ニュース
超弩級のクライムアクション「MAFIA III」がついに秘密のヴェールを脱いだ!
マフィア世界に浸りきれる、もはや後戻りできないダークサイドアクション
2016年6月17日 19:00
今年の2K Gamesは、「MAFIA III(マフィア III)」一色だった。ブース全体を1968年のニューオリンズ風に仕上げ、その中では定期的にジャズバンドがライブ演奏し、タロット占いも行なっていた。関係者限定の2階エリアではアルコールも出していて、ゲームの舞台ニューボルドーの雰囲気たっぷりだった。
「MAFIA III」そのものは、今回あえてプレイアブルでは出展せず、シアタースタイルで公開していた。20分ほどの映像の中に、広大なニューボルドーや一癖も二癖もある登場キャラクターの紹介、そしていくつかの“シノギ”のデモを忍ばせ、身震いするような圧倒的な暴力と、いくつもの凄惨な死を見せつけることで、このゲームが、“マフィアごっこ”ではなく、マフィアとしての本気の覚悟を試されるゲームであることを思い知らせてくれた。
その一方で、1968年前後のニューオリンズそのままのビジュアル、随所に挿入されるキャッチーなジャズサウンド、「MAFIA」シリーズならではの陰惨なトドメの刺し方、シマの経営など、そのひとつひとつがユニークかつ洗練されており、その世界観にぐいぐい引き込まれてしまった。
時代設定は1968年。主人公リンカーン・クレイは、ベトナム戦争帰りの帰還兵で、故郷ニューボルドーに戻り、新たな道を歩み始めようとする。しかし、彼にとって“ファミリー”同然だった黒人組織が、イタリアンマフィアの裏切りに遭い、皆殺しにされてしまったことで、リンカーンの心に、暗い復讐の灯火が宿ることになる。このあたりの経緯は、世界初公開トレーラーで把握することができる。
復讐のためにマフィアとなることを決意したリンカーン・クレイには、カサンドラ、バーク、ヴィト・スカレッタの3人が仲間になる。それぞれがイタリアンマフィアに対して憎しみを持っていて、彼らに対する復讐という共通の目的のもと活動していくことになる。この3人はリンカーン率いるマフィア組織の幹部であると同時に、傘下に収めるシマの経営を任せるビジネスパートナーでもある。ちなみにスカレッタは、前作「MAFIA II」の主人公でニューボルドーで再帰を図ろうとしている。彼はあの世界でまだ生きていたのだ。
ゲームの舞台となるニューボルドーは10の区域に分かれており、スタート時点ではそのすべてがイタリアンマフィアに占拠されている。いくつか紹介された中では、西にはリンカーンがいた街があり、今はイタリアンマフィアに占拠されてドラッグビジネスの街になっている。北は高級住宅街でマフィアの幹部が暮らし、KKK的な人種差別も横行している。中央にあるのはダウンタウンのフレンチワード。マフィアの黒幕サル・マルカーノが仕切っている。そのほか、密造酒を造っているカントリーエリアもあり、マフィアが横行した1968年当時のニューオリンズを周囲も含めた形で丁寧かつ緻密に再現している。
ミッション紹介では、フレンチワードのイタリアンマフィアが仕切っている娼館に踏み込むシーンを見ることができた。前作のようにいきなり入り口から派手にぶっ放すのかと思いきや、肩を落としそろそろとスニークアクションで侵入し、イタリアンマフィア幹部のいる部屋まで向かっていた。「マフィアIII」には戦わないという紳士的な選択肢も用意されているようだ。
しかし、ここは銃撃戦を見せるためか、部屋の入り口から幹部の頭を撃ってしまう。幹部を殺害したことで、この娼館ビジネスに対して1万5,000ドル相当のダメージを与えたと判定された。ちなみに壊滅までの必要損害額は84,600ドル。しかしその代償も大きかった。屋外で発砲したことで銃声音がとどろき、階下も含めてあたりは大騒ぎになってしまったのだ。娼婦は逃げ惑い、マフィアの兵隊たちは銃を手にこちらに向かってくる。こちらも負けずにショットガンで応戦していく。チンピラを倒す度に、少しずつ与えるべき残り損害額が減っていく。これがゼロになるとシマを占領したということになるようだ。
階下では、公衆電話で応援を呼ばれ、クラシックカーが次々にやってきて大乱戦になった。公衆電話は「マフィアIII」のキーアイテムのひとつで、この電話による増援を防ぐことで有利に戦いを進めることができるようだ。リンカーンは増援をものともせず、まとめて兵隊たちを全滅させ、悠々と去って行った。
もう1つのデモは、先ほどの続きで、フレンチワードを牛耳るアンクル・ルーを殺害するために、彼が資金集めに使っているカジノ船を襲撃することになる。
この蒸気船ミッションは、「MAFIA III」のアクションゲームとしての多様さを見せつける内容になっていた。爆発炎上する蒸気船に単身潜入し、逃げ惑う乗客を無視してターゲットで一直線に突き進んでいく。船は傾き、至る所が炎上し、テーブルは傾斜に従って横倒しに倒れてくる。たばこや酒、ポスターといった小物も非常に細かく描かれており、まるでマフィア映画を見ているかのようだ。
リンカーンは物陰に隠れながら銃撃戦を展開するが、近接戦闘ではトドメを差すアクションが自動挿入される。瀕死のチンピラを背中を向かせて頭を撃ったり、踏みつけた状態で撃ったり、火炎瓶で丸焼きにしたり、あまりの陰惨さに思わずイタリアンマフィアを擁護したくなるぐらい凄まじい。
リンカーンは見事敵の兵隊をすべて倒し、ボロボロのアンクル・ルーに狙いを付けるところまで行くものの、蒸気船が大爆発して足場が崩れ、トドメを刺しそびれてしまう。皮に落下したふたりは闇夜の沼地にたどり着き、ピストルを片手に逃げるアンクル・ルーに対して、リンカーンはナイフを手に近づき、見事とどめを刺すことに成功する。
そしてここからが「MAFIA」だなと思ったのは、翌朝、その死体を街の石像に結いつけて晒し、イタリアンマフィアに恐怖を植え付けるために見せしめにしていたことだ。この暴力の応酬が止めどなく続くかと思うと、少々うろたえてしまうが、しかしこれが「MAFIA III」というゲームだ。
デモはここで終わりではなく、もうワンシーン存在した。これもまた「MAFIA III」のゲームとしての多様性を感じさせる内容だった。リンカーン本人と、カサンドラ、バーク、ヴィト・スカレッタの3人の幹部を加えた4人での会議シーンで、議題は新たに獲得したフレンチワードを誰に与えるかを決めるというもの。
リンカーンは主に聞き役で、3人の幹部はそれぞれの立場から、自分に与えた方が組織にとってメリットが大きいことをアピールしてくる。どの幹部に与えるかによって、リンカーンに入る直接的な収入や、増援を呼んだ際のNPCの数、クルマの性能アップなど、その後に与えられるベネフィットが変わってくるが、本質的に重要なのは実はそこではなく、あまりに特定の幹部ばかりをえこひいきすると、組織を抜けてしまうことがあるということだ。
デモでは、前作の主人公ですかした中年のヴィトをフレンチワードのボスに選んだところ、もっとも年配のバークが激高し、組織からの脱退を宣言してしまう。
そしてここからが凄いのだが、リンカーンは、有害無益となったバーク一味を全滅させるため、再び単身、バークの拠点に乗り込んで皆殺しにしてしまう。基本的なシナリオ展開の中にこのような選択肢が用意されていることにも驚きだが、これをデモの最後に持ってくる2Kにも覚悟にも驚かされた。あらゆる意味でぶっ飛んでいる「MAFIA III」。日本での発売が楽しみだ。
c 2016 Take-Two Interactive Software and its subsidiaries. Developed by Hangar 13. Hangar 13, the 2K logo, the Hangar 13 logo and Take-Two Interactive Software are all trademarks and/or registered trademarks of Take-Two Interactive Software, the ratings icon is a trademark of the Entertainment Software Association. All rights reserved.