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スマホ「ファイアーエムブレム ヒーローズ」を先行体験!

戦闘システムは? ガチャは? 気になるプレイ感をお伝え

2月2日 配信予定

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

アプリアイコン

 任天堂は、Android/iOS用ロールプレイングシミュレーション「ファイアーエムブレム ヒーローズ」を2月2日に配信する。ダウンロード、利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。

 「ファイアーエムブレム ヒーローズ」は、インテリジェントシステムズと任天堂が開発するシミュレーションRPG「ファイアーエムブレム」シリーズ初のスマートフォン版となる最新作。シリーズが確立してきたゲームシステムの醍醐味を活かしながらスマートフォン用にアレンジしているのが特徴で、「ファイアーエムブレム ヒーローズ」オリジナルキャラクターのほか、シリーズ歴代のキャラクターたちも数多く登場する。

 ファミコンからニンテンドー3DSまで、任天堂ハードの主力タイトルとして第一線を張ってきた「ファイアーエムブレム」のスマホ版は、一体どのような仕上がりになっているのか。そして発表時より話題となった課金システム周りはどうなっているのか。今回は配信前の本作についてプレイすることができたので、こちらの手応えと感想をお伝えしたい。

【ファイアーエムブレム ヒーローズ PV】

“狭さ”を感じさせない戦略性。プレイ感はまさに「FE」

スマートフォン用にアレンジされているが、戦闘システムはプレイしてみれば「ファイアーエムブレム」だとすぐに実感できる
レベルが上がれば、ファンファーレと共にステータスがピコン! ピコン! とその場で上昇していく

 本作は、あらゆる異界の支配を目論むエンブラ帝国と、それに抗うアスク王国が存在する世界が舞台となっている。プレーヤーは歴戦の「英雄」の力を借りることのできる「召喚師」となり、滅亡の危機に瀕するアスク王国を救うため戦いに挑んでいくこととなる。

 本作のゲームモードにはストーリーをプレイしていくストーリーモードのほか、特別なイベントがプレイできる「英雄戦」、また他プレーヤーの主力チームと対戦できる「闘技場」などが用意されている。

 ストーリーモードは1つのステージで物語パートとバトルパートを交互にプレイしていくというステージクリア型で、プレイ開始時はこちらがメインのコンテンツになる。

 気になるバトルシーンはまさに「ファイアーエムブレム」そのものであり、8×6マスのマス目状に区切られたマップの中で、自チームと敵チームのユニットを交互に動かしながら勝利条件を目指す。戦闘中には行動によって経験値も溜まり、戦いながらユニットのレベルが上っていくというのも同様だ。

 マップの広さ、操作するユニット数は過去作に比べれば限りがあるものの、基本的な戦闘システムやプレイの流れ、UIの作り方もしっかりシリーズ作を踏襲している。プレイしてみれば、本作が紛れもなく「ファイアーエムブレム」だと感じられるだろう。なお、ユニットが倒れるとその戦闘では退場となるが、「ロスト」することはないのでご安心を。

 使用するユニット(本作では「英雄」と呼ばれる)はいわゆるガチャシステムの「英雄召喚」(詳細は後述)によって獲得でき、「英雄」には、例えば「ファイアーエムブレム 封印の剣」のロイ、「ファイアーエムブレムif」のカミラなど、過去作のキャラクターが数々登場する。

 チームに組み込めるのは、手持ちのユニットから最大4人まで。各ユニットには固定の武器種が1つ決められていて、武器種には剣、槍、斧などがあるが、それぞれ3すくみ+無属性の属性が設定されている。使用している武器と相手の属性によって与える(与えられる)ダメージが変化するので、この理解は攻略上で必要不可欠な要素と言える。

 また戦闘中は、あるユニットが敵に止めを刺したりレベルアップしたりすると、スキルポイント(SP)と呼ばれるポイントを獲得する。このポイントを一定値溜めて使用することで、上位の武器やステータスを上昇するパッシブスキル、また必殺技の「奥義」を得られる。

 SPによる強化はレベルアップ以上に強力なものとなっているので、戦闘中は単に勝利条件を目指すだけでなく、「育てたい」と思ったユニットをいかに効率よく育てていくかも同時に考えさせられる作りだ。

 非常に「ファイアーエムブレム」らしいなと思うのはこの辺りで、特に面白いのは自チームは必ず「最大4人まで」という部分。武器属性は赤、青、緑、無色の4種類あるが、その中でもユニットによって移動範囲や攻撃範囲、またその特性が様々なので、「どのユニットを選出するか」の時点でかなり迷う。

 そして4人しか選べないということは、必然的に特性のバランスがどこかに偏ることも意味しており、相当なステータス差がない限り、戦闘において“万全”ということはなかなかない。そのため、戦闘がはじまったらはじまったで「まずどう動き出せばいいか」に考えを巡らせることとなる。一手一手を大事に進める、この“考える感じ”に何よりの「『ファイアーエムブレム』らしさ」を見出すことができた。遊びごたえという点では、この戦闘システムを見るだけでも十分に感じられて好印象だった。

敵の攻撃範囲「危険範囲」なども表示可能。また攻撃して壊す壁なども登場する
ユニット対峙時の戦闘シーン。体力が減るとイラストが変化する、という要素もある
スマホらしく、タッチ&スライド操作にも対応。「ユニットを敵に重ねるように動かすと攻撃」など、片手で楽しめるようになっている

ガチャ「英雄召喚」の詳細を紹介。連続オープンがお得!

「召喚」シーン。連続で利用すると必要なオーブがお得になっていく
召喚で出やすいユニットは期間替わりのテーマごとに異なる

 戦闘システムとは別に、「ファイアーエムブレム」のもう1つ本作の魅力となっているのがキャラクターゲームとしての側面だろう。様々な立場から様々なストーリーが語られてきた本シリーズだけに、プレーヤーによってどのシリーズ作のどのキャラクターがお気に入りかは千差万別であることは想像に難くないが、そこで気になるのが「召喚」システムだ。

 この「召喚」は、プレイ中に獲得したり、ショップから購入したりできる「オーブ」を使用することで利用できる。一般的に言えばいわゆる「ガチャ」だが、このシステムをもう少し詳しく紹介したい。

 まず「召喚」は、1回につき5個のオーブを使用する。召喚すると5つの「召喚石」が画面に浮かび、この中から1つを選ぶことで英雄が召喚される。「召喚石」にはランダムで属性の色が付いており、プレーヤーは手に入れたい属性の色を選ぶことができる。

 またこの5個の召喚石を連続でオープンしていくことも可能で、連続2回目以降は必要なオーブの数が4個、4個、4個、3個と減っていき、最終的に20個で「召喚」を5回行なえることとなり、効率的には5連続でプレイした方が良いという仕掛けだ。オーブは、特に序盤はストーリー進行などで多くもらえるので、積極的に利用していきたい。

 本作のユニットには★の数が設定されていて、★5が最高レアリティとなるが、「召喚」時に★5以外のユニットが連続すればするほど、次回に★5ユニットが登場する確率がだんだんと上昇していく。最終的には★5ユニット登場確率が100%になることもあり、その場合は上記の5連続「召喚」全員のレアリティが★5で確定する。

 ★5ユニットともなれば、シリーズ作のSクラスに相当する武器を最初から持っているなど相当強いキャラクターとなるが、本作に登場するユニット全員はすべて★5まで成長させられる。ユニットの成長も本作の楽しみの1つなので、コツコツ派は成長をプレイのメインにしても面白いだろう。

 なお「召喚」で獲得できるキャラクターは「召喚」のテーマごとに異なっていて、このテーマは期間ごとに入れ替わる構成となっている。どのようなキャラクターが獲得できるかはゲーム内で確認できるので、プレイ時はこちらを参考にしていただきたい。

大当たりは★5ユニット。当たれば独自の演出も入る

逆境ほど燃える? あえての“縛りプレイ”もオススメの1作

メニュー画面。キャラクターをタッチすれば会話も楽しめるほか、ステータスを最高値まで育てれば、特別な会話イベントも発生するという

 そして、これらの要素を踏まえた上で全体的なバランスだが、やはり“「ファイアーエムブレム」らしい仕上がり”という一言に尽きる。今回の体験では偶然にも「召喚」で★5のユニットを手に入れることができ、確かにその後の戦闘はラクになったのだが、戦闘が楽しくなったかと言われればそんなことはなかった。むしろ、★3ユニットと★4ユニットだけでちょこまか動き回って、少しピンチになりながらも戦線を突破したステージの方が、クリア時の快感は勝っていたように思う。

 余裕のある序盤を体験したからこそそう感じたのかも知れないが、こうした感触から転じて、あえて「ステージを★3ユニットだけで進めていく」といった“縛りプレイ”も楽しいのではという思いを得た。

 これが「ファイアーエムブレム」経験者だからか、本作のゲームシステムがそう思わせるのかはわからないが、少しクリアのハードルが高いくらいの方がステージ突破は楽しいように個人的には思う。

 体験の場で応対してくださった任天堂の企画制作本部企画制作部スマートデバイスプロダクショングループの松下慎吾氏とインテリジェントシステムズ企画開発部企画開発二課課長の前田耕平氏は、「マップが狭くなって戦略性がなくなるのではという意見もあったが、マップの作り込みには自信がある」と語ってくれており、敵とのパワーバランスが取れているほどマップの真価が発揮されるという。この辺りは逆境上等の「ファイアーエムブレム」ファンほど楽しみにしたい部分だ。

 もう配信は間近に迫ってきているが、筆者としては「ゲームファン受けするゲーム」という印象の強いタイトルだと感じた。気になる方は、ぜひチェックしていただきたい作品だ。