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HTC、TGS 2016にてスクエニ/グリー「乖離性ミリオンアーサーVR」を出展!

ハード・ソフト両面の多数のパートナー企業と共同でVR体験コーナーを展開

TGS 2016ブース出展についての詳細を発表したHTC 北アジア担当プレジデントのJack Tong氏

 9月12日、PC用VRシステム「HTC Vive」を手掛けるHTCは、9月17日より開催される東京ゲームショウ2016(TGS 2016、ビジネスデーは9月15日より開催)に向けての事前説明会を開催し、「HTC Vive」を用いたVR体験コーナーの出展内容を明らかにした。

 スマートフォンメーカーとしては老舗のHTCだが、TGSへの出展は今年が初となる。今年4月に出荷を開始した「HTC Vive」は同社としては初の本格ゲームガジェットともいえ、その普及を推し進めるためゲームショウという舞台を選んだ格好だ。

 説明会に登壇したHTCの北アジア担当プレジデントであるJack Tong氏は、「Viveの発売からここまでの間、Viveのエコシステムが非常に進化していることに嬉しい驚きを覚えています。今回そのエコシステムを、数々のパートナー企業とともに東京ゲームショウに出展できることを嬉しく思います」と挨拶。ハードウェア・ソフトウェア両面の多数のパートナー企業と共同でブース出展を行なうことを明らかにした。

「乖離性ミリオンアーサーVR」ほか、各者がHTC Vive対応最新コンテンツを展示

HTCブース構成。正面に3つのグリーンバック型VR体験ブースを配置し、その背後に4つの通常体験ブースを配置する
「乖離性ミリオンアーサーVR」のプレイイメージ
AMDと講談社が共同出展する「Hop Step Sing!」
KDDIが出展する「linked-door」TGSスペシャル版。懐しの「スペースチャンネル5」とのタイアップコンテンツだ

 Jack Tong氏は、今回のTGS 2016への出展で、ハードウェア面でAMD、Tsukumo、MSI、ドスパラ、サードウェーブデジノスといったメーカーの協力のもと、7つのHTC Vive試遊コーナーを設置することを明らかにしている。そのうち3つはグリーンバック式のブースとなっており、VR空間に没入するユーザーの様子を第三者視点で確認できる仕組みを導入。残りの4つのブースは通常のルームスケールVR体験ブースとなっており、こちらではスクウェア・エニックスおよびグリーのVR StudioがHTC Vive向けに開発した「乖離性ミリオンアーサーVR」などの試遊が可能となる模様だ。

 プレイレポートは本稿後半でご紹介するが、今回発表された「乖離性ミリオンアーサーVR」は、スクウェア・エニックスの人気キャラクターコマンドRPGのVR版。2017年春にSteamでの配信を予定しており、今回のTGS 2016でデモバージョンが出展されるほか、その後はHTC Vive取り扱い各店舗でもトライアルバージョンの試遊ができるようになるという。

 また、3つのグリーンバック式体験ブースではそれぞれ異なるコンテンツを披露する。1つは上記の「乖離性ミリオンアーサーVR」。もうひとつAMDと講談社が共同で開発するバーチャル・アイドルステージ体験コンテンツ「Hop Step Sing!」のHTC Vive版。Viveコントローラーをペンライトに見立ててアイドルステージの応援ができるコンテンツになるようだ。

 同じくグリーンバックブース向けには通信キャリアであるKDDIが、同社で開発中のVRコミュニケーションデモ「linked-door」を出展。こちらはVRならではの様々な環境で、VRアバターを通じたコミュニケーションや、ビリヤードで遊ぶ、犬と戯れるといった様々な体験共有が可能となるコンテンツだ。TGS 2016出展スペシャルバージョンとしてセガの往年の名作である「スペースチャンネル5」とタイアップを行ない、「linked-door Loves Space Channel 5」というバージョンを出展。VR空間に現れるリポーター「うらら」のリポートショーを応援しながら観覧できるという体験になるようだ。

 残るもうひとつのグリーンバックブースではHTCイチオシのコンテンツである協力型VRサバイバルシューティング「RAW DATA」(Steamで配信済み)や、Computexで初公開されたばかりのHTC初の独自開発VRゲーム「FRONT DEFENCE」といったHTCイチオシのSteam配信ゲームタイトルを展示予定。

 HTCブースはホール9に出展されるが、当日は混雑が予想されるのでお早めの来場をおすすめする。どのコンテンツを体験するか、とても迷うことになりそうだ。

MSIが「VR ONE」を発表。ノートPCとHTC Viveのバンドル販売も

MSIが発表したバックパック型PC「VR ONE」

 また本発表会では、HTCの戦略的パートナーとしてVR対応PCを続々と発売しているMSIと共同で2つの発表が行なわれた。

 ひとつはVR向けバックパック型PC「VR ONE」の発表。本製品はMSIとしては初めての、背負って使用できるバックパック型PCで、HTC ViveのようなルームスケールVRで部屋を動き回りながらコンテンツを楽しむ際や、野外でも強力なコンピューターを使用できるというコンセプトのゲーミングPCとなる。

 CPUにはIntel Core i7、GPUにはNVIDIAのGeForce GTX 1070というVR向けとしても充分以上の高スペックを確保しつつ、2つのバッテリーパックを同時に装着できるスロットを用意することで、連続1.5時間の全力駆動を可能にしたという。使用時重量は3.6kg。会場に用意されていたデモ機を実際に背負ってみたところ、背負ったままでも苦もなく様々な運動が可能な負荷であった。

 この「VR ONE」はMSI製バックパックPCのデビューモデルとして、年内に発売予定だ。

「VR ONE」は重量3.6kg、ちょっと重めのノートPCというスタイルで、背負った状態でも負荷は低く、ケーブルフリーで様々なVRコンテンツをプレイできる

 もうひとつはバンドルパッケージの発売発表だ。最新GPUであるGeForce GTX 1060を搭載するMSIのVR対応ゲーミングノートPC「GS63VR」(レビュー記事はこちら)および「GE62VR」と、HTC Viveがセットになったバンドルパッケージが全国の量販店で9月13日より発売をスタートする。取り扱い店舗はビックカメラ、ソフマップ、アプライド、パソコンSHOPアーク、PCワンズ、およびAmazon.co.jp。

 価格はオープンプライスだが、MSIによる想定売価は「GS63VR」とのバンドルが345,000~370,000円、「GE62VR」とのバンドルが335,000円~34,6000円となる。いずれも、PC本体とHTC Viveを別個に購入するよりはややお得な価格設定になっているようだ。

 また、MSIとHTCでは本バンドルパッケージの発売に際し、以下の各店舗でVR体験コーナーを設置予定。HTC Viveを使った最新のVRコンテンツ(上述の『乖離性ミリオンアーサーVR』も展開予定とのこと)を手軽に体験できる機会となるので、ものは試しで行ってみるのも良いかもしれない。

【MSI x HTC VIVE 体験コーナー設置予定店舗】
・ビックカメラ池袋本店パソコン館
・ビックカメラ新宿西口店
・ビックカメラ有楽町店
・ビックカメララゾーナ川崎店
・ビックカメラ広島駅前店※9/14 オープン
・ソフマップ秋葉原本館
・アプライド小倉店
・アプライド松山店
・アプライド春日井店
・パソコンSHOP アーク(東京 秋葉原)
・PC ワンズ(大阪 日本橋)

VR対応15.6インチスリムタイプ「GE63VR Stealth Pro」+「HTC Vive」セットモデル
VR対応光学ドライブ付き15.6インチ「GE62VR Apache Pro」+「HTC Vive」セットモデル

HTC Vive対応でキャラの魅力が果てしなく増幅した「乖離性ミリオンアーサーVR」を試遊

ディスプレイミラー表示だとわかりにくいが、キャラクターが目の前にいる状態
敵キャラも目の前で挑発的に登場
Viveコントローラーでカードをピックして戦う

 発表会場ではTGS 2016にて出展予定の「乖離性ミリオンアーサーVR」を体験することもできたので、本稿でご報告しておこう。

 「乖離性ミリオンアーサーVR」はスマートフォン/プレイステーション 4/PlayStation Vitaで配信中のキャラクターコマンドRPGで、4人のアーサーと多数のキャラクターカードを使ってコマンド式のバトルを繰り広げるというゲーム。通常バージョンはもちろん、画面に大写しになる多数のキャラクターとバトルを彩るエフェクトで賑やかなものなのだが、VR版はこれをそのまま没入型のコンテンツにしたものになっていた。

 HMDをかぶると、どこからともなく飛んできたキャラクター「妖精ウアハサ」が目の前に。フルボイスの挨拶でバトルに誘われると、4人のアーサーを左右に従えてのボスバトルが開幕だ。

 VRならではの演出やUI配置は相当に凝っていて、プレーヤーの目の前にキャラクターが近づくシーンではその実在感に驚くこと間違いなし。本作ではカワイイ&カッコイイ系のアニメ超キャラクターが多数登場するのだが、それが3Dというか、目の前に実在するとしか思えない印象で現われる。登場シーンから決め技のシーンまで、魅力的なキャラクターと同じ空間にいるという感覚を最大限に活かそうとする演出が盛り沢山だ。

 実際のバトルはプレーヤーの左右に2人づつの「アーサー」が配置され、ボスキャラクターを正面に捉えた空間で展開する。ターンがやってくるとプレーヤーの目の前に選択可能カードがズラリと現われるので、これをViveコントローラーを使って「掴む」ことで選択。そのすぐ下にある攻撃開始ボタンを押すとアクションフェイズがスタートだ。

 プレーヤーの両脇に立つ4人のアーサーたちが次々にバフ、エンチャント等の支援スキルを発動し、身の周り派手なエフェクトで包まれていく。正面に立つ敵キャラクターが攻撃スキルを発動すると派手なエフェクトが全身を突き抜け、左右のアーサーたちに次々とダメージエフェクトが発生。あまりに派手派手なので、各キャラクターの頭上に表示されるダメージ数字をうっかり見落としてしまうほどだ。

 いわば空間全体がUIと化した空間でのバトルとなるため、数字を追うような細かな状況判断はやや困難となるが、プレーヤーの周りで躍動するキャラクターの存在感を身近に感じつつのバトル体験は、これまでのゲームデバイスでは絶対に得られなかったレベルで、ぜひ1度体験してほしい内容になっていた。

 来年春に発売予定とされるゲーム本編では、キャラクターとのコミュニケーションを楽しむシナリオパートもこのようなVRで表現されることになるだろうか。そうなればViveコントローラーを使った直感的なコミュニケーションも楽しめて、1本で何度も美味しい作品になりそうだなあと希望的観測を抱くこともできた次第だ。

 「ミリアサ」がPCにやってくる、というのも実は大きなニュースだったりもするのだが、VRファンのみならずゲームファンの多くにとってHTC Viveを魅力的にする、強力なコンテンツになることはまず間違いない。是非皆さんもTGS 2016の会場で体験してみよう。

HMDを通すと、各カードのエフェクトが目前でドカーンと展開する感じで非常に派手だ
本編ではキャラクターとのVRコミュニケーションも楽しめそうだ