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【スマホアプリ今日の1本】「白猫テニス」シンプルさと奥の深さを併せ持つテニスゲーム
「スタミナドリンク」の不公正さが玉に瑕か。コロプラの野心的スポーツ作
2016年8月30日 00:00
「白猫テニス」の3大ポイント
・「白猫プロジェクト」のスピンオフはまさかのテニス
・シンプルかつ簡単な操作で奥の深い試合を楽しめる
・駆け引きは面白いが不公平を感じるシステムも
「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」で一躍名を馳せたコロプラが配信しているスマートフォン用のゲームアプリ“白猫”こと「白猫プロジェクト」。そんな「白猫」のキャラクターたちがテニスで競い合うのが、7月末にリリースされた「白猫テニス」だ。
シンプルかつ力強いタイトルが男らしい(笑)本作だが、ユーザーによる評価は真っ二つにわかれている。アプリストアでは、☆4~5の高い評価と☆1~2の低い評価が、ほぼ半数ずつを占めているのだ。果たしてどのような作品なのか、ゲームの簡単な説明とプレイした感想をまとめてみた。
本作がテニスを題材にしているのは、タイトルを見ればわかるとおり。また、ゲーム「白猫プロジェクト」のキャラクターが登場するのも一目瞭然だろう。テニスゲームは大きく分けて実在の(もしくは、それに準ずる)プレーヤーが登場するリアルタイプのものと、マンガや別のゲーム、ときにはオリジナルのキャラクターが登場するデフォルメタイプのものがあるが、本作は後者にあたる。
デフォルメタイプのテニスゲームにはルールや操作性がシンプルなものが多く、本作もその例にもれず非常に取っつきやすい作りになっているのが特徴。ルールは通常のテニスと同じく4ポイント先取制で、15→30→40点という流れで得点が加算されていき、40点の時点でもう1ポイント取ると勝利となる。ただし、両方のプレーヤーが40点ずつ持っているときは、2ポイント差をつけるまで戦いが続くデュースへ突入。
操作にしても、スワイプでキャラクターを前後左右に移動させ、タップしてボールを打ち返すだけとシンプル極まりない。その上で本作は、シンプルさのなかにとてつもなく深いやり込み要素をはらませている。
まず、ボールを打ち返すタイミング。試合中はキャラクターを囲むように四角の枠(スイングエリア)が表示され、エリア内にボールが入っているときにタップすれば打ち返すことができる。とはいえ、エリア内であればどこでもOKというわけではない。エリアの中央にはライン(キャラクターの横軸と同じ)が引かれていて、ボールがその位置に来たときに打つと、スピードとパワーに優れたジャストショットを打てる。逆に打つのが早すぎたり遅すぎたりした場合は、相手にチャンスボールを与えてしまうので要注意だ。
また、キャラクターを成長させてスキルを習得すれば、ロブ(相手を跳び越えるような山なり軌道の返球)やスライス(弾道が低くバウンド時の弾み方も少ない返球)など、球種を増やすことも可能。さまざまな球種を織り交ぜれば、相手に対応されにくくなるのは言うまでもない。ボールを打ち返すときにフリックやスワイプするだけで使えるので、難しい操作が必要ないのもポイントだ。
こうしたように、本作がシンプルなだけのテニスゲームにはなっておらず、実際プレイしてみると、知れば知るほどにやり込み甲斐があることがわかってくる。それでは、本作に低い評価がついた理由はどこにあるのか?
ユーザーレビューを見るかぎり、不満の原因はスタミナシステムにある。本作ではキャラクターごとにスタミナが設定されており、ボールを打ち返すたびに減っていく。スタミナが残り少なくなると移動速度が極端に遅くなってしまうので、ときおり出現するドリンクを取って回復させる必要があるのだが、このドリンクがどちらの選手のコートに出るかは完全なランダム。プレイしている実感としては、相手方のコートだけに連続で出現することもあり、この不公平感が低評価につながっているのは間違いない。
しかし、これらの問題点はバランス調整によるものなので、簡単に改善できる部分ではある。たとえば、1度ドリンクが出た選手には連続では出ないようにすればいいのに、と思ってしまうが……。
そして、本作を語る上で重要なのが対戦プレイだ。本作はCPUキャラクターと試合をしていくツアーモードのほかに、“テニスの塔”を上ってほかのプレーヤーと戦うタワーモードがある。対戦プレイは5ポイント先取したほうの勝ちとなるタイブレーク制で、何より対戦プレイは、CPU戦にはない人間同士の駆け引きや読み合いといったテニスの醍醐味を味わえる。
左に打つのか、右に打つのか。それを読んで、相手はどちらに動くのか。引いて構える相手にはドロップでボールを手前に落とし、前に詰めてくる相手にはロブで頭を越えるように打つ。そういった策が活きてくるのも、相手が人間だからこそなので、ぜひ対戦プレイを試してみてほしい。実際のテニスに通じる駆け引きや読み合いを十二分に楽しめるだろう。