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「FFXIV: 紅蓮のリベレーター」、新ジョブ体験レポート
攻撃特化型の侍と、ヒーラーも兼ねたハイブリッドなDPS赤魔道士
2017年5月31日 22:00
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)」の最新拡張パック「紅蓮のリベレーター」のバトルなど新要素を体験できるメディアツアーを、ドイツ第2の大都市ハンブルグで開催した。
今回触ることができたのは、全ジョブのレベル70までの新技能。このレポートでは、2つの新ジョブ「侍」と「赤魔道士」を使ってみての、筆者なりのインプレッションをお届けしたい。
尚、本文中やスクリーンショットに使用しているスキルの詳細については、あくまでも開発中のバージョンであり、今後変更される可能性があることをご留意願いたい。
多彩なコンボで斬りまくる、切り込み隊長の「侍」
まずは「侍」の基本的な情報をおさらいしておこう。侍は、モンクと同じSTRを基本ステータスに持つ近接のピュアDPSジョブ。日本刀を武器に、「居合術」、「必殺剣」という技を使って攻撃する。
侍の基本となるのは「花の閃」、「月の閃」、「雪の閃」という3つのバフをつけるためのコンボルートだ。例えば「刃風」>「士風」>「花車」というコンボは、攻撃しつつ、自らのリキャストタイムを縮めつつ「花の閃」を付けるという効果がある。同様に、「月の閃」をつけるルートでは、与ダメージアップ、「雪の閃」ルートでは敵に斬耐性低下のデバフを付けることができる。
また、範囲攻撃のコンボもある。前方扇形範囲攻撃の「風雅」に「桜花」という範囲攻撃をつなげると「花の閃」が、「満月」という範囲攻撃をつなげると「月の閃」が付与される。以上の5つのルートのほかに、「明鏡止水」という、ウェポンスキルのコンボを無条件に3回まで発動できるアビリティも用意されている。
この「閃」を消費して居合術が発動する。どの「閃」を付けているかは関係なく、付いている数に応じて「居合術」のアイコンが発動できるスキルに自動的に置き換わる。「閃」が1つだと、相手に物理ダメージ+継続ダメージを与える「彼岸花」が発動する。2つだと、前方に向かって扇状の範囲攻撃を繰り出す「天下五剣」に、3つ集めると、単体に対して強力な一撃を加える「乱れ雪月花」が発動する。
「閃」は画面上に刀のつばのようなアイコンで表示される。もう1つある刀のようなゲージは、コンボの過程で貯まっていく「剣気」を示している。赤く光る刀身として表示される「剣気」は、「必殺剣」を発動させるために必要だ。レベル52でマスタリーを習得すると貯まるようになる。
「必殺剣」は、単なる攻撃ではなく、様々な効果や性能のものがそろっている。もっともよく使うのは、効果時間中に実行するウェポンスキル1回分の効果を1.5倍にする「必殺剣・回天」だろう。「閃」が3つ貯まったところで、「必殺剣・回天」でブーストした後「乱れ雪月花」といった使い方ができる。
必殺剣にはほかにも、後方に飛びのきながら攻撃する「必殺剣・夜天」、対象に急接近して攻撃する「必殺剣・暁天」、範囲攻撃の「必殺剣・九天」、強力な単体攻撃の「必殺剣・震天」、前方物理攻撃「必殺剣・紅蓮」と多彩だ。
居合術は強力だが、アイコンを押してから発動までに数秒間の貯めが入る。必殺剣は即時発動だが、剣気を消費する。この2つをうまく組み合わせることで、DPSを伸ばしていくことになる。
さらに、刀から気合を放出して攻撃する遠隔物理攻撃「飛燕」、とどめに使うと「剣気」が貯まる「鳳蝶」、効果時間中に受けるダメージ1回を軽減する「心眼」、「心眼」の後に使うとHPを回復する「慈眼」と、物理攻撃の「星眼」など、必殺剣とも居合術とも関係なく発動できる便利な技が揃っている。
手数が多いだけに、使ってみると片時も攻撃の手を休めることなく、斬って斬って斬りまくるところに爽快感がある。インスタンスダンジョンでは、「閃」を貯める「桜花」や「満月」などの範囲攻撃を使い、居合術も範囲の「天下五剣」で雑魚を一掃する。ボスでは「月の閃」コンボで与ダメージを上げて、「彼岸花」で継続ダメージを入れつつ、「必殺剣・回天」と「乱れ雪月花」で削っていく。
「4.0」のDPS調整では、竜騎士や召喚士のように下準備を重ねて長い戦闘の中で強力な一撃を繰り出すといったものが多い中、侍とモンクは基本のルートを回し続けることで多数のダメージを積み重ねていくタイプだ。その分あまり考えずにどんどん殴っていけるところは、初心者でも扱いやすいジョブだと言える。だが、本気でDPSを出そうとすると、かなりの研究と慣れと、瞬間の判断力を求められるという意味では、玄人向けのジョブともいえる。
範囲技の多彩さから、インスタンスダンジョンでは、派手な大立ち回りを楽しめる。方向指定で「剣気」のボーナスがつく技もあり、厳密に剣気を管理しようとするとそれなりに忙しそうだ。しかし、慣れないうちは「閃」貯め用のコンボを積むのが忙しく、剣気ゲージが満タンになっていることに気づかなかったりと、なかなか必殺剣を有効活用できなかった。実際はレベル50でスタートした時には居合術しか使えず、レベル52で初めて必殺剣が使えるようになるので、そこからレベル上げの中で1つずつ使い方を覚えていくことになるだろう。
忍者に専用の走りエモートがあるように、侍も専用の走りを持っている。腰を落として、ダダダダッと走る姿はとてもかっこよく、そういう部分でも人気が出そうだ。
魔法でバランスよくマナを貯めてレイピアできめろ!
赤魔道士は、黒魔道士や召喚士と同じINTを基本ステータスに持つキャスタージョブ。しかし、近接の物理攻撃に加えて、「ヴァルケアル」、「ヴァルレイズ」という回復系の技能も持っており、ハイブリッド的な動きができるいままでにないジョブだ。
最大の特徴は、詠唱付きの魔法を使うと、次の魔法がかならずインスタントキャストになるという、赤魔道士だけが持つ特性「連続魔」だろう。攻撃魔法だけではなく、「ヴァルケアル」や「ヴァルレイズ」のような回復魔法でも詠唱があるものはすべて対象になるため、うまく使いこなせばDPSとしてだけではなく、ヒーラーとしても優秀な立ち回りが可能になる。
赤魔道士の攻撃魔法には「ジョルラ」と「インパクト」、「スキャッター」という独自の魔法のほか、黒魔道士系の「ヴァルサンダー」と「ヴァルファイア」、「ヴァルフレア」、白魔道士系の「ヴァルエアロ」と「ヴァルストーン」、「ヴァルホーリー」がある。
このうち、黒魔道士系の魔法では「ブラックマナ」というゲージが、白魔道士系の2つを使うと「ホワイトマナ」というゲージがそれぞれ貯まっていく。「ジョルラ」と「インパクト」は両方のマナを一度に貯めることができるが、上昇率は低い。マナが一気に11も貯まるが、詠唱時間が4.86秒もかかる「ヴァルエアロ」と「ヴァルストーン」をいかに詠唱なしで使っていくかがDPSに大きく影響し、さらに強力だが発動条件が厳しい「ヴァルフレア」と「ヴァルホーリー」を発動できるかどうかが決まる。
例えば、「ジョルラ」を1.94秒の詠唱付きで唱えて+3、次に詠唱なしで「ヴァルサンダー」を唱えて+11、ここで追加効果の「ヴァルファイア効果アップ」がつけば、詠唱時間1.94秒の「ヴァルファイア」で+9、次にまた詠唱なしで「ヴァルサンダー」で+11。これで34のブラックマナが貯まる。後述するが、マナはバランスよく貯める必要があるので次の「ジョルラ」を起点に、今度は「ヴァルエアロ」をキャンセルして、「ヴァルストーン」の追加効果を使ってホワイトマナを貯める。こうして白と黒の魔法をバランスよく使いつつ、ゲージを貯めていく。
赤魔道士にはレイピアを使った「リポスト」>「ツヴェルクハウ」>「ルドゥブルマン」というコンボルートがある。このコンボは、ホワイト/ブラックの両方のマナがある程度貯まっていると、「エンリポスト」、「エンツヴァルクハウ」、「エンルドゥブルマン」という強化技に自動的に変化する。それぞれの威力が倍増するので、それだけでも強力なのだが、最後の「エンルドゥブルマン」までマナを切らさず繋げることができれば、「ヴァルフレア」か、「ヴァルホーリー」が打てるようになる。コンボはそれぞれ30、25、25とマナを消費するので、80以上貯めてから発動しなければ途中でノーマル技能に戻ってしまう。
「ヴァルホーリー」と「ヴァルフレア」には、それぞれのマナを21上昇させる追加効果と、条件によって「ヴァルストーン」や「ヴァルファイア」の効果アップを発動させることができるため、消費したマナを一気に復活させることができる。
ここまでの一連の流れに、敵に急接近しつつ攻撃する「コル・ア・コル」と、飛びすさりつつ攻撃する「デプラスマン」を組み合わせると、魔法で攻撃した後、近づいて強力な物理攻撃を浴びせて、再び間合いから離れるという華麗な赤魔道士のアクションが完成する。
赤魔道士にはほかにも、無属性攻撃の「フレッシュ」、範囲魔法「コントルシクスト」、範囲攻撃の「ムーリネ」、相手をバインドする「テザー」、ゲージのたまりを2倍にする「マナフィケーション」、「ヴァルファイア」と「ヴァルストーン」の追加効果を必ず発動させる「アクセラレーション」、自身と周囲の与ダメージを一定時間引き上げる「エンボルデン」など多くの技能を持っている。
侍同様手数は多いが、マナをバランスよく貯めるという部分にアクションが凝縮されているため、侍よりも何をすればいいのかがわかりやすいジョブではないかと思う。一連の流れにそれなりに時間がかかるため、蛮神やレイドなど長期戦で本領を発揮するタイプだろうが、そこまでDPSを求められないバトルでは、オシャレ感のあるスタイリッシュなバトルスタイルをほれぼれ眺めていても、間違いなく楽しいジョブだ。
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