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「Rez Infinite」、水口氏「すでに新しいプロジェクトをスタートさせています」
米「The Game Awards」受賞記念で水口哲也氏がプレゼンテーション
2016年12月26日 21:31
Enhance Gamesは、「Rez Infinite」が米国の「The Game Awards」で「Best VR Game賞」を受賞し、「PlayStation Awards 2016」においても「VR特別賞」を受賞したことを記念して、六本木ヒルズ ヒルズカフェにおいてイベント「Rez Infinite・祝 受賞記念 Meet-up/party」を開催した。
会場にはソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアの盛田厚プレジデントや業界関係者が数多く訪れ、今回の受賞をお祝いした。また会場には6台のPlayStation VR、さらにはシナスタジア(共感覚)スーツも出展され、一般来場者も含めプレイすることができた。
イベント開催にあたってEnhance Gamesの水口哲也氏から「Rez Infinite」の開発に至るまでの経緯などを説明するプレゼンテーションが行なわれた。基本的には開発に携わった人々の紹介などを中心とし、ゲームが制作された経緯を振り返った。このプレゼンテーションを聞いていると、VRを中心としながらも、シナスタジアスーツを開発するにあたって様々な出会いがあり、多くの助力の元、開発が進められたことがわかる。
「Rez Infinite」は「REZ」を4Kでリマスターするところから始まり、「PS VR」でのゲームプレイ、そして無数のパーティクルが音楽によって変化していく新ステージ「Area-X」の3つの要素から成り立っている。そのすべてが究極の「Rez」の実現に向かって設計されている。
1番最初に「Rez」が誕生した当初、水口氏は「どんなに頭の中でイメージしても四角い画面(ディスプレイ)に閉じ込めなければならなかった」と語り、それを解放したのがVRだ。今だからこそ実現できる新しい没入感……それこそが「Rez Infinite」なのだ。
制作には、水口氏を初めとした3人で構成されている“インディパブリッシャー(水口氏)”であるEnhance Gamesがコンテンツのクリエイト、マーケティングを中心と行ない、開発は「monstars」、「Resonair」が担当。
またエグゼクティブプロデューサーとして孫 泰蔵氏、モブキャストの藪 考樹氏も登壇。孫 泰蔵氏は「オリジナルの『Rez』をプレイしたし、大ファンだった。シナスタジアスーツの説明も聞いて絶対にやるべきだと思った」と振り返った。藪 考樹氏も「13年前に出会って、地球に何か残す人だと思った。今後も活動して地球に何か残していってください」とエールを送った
そしてシナスタジアスーツは、Rhizomatiks、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の協力で開発された。ここもまた、水口氏のアイディアに“共感”することで制作に加わっていく。現状ここにしかないこのシナスタジアスーツは外部にも“共感”を増やしつつある。今回のイベントに出展されていたのは残念ながら東京ゲームショウに出展されたスーツのバージョンアップ版だったが、2017年1月に米国で開催されるサンダンス映画祭ではよりアップデートされた「2.0」と呼ばれるシナスタジアスーツで「AreaX」をプレイできるシステムを出展。世界の映像関係者にアピールすることになる。
水口氏は最後に「今後どうなるんだ? どうやってリアルを拡張するのか? 今年はVR元年だが、始まったきっかけに過ぎない。1年、3年、10年と今後、世の中は変わっていくと思う。我々は新しい体験を生み出すことに注力していきたい」と抱負を語ったが、その中心となるのはやはりVRを中心とした新しい技術。そして「詳しいことは言えませんが、すでに新しいプロジェクトをスタートさせています」とキッパリ。また近いうちに、これまで誰も体験したことのない世界を体験させてくれることだろう。