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「バトルフィールド1 Incursions」ファーストインプレッション
あの「BF」がついにeスポーツに本格参戦! 5対5の超高密バトルを実現
2017年9月11日 01:00
大規模マルチプレイの元祖的存在であり、16人、32人、64人と作品を重ねる毎に同時対戦人数を増やして来たElectronic Artsの「バトルフィールド」シリーズが、ついにeスポーツに舵を切る。
8月のgamescomに合わせて、「Battlefield 1 Incursions」というタイトルのお披露目と、概要が公開され、同時に初のハンズオンが行なわれた。本稿ではそのインプレッションと、最初から最後まで通しでプレイした映像を収録したのでそちらも合わせて紹介したい。
まず「BF1 Incursions」が、従来の新モードの追加や定期アップデートと根本的に異なるのは、本モードが「BF1」のプレイスタイルを根本的に変えるものになっていることだ。
これは「Call of Duty」で言うところのゾンビモード、「Grand Theft Auto V」で言うところのGTA Onlineぐらい従来からかけ離れたモードで、「BF1 Incursions」の場合は、結果としてElectronic Artsがこれまで重視してこなかったeスポーツに徹底的にフォーカスしたものだ。昨今のFPSトレンドを鑑みる限り、この「BF1 Incursions」が「BF1」のメインモードになる可能性が高い。
この背景には、FPS市場を圧倒的な勢いで侵食している「オーバーウォッチ」(Blizzard Entertainment)や、チームベースFPSの本家本元としてこちらも競技人口の多い「Counter-Strike Grobal Offensive」(Valve)の存在と、2~3年に一度のペースで完全新作のFPSをリリースすることのビジネスモデルとしての限界を意味している。
FPS全盛の時代はホリデーシーズンに「バトルフィールド」を筆頭に「CoD」や「Halo」の新作を遊ぶというというのが一般的なゲームシーンだったが、今はアップデートを継続して実施し、ロングスパンでサブスクリプションモデルで稼ぐ時代に変わって来ている。ゲーム業界のジャイアントであるEAが、フラッグシップタイトルにeスポーツモードを取り入れたのはそうした時代の変化を象徴する出来事と言っても過言ではないだろう。
それではさっそくインプレッションに入ろう。プレイフィールは当たり前だが従来の「BF1」そのままだ。時代設定も第一次世界大戦のまま、チームベースのタクティクスも基本的には同じだ。
ただ、5対5になったことで、マップが小さくなり、開始から10秒足らずで会敵するような超高密度バトルが繰り広げられる。「BF1」にはもともと小隊の概念が存在するが、その結びつきを強くし、仲間との連携をさらに深めたような印象だ。
参加者は青のチームバター、赤のチームアップルにわかれる。各チームの5人は、「League of Legends」のようにそれぞれ明確にロールを与えられている。リーダー1人、運転手1人、ソルジャーが3人、兵科はTrench Surgeon、AT Assault、Control Leader、Mortar Support、Battle Mechanicなどから1つを選ぶ。
基本的なプレイスタイルは、自身の兵科の特性に合わせて仲間と協力しながら動いていくことになる。時間の経過により、新たな武器やアビリティが開放され、徐々に派手な戦闘が繰り広げられていく。
ゲームのルールは、eスポーツモードらしくラウンド制になっている。各メンバーのキルや占領といった戦果によってスコアが加算され、相手より先に15ポイントに達すると1ラウンド獲得となる。いずれかがラウンドを獲得した時点でポイントはクリアとなり、1からとなる。
ただ、このラウンド制がユニークなのは、「CSGO」のように全滅もしくは爆破で1ラウンド終了、両チームスタート地点からやり直し、というわけではなく、従来の「BF1」のマルチプレイのように、1回ゲームがスタートしたら基本的に完全に決着が付くまで戦いは継続され、20分のバトルの中でシームレスにスコアとラウンドが加算されていくというかなり斬新なスタイルが採用されている。
唯一の例外はハーフタイムが存在することで、今回のバージョンではいずれかが5ラウンドを獲得した時点でハーフタイムとなり、場所を入れ替えて再スタートとなった。動画ではそのまま6ラウンド目も取得して勝利となったが、ラウンド数やハーフタイムのタイミングなどは、現在実施されているクローズドβテスト等を通じて調整が入りそうだ。
今回収録した実機映像は、見ての通り、下手くそなプレイでまったく戦果を挙げられていないばかりか、味方の弾薬提供の要望にも応えられていないていたらくだが、数名非常に上手いプレーヤーがいて、どんどんポイントとスコアが重ねられているのがわかる。
個人的な印象としては、大人数でワイワイ楽しむ従来のマルチプレイも楽しいが、自身の役割を明確に与えられ、5対5で高密度のバトルを「BF1」で楽しみたいという需要も大きいことは想像できる。ゲームフィールとしては、また新たなゲームが始まったような新鮮な感覚があり、特にeスポーツ対応を望んでいたFPSファンに高い評価を受けそうだ。
逆に現時点で見えないのはマネタイズの部分で、純粋に有料DLCとして売り切り型のモデルになるのか、「CSGO」や「PUBG」のようにスキンやコスチュームのような形でマネタイズが行なわれるのか、こうした部分も含めて今後の展開に注目したいところだ。