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【PlayStation E3 Showcase】「Days Gone」が描く、襲いかかるゾンビと逃げる人々が生み出す“うねり”

パンデミックでむき出しになる、残酷な人間性

6月12日 開催(米現地時間)

会場:Shrine Auditorium

 今回、PlayStation E3 Media Showcaseにおいて紹介された「Days Gone」は多くの人の心をつかんだのではないだろうか。本作はSIE Bend Studioが開発するオープンワールドサバイバルアクション、昨年のE3ではとにかく“大量のゾンビに追われる”という面を強調されたデモが行なわれていたが、今回具体的なゲームプレイが見えてきた。

嵐の中強引に出発する主人公
つるされた死体の間を抜ける、エグイ描写だ
襲いかかるゾンビ集団。この“生々しさ”は必見である
仲間との雰囲気はユーモラスで、ドラマも興味深い

 「Days Gone」はゾンビパンデミックで崩壊した世界が舞台となっている。ゾンビは世界中に蔓延し、群れをなして活動している。生き残った人間達は少数のコミューンを形成し、防御用の施設などを使ってゾンビを食い止めている。生き残った人々同士の勢力争いも盛んであり、非常に殺伐とした世界のようだ。

 主人公はコミューンの人々が止めるのも聞かず、敵対するコミューンにとらわれた友人を救出しにバイクに飛び乗り出発してしまう。行く途中に群れからはぐれた野良ゾンビや、野犬に食われてしまったゾンビを見る。しかし野犬たちが主人公を追いかけてきてしまった! 主人公はバイクで疾走しながら、併走する野犬を撃ち抜き撃退する。しかし道路に張り巡らされたロープが主人公にぶち当たり、主人公は路上に投げ出されてしまう。

 起き上がれない主人公に襲いかかる2人の追いはぎ。主人公を羽交い締めにボコボコにしようとする。主人公はそれをふりほどき躊躇せずナイフを1人に突き立てる。そしてもう1人にも体ごと突進、ロープで絞め殺してしまう。彼らこそ、敵対コミューンの一員だった。主人公は身を潜めて敵の集団に近づく。

 見張りの首を折り、仕掛けられていた虎ばさみを茂みに移動させ設置し、茂みに石を投げ込み、様子を見に来た敵が虎ばさみに挟まれ悲鳴を上げ、集団がそれに気をとられた隙に、さらに奥に歩を進める。

 主人公はそこにぞっとする景色を発見する。ゾンビの集団だ。彼らは敵対コミューンの近くにいるのだが、罠やバリケードで防がれ、彼らが「ゴミ置き場」として捨てている死体を夢中になってむさぼり食っていたのだ。主人公は彼らに気づかれないように息を潜めて移動し、バリケードを抜ける。

 そこには敵対コミューンのリーダーがいて、主人公の仲間をいたぶっていた。彼らは2階にいて、1階には武装した集団がいた。主人公はバリケードにとって返し、爆弾を仕掛けて距離をとる。爆発するバリケード、そしてそこにゾンビ達が殺到し、武装集団に襲いかかり、そのまま逃げる人間を追い、森の奥に行ってしまった。

 2階に上がった主人公の前に、仲間を人質に取るリーダー。しかし仲間がリーダーに頭突きを食らわせその隙に、主人公はリーダーを射殺。……しかし、その銃声は強力に変異したクマの注意を惹いてしまう。こちらに近づいてくるクマと、絶望的な表情を浮かべた2人をとらえた視点で、ムービーは終了した。

 今回のムービーで圧倒的だったのはやはりゾンビ集団の描写だ、“群体”としてバリケードをぶち破り敵集団に襲いかかる圧倒的な描写は、地震の地形の変化や海の波のシミュレーターを見ているかのような独特の力の描写を感じさせる。その“塊”の1つ1つがゾンビで構成されており、しかもそれに飲み込まれながらも必死で逃げる敵集団とで合わさった動き、目の前の集団が変化し、そして全く異なる動きを生み出すそのダイナミックな動きは大きな驚きをもたされる。こういった演出がどのようなゲーム空間を作り出していくのか、本当に楽しみだ。

 そして殺伐としたその世界観にも注目したい。このあまりに殺伐とした世界をまさに他人の肉を食らうようなエグさで生き残る人々と、群体として個々の自意識を失って活動するゾンビ達、彼らがどのようなドラマを生み出していくのだろうか。主人公と相棒のユーモラスさを感じさせるやりとりも面白い。ただの殺伐としたエグイだけの世界でない、面白そうなストーリーが展開しそうである。

【Days Gone】
バイクの描写、地域の移動も面白そうだ
躊躇なく命を奪う。この殺伐さが、情勢の厳しさを物語っている
騒ぎを起こした隙に、より奥深くへ潜入する
ゾンビの集団、集団の恐ろしさがこの作品のキモだ
バリケードを爆破、敵にゾンビの集団が襲いかかる
リーダーとの対峙、友人の無事を喜ぶまもなく恐怖が……