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大河原氏デザイン! 人が操縦し車に変形する“変形ロボ”の開発スタート

変形は10秒以内で歩行も可能! “量産化”も目標に!

11月11日発表



 ソフトバンクグループのアスラテック、三精テクノロジーズ、BRAVE ROBOTICSは、11月11日共同で有限責任事業組合(LLP)を設立し、乗用人型変形ロボット「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)」を開発することを発表した。

 「J-deite RIDE」は、人型(ロボットモード)と車型(ビークルモード)に完全変形できる、全長約4メートルのロボット。ロボットモードでは二足歩行が可能で、ビークルモードでは人が乗って運転できるようになる予定。「J-deite RIDE」は、メカデザイン協力としてメカニックデザイナーの大河原邦男氏を迎えている。車からロボットに変形するコンセプトや、人型の顔など大河原氏がメカデザインを担当した「勇者シリーズ」を彷彿とさせるデザインだ。

 「J-deite RIDE」は、ロボットモードで3.8×2.5×3.7m(高さ×幅×奥行き)、ビークルモードで1.8×3.9×1.4m(高さ×幅×奥行き)。重量は900kg。ビークルモードでは最高速度60km/hで、ロボットモードでも30km/hが可能だという。ロボットモードでは5km/hの“歩行”も予定しており、方向転換は車輪が別の方向に動くことでのターン(超信地旋回)も可能としている。

 駆動や関節駆動方式は“電気モーター+減速器”、燃料はリチウム系バッテリーを使用する。フレーム材質はアルミニウム合金等で、外装はFRP等。関節数は30以上で、変形所要時間は10秒以内を目指しているという。操縦方法は、内部コクピットからの有人操縦、または無線・有線による無人遠隔操縦。もちろんこれらのスペックは、現時点での想定スペックで、今後変更の可能性がある。

【J-deite RIDE】
「J-deite RIDE」のイメージ。人が乗れる4メートルのロボットとなる
メカデザイン協力・大河原邦男氏によるアイデアスケッチ。“口”があるのが勇者ロボ的だ

 「J-deite RIDE」は、BRAVE ROBOTICSおよびアスラテックが参画する変形ロボット製造プロジェクト「Project J-deite」の一環として、6月より開発を進めており、BRAVE ROBOTICSが主にハードウエアの設計・製作を担当し、アスラテックが主にロボット制御システム「V-Sido(ブシドー)」によるソフトウェア開発を担当している。

 「Project J-deite」はタカラトミーの「トランスフォーマー公式認定プロジェクト」であり、これまでも全高1.3mの無線操縦変形ロボ「J-deite Quarter(ジェイダイト・クォーター)」などを製作している。人が乗ることができる「J-deite RIDE」はこれまでのノウハウを活かしたものとなる。

 今回、新たに三精テクノロジーズが「J-deite RIDE」の開発に参画することとなり、3社で「J-deite RIDE」の開発を加速させ2017年中の「J-deite RIDE」の完成を目指し、テーマパークや各種イベントへの参加、一般企業のプロモーション活用などによる事業化を図っていく。さらに三精テクノロジーズを中心に、量産化を視野に「J-deite RIDE」をベースにしたアミューズメントパーク向け乗用人型変形ロボットの開発を進めていく計画も進めていく。大河原氏のメカデザイン協力は、「J-deite RIDE」をはじめ今後「Project J-deite」で製作される他のロボットにも反映される予定だ。

 「J-deite RIDE」は、11月14日よりアメリカのオーランドで開催される世界最大級のアトラクション関連トレードショー「IAAPA Attractions Expo 2016」に全長約1.5メートルのプロトタイプを出展するという。

【J-deite Quarter Progress report 2014/10】
1.3メートルの大きさの「J-deite Quarter」のPV。このノウハウを活かし人が乗り込める「J-deite RIDE」が開発される