ニュース

「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」いよいよ開幕!

「ドラゴンクエスト」の世界がアリーナショーになって登場

4月23日 チケット発売予定

公演日程:7月22日~8月31日

会場:さいたまスーパーアリーナ 他4カ所

料金:
S席大人9,500円(税込)/子ども7,500円(税込)
A席大人7,500円(税込)/子ども5,500円(税込)

「ドラゴンクエストIII」がベースのストーリー

 「ドラゴンクエスト」シリーズが2016年に30周年を迎えたのを記念して、7月~8月にかけて、「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」が全国5都市で開催される。そのスタートとして、7月22日に埼玉にあるさいたまスーパーアリーナでの公演が幕を開けた。初日となった本日、開演前にプレス・関係者向けにメディアプレビュー公演が行なわれたのでご紹介していこう。

 今回開催されるステージは、「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」がベースのストーリーとなっており、オルテガの息子である勇者が、父の意志を継ぐべくアリアハンを旅立つところから物語が始まる。そしてこの勇者がアリアハンの町にある「ルイーダの酒場」で出会うのがアリーナ、トルネコ、テリー、ヤンガス、パノンたち。ドラゴンクエストシリーズに登場する彼らだが、異世界からやってきて主人公と合流する、という設定だ。このあたりの雰囲気は「ドラゴンクエストヒーローズ」と同じと思ってもらっていいだろう。

 配役だが、アリーナは中川翔子さん、テリーは風間俊介さん、トルネコは芋洗坂係長さん(我善導さんとのダブルキャスト)が務める。主人公である勇者は、今回のオーディションでその役を射止めた松浦司さんだ。特に中川さんは「ドラゴンクエストヒーローズ」でもアリーナ役の声優をやっているだけあって、ファンにとってはなじみの深いキャラと言えよう。

 さて物語だが、まずはトルネコが登場して、物語の始まりを告げるとこからスタートする。そしてアリアハンの王様より、冒険に出ることを言い渡されるのはゲームと同じだ。冒険に出たところで魔物と遭遇。主人公はピンチに陥るが、そのときに登場するのがアリーナ、テリー、ヤンガス、パノン。彼らの強力により、魔物を撃退するところで一段落。

 なお舞台は、中央にメインステージ、その両脇にサブステージがあるといった構成。手前と奥にも張り出しており、演者はこのステージを駆け巡って演技する。ちなみにメインステージと、それに繋がっているサブステージはせり上がる仕組みになっているほか、橋も上下に稼働する。

 ストーリーに戻ろう。旅の途中、スライムの大群に襲われてしまう勇者のパーティ。切っても切ってもわいてくるスライムは、やがて合体してキングスライムに。何とか撃退したパーティは、ジパングとイシスの町を追憶し、その地での踊りが披露される。ここではミネアとマーニャも登場する。

アリアハンの町の様子。上から垂れ下がっている幕に、プロジェクションマッピングのように映像が投影される。それぞれの幕は上下することができ、巨大なスクリーンになったり、このように町の一部を表現するような手法が取られている
スライムが合体して変身したキングスライムに押しつぶされてしまったパノン。このように中央の舞台がせり上がるほか、橋も上に浮く仕組み
踊るミネア、マーニャと村人たち。このようにアクロバティックなパフォーマンスも取り入れられている。勇者たちもワイヤーアクションで飛び上がる
ひかりのたまをゾーマにかざす勇者。この時には客席に用意されている装置が光るといった演出も
「勇者よ、名前を思い出せ!」。父オルテガから告げられる勇者

 ざっとストーリーを追っていくとこのような感じだ。舞台はめまぐるしく変わるので、第一幕60分、第二幕30分のステージはあっという間に感じた。なお観覧したのは正面に当たる角度からであったが、すべての舞台を使って演技が行なわれるので、反対側のステージはちょっと見づらく感じた。加えて幕が上下するので、その具合によってはセンターの舞台も見えなくなってしまうのはちょっと残念。またアリーナ席とスタンド席の違いだが、アリーナは目の前で演技を見ることができるが、舞台がせり上がったりするので痛し痒しという所。できればスタンド席の、中くらいの位置の方が見やすいかもしれない。

 なお、ショーの中には「ラーのかがみ」を観客の人に映すと、上のスクリーンに顔が写ったり、あるいはモンスターの顔に変わってしまうといった参加型のイベントも行なわれる。このほかにもトルネコと一緒にダンスを踊るシーンも用意されており、これについてはいわゆる“前説”のような形で、舞台が始まる前に練習する時間も用意されているので、一緒に踊ってみると、よりいっそう一体感を持って楽しめるだろう。

 いずれにしても舞台は迫力満点。ワイヤーアクションあり、アクロバティックなパフォーマンスありのステージは絶対に観ておきたいと思った。音楽は「ドラゴンクエストIII」の楽曲が主に使われているが、戦闘シーンなどではほかのシリーズの音楽も使われているなど、飽きが来ないような仕掛けになっている。しかもフルオーケストラバージョンなので、聴き応えがある。まだ席の余裕がある会場もあるようなので、夏休みの思い出として、「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」を観てみてはいかがだろうか。

中川翔子さん「『ドラゴンクエスト』ファンとしても納得がいくようなアリーナを演じたいと思います!」

 ステージ終了後には中川翔子さん、風間俊介さん、芋洗坂係長さん、松浦司さんの囲み取材も行なわれた。

 「演劇でもなくライブでもなく、すべてが一つになった、またみんなの思いが詰まったすてきなショーだという思いでいっぱい」という松浦さん。今日から伝説が始まるとわくわくしていると語る。風間さんは「今まではゲームソフトを買って家に帰る途中のわくわく感がありましたが、ついに電源を入れて冒険をスタートする時になったなと感じる」と感想を述べる。「今日から伝説が始まると思ってスタートさせていければと思う」(風間さん)。

 「30年間愛され続けた大ヒットタイトルが、この夏だけのショーで目の前に広がる。子どもの頃からいろいろな思い出が『ドラゴンクエスト』と共にあったと思いますが、実際に目の前にモンスターがいて、あの呪文が、すぎやまこういち先生の音楽が、『ドラゴンクエスト』の世界で共に生き、ともに戦う。1人じゃなくてみんながいる。だから去年までは引きこもりだった私が武闘家に転職して、戦うのが楽しくて仕方がないです。40公演しかないと思って、お客さん1人1人が勇者となって、ともにゾーマと戦い、一生忘れない冒険の書にセーブしましょう」と熱く語る中川さん。

 芋洗坂係長は「これから何万人というお客さんがステージを観てくださると思いますが、それぞれ自分たちの思い、名前というものを持って集まられると思うんで、それをこの会場で一つにして盛り上がれる、そして最後に感動を、伝説になっていくというところがわくわくしてたまらないです」。

 “ドラゴンクエスト”というゲームを含めて中川さんは「子どもの時に『ドラゴンクエスト』を遊んで楽しかっただけでなく、今プレイしてわかることがたくさんあるなと。親子の物語というのがテーマになっていることもやっと気づいて、父が早くなくなったんですが、数少ない思い出の中でも、父と『ドラゴンクエスト』について話したことが、音楽を聴くと蘇ってきて。写真もないのに尊い思い出として、『ドラゴンクエスト』のおかげで忘れずにいられるのもすごく幸せで。(お父さんに)見せたかったなという気持ちも、このショーが親子の物語なので感じました。『ドラゴンクエスト』を遊んだことがない人も、親子の絆、名前についての物語なので、きっと感動するシーンがあると思います」と語る。

 またステージについて「幼い頃から“IV”と“V”が大好きで遊んでいたので、カセット差さなくても目を閉じると冒険できちゃうんですよね。タンスの右から4番目に薬草が入っているとか。攻略本いらずというか。なので、スクリーンの中から何も見えなくても、効果音だったり、すぎやまこういち先生が紡いできた歴史のある音楽、だからすごく楽しいですね。冒険していても楽しいんですが、外から見られないというこの悶絶たるや(笑)。『ドラゴンクエスト』ファンだったら絶対に見逃したくない、近くで見てもキャラクターががんがんくるし、引きで見たときの『ドラゴンクエスト』感がすごいですし、幽体離脱して見たいという気持ちになりつつ(笑)、興奮しすぎるとけがにも繋がると思うので、冷静に、『いのちをだいじに』、『がんがんいこうぜ』で公演を乗りきりたいと思います」とこれもまた熱い言葉が。

 芋洗坂係長さんは「この中で唯一私だけがシーンを見られるんですよね」と前置きしながら「映像と動きを合わせるのは本当に難しい作業なんだなと、端から見ていて思ったんですが、合ってます」とのこと。ほかのキャストによると、芋洗坂係長さんは本当にトルネコがに合っているようで、「トルネコは本当にいたんだ」(中川さん)と思うくらいだそうだ。

 ゲームに登場するキャラクターを演じることについて風間さんは「テリーという役に、役作りが必要でなかった」と語る。「この仕事を受ける前から知っていたキャラクターだったので、歴史上の人物を演じるときに、なんとなく自分の中でイメージがあって入る。でも歴史よりも『ドラゴンクエスト』の方が結構詳しいので、多分歴史上の人物を演じるよりもすんなりといけたのが不思議な感じでした」(風間さん)。

 そして中川さんの熱いコメントが再び。「アリーナというのは『ドラゴンクエストIV』のキャラクターなので、生まれてから24年近く経っているんですね。それだけ長い間皆さんの心の中で愛され続けたキャラクターだからこそ、私も『ドラゴンクエスト』ファンとして、子どもの頃アリーナの絵を描いて送ったりとか、載ったりとか。いつもアリーナは頭の中にあったんですが、まさか自分が演じることになるとは。声も演じさせていただいたんですが、それだけでなくて全身ということなので、これまでのゲームを遊び直したりとか、ポーズの練習だけじゃなくてアクションですよね。改めて思ったのが、アリーナはレベル1から始めて、気がつけば大魔王を倒すまでレベルが上がっていく。去年からいろんなトレーニングを積んで。バレエとか、アクションとか。途中で親指の爪がはがれたときは、ほんとにホイミがあればいいなと思いましたが(笑)。闘技場のシーンでワイヤーアクション。いろいろありまして、昨日までワイヤーがないという予定だったのがついにやることになって。毎日めまぐるしくいろんなことが変わるんですが、夢を超えたミラクルが起きていると感じながら、全身がわくわくしてます。『ドラゴンクエスト』ファンとしても納得がいくようなアリーナを演じたいと思います」と中川さんは語り締めくくった。