサイトからある程度の予想はついていた。ドン・マトリック氏は、「これでXbox 360プラットフォームは完璧になった」と最高の褒め言葉で小島氏を迎えた。プレイステーションプラットフォームのキラータイトルの代名詞だった「MGS」シリーズがついにXbox 360へ。「MGS」シリーズは決定的なターニングポイントを迎えた。今回の主人公はどうやら雷電らしいが、具体的な情報は一切不明だ



■ コントローラーなしでゲームが遊べる画期的な新インターフェイス「Project Natal」

友人であるドン・マトリック氏の応援に駆けつけたスティーブン・スピルバーグ監督。「どうやればインタラクティブエンターテインメントに触れてもらえるか。普通の人々はまずゲームコントローラーに威嚇される。テクノロジーは意識しないところに使われるべき」と、既存のゲームプラットフォームのあり方を暗に否定し、「Project Natal」の到来に期待を寄せた
「Project Natal」クリエイティブディレクターのクドー・ツノダ氏。「『Natal』はソファに座ったまま棒を振るようなデバイスとは違う」とライバルを意識した強烈なコメントが印象的
ツノダ氏のデモ。ツノダ氏の体勢と画面のアバターの体勢が見事にリンクしているのがわかるだろうか。自らの動きで、自分が作った自慢のアバターを操作できるというのも魅力のひとつだ

 さて、今回の「Xbox 360 E309 Media Briefing」では、久々にハードウェア方面の発表が行なわれた。といってもXbox 360の次期バージョンや、噂が絶えない携帯型ゲーム機ではなく、Xbox 360用のまったく新しいインターフェイスという意外なところだった。

 「Project Natal(ナタル)」と名付けられた新インターフェイスは、ハードウェア的にはきわめて高機能なセンサーであり、機能としてはRGBセンサー、深度センサー、マイクロフォン、専用タイトルと情報をやりとりするためのプロセッサで構成されている。Wiiのモーションセンサーと同じように、テレビの上部か下部の中央に取り付けるタイプのデバイスだ。

 マイクロソフト インタラクティブ エンターテイメント ビジネス シニア バイスプレジデントのドン マトリック氏は、ビッグサプライズだった「MGS: RISING」のプレゼンターを務めた小島氏を見送った後、おもむろに「むしろゲームコントローラーがあるからゲームをやらないという人がいる。我々はゲームコントローラーを超えるデバイスを考えていくうちに、自分自身がゲームコントローラーになればいいということに気がついた」と謎かけを行ない、まだ何か発表があることを促した。

 その後に流された「新しい遊び方の紹介」と称したプロモーションムービーでは、画面の相手に、蹴り技を繰り出したかと思いきや、素手でハンドル操作を真似るだけでレースゲームがプレイできたり、体の動きのとおりに画面上のキャラクタが動いたりなど、まったく新しいゲームシーンが実現されていた。ダッシュボードでは、手を左右に動かすだけで項目を操作できたり、音声でコマンドを入力できたりなど、まさに体そのものがインターフェイスになっている。

 会場ではその後、「Project Natal」の実機を使ったデモンストレーションが行なわれた。1つ目のデモはダッシュボード。「Project Natal」のクリエイティブディレクターを務めるクドー・ツノダ氏が自らモニタの前に立って、ダッシュボードにログインを行ない、四肢を前後に動かしたり、回転する動作がそのままモニタ内のアバターに反映することをアピール。その後、上下左右への手振り操作でダッシュボードを自由自在に操れることを実証すると、会場からは驚きの声が上がった。

 続いてのデモでは、スカッシュのような限られた室内空間で、四肢を使って複数のボールを素早く打ち返して、奥のパネルを倒していくというスポーツ系のゲームと、四肢を筆に見立てて、特大のキャンバスに絵を掛ける「おえかきパーティー」と呼ばれるデザインツールが披露された。

 デモでは実演者が体を大きく動かしてゲームの操作を行ない、その見事なリンクぶりに場内からたびたび驚きの声が上がった。センサーを使ったエンターテインメントは、SCEには「EYE TOY」、任天堂にはWiiリモコン&ヌンチャクなどがあるが、「Project Natal」は手や体に何も身につける必要がなく、それでいてきわめて高解像度の認識が可能というところが新しい。

 「Project Natal」に関しては、発売時期や価格、対応タイトルの開発状況などについては一切明らかにされなかったが、Xbox 360というプラットフォームの可能性を広げる魅力的な新提案だ。続報に期待したい。


【「Project Natal」デモ】
会場で行なわれた2つのデモンストレーション。体に何も付けなくていいため自由な動きが可能な上、2つのモーションセンサーにより高い精度で動きを検知できる。「おえかきパーティー」は、巨大なキャンバスに、絵の具をぶちまけて絵を描くということをNatalで再現しようとしたその発想そのものが素晴らしい。「Natal」ではこうした予期せぬエンターテインメントが生まれそうだ

【ピーター・モリニュー氏と「Project Natal」】
「Project Natal」のクリエイター側の反応と言うことでゲスト出演したのが、英国が誇るゲームクリエイターピーター・モリニュー氏。GDC専用プロトタイプ「The Room」のように、今回もやはりプロトタイプを作成してデモを行なってくれた。デモの内容は、画面にいる少年と会話やメモを通じて直接インタラクトできるというもの。それがおもしろいかどうかは未知数だが、モリニュー氏らしい使い方であり、様々な可能性を想起させてくれる。モリニュー氏は、「『Natal』はコンピューターエンターテインメントの金字塔だ」とまで激賞。Lionhead Studiosが「Natal」専用タイトルを出すのはほぼ間違いないと見て良いだろう



■ 非ゲーム系のサービスも続々拡充! ただし日本は依然として未対応

Xbox Liveサービスがさらに拡充する。ただ、現状ではあまり日本サービスとは絡みそうにないところが残念だ
音楽配信サイトlast.fmのサービスをゴールドメンバーに無償配信する。ゴールドメンバーシップへの大きなロイヤリティになりそうな要素だ
仮想シアターを通じて最大7人で映像鑑賞。テレビやセットトップボックス単体では不可能な観賞法だ。今後はライブ放送にも対応したことで、さらにその価値が高まりそうだ

 Xbox Live担当のシャパート氏からは、Xbox Liveの拡張プランが次々と発表された。今回特に重点が置かれたのは動画関連のサービスだが、音楽配信やコミュニティ支援なども充実し、リビングにXbox 360が1台あれば、あらゆるデジタルエンターテインメントにアクセスできるという環境が整いつつある。唯一にして致命的な欠点なのが、「日本展開の予定はない」という1点だが、E3レポートと言うことで、MicrosoftがXbox 360を通じて何をしようとしているのか紹介しよう。

・1080p、5.1chサラウンド映像の配信開始
 

 Zune Videoで提供されている動画が、今秋からXbox 360でもHDクオリティで再生できるように。

・映像配信地域の拡大
 

 Xbox 360を通じて映像が視聴できるサービスの対応地域が8カ国から18カ国へ。新たな対応地域はオーストラリア、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スイス。これらの地域では既存地域と同様に1080pのHDクオリティで映像を楽しめる。日本は依然として対象外。

Netflixのサービスを強化

 動画配信サービスのNetflixにおいて、新たにストリーミング再生に対応し、待たずに視聴できるように。Xbox Liveパーティーを通じて最大7名と同じ動画視聴を共有できるようになる。

・BSkyB Ltd.によるライブ番組の視聴が可能に

 Skyを新たなパートナーに加え、英国とアイルランド限定で、ライブ放送を視聴可能に。こちらも最大7名による共同視聴が可能。

Facebook、Twitterへの対応

 Xbox 360を通じて、欧米でメジャーなソーシャルネットワークサービス(SNS)であるFacebook、Twitterのサービスを利用できるようになる。Facebook Connectを利用すれば、Facebookにゲームの情報やスクリーンショットをアップロードでき、ゲーム体験を多くのユーザーと共有できる。

Last.fmをゴールドメンバーに対し無料提供

 CBS Interactive Music Groupが提供する音楽配信サービス「Last.fm」を、Xbox Liveゴールドメンバーシップのユーザーに対して、無料で利用できるようにする。

 最後に、今回、動画配信サービスの展開地域に新たに10カ国が加わり、全18カ国になることが発表されたが、日本市場は依然として含まれていないのが気になった。リージョンや著作権の問題など、様々な要素がネックとなっていることは理解できるが、だとすれば日本独自のサービスを企画すべきであり、不公平感はぬぐいがたい。今回の発表により、サービスレベルの格差はまた一段と広がってしまった印象が強いが、これ以上地域によるサービスの格差が広がらないことを願うばかりだ。
【SKY】
BSkyB Ltdが提供するSkyのライブ放送またはオンデマンドTVがXbox 360で視聴可能に。「ビデオマーケットプレイス」は、もはやセットトップボックス的なサービスとしては並ぶものはいない

【FacebookとTwitterに対応】
ゲーム、映像、音楽に続く領域はコミュニティサービスだった。FacebookとTwitterユーザーのゲームファンにとっては嬉しいニュースだろうし、これをきっかけにより一層ゲームコミュニティが盛り上がりそうだ

(C)2009 Microsoft Corporation. All Rights Reserved

(2009年 6月 2日)

[Reported by 中村聖司 ]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright © 2016 Impress Corporation. All rights reserved.