ニュース

「FFXIV: 紅蓮のリベレーター」、ジョブ別スキル解説【ヒーラー編】

カードが無駄なく使える占星術師、白魔道士と学者にも新ゲージが登場

5月23日 開催

会場:ドイツ・Yu Garden Hamburg

 スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)」の最新拡張パック「紅蓮のリベレーター」のバトルなど新要素を体験できるメディアツアーを、ドイツ第2の大都市 ハンブルグで開催した。

 今回触ることができたのは、全ジョブのレベル70までの新技能。このレポートでは、白魔道士、学者、占星術士のヒーラー3ジョブについて、変更点や新技能を紹介していきたい。ヒーラーは、必須技能がほとんどロールアクションに移動したため、それぞれの個性がより際立つ調整になっている。白魔道士の「ヒーリングリリー」や、学者の「深謀遠慮の策」、占星術士の「アーサリースター」など、そのジョブのイメージにあった面白い新技能が追加されている。短い時間ではあったが、触ってみたインプレッションをお届けしたい。

 尚、本文中やスクリーンショットに使用しているスキルの詳細については、あくまでも開発中のバージョンであり、今後変更される可能性があることをご留意願いたい。

咲いてる花の数でヒーリングの効果が変わる「白魔道士」

 これまで特にバフの数値管理がなかった白魔道士には、独自のゲージとして「ヒーリングリリー」という新要素が加わっている。「シークレットリリー」は、レベル52から使えるようになる特性で、HPが減っている相手や自分を「ケアル」か「ケアルラ」で回復したときに20%の確率で、ゲージの白い茎の先に赤い「ヒーリングリリー」が咲くようになる。

 ヒーリングリリーが咲いている状態では「アサイラム」、「アサイズ」、「テトラグラマトン」と新技能「ディヴァインベニゾン」のリキャストタイムを短縮させる。花は最大3つまでスタックし、短縮率は、咲いている数によって4%、10%、20%と変化する。上記の技能を使うと、花は消えてまた貯め直すことになる。

 レベル62から覚える新技能は、便利なものが揃っている。「シンエアー」は、一定時間自身の魔法詠唱によるMPが0になる便利な技能。MP消費が激しい白魔道士にとっては、待望の技だ。「ストンジャ」は、「ストーン」系の上位魔法。「ディヴァインベニゾン」は、パーティメンバー1人を対象に、被ダメージを15%軽減するバリアを張る。

 レベル70で覚える「インドゥルゲンティア」は、周囲のパーティメンバーに「ケアル」や「ケアルラ」を使ってHPを回復したときに、20%の確率で回復魔法を使った相手に「インドゥルゲンティア」というバフを付与する。このバフは3つまでスタックし、スタックした数に応じて、技を使ったときの回復量が変化する。

 残念ながら、今回の試遊では、この「インドゥルゲンティア」を使いまくれるようなレベル70の強敵がたまにポップするSモブくらいしかいなかったので、ほとんど試すことができなかったので、この技能についてはぜひ自分たちで確かめて欲しい。

 既存の技能では、「ディヴァインシール」、「女神の加護」、「ストンスキン」、「ストンラスキン」が削除され、その性能の一部と「クルセードスタンス」、「プロテス」、「アイ・フォー・アイ」、「エスナ」がロールアクションに移動した。また、「ケアルラ」にあった「ケアルガ」の消費MPを半減させる追加効果は削除され、かわりに「メディカ」に対象を限定せず消費MPを半減する追加効果が加えられている。

 多少の変更はあるが、白魔道士は使い勝手に大きな変化はない。ただ、これまで便利に使っていた技能の多くがロールアクションに移動したため、10個の中からどの5つを選ぶかに悩むところだ。

トリッキーな回復手段が増えた「学者」

 学者も、大きな変更こそないものの、「深謀遠慮の策」と「エーテルパクト」という、非常に独創的な新しい回復手段が追加され、使っていてさらに楽しいジョブへと進化していてる。これまで通りのエーテルフローを管理するためのゲージに加え、新たに「フェアリーゲージ」というものが導入された。

 フェアリーゲージは、フェアリーを呼び出している間にエーテルフローを消費すると貯まる「フェイエーテル」の貯まり具合を示す。MAXは100で、レベル70で覚える「エーテルパクト」で消費される。

 「エーテルパクト」は、フェアリーをパーティメンバーの1人と輝くラインで繋いで継続回復させる「フェイユニオン」を発動させる。発動にはフェイエーテルが10以上必要で、その後はゲージの残り分だけ継続的に相手を回復していく。フェイエーテルは、戦いの中で自然に貯まっていくので、長期戦になればなるほど回復時間も長くなる。

 他にも、レベル62で覚える「深謀遠慮の策」は、パーティメンバー1人に「HPが50%を下回ると即座に回復を行う」というステータスを付与するという、あらかじめ回復技能をかけてダメージに備えるという、少し変わった技能。

 レベル64で覚える「魔炎法」は、「気炎法」の上位魔法。レベル66で覚える「連環計」は、敵が一定時間クリティカルヒットを受ける確率を20%上昇させる。

 通常技能からは「ウイルス」、「サステイン」、「アイ・フォー・アイ」、「生命浄化法」が削除されている。比較的変更箇所が少ないジョブなので、それほど使い勝手に違いはなく、これまで通りに活躍するだろう。

カードが無駄なく扱えるようになった「占星術師」

 占星術士も、「3.0」の間に何度も調整が繰り返されたこともあり、今回はどちらかというと、新技能の追加による順当な強化という印象が強い。ただし、スタンスの効果や一部の技には調整が入っている。

 「ノクターナルセクト」と「ダイアーナルセクト」の利用を均衡化するために、効果に調整が入っている。「ダイナーナルセクト」の効果が、リキャストタイムやキャストタイム短縮かと継続回復効果から、回復魔法の効果量10%上昇と継続回復効果へと変更になった。同時に「シナストリー」にあった、回復量20%上昇の効果がなくなった。

 既存技能ではロールアクションと効果のかぶる「ルミナスエーテル」、「デトリメント」、攻撃魔法の「ステラ」、与ダメージを10%減少させる「ドンアク」が削除されている。

 カード関係にいくつか新技能が入って、これまで不満点だった部分が改善されている。カードはこれまでのバフがすべてゲージとして一カ所にまとめられ、「ドロー」したカード、「ロイヤルロード」したカード、「キープ」したカードを一目で見ることができるようになった。「ドロー」すると、ゲージの中央にそのカードを示すアルカナシンボルが残り時間とともに表示される。「キープ」すると、それが左に移動し、「ロイヤルロード」すると、その効果が上に表示される。さらに、新技能の「マイナーアルカナ」で出たカードもゲージの右側に表示される。

 レベル30で覚える「アルカナ破棄」では、ドローしているカードを破棄できるようになった。これで、どうしても必要ないときに連続して出てきたカードを、容赦なくポイ捨てできるようになる。

 また、レベル66で覚える新技能「マイナーアルカナ」は、必要のないカードが出た場合に、そのカードを、単体攻撃効果がある「クラウンロード」か単体回復効果のある「クラウンレディ」のどちらかに変えることができる。

 さらに、レベル70のスリーヴドローは「ドロー」、「ロイヤルロード」、「キープ」、「マイナーアルカナ」を同時に行なうというかなりギャンブル性の高い技だ。ただし、すでにカードがセットされている場所は、そのまま維持されるので、「せっかくキープしておいたアーゼマがなくなった!」ということにはならないので安心して欲しい。

 残る2つの新技能は、「マレフィク」系の上位魔法「マレフィガ」と、幻想的な設置型の魔法「アーサリースター」だ。「アーサリースター」は、設置すると、円形に星が瞬きはじめ、「星の支配者」という状態が10秒間続く。この間に再使用すると「ステラバースト」という無属性の範囲魔法攻撃を発動しつつ、範囲内にいたパーティメンバーを回復する。

 10秒を過ぎると「巨星の支配者」という状態に変化して、そこからさらに10秒間維持される。この状態で「アーサリースター」を再使用すると、より強力な「ステラエクスプロージョン」という範囲魔法攻撃を発動しつつ、さらに回復力も高くなる。要するに、10秒以上待ってから発動したほうがお得になるという技で、あらかじめの準備力が問われることになる。

 占星術師は、とにかくカードの使い勝手がぐんとよくなったことが嬉しい。これまで、「またこれが出た!」とイライラしてたカードでも「マイナーアルカナ」でリサイクルできるようになり、カードの利用が進みそうだ。

ロールアクションには便利な技能が満載

 ロールアクションは「女神の加護」に相当する「ルーシッドドリーム」、効果が15秒間の魔法与ダメージ5%アップに修正された「クルセードスタンス」のほか、「アイ・フォー・アイ」、「エスナ」、「迅速魔」、「ディヴァインシール」に相当する「慈愛」など、これまでも必須技能とされていたものがすべてロールアクションに入っている。

 ほかに、無属性魔法攻撃と共にヘヴィを付与する「ブレイク」と、ヘイトがのったパーティメンバーを自分の近くに引き寄せる30m射程の技「救出」など、いろいろな局面で使えそうな面白い技もそろっている。

 ヒーラーとして求められる技能ばかりが揃っているので、どれを選択するか迷うところだ。コンテンツの難易度やパーティメンバーとの連携を考えつつ技能を選ぶのも、ヒーラーの新たな楽しみ方となるだろう。