ニュース

観光GPSゲーム「2116 feel and color~それでもここにいる理由」

群馬県桐生市街地を巡るIoT観光コンテンツ体験レポ

2017年1月12日~3月31日 発売予定

価格:無料

 群馬県桐生市は、同市出身のゲームクリエイターであるニュートロンスターの殿岡康永氏と、NPO法人キッズバレイなどと協働し、地域観光促進を狙った体験型観光インフラとして、街探索型観光GPSゲーム「2116 feel and color ~それでもここにいる理由」を2017年1月12日から3月31日まで展開している。

 このゲームは、スマートフォンのGPS機能を使って街を巡り、桐生市街に設置されたセンサーに反応させることでストーリーが進行するという、日本初の街探索型のARゲーム。アプリはAndroidとiOS用が無料で配信されている。

 今回、本作の全貌が明らかになる体験レポートが公開されたので紹介したい。開催期間の終了日まであと数日しかないが、興味を持った人は、桐生市に出かけてみてはいかがだろうか。

桐生市を歩き回って、100年後の未来を救え!

 プレーヤーが桐生駅付近でアプリを起動すると、100年後の桐生市(キリュウ・シティ)に住む少女「ユキ」からのSOSメッセージを受信し、ゲームがスタートする。プレーヤーの目的は、100年後の桐生市を救うこと。ユキから届くメッセージをヒントに11のメインミッションをクリアし、敵であるアルカード社のD伯爵に勝利すれば達成できる。

 ユキと交信できるチェックポイントは9カ所あり、該当ポイントに到着するとスマートフォンが反応し、ユキからのメッセージを受信する。チェックポイントを移動するなからで、自然と桐生市街を散策できる仕組みになっている。しかし、アルカード社の監視の目もあり、発見されると「ヨガのポーズ」を取らなければならないという罰ゲームもある。

【ゲームの様子】

【ストーリー】

 ある日見知らぬメールが届いた。なぜかそれは100年後の未来からの、見知らぬ少女からのSOSであった。敵は世界企業アルカード社! 感情をもコントロールしようとするアルカード社の陰謀を暴いて、未来のキリュウ・シティを救え!

第1地点(JR・桐生駅構内)

 最初のミッションです。ユキから届くメッセージに、100 年前(私たちにとっては現代)の写真付きの問題があり、その問題に答えることで、ユキは現代を生きる私たちと交信が取れていることを確認します(実際にその場所にいるかどうかを確認されます)。

【スクリーンショット】

第2地点(桐生駅北口広場)

 ミッションをクリアすると、次の地点の場所が地図上に表示されます。いよいよ、街散策のスタートです。第2地点である桐生駅北口広場に到着すると、再び未来からの信号を受信します。クイズをクリアするとユキのおばあちゃんからのメッセージが届きます。

【スクリーンショット】

【付近の様子】

第3地点(魚民前)

 画面には次の行き先とそこまでの距離が示され、桐生駅北口広場から魚民前へと場所を移ります。最初は中々難しい印象のあるゲームでしたが、徐々に慣れてきました。

【スクリーンショット】

【付近の様子】

第4地点(ココトモ前)

 第4地点は桐生市のコワーキング&コミュニティスペース「ココトモ」。普段は、オフィスとして、休憩所としてなど、多様な使い方ができます。ここでは変装名人と出会い、アルカード社の監視の目を掻い潜るべく、酔っ払いのおじさんに変装します。ここはストーリーの後半部分でもあり、トイレ休憩やスマホの充電も可能です。観光がてら休憩をするのもいいかもしれません。

【スクリーンショット】

【付近の様子】

第5地点(あーとほーる鉾座前)

 第5地点はあーとほーる鉾座前。ここは、普段は明治初期の鉾(ほこ)と屋台をそのままステージとして活用しているユニークな多目的ホールです。こちらでは、なかなか首を縦に振らない頑固な合鍵職人と出会い、どうにかこうにか次へと進むための鍵を手に入れました。

【スクリーンショット】

【付近の様子】

第6地点(有鄰館)

 続いての地点は有鄰館です。こちらも、普段は多目的イベントスペースとして開放されていますが、樹齢300年に及ぶ楠の大木を囲み建ち並ぶ土蔵や煉瓦の蔵は、桐生の歴史そのものを物語る貴重な遺産としてもその風情を残しています。

【スクリーンショット】

【付近の様子】

第7地点(天満宮)

 続いての地点は、菅原道真公を御祭神とする天満宮。こちらでのミッション名は「隠された寺院」。ここではアルカード社へ行くためのハッキングキーを見つけました。

【スクリーンショット】

【付近の様子】

第8地点(北幼稚園前の歩道橋)

 最後の答えが書かれた歩道橋を渡り、いよいよD伯爵のいるアルカード社の本部へと向かいます。

【スクリーンショット】

第9地点(アルカード社)

 最後のステージはD伯爵とのバトルです。部屋に入ると、一面真っ白な部屋にプロジェクションマッピングの幻想的な映像が床や天井など一面に投影されています。最後のバトル内容は実際に行なってみてのお楽しみですが、プロジェクションマッピングとスマートフォンのセンサーを組み合わせた、全身で楽しめるど迫力の仕掛けになっています。

【最終ステージ】

【スクリーンショット】

【ゲームを終えてみた感想】
 スタート地点の桐生駅からゴールの北幼稚園までは徒歩で約 30 分ですが、ゲームをしながら進めていると、その距離を感じません。スマートフォンと実際の市街地が連動したGPSゲームは、地域観光の新たな形態として可能性を感じるものでした。

 特に、D伯爵との戦いは、近年のテクノロジーを駆使した仕様になっており、観光とテクノロジーを融合したプロジェクトでした。一風変わった観光を楽しみたい方はもちろん、IoT技術、地域振興に関心のある方も参考になるのではないでしょうか。

【桐生市の様子】