インタビュー

SCEWWSプレジデント吉田修平氏インタビュー

今後はSCEWWSのタイトルも中国市場を視野に開発していく

今後はSCEWWSのタイトルも中国市場を視野に開発していく

中国人クリエイターが開発した「風ノ旅ビト」が発表されると拍手が沸き起こった

――今日のカンファレンスではいろいろな中国ローカルのタイトルが出ていましたね。

吉田氏: 私は知らなかったので、結構中国でゲームを作られているのだなと驚きました。映像を見ていても中国っぽいというか、結構歴史もので剣とかを持って戦うようなものが多いので、やはりローカルのコンテンツはカラーがあるなと思いました。

――気になったタイトルはありましたか?

吉田氏: 「現境界限」というゲームはちょっと遊んでみたいなと思いました。あとはMMORPGが中国は多いですね。そのあたりは自然な流れなのかなと思いました。PCとPS4は非常に親和性が高いので、オペレーションを含めて持ってきやすいのかなと思いました。

――「風ノ旅ビト」の発表では拍手がわいていましたね。

吉田氏: やはり地元のクリエイターというか、中国出身のクリエイターだとみんなわかっているのでは。日本もそうですが、世界に対して文化を発信できるという力はありますね。それを中国の方も今後気づかれるのではないかと思います。これまではオリジナルのものを作るというよりは仕事を請け負ってというところが多かったと思います。

――スマホのタイトルが多くなっていると聞きますが、F2Pのタイトルが多いということで、PS4でもこれからF2Pのタイトルが増えていきますか?

織田氏: 今日のプレゼンでもかなりありましたね。

吉田氏: PCゲームから移植するようなものに関しては、F2Pがスタンダードになっているので、それをちゃんとPS4に移植するのが一番入りやすいのかなと思います。

織田氏: 欧米のパブリッシャーさんでもアクティビジョンさんとか、EAさんとか「CoD」とか「FIFA」とかゲーム内容を変えてF2Pにして中国に持ち込まれていますね。アジアのデベロッパーさんにはとても興味を持っていただいて、自分たちが持っているタイトルをどんどん移植しようと言ってくださるのは嬉しいですね。

――中国はセンサーシップがありますが、WWSの中国展開については?

吉田氏: 頑張っていますよ。すでに「KNACK」と「DRIVECLUB」は出しまして、後は「風ノ旅ビト」が8月18日に出ます。そういう感じに非常に積極的にサポートしていこうと思っています。同時発売が一番いいのですが、センサーシップで3カ月とかかかってしまうので、それ次第ですね。ローカライズとしては基本的には計画に入れていこうと思っています。

――今後新規タイトルが出るときには、中国市場も含めて開発が進められていくと?

吉田氏: アジアは当然のことだから、内容次第ですが。まずこれは無理という場違いなものは別として、そうでないものは最初から入れていこうと思っています。

――中国にWWSのスタジオができるという可能性はありますか?

吉田氏: 中国、台湾、ベトナムのアジア圏のデベロッパーには、アセットを作ってもらうという意味で、すごくたくさん仕事を出しているのです。この間も台湾のEXPECさんを訪問したのですが、なんと彼らはWWSの30タイトルに向けて仕事をしているのだそうです。ほとんどすべてのスタジオですね。1つだけまだ仕事をしたことがないところがあるといわれて、ありがとうございますと言うくらいには仕事は出しているのですね。ですからそういった会社が今後オリジナルをやりたいとか、特に近いのでジャパンスタジオなどは注目を初めていますね。デベロッパーの力が徐々についてきている気がします。まだ中国本土のデベロッパーさんと話をしたことはないのですが。実はうちの欧米のタイトルって、日本よりもアジアの方が売れるのです。カルチャーの違いとか、英語もよりこちらのほうが日本人よりもできるというのもあって、タイトルによっては日本の10倍くらいは売れるのです。そういう意味では欧米のタイトルもアジア圏に注目していますね。SCEJAという1つの会社になっていますので、両方褪せたボリューム感というか、技術的なつながりも含めてちょっと頭を切り替えて、スタジオ側もやらなければと最近思っているところです。

――今度はWWSからアジア向けのタイトルが生まれる可能性もある?

吉田氏: あり得ますね。日本向けのタイトルをこの前もやっているのですが、その時に一緒にアジアも考えちゃっています。文化的に近いですし。

――最後に、今回初めてのProject Morpheusの出展で期待されている方が多いと思いますが、意気込みを聞かせてください。

吉田氏: 私はChinaJoy自体も初めてで、すさまじい人だと伺っていて、そこにProject Morpheusを持ってきて、しかも数台しかないというのはどんなことになるのか少し心配ですが、体験された方の様子を一番気にしています。欧米の人は取った瞬間に感情を出してくれるのですが、割と中国の人もおおっぴらな方が多い印象があるので、そういう反応をとても期待しています。

――ありがとうございました。

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(石井聡)