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「バイオショック コレクション」のリマスターに「Bioshock」愛を感じた
リマスターによる変化が一目瞭然の比較動画も公開
2016年8月21日 16:39
9月15日の国内発売まで1カ月を切った「バイオショック コレクション(Bioshock: The Collection)」。gamescomで一足先にガッツリ(といっても30分だが)体験することができたので、インプレッションをお届けしたい。
「バイオショック コレクション」は、これまでにリリースされた「バイオショック」3作品(「バイオショック」、「バイオショック2」、「バイオショック インフィニット」)を1本にまとめ、かつ1080p/60fpsでリマスターした作品となる。
これまで公開されたトレーラーやスクリーンショットから、単純に1080pにアップスケールしているだけでなく、ディテールの描写やエフェクトなども美しくなっていることが確認できていたが、果たして今回実際にプレイしてみたところ、想像していた以上に美しくなっていた。
このあたりは説明するよりも2K謹製の比較トレーラーを見てもらった方が話が早いが、フィールドの隅々までクッキリはっきり描写され、モヤが取れたようにスッキリとしたグラフィックスになっている。また、火炎や煙、水泡の表現が見違えるように美しくなっている。細かいところでは、ガラスのくすみや壁の模様まで、オブジェクトの質感表現など、これまではハードウェアスペックの限界からかカットされていたような部分も丁寧に再現され、愛のあるリマスターとなっている。
ところで「バイオショック コレクション」は、ゲームパッケージとしては1本だが、ゲームクライアントとしては3本にわかれている。「バイオショック コレクション」の専用メニューは用意されておらず、リマスターされた3本のゲームがインストールされ、それぞれ別のゲームとして起動する形になる。
ゲーム毎にメニューが微妙に異なり、「バイオショック コレクション」オリジナルコンテンツとなるディレクターコメンタリーやミュージアムは「バイオショック」の中に含まれていた。
ディレクターコメンタリーは、シリーズのクリエイティブディレクターを務めたKen Levine氏ら開発スタッフがテーマ別に回答していくというもの。映像としては10本あり、1番頭から順番に視聴していく形になる。
ミュージアムは、ラプチャー内にあるミュージアムという設定で、ビッグダディやスプライサーといったゲームに登場するキャラクターたちの3Dモデルや、イメージイラストが展示され、解説付きで理解を深めることができる。ユニークなのは、コンセプトモデルも共に展示されているところで、現在より遙かにグロテスクなスプライサーや、スプライサーになる手前の人間モデル、そしてもっとも試行錯誤を重ねたというビッグダディのプロトタイプなど、ファン感涙の展示が盛りだくさんだった。
30分という試遊時間では、「バイオショック」のファーストステージと、ミュージアム、ディレクターコメンタリーまで行って、慌てて「バイオショック2」のオープニングを見たところまでで無念のタイムアップとなってしまった。
ただ、今回の試遊で判明したのは「バイオショック コレクション」は、とりあえずこれまでの作品を1本にまとめましたという後ろ向きなリマスターではなく、傑作アクションRPG「バイオショック」を知らない世代に向けた力のこもったリマスターだと感じた。すでに「バイオショック」シリーズの開発チームは解散しており、続編の制作は絶望的だが、こうした形で綺麗にまとめられたのはファンとしては嬉しい限り。再びラプチャーとコロンビアで素晴らしいアドベンチャーを楽しみたいところだ