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理想のVR-FPSが実現?「PS VR エイムコントローラ」を試した

第1弾タイトル「Farpoint」で痛快撃ちまくり体験!

6月14日~16日開催



会場:Los Angeles Convention Center

PS VR用FPS「Farpoint」
SIEプレスカンファレンス、アフターパーティの時点では謎だったコントローラー

 6月13日に開催されたSIEのプレスカンファレンスではPlayStation VR用のVR-FPS「Farpoint」がイチオシタイトルとして披露されたが、それに合わせてひっそりとPS VR用のガン型コントローラーの存在が明らかになった。「PS VR エイムコントローラー」である。

 プレスカンファレンスから一夜が開けて、E3開幕初日の6月14日。SIEブースのガラスケースにそれはあった。ライフル銃のストックのような形状をした、真っ白な新デバイス。VRでFPSをプレイする際の大問題である「銃の物理的プレゼンス問題」や「エイミングでVR酔いする問題」を根本から解決してくれる、VR+FPSファンにとっての夢の装置だ。

 この「PS VR エイムコントローラー」は、価格・発売日などまだ不明だが、対応第一号となるPS VR用FPS「Farpoint」と同時発売となることが約束されている。そしてこの「Farpoint」というタイトルは、「PS VR エイムコントローラー」のおかげで、これまでにないレベルの没入感を持つFPSに仕上がっているのだ。SIEブースで実際にプレイすることができたので、そのインプレッションお伝えしよう。

【Farpoint - E3 2016 Announce Trailer | PS VR】

“長モノ”の触感を再現。VR内で本格的な射撃感を楽しめる!

「PS VR エイムコントローラー」を使って「Farpoint」をプレイ
前方のアナログスティックで平行移動の操作ができる

 以前、PS3にはPlayStation Moveをアタッチすることで使用する銃型アタッチメント「PlayStation Move Sharp Shooter」が存在したが、この「PS VR エイムコントローラー」はアタッチメントではなく、単体で完結したガンコントローラーとなっているのが特徴だ。

 アタッチメントで済ませていない理由は明快。PS4の標準コントローラーであるDUALSHOCK 4の持つ機能をフルサポートする機能構成になっているためだ。シンプルなパイプ状のボディの各部に、タッチパッドを含むボタン機能が全て配置されており、DUALSHOCK 4で可能な操作が「PS VR エイムコントローラー」でも全てできるようになっている。ちなみに右利き、左利きを切り替える機能もある。

 機能面で特に大きいのは、2本のアナログスティックが使いやすい位置に実装されていること。これにより、体感で狙いを付ける操作と、スティックで平行移動する操作を両立できる。「Farpoint」ではこれをフルに活用して、VR空間内で前後左右に動き回りながら、それとは独立した体感操作で狙いをつけ射撃をする事が可能だ。

 VR空間内で自由に動き回れるというのは、たとえVR酔いで気持ち悪くなる恐れがあるとしても、その世界への没入感を大きく高めてくれるし、プレイ上のテクニックの幅も広げてくれる。例えば、、平行移動で敵の攻撃をかわしつつ撃つ、あるいは次第に距離を詰めながらダメージを与えていく。VRでプレイするFPSへの、ごく理想的なイメージがそのまま実現している感じである。

DUALSHOCK4相当の各種ボタン・スティック・トリガー機能が実装されている
VR内ではこれがそのままゲーム内のライフルに早変わり
ライフル銃のホールド感を再現する、絶妙な形状
振動機能でキックバックも感じられ、さらに没入が高まる
こうしてみると、デザインはPS VRのHMDに寄せたものだとわかる

 また、秀逸なのがその形状だ。パッと見ではとても銃に見えないすっきりとした形状ではあるが、実際に両手に持ってみると、左右の手のポジションが完全にライフル銃を装備した際の感覚になる。その状態でPS VRのHMDをかぶり「Farpoint」の世界に入り込むと、手元にはゲーム世界のアサルトライフルが見え、ビジュアル的なプレゼンスが肉体的な感覚と完全連動。おおっ、という感じで気分も盛り上がる。

 トラッキングも正確で、腰だめで撃ちまくるのも、サイトを覗き込んで精密射撃をするのも、自由自在。強力な振動機能でキックバックも感じられ、銃を撃つこと自体が気持ち良く、楽しい。

 「The London Heist」等で見られるようにPS Moveでもハンドガンのプレゼンスを再現することができるが、両手サイズの武器となると、体感的な大きさとの差異が開きすぎ、プレゼンスが弱まるという問題がある。そのあたりはPC用のHTC Viveでも、Oculus Touchでも同じだ。

 ところがFPSの主役といえば、やはりライフルやショットガンといった“長モノ”である。この「PS VR エイムコントローラー」は、そういった長モノの銃の感覚をリアルに再現することに特化したコントローラーだ。両腕を使ってダイナミックに立ちまわる、迫力たっぷりの射撃感をダイレクトに味あわせてくれる。まさにVRでFPSをプレイするために作られたコントローラー。理想のVR-FPSを実現するための必須ガジェットだ。

 唯一の弱点は、後ろを向くとトラッキングが剥がれてしまう点。PS Moveと同じで、トラッキングを維持するためには先頭部のトラッキングスフィアがPS Cameraの視界内に入っている必要があるのだ。とはいえ、それが問題どうかはゲームデザインによる。「Farpoint」は敵との交戦が常に前方で展開する構成となっているため、全く問題ない。

 ワンランク上のVRーFPS体験を実現してくれる「PS VR エイムコントローラー」。現時点では発売日未定、日本の発売についても未定となっているが、ゲームファンにとって非常に楽しみなVRガジェットになることは間違いない。

PS VR初の本格VR-FPSとなる見込みの「Farpoint」。ゲーム的にはDUALSHOCK 4でもプレイ可能だというが、「PS VR エイムコントローラー」があればその没入感や楽しさは比べられないレベルで上がりそうだ。