カプコン、「モンスターハンター5周年記念オーケストラコンサート ~狩猟音楽祭~」
「モンハン」シリーズ初のオーケストラコンサートを開催。約2,000人のファンが演奏に陶酔


5月6日 開催

会場:東京芸術劇場 大ホール


 株式会社カプコンは、「モンスターハンター5周年記念オーケストラコンサート ~狩猟音楽祭~」を5月6日に東京・池袋「東京芸術劇場 大ホール」で開催した。

約2,000名を収容可能なホールがほぼ満席に
左から小宮山氏、藤岡氏、辻本氏、小嶋氏
ロビーにはイラストも展示されていた

 「モンスターハンター5周年記念オーケストラコンサート ~狩猟音楽祭~」は、今や同社を代表する作品へと成長を遂げたハンティングアクション「モンスターハンター(モンハン)」シリーズの生誕5周年を記念したコンサート。このコンサートでは、クラシック音楽の古典から現代作品まで幅広いレパートリーを持ち、さまざまなジャンルとのコラボレーションも積極的に行なう指揮者・栗田博文氏率いる東京フィルハーモニー交響楽団による美しく力強い演奏が展開された。

 当日は、約2,000名を収容可能な「東京芸術劇場 大ホール」がほぼ満席となる盛況ぶり。ステージには、プロデューサーの辻本良三氏をはじめ、ディレクターの藤岡要氏、同じくディレクターの一瀬泰範氏、プランナーの小嶋慎太郎氏の「モンハン」ファンにはもはやお馴染みの面々に加え、作曲を担当した小宮山優子氏が登場し、曲の合間に演奏曲の感想を語ったり、曲解説を行なうなどしてコンサートを盛り上げた。

 また会場内では、コンサートで演奏される曲目のライナーノートや使用楽器の解説などをまとめた「モンスターハンター5周年記念オーケストラコンサート オフィシャルパンフレット」をはじめ、ファンにはお馴染みの楽曲「英雄の証」のうちのワンフレーズを収めた「モンスターハンター オルゴール ~英雄の証~」や狩猟曲を集めた「モンスターハンター 狩猟音楽集II」などを先行販売する物販コーナーも出展され、多くのファンで賑わっていた。なおこれらのグッズは、5月7日より同社のオンラインショップ「e-CAPCOM」での販売が始まる。

 さらに、2009年夏発売予定のWii用「モンスターハンター3(トライ)」の最新プロモーションムービーが上映されるなど、合奏以外のプログラムも充実していた。

 余談だが、コンサートが始まるまでの待ち時間に「ひと狩りいこうぜ!」といった感覚で、一緒に会場を訪れた仲間とロビーやホールで狩りに興じる姿が多く見られた。これはゲームを題材にしたオーケストラならではの光景といえるだろう。




民族楽器の奏者。左から、江崎さん、山本さん、藤林さん、近藤さん
オーケストラをバックに美声を披露した歌姫(Ikukoさん)

 まずは、辻本氏が「オーケストラを開催して欲しいという要望は、ユーザーだけでなく開発陣からも多数挙がっていました。プロジェクト自体は、1年前くらいからスタートしていましたが、『モンハン』シリーズの生誕5周年という節目の年に開催できることになり誠に嬉しいです」とコメント。続けて「本日演奏される曲は、どれも思い出深い曲ばかりです。曲を通じて『モンハン』シリーズの世界を楽しんでください」と冒頭の挨拶を述べ、コンサートが開幕した。

 コンサートでは、東京フィルハーモニー交響楽団に加え、「モンハン」シリーズの村や街の音楽に使われている民族楽器の奏者として、江崎浩司さん、山本サトシさん、藤林昌彦さん、近藤郁夫さんの4名、さらに「モンスターハンターフェスタ」のライブステージでも美声を披露した歌姫(Ikukoさん)が登場。辻本氏よると、本来なら管楽器や弦楽器などの楽器で合奏する音楽を披露するオーケストラで、歌姫の歌も含めた演奏を行なうことは、この企画を考え始めた当初から決めていたという。

 「モンハン」シリーズの楽曲を題材とした初のオーケストラで演奏された曲目は、初代「モンスターハンター」のオープニングテーマ「Monster Hunter」を皮切りに、ゲームに登場するモンスター「ラオシャンロン」の登場シーンの楽曲「眼光 -The Hunted-」、「モンスターハンター2(dos)」で冒険の拠点となる村で流れる曲「恵み深い人々の村」、「モンスターハンターポータブル2nd」を象徴するモンスター「ティガレックス」のテーマソング「牙を剥く轟竜」など、歴代シリーズを代表する楽曲が次々と披露された。

 さらにアンコールとして、「可愛いアイルー」と「狩人よ、前へ」の2曲を披露。「可愛いアイルー」については、天井から吊るされていたモニターに曲目が映し出されると同時に会場からどよめきが起き、もはや「モンハン」シリーズのマスコットキャラクターと言っても差し支えないほどの人気を誇るアイルーの愛らしさを見事に表現した演奏を、聴衆はそれまでの曲よりもリラックスして楽しんでいた。

【プログラム】
1.「Monster Hunter」(モンスターハンター)
2.「目覚め」(モンスターハンター)
3.「眼光 -The Hunted-」~「Lioleus/咆哮」~「Monoblos/真紅の角」
(いずれもモンスターハンター)
4.「動く霊峰」~「勇者のためのマーチ」(いずれもモンスターハンター)
5.「恵み深い人々の村」(モンスターハンター2(dos))
6.「嵐に舞う黒い影 ~クシャルダオラ~」~「炎国の王妃 ~テオ・テスカトル&ナナ・テスカトリ~」(いずれもモンスターハンター2(dos))
7.「精霊へ歌う唄」(モンスターハンター2(dos))
8.「ポッケ村のテーマ」(モンスターハンターポータブル 2nd)
9.「牙を剥く轟竜/ティガレックス」(モンスターハンターポータブル 2nd)~「闇に走る赤い残光/ナルガクルガ」(モンスターハンターポータブル 2nd G)
10.「英雄の証」(モンスターハンター)
11.「生命ある者へ」(モンスターハンター3(tri))
※カッコ内は、収録タイトル

 今回のコンサートでは、メドレーやアンコール曲も含め合計で18曲を演奏。打楽器やトランペット、ホルンなどがメインとなる力強い曲の場合は「赤」の照明、フルートやバイオリンなどが主役となる穏やかな曲の場合は「青」や「緑」の照明という具合に、照明による演出も印象的だった。

 1つの曲、1つのメドレーの演奏が終わるたびに、客席からは万雷の拍手が沸き起こりそれに指揮者以下奏者たちが応えるという、まさにステージと聴衆が一体となった5周年を記念するにふさわしいイベントとなった。

曲調に合わせて、緑、赤、青といった色の照明による演出も行なわれた


(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

(2009年5月7日)

[Reported by 中野信二 / 写真提供:カプコン]