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【スマホアプリ今日の1本】「脱出 2人きりの部屋」ケムコが異色のAVGを配信!
2人で力を合わせ密室から脱出せよ!! 難易度高めの脱出ゲーム!
2016年7月13日 00:00
「脱出 2人きりの部屋」の3大ポイント
・密室に囚われた状態からスタートする設定がおもしろい
・テキストを読むだけではない、歯ごたえのある謎解きが楽しめる
・広告の表示タイミングによっては興が覚めてしまうことも?
コンシューマーはもちろん、スマートフォン用のアプリでもさまざまなゲームをリリースしてきたケムコ。これまでに当コーナーでも「アスディバインクロス」や「RPG ドラゴンシンカー 竜沈めの末裔」など、大ボリュームのRPGを紹介してきた。それゆえ筆者的には“ケムコと言えばRPG”というイメージが強かったのだが(実際にケムコのラインナップはRPGが多い)、今回リリースされたのはケムコにしては異色とも言えるジャンル。タイトルからもわかるとおり、ヒロインと2人で力を合わせ謎の密室からの脱出を目指す脱出アドベンチャーゲーム(AVG)だ。
物語の主人公は、大学2年生の足立コウジ。夏休みのある日、公園で何者かに襲われた足立は意識を失い、気がつくと密室でイスに縛りつけられていた。目の前には、かつて同級生だった女の子・桃野アイが。彼女の足首にも、また枷がはめられている。本作は、完全に囚われの身の状態からゲームがスタートするというわけだ。
密室には、犯人からのメッセージが告げられるスピーカー、おかしなイラストが描かれた貼り紙、「勇・魔・戦・僧」の文字が書かれた謎の機械など、不可解なものばかり。足立はイスに縛られていて動けないので、彼女に指示を出してそれらのギミックを調べていく。ギミックに仕掛けられている謎を解くたびに、少しずつ足立や桃野の拘束が解けることとなる。隠されたすべての謎を解き明かし、桃野とともに密室から脱出するのが本作の目的だ。
本作の魅力は、何といっても謎解きである。このごろはテキストを読み進めていくタイプのAVGが主流になりつつあるが、本作は気になった箇所を調べていく、昔ながらのゲームシステム。硬派とまで言ってしまうとやや言い過ぎな感はあるものの、謎解きは歯ごたえがあり、本来の意味でのAVGを楽しめる。
そして、本作のもう1つの特徴が体力システムだ。本作は部屋にあるものを調べるときはもちろん、桃野と話すときにも体力を消費。体力の最大値は100で、消費した体力は時間の経過とともに回復する。そのため、グーグルプレイのレビューには「あやしい箇所を調べていくのが基本のAVGと体力システムは相性が悪い」という意見が目立った。
しかし、筆者が気になったのはむしろ広告である。部屋のギミックを調べ、隠された謎を解き、さあ核心にまた1つ近づいた! ……というときに広告表示でゲームが中断されるのは、いかにもテンポが悪い。一応、有料版を購入したり無料版でも広告除去アイテムを購入したりすれば、広告を非表示にはできるのだが(同時に体力を無制限にできる)、広告表示のタイミングはもう少し考えても良かったのではないだろうか。
……と、不満な部分もあるにはあったが、全体的に見ればかなり遊べる良作と言えよう。とくに昔ながらのAVGが好きなプレーヤーなら、間違いなく楽しめると思われる。マルチエンディングになっているので、興味を持たれた方は、ぜひ真のエンディングに到達していただきたい。足立を密室に閉じこめたのは、いったい誰なのか? 真のエンディングにたどり着けば、事件の全貌が明らかになるはずだ。