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本日発売! Nintendo Switch「ぷよぷよテトリスS」試遊レポート&インタビュー
“いつでもどこでも&誰かと一緒に”がマッチするローンチの1本
2017年3月3日 07:00
いよいよ本日発売! Nintendo Switchのローンチタイトルの1つ、セガゲームスよりアクションパズル「ぷよぷよテトリスS」が発売となった。価格は4,990円(税別)でダウンロード版も同じ価格となる。
この発売に先駆けてメディア向けの先行試遊会が行なわれたので、Nintendo Switchでのプレイ感などをお伝えしていこう。
なお試遊会では「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀氏と、「ぷよぷよテトリスS」プロデューサーの片野徹氏によるゲーム説明やインタビューも行なわれたので、その模様もお伝えしよう。
様々なスタイルで、誰かと気軽に楽しみやすい1本。オンライン対戦は世界のプレーヤーとも戦える!
「ぷよぷよテトリス」は「ぷよぷよ」と「テトリス」の2大パズルゲームがコラボし、それぞれの遊び方だけでなく、コラボならではのミックスルールなど様々なルールで最大4人対戦が楽しめるタイトル。
同作は、これまでプレイステーション 4/3、Wii U、Xbox One、PlayStation Vita、ニンテンドー3DSと家庭用ゲーム機を網羅するように6機種で発売されてきたが、今回はタイトル名に「S」を加えて、Nintendo Switchのローンチタイトルとして発売となる。
Nintendo Switchならではのポイントは、ハードの特徴でもある“様々なプレイスタイルで楽しめる”ところ。ドックにセットして大画面で楽しむ「テレビモード」、ドックから取り外して携帯ゲーム機のように手元で楽しむ「携帯モード」、Nintendo Switchをテーブルに置きコントローラーのJoy-Con左右をひとつずつ持って複数人数でプレイする「テーブルモード」があり(テレビモードでも対応)、いつでもどこでも楽しめるし、本体ひとつで誰かと一緒に楽しむこともできる。
今作は初めて国内だけでなく世界中での発売が順次予定されており、オンライン対戦でも世界中のプレーヤーと対戦できるのがポイント。また、Nintendo Switchを持ち寄ってそれぞれの画面で楽しむ携帯ゲーム機のような対戦スタイルも可能だ(ソフトは人数分が必要になる)。
実際に試遊してみると、「ぷよぷよテトリスS」はゲーム内容としては他機種版とほぼ同様で、このあとのインタビューでもお答え頂いているが、PS4版を基準にNintendo Switchでも楽しめるものに仕上げている。
Nintendo Switchは、前述のように様々なスタイルで、誰かと気軽に楽しみやすいところがポイントだ。まず「テレビモード」でのプレイは据置ゲーム機としてじっくり落ち着いてプレイできる良さそのもの。大きな画面なら最大4人でのプレイも余裕を持って楽しめる。
Joy-Conを本体の左右に装着してスッとドックから持ち上げれば「携帯モード」。Wii U GamePadよりもさらに薄く軽量ながら、家だけでなくどこにでも持っていける強みを持ったNintendo Switchだけに、携帯ゲーム機向けに発売されてきた「ぷよぷよテトリス」の中でも今作は最もリッチな環境で楽しめるものになっている。
Nintendo Switch本体をテーブルに置いて楽しむ「テーブルモード」では、Joy-ConのL/Rをそれぞれ1P/2Pのコントローラーにすれば、いつでも本体1台だけで2人対戦が楽しめる。もちろん、追加のJoy-Conを用意すれば最大4人のプレイも可能だ。ただし、Nintendo Switch本体の6.2インチスクリーンだと4人対戦は1人あたりの表示がだいぶ小さくなる。2人対戦が良いバランスと思えた。
Joy-Conでの操作の感触だが、「ぷよぷよテトリスS」のようなパズルジャンルだと、アナログ入力なLスティックよりも方向ボタンでの操作が向いている。これまでの任天堂ハードとは異なり十字ではなく独立した4ボタンでの方向操作になっているが、こちらの操作は良好で違和感のないものとなっていた。
ただ、Joy-ConのL/Rをわけあっての2~4人プレイのときにはJoy-Con1個を横持ちすることになるので、方向入力はスティックで行なう。上下左右をきっちり入力できることが1番いいパズルゲームにアナログなスティック入力はちょっと遊びづらくなるのだが、そこはあくまで“どこでも手軽に一緒に楽しめる”というものとして考えるのが良さそうだ。しっかり2~4人プレイをするなら、人数分のJoy-Con&グリップや、Nintendo Switch Proコントローラーを用意するのがベストだろう。
Nintendo Switchの魅力である、いつでもいろいろなスタイルで楽しめる、誰かと一緒に遊びやすい、「ぷよぷよテトリスS」はその良さにぴったりマッチするタイトル。1人で遊びこむ方向も、初の世界中のプレーヤーとの対戦を実現したオンライン対戦もあり、Nintendo Switchをより楽しめる1本となっている。
なお、本作の発売に先駆け、上級プレーヤー同士がNintendo Switchの「ぷよぷよテトリスS」で対戦した「発売決定記念カップ」が開催され、その動画が公開されている。そちらでは初めて触れるNintendo Switchへの感想や、様々なスタイルでの遊び方、そしてガチ対戦の模様が楽しめるので、そちらもぜひご覧頂きたい。
「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサー細山田水紀氏、「ぷよぷよテトリスS」プロデューサー片野徹氏へインタビュー!
――Nintendo Switchに「ぷよぷよテトリスS」を発売することになった経緯を教えて頂けますか?
片野氏:任天堂さんから新しいハードが出るというお話を最初に伺ってから、弊社でも「どういったゲームを出すのがいいのか?」というのを考えていたのですが、ハードのコンセプトなどをお伺いしたところ、“みんなで遊べるゲーム”を持ってくるのが1番いいんじゃないかとなり、「ぷよぷよテトリス」に白羽の矢が立ったというのが最初のきっかけでしたね。
細山田氏:「ぷよぷよテトリス」を出すという提案に、任天堂さんも乗り気になってもらえました。「ぷよぷよテトリス」は、出せるハードには全て出していこうという方針でやってきましたので、今回はNintendo Switch本体の発売日に間に合って良かったなというのが正直なところですね。
――「ぷよぷよテトリスS」のセールスポイントをお聞かせ下さい
片野氏:「S」に限った話ではないのですが、“王道のパズルゲーム2つがそろい踏み”というのがタイトルの1番の売りですね。今回のNintendo Switchではテレビモードやテーブルモード、Nintendo Switchを持ち寄っての携帯モードでの対戦ができたりもします。「ぷよぷよテトリス」は対戦にすごく重きを置いているタイトルでもありますし、今回は全世界での発売が決定していて、全世界のプレーヤーと対戦できるというところも前面に押し出していきたいところです。
細山田氏:繰り返しになりますが、やはり全世界に発売するところですね。「ぷよぷよテトリス」自体は最初の発売から3年超経っているタイトルではあるのですが、海外でも発売して欲しいという声が結構たくさんあったんです。いつかは全世界向けに出せたらいいなと思いつつも、なかなか実現できなかったのですが……。今回はそれが叶って、さらに新ハードの発売日に同時に発売できるのもタイミングが良いですし、嬉しいですね。
あと、先日に有名プレーヤーの皆さんに触ってもらったときの感想にもあったのですがHD振動を使った「振動」が他機種版とはちょっと違った振動の感触になっていますので。楽しんでもらえたらと思います。
――Nintendo Switchで遊ぶときのモードでおすすめなものなどありますか?
片野氏:僕はやっぱりテーブルモードですね。
細山田氏:片野さんと出張に行く時とか新幹線でやってみたいって思って(笑)。さすがに操作はきっちりとしたコントローラーと比べると(Joy-conのL/Rをわけあってのプレイは)ざっくりとした感じにはなってしまうのですが、気軽に誘って遊べるという良さは携帯機でもなかなかできなかった事ですので。かつてPSPを縦持ちにして2人で遊ぶというのもありましたが、きちんと遊びたいと思う事があったと思いますので。そういう意味ではマッチしていると思います。
――プレーヤーの皆さんには「ぷよぷよテトリスS」をどのようにプレイしてもらいたいですか?
片野氏:日本には「ぷよぷよテトリス」の上手なプレーヤーさんがたくさんいますので、その腕を世界にアピールしてもらいたいです。海外のプレーヤーさんは日本と比べると、まだまだこれから伸びる余地があるなというところなので。
細山田氏:すでにアジアは他機種版の「ぷよぷよテトリス」を販売していてプレイを見ることがあるのですが、それを見ると日本のプレーヤーの凄さが際立ちますね。
片野氏:先日、「発売決定記念カップ」で、有名プレーヤーさんの対戦も見させて頂いたのですが、本当に凄いなと感じました。その感動を全世界の人にも体感してもらいたいです。
細山田氏:そうですね。あとほかには、最近はホテルのテレビでもHDMI入力はあると思いますし、旅行先にドックも一緒に持っていって遊んでもらったり。そういう風にして広げてもらえたらいいなと思います。今まで海外の方は、輸入してプレイする人しかいなかった状態でしたので、これからオンライン対戦も熱くなると思います。そうして「ぷよぷよテトリス」のプレーヤー層が広がっていってくれたらいいなと思います。
――今回の開発を通してNintendo Switchというハードにどのような印象を持たれましたか?
片野氏:実機を見て頂くとわかるのですが、画面が大きくキレイです。今まではいわゆる据置機でしか遊べなかったようなゲームも、携帯して遊べるところが売りだと思います。弊社でも発表している「ソニック」などのタイトルがあり、力を入れていますので。今後も何かやれればといつも考えています。
細山田氏:コントローラーのJoy-Conが左右に分割できるというところを何かに使えないかなーと思っていまして。何かできるといいなとニヤニヤしながら……
片野氏:余計なこと言いそう!
細山田氏:(笑)。任天堂さんの許可も必要だとは思うのですが、いろんなペリフェラル(周辺機器)やコンソールにくっつけて遊ぶみたいなことも今後広がっていくといいのかなと思っていて。セガはそういうのも得意だったりしますから、個人的にできたらと思っています。ただ、会社がOKを出してくれるかもまだわからないですけどね(笑)。
――Nintendo Switchでのソフト開発はいかがでしたか?
片野氏:正直にどこまで言っていいものか何とも言えないですが、開発環境としては前回のWii Uの環境より良くなっています。非常に開発しやすいです。ただ、Nintendo Switchをドックにセットしている状態と、携帯している状態とでは若干、動作が変わってきますので。その辺の調整をするというのが、各社さん苦労するのではと思いますね。
細山田氏:僕から一言に言うと……大変でした(笑)。開発期間の話ですが、なんとしてもローンチに間に合わせたいというのがありましたので、弊社のイケてるプログラマーやデザイナーなどの開発者が全力投球で開発していました。
片野氏:そこは確かにそうでしたね。全力でした(笑)。過去に「ソニックアドベンチャー2」をドリームキャストに出した後にゲームキューブに移植したのですが、それも任天堂さんの新ハード発売に合わせてがんばったという流れで。その頃を思い出しましたね。
細山田氏:「ぷよぷよ」で言うと、ニンテンドーDSのローンチに「ぷよぷよフィーバー」を出したこともありましたね。僕はその当時は「ぷよぷよ」のチームではなくて、「ソニック」シリーズを作りながら横目に「大変そうだなー」って思ってました(笑)。
――今回の開発期間はどれぐらいだったのでしょう?
細山田氏:昨年の夏ぐらいからですかね。
片野氏:最初はそれぐらいからですね。このタイトルはいろいろなハードで発売していますので、移植しやすいというのはありました。でも、今回は新ハードですのでまだいろいろ揃っていないなどもありました。あと、内部的なことを言うと、グラフィックスデバイス絡みでDirectX 11世代から12世代に変わっていますから、そのあたりの対応が必要だったぶん、ちょっと大変だったところもありました。
――「ぷよぷよテトリスS」のソフトが1本あれば複数人数でNintendo Switchを持ち寄って遊べるような、いわゆる「ダウンロードプレイ」には今回は対応していないということなのですが、そこが非対応になったのは何か理由があるのでしょうか?
片野氏:Nintendo Switchは現時点ではですけど、そもそも「ダウンロードプレイ」という仕組み自体がないんですよね。これぐらいのゲームになると、ダウンロードプレイとは言っても、受け渡すデータサイズがかなり大きくなって通信の時間かなりかかるのではと思えますし、仕組みを作っても対応できるタイトルが限られてしまうのではないかと思いますね。
――今後の展望なのですが、Nintendo Switch版で大会を開きたいなど、そういったお考えはありますか?
片野氏:やってみたいですね。
細山田氏:また予算のことを考えずに言っちゃう(笑)。でも、僕もやりたいです。去年ですと、セガフェスという自社主催のイベントで大会を行ないまして。あのときは「ぷよぷよクロニクル」で大会をしたいと思ったのですが発売前だったので「ぷよぷよテトリス」で大会を行ないました。あと、レッドブルさんの「Red Bull 5G」でも5年連続で「ぷよぷよ」を種目にしていただいています。
今後については「何かできないかな」と相談しているものが実はあります。海外からも大会を開きたいというお声を頂いていたりもして、そちらもまだ確定ではないのですけど、検討しています。
――「ぷよぷよテトリスS」の体験版配信の予定というのはございますか?
片野氏:はい。体験版はもう制作していまして、準備が整い次第の公開になります。もしかしたら発売日に間に合うのか、間に合わないかなどうかなという状況で。
――体験版はニンテンドーeショップでダウンロード配信という形式ですか?
片野氏:そうです。
――先ほど、他機種版とは振動がちょっと違っているというお話がありましたが、それは具体的にはどのようなものでしょう?
細山田氏:Nintendo Switchの特徴のひとつである「HD振動」ですね、それで何か出来ないかなと考えて。正直なところ滅茶苦茶細かく作り込んだわけではないのですが、ぷよやテトリミノを積んだときの振動をNintendo Switch独自なものを付けています。
先日に有名プレーヤーさんがプレイしたときも「あ、振動が違う」って反応をしていましたね。もっといろいろやれることはありそうなのですが、今回は最低限、他機種とは違った振動を入れてみたというところです。「ぷよぷよ」シリーズのサウンドディレクターを担当するの安倍というものがいるのですが、音に合わせて調整していましたね。
片野氏:任天堂さんが用意しているツールライブラリに、振動のデータをサウンドデータから作るというものがあるんですよ。SE(効果音)を入れてみると、SEの感じに震えてくれるんです。ただ、そのままだとやっぱりちょっと違うなという感じもあったので、振動生成用に調整した音データを作って、そこから振動データを作りました。
――その振動は、ぷよが落ちたときと、テトリミノが落ちたときとでは、振動に違いが出たりとかがあるのでしょうか?
片野氏:そこはぜひ、体験してみてもらいたいです(笑)。
細山田氏:これは説明が難しいんですよね。人によって感触の受け取り方も変わってくるとは思うんですけどね。
片野氏:一応、違いはあるんですけどね。どう違うのかというのは、なんとも表現が難しいので、ぜひ体験してください(笑)。
――これまで他機種に発売してきたときに、PS4版とXbox One版ではゲームのバランスに少し調整を入れられていたと思うのですが、今回のNintendo Switchでは新たな調整があるのでしょうか?
細山田氏:基本的にPS4版準拠になっています。ただ、これは本当に細かい話なんですけど、「ぷよぷよ」が弾けるときのエフェクトをちょっと直して欲しいという指摘をして、そこを今回は直しています。弾けの具合がちょっと大きくなっていますね。操作周りやゲーム内のバランスなどはPS4版と同等になっています。
――タイトルの「S」というのは、やはりSwitchの「S」でしょうか?
片野氏:いろいろ想像してもらいたいという余地も残しつつ……でもSwitchの「S」ですね(笑)。
細山田氏:今回はパッケージデザインを変えたりもしていて。これまで「ぷよぷよテトリス」をご存じなかった人にも、またこれまでと違った印象を持ってもらいたいという考えがあったりしますね。そこでタイトルにも「S」がついたりしています。
片野氏:パッケージデザインは「みんなで楽しめる」というのを想像できるような背景になっているんです。バトルアリーナですね。あと、Nintendo Switchの赤いロゴが映えるようなデザインにしようというのもあって、新しいパッケージになっていますね。
――最後にユーザーの皆様に向けて一言ずつ頂けますでしょうか
片野氏:Nintendo Switchと同時発売のタイトルとして皆様にお届けできる運びとなりました。新ハード発売直後でソフトがまだ多くはない中でも、たくさん遊びこめる良いソフトだと思いますので。ご家庭にぜひひとつ……ひとつと言わず二つ三つとご購入頂ければ幸いです。
細山田氏:「ぷよぷよ」シリーズでは昨年末に「ぷよぷよクロニクル」を3DSで発売したのですが、それとはまた違った立ち位置が「ぷよぷよテトリス」になります。「ぷよぷよテトリス」を今後も広げていって続編も作れるぐらいに全世界にアプローチできたらいいなと。「ぷよぷよテトリス」では「ぷよぷよ」と「テトリス」のコミュニティが交わることでどんどん広がっている感じを受けてもらえているようですので、一緒にパズルゲームを盛り上げていけたらいいなと思います。
――ありがとうございました
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