ニュース

【JAEPO2017】ゲームシステム・世界観を一新した「LORD of VERMILION IV」

新規ユーザーを取り込むために大胆に“リセット”

2017年夏 稼働開始予定

丹沢悠一プロデューサーがプレゼンテーションを行なった

 スクウェア・エニックスは、2017年夏の稼働開始を予定しているオンラインマルチ対戦型トレーディングカードゲーム「LORD of VERMILION IV」を、2月10日から12日開催されるジャパンアミューズメントエキスポ2017の同社ブースでお披露目した。

 ブースでは多数の試遊台を展示しており、試遊したりステージイベントを観覧することで、スペシャルスターターパックがプレゼントされる。イベントステージでは丹沢悠一プロデューサーが最新作のコンセプトや意気込みなどをプレゼンテーションした。

【「LORD of VERMILION IV」ティザーPV(short. ver)】

 「LORD of VERMILION」は、「世界一美麗なカードゲームを作る」を合い言葉に開発され、多数のシリーズ作がリリースされ、すでに9年目を迎えている。丹沢氏によれば、4 vs 4のマルチ対戦に重きを置いた「LORD of VERMILION III」、「LORD of VERMILION Re:3」になり過去最大級のユーザー数の獲得に成功したという。またコラボレーションや各種イベントの開催などに通じてユーザーコミュニティを育ててきた。

 シリーズ最新作となる「LORD of VERMILION IV」で丹沢氏は「より多くの人にプレイしてもらうために進化を遂げる」とコンセプトを語る。このためまずは筐体を一新。キャラクターのグラフィックスを前面に出し、LEDなどの装飾も強化。筐体自身の“演出”も強化したという。

「LORD of VERMILION IV」で筐体を一新
ブースでは試遊することができる。整理券が配布されるため、気になるひとはまずは整理券をゲットすべきだろう

 これまで「LORD of VERMILION」シリーズでは一貫してダークファンタジーな世界観で物語が展開してきたが、今作ではこれまでの作風の雰囲気を残しながらも世界観を一新。ユーザーが受け入れやすいよう現代日本を舞台とした物語となる。この点については「ファンタジーはどうしても説明が増えてしまい、ハードルが高い」とし、学校などを舞台にすることで、説明を極力減らし、誰もが知る世界観の元で物語を構築していく。また、現代を舞台にしたスタイリッシュな物語にすることで、女性ユーザー層もより開拓していきたいという。

 ただし、舞台は変わってもこれまでの作品と断絶しているわけではないという。「これから楽しんでもらいたいため、詳しくは言えませんが、繋がってくるような仕掛けを用意してくる」と、従来のユーザーへも配慮する。

進化のポイントを説明
稼働時期はこの夏
世界観は一新され、現代を舞台にした物語となる。ただし、ダークファンタジーの世界観は感じられるという

 カードについても一新される。最近では、筐体でカードをプリントアウトするゲームタイトルが増えているが、丹沢氏は「綺麗なカードにこだわるため、印刷済みのカードにこだわった」という。実際家なりの工数を割いてカードの作成が行なわれていると言い、顧問で6層印刷、レアカードともなるとなんと11層の印刷工程で制作されているという。

 「LORD of VERMILION IV」では、最新の印刷技術を使用して制作されるのはもちろん、特殊なエンボス加工を施すことで新たな付加価値を与え、“ユーザーが欲しくなるカード”を作りたいとしている。カードによってゲーム内のモデルが変化するといった仕組みも用意している。

 さらに、これまでは1プレイ後に排出されるカードは1枚だったが、プレイ後に1コイン入れることにより、さらにもう1枚追加でカードが排出される仕組みを導入。つまり1コイン入れることで、1プレイで2枚ゲットすることができるようになる。丹沢氏は「導入には悩んだが、ユーザー層の年齢が高く時間の無い人が多いと言うことで、ユーザーの選択肢を増やした」と説明した。

カードデザインを一新。グラフィックスを描くイラストレーターさんや担当声優さんについても一部公開された
特殊なエンボス加工が施されたカード。きらきらしてかなり豪華。かなりの特殊印刷技術が投入されているようで、豪華なカードとなっている
1プレイ後に、さらに1コインを入れることで、1枚追加で排出される。つまり1プレイ2コインで2枚排出されることになる

 そしてシステム面についても、大きく変更される。基本的には「シンプルだが奥深いシステム」を目指すという。シリーズが長くなるとどうしても複雑になりがちで、カードの種類なども増えることから覚えることも増えてくる。これは新規ユーザーの参入の妨げになりがちで、事実「LORD of VERMILION」でも定着率が下がっている。今作ではシステム面を整理しシンプル化をはかり、新規ユーザーの参入や、復帰プレーヤーを見込んでいきたいという。

 システム面の変更の1つは、これまでプレーヤーには見えないバックグラウンドで判定されていたパラメータを「PSY(サイ)」として可視化することで、わかりやすくするという。「PSY」はいわゆる“精神力”となるパラメータ。

 2つめは、ゲームをスタートするまでに武器やアルティメットスペルの選択を行なわなければならないので、これをシンプル化。3種のジョブから1種を選択。さらに8種類のアビリティから2つを選択するだけでゲームをスタートできる。さらにはプレーヤーのデッキにあせてある程度君合わせてくれる、おまかせボタンも用意される。

 また、アルティメットレイドが導入される。これは使い魔を1体選択しボタンを押すと巨大化し、能力も超強化される。グラフィックス的にもかなり強化されるほか、強化にあたってはカスタム可能だということで、奥深さも備えている。

各種新システムが導入される。システムが簡略化されたことで、新規ユーザーでも入りやすくなっているようだ

 3つめはマッチングについて。今作ではタッグマッチ機能が本格的に導入される。5桁のコードを入力することで必ずマッチングされる「フリータッグシステム」と、モバイルサイトでタッグパートナーを登録することで必ずマッチングされるようになる「固定タッグシステム」の2種類が用意される。また、「タッグでないと勝てないのでは?」と言った不安について丹沢氏は、「ソロはソロとしてマッチングさせますし、ランクの差も考慮してマッチングされるよう考えている」と言い、運営でつねにバランスを考えてマッチングさせていくという。

2種類のタッグマッチが用意される。「フリータッグシステム」はコードさえ打ち込めば隣の筐体でプレイしていても、遠く離れた筐体でもマッチングされる。コードをLINEなどでやりとりして離れていても一緒にプレイすることが可能となる

 そして「LORD of VERMILION III」、「LORD of VERMILION Re:3」のカードが使用できるかどうかについても言及した。「LORD of VERMILION IV」では使い魔としては使用できなくなるという。これについて丹沢氏は、これまでのカードの使用を認めれば、これまでのユーザーがカードを使用すると,やはりその知識が必要となり、初心者にとっては厳しい状況が続いてしまうと説明。「『LORD of VERMILION IV』で大幅な改修を行なうため、ゲームとしてはどうしてもリセットしなければならない」と語り、「それが今です」と続けた。

 ただし全く使用できなくなるわけではなく、前述の「アルティメットレイド」のサポートカードとして引き続き使用できるようにする。さらにアップデートで、再登板するキャラクターについては過去のカードも使用できるようになることを検討中だという。

 丹沢氏は最後に「10年に向けて突き進んでいきます」と語り、「LORD of VERMILION IV」をアピールしてプレゼンテーションを締めくくった。

これまでのカードは一部使用できなくなる
各種コラボレーションやアニメ化も決定しているようだ