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【特別レポート】プロゲーマーのネットワークトラブルをネットギアが解決!

「SCARZ」のゲーミングハウスに「Nighthawk S8000」を導入

【Nighthawk S8000】

価格:
オープン
市場想定販売価格 12,580円(税込)
※アマゾン 7月13日現在
プロフェッショナルe-Sportsチーム「SCARZ」

 様々なゲームタイトルで世界と戦うe-Sportsのプロチーム「SCARZ(スカーズ)」。関東某所に、「SCARZ」の活動拠点となるゲーミングハウスがある。複数台のゲーミングPCを1部屋に設置し、チームメンバーが共同生活を送りながら日々切磋琢磨している。

 e-Sportsの多くはオンラインゲームであり、「SCARZ」でも「League of Legends」などのオンラインゲームで戦っている。複数台のPCを一室に集めて、同時にオンラインゲームをプレイするとなると、安定したネットワーク環境の整備が重要になる。

 そこに手を差し伸べたのが、ネットワーク機器を手掛けるネットギアだ。ネットギアは「SCARZ」のスポンサーとなり、快適なゲームプレイに必要なネットワーク機器を提供している。今回、その環境構築の様子を、一部ながら取材することができた。

【「SCARZ」とは】

 世界中のe-Sports大会で好成績をおさめ続け、現在複数のe-Sportsタイトルで活動中の、日本を代表するプロフェッショナルe-Sportsチーム。

 SCARZならではのゲーミングハウスで、24時間体制の特訓を日々続けながら、e-Sportsの世界で頂点を目指している。

SCARZのゲーミングハウスで練習している様子(※ネットギア製品を使用していなかった、4月撮影のもの)

□「SCARZ」のホームページ
http://www.scarz.net/

過酷なゲームプレイ環境で起こる不具合を解決する

SCARZ

 「SCARZ」のゲーミングハウスでは、インターネット回線として「NURO 光」を導入している。下り2Gbps、上り1Gbpsの高速回線だ。これにゲーミングハウス内のゲーミングPCや、チームメンバーが所有しているスマートフォンなど、複数の端末が接続されている。

 メンバーはゲームプレイの他に、マッチングの合間に他のプレーヤーのプレイ動画を見て勉強している。マッチングが完了するとウインドウをゲームに切り替えてプレイする、というのが練習時の流れだ。つまり、ゲームをプレイするPCの裏で、動画が再生されっぱなしになっていることも多い。

 ネットワーク的に見ると、複数台のPCで同時に高解像度のストリーミング映像が再生され、その上にタイムラグを極力少なくしたいオンラインゲームの通信が乗ってくる。場合によっては、一部のPCでゲームのダウンロードやアップデートが発生したり、他のメンバーを含むスマートフォン等の端末からの通信も入ってくる。そしてこれら全ての通信は、最終的に1本のLANケーブルを通してインターネット側とやり取りされる。一般的な家庭ではあまり考えられない、過酷な通信環境だ。

 ではネットワーク環境はどうだったかと言うと、「NURO 光」のONU内蔵ルーターから、1000Base-TのLANケーブルで8ポートのスイッチングハブに接続。そこから6台(取材時)のゲーミングPCに、1000Base-TのLANケーブルで有線接続されている。8ポートハブは実売4,000円ほどの一般家庭向けのものだった。

 インターネット接続が高速回線なこともあり、この状態でもスピードテストやPing値には特に問題は見られなかった。ただ、夜間などのインターネットが混雑する時間帯に、複数のゲーミングPCで一斉にオンラインゲームをプレイしようとすると、一部のメンバーのPCにタイムラグが発生したり、場合によってはゲームから切断されるというトラブルが、時折発生していたという。

 この問題を解決するため、ネットギアから「Nighthawk S8000」が提供された。8ポートのスイッチングハブという点では同じだが、本機には問題解決に繋げられるポイントがいくつかある。

「Nighthawk S8000」でネットワークが安定化!

Nighthawk S8000の接続例

 「Nighthawk S8000」は、「ゲーミング&ストリーミング Nighthawk スイッチ」とうたっている製品だ。単なるスイッチングハブとは違い、明確にゲーミング向けである。

 結論から言うと、既設のスイッチングハブを「Nighthawk S8000」に変更しただけで、先述のタイムラグやゲームの切断といったトラブルが解消されたという。その理由として考えられるのは、「Nighthawk S8000」が持つ高いパフォーマンスだ。

 通信の混雑が少ない低遅延ネットワークにおいては、「Nighthawk S8000」のパフォーマンスは2.7マイクロ秒とされている。一般的なGigabitスイッチングハブでは3.7マイクロ秒かかる(ネットギア調べ)としており、1マイクロ秒の優位がある。とはいえ、この差はゲームのパフォーマンスに影響するほどの数値ではない。

 ポイントとなるのは、通信が混雑している高遅延ネットワークにおけるパフォーマンスだ。一般的なGigabitスイッチングハブが451マイクロ秒(ネットギア調べ)までパフォーマンスが低下するのに対し、「Nighthawk S8000」は4.7マイクロ秒と、僅かな落ち込みに留めている。まさに桁違いの性能を発揮している。

 オンラインゲームの通信処理は、速くても1/60秒、約16ミリ秒単位となる(いわゆる1フレームと呼ばれる時間)。451マイクロ秒、つまり0.451ミリ秒という遅延は、確率的に考えると、35回に1回ほど1フレームの遅延を生む可能性がある。カジュアルゲーマーからすれば大きな数字とは言えないが、ゲームを生業とするプロゲーマーにとっては看過したくない数字であろう。

 また筐体は亜鉛合金を採用した未来的なフォルムをしている。見た目の面白さだけでなく放熱性にも優れており、ネットワーク負荷が上がった際にも安定した処理を続けられる要因になっている。

 Gigabitスイッチングハブという表面的な機能は同じでも、シビアなコンディションでも安定したパフォーマンスを発揮できるかどうかという点では異なる。ゲーミング向けをうたうだけのことはある。

SCARZのMei選手。取材時には、「Nighthawk S8000」導入により、ネットワークの安定度が増したとコメントしてくれた

QoSやリンクアグリゲーションにも対応する高機能

Windows PCなら、「Nighthawk S8000」を接続するだけで簡単に設定画面を呼び出せる

 家庭向けのスイッチングハブは、設定等はなく、ただLANケーブルを繋ぐだけというものが一般的だ。「Nighthawk S8000」はただLANケーブルを繋ぐだけでも使えるが、他にも多彩な機能を有している。

 まずゲーマー向けに便利な機能が、ポート単位のQoS(Quality of Service、帯域制御)だ。難しそうに聞こえると思うが、特定のLANポートに接続された機器の通信を優先するという、シンプルな機能である。具体的には、他のPC等で大容量のダウンロードなどをかけても、ゲームを遊んでいるPCの通信が妨げられないようにできる。家族でインターネット接続を共有しているような場合に効果がある。優先するポートを2つにしたり、優先させず全てのポートを公平に扱う(ポート単位のQoSを行なわない)ことも可能。ちなみにIEEE802.1pによるQoSにも対応している。

 さらに、8つのポート全てに帯域制限がかけられる。例えば3番ポートは最大で128Mbpsしか通信できないようにする、といった設定ができる。制限は上り下りを別に設定でき、設定項目は512Mbps、256Mbps、128Mbps……と半減して、最低は512Kbps。

 次にリンクアグリゲーション。これは機器間に複数のLANケーブルを接続し、通信速度を高める仕組みだ。例えばハブとハブの間を2本のLANケーブルで接続すれば、その間の通信は1Gbpsが2本分、2Gbpsとなる。本機では最大で4本、4Gbpsまで対応する。接続先の機器もリンクアグリゲーションに対応している必要があるため常に使える機能ではないが、ハブ以外に無線ルータやNASなどでも対応しているものがある。

 他には、ポートLEDの光をオフにする機能もある。通信中にポートLEDがチカチカして気になるという人はまとめてオフにできる。ただし天板にあるV字の青色LEDは消せないようだ。

 これらの設定画面に入るのも簡単だ。Windows PCであれば、同一LAN内に「Nighthawk S8000」を接続した後、エクスプローラーからネットワークを開くと、ネットワーク インフラストラクチャの項目に自動的に「Nighthawk S8000」が表示される。ダブルクリックするとブラウザが立ち上がり、パスワードを入力すれば設定画面に入れる。

ポート単位のQoSに対応。ゲーム用PCやストリーミング配信用PCの通信を優先できる
最大4Gbpsのリンクアグリゲーションにも対応
ポートごとに帯域制限もかけられる
ポートLEDが光らない設定にもできる

何もしなくても発揮する高性能と、手を加えられる多機能が共存

 本稿の主題である「SCARZ」のネットワーク環境の改善は、スイッチングハブを「Nighthawk S8000」に置き換えるだけで果たされている。単なるスイッチングハブとして使えて、それでいてきちんと高性能や高い安定性を発揮するというのが本機の魅力の1つ。

 その上で、QoSやリンクアグリゲーションといった機能を活用できるところも大きなメリットがある。特にポート単位のQoSは常に使える便利な機能だ。たとえ手を触れていないブラウジング用のPCでも、バックグラウンドでOSやアプリケーションのアップデートが自動で走るのは日常茶飯事であり、そんなことで熱中しているゲームに影響が出るのは不本意極まる。ポート単位のQoSがあるだけで、ゲームの安心感がぐっと増す。

 またゲーマーにとっては、外見も重要な要素と言える。ネットワーク機器というのは実用性一辺倒で、スイッチングハブといえば直方体と決まっている。だから見えない場所に置きたいが、新たな機器の追加や場所の移動などでLANケーブルの抜き差しが発生しがちで、目が届かないどころか手も届かないところに押しやると後悔する。「Nighthawk S8000」は、ゲーミングデバイスとして見せるデザインになっており、意外と希少な価値がある。

 価格は実売で15,000円程度と、一般的な8ポートスイッチングハブと比較するとかなり高価なのは確かだ。しかし究極のPCゲーミング環境を求める人も、意外とネットワーク環境は杜撰だったりすることも多いはず。この機会に、ネットワーク環境を1度見直してみてはいかがだろうか。