インタビュー
「SDGO」大型アップデート「変わる世界」開発&運営インタビュー
「カスタムパーツ」導入で眠っていたユニットに光を。システム大改変で新たなる出発を目指す
(2013/5/24 00:00)
CJインターネットジャパンは、Windows用オンラインゲーム「SDガンダム カプセルファイター オンライン(以下SDGO)」において5月29日に大規模アップデート「変わる世界」を実施する。
なんと言っても注目は「SDGO」の特徴の1つであった、「グー」、「チョキ」、「パー」の属性廃止という部分。その代わりに、ユニットに個性を持たせるためのシステムとして「カスタムパーツ」が導入され、アップデート後は対戦システムが大きく変わるものとなっている。
今回のアップデートでは、他にも経験値システムや、全体のユーザーインターフェイスにも手が加えられる予定だ。
「SDGO」は日本のサービス開始から3年が経っているが、6年目を迎える韓国では先行してアップデートが導入され、休眠していたユーザーが復帰して全体的な接続時間も増えるなどかなり好評を得ているという。
今回はこのアップデートについて開発元のソフトマックスの開発総括室長のソン・ギウォン氏、バンダイコリアのプロジェクトマネージャーのキム・ハンナ氏、そして日本で運営を行なっているCJインターネットジャパンの統括プロデューサー伴正史氏、プロデューサーの鳴海大助氏に今回のアップデートを行なう事になった理由からアップデートの見どころ、そして「SDGO」の今後の方向性について伺ってきた。
「グー」、「チョキ」、「パー」の3属性が廃止。より自由なユニット選択が可能に
――今回のアップデートでは「グー」、「チョキ」、「パー」の属性が廃止されるということですが、まずこちらの詳細をお聞かせください。
ソン・ギウォン氏: 「変わる世界」では、「グー」、「チョキ」、「パー」を廃止すると同時に、ユニットの性能のバランスを調整します。
これまでは3つの属性に3すくみの関係があり、例えば近接格闘型「グー」の属性の機体が、万能型の「チョキ」の属性の機体に攻撃すると与えるダメージにプラスの補正がかかるというシステムになっていました。
今回のアップデートでは近接格闘型なら近接格闘型といった機体の特徴は残しつつ、与えるダメージやブーストの補正をなくしました。あわせて古いユニットと新しいユニットの性能のバランスを調整し、ある程度平準化するようにしています。これにより、かなり以前に登場した機体を再登板させるチャンスも大きく増えました。
――「グー」、「チョキ」、「パー」の3つの属性というのは、これまでの「SDGO」の戦闘を特徴付けてきたシステムの1つだと思います。それを廃止するというのは思い切った決断だったと思うのですが、そこに至った経緯を教えて下さい。
伴正史氏: このシステムは戦略面を深める一方で、同じ対戦部屋の中で属性のバランスを考慮する必要があるなど、戦闘に対するハードルをあげていたという側面もありました。アップデートを行なうにあたり、“新規のプレーヤーにも楽しみやすいこと”、“既存のプレーヤーに新しいプレイ感覚を提供すること”という2つのコンセプトがありました。
属性などを気にせず、好きな時に好きなユニットを使えるようにして、プレーヤーが感じるストレスを軽減するのが、今回のアップデートの大きな目的です。
――このアップデートは既に韓国で実装されていると伺っています。韓国のプレーヤーの反応はいかがでしょうか?
ソン氏: 概ね高評価を頂いています。「グー」、「チョキ」、「パー」という3すくみの属性は一見わかりやすく見えるのですが、実際は対戦相手との組み合わせなどを考えて戦略を取らないといけないというシステムになっていました。これをなくすことで公平な戦い方ができるようになったので、より手軽な感触に近づいたと考えています。
アップデートの見どころは「カスタムパーツシステム」。プレーヤーの個性を引き出す
――機体の特徴付けとして、3属性の代わりに「カスタムパーツ」というシステムが導入されています。こちらを詳しく教えてください。
ソン氏: これはアップデートで1番の目玉になるシステムです。既存の「オーバーカスタム」による機体の成長システムや強化システムをなくし、プレーヤーは「カスタムパーツ」を組み合わせることによって、機体を好きな方向に成長させることができます。
「νガンダム」という機体を例に出すと、これまでは中距離射撃型の機体としてしか使用することができませんでした。しかしカスタムパーツを装備することで、近接格闘型や防御型などユーザーの好みに合わせて機体を成長させることができるようになります。
これまでのシステムではプレーヤー毎に個性が出しづらかったのですが、このシステムを導入することで自由に個性を出すことができるようになります。
またこの変更にあわせて、ユニットを入手した初期段階から基本の2つのスキルと必殺技が使えるようになります。経験値テーブルも変更され、レベル上げが容易になりました。
――「オーバーカスタム」と「カスタムパーツ」の違いを教えて下さい。
鳴海氏: 「オーバーカスタム」というのはパラメーターに値をプラスするもので、例えば「攻撃力」の値を少し上げるといったものです。今回実装される「カスタムパーツ」は、様々な方法で機体の長所を伸ばすものというイメージです。
伴氏: 例えば、攻撃力を上げたいと考えたとすると、単純に攻撃力のパラメーターを上げるというパーツもありますが、攻撃速度を上げて手数を増やすパーツや、射撃のリロード速度を上げて総ダメージ数を上げるようなパーツなども用意されています。
「攻撃速度」や「射撃のリロード速度」以外にも、「バズーカの当たり判定」を広げるパーツや、「ハイド状態のユニットを探しだす」パーツなどもあります。しかし、どこかにメリットがあれば代わりにデメリットがあるようにしていて、そうすることで全体的なバランスを保っています。カスタムパーツを組み合わせるほどに、“尖った”機体になっていく、というイメージですね。
――既にオーバーカスタムされた機体はどうなるのでしょうか?
伴氏: 機体に蓄積された経験値がそのまま引き継がれ、経験値テーブルにあわせて「ユニットレベル」という形に変わります。ユニットレベルが上がることで装着できるカスタムパーツの種類が増えるのです。
スロットが増えるわけではなく、装着できるパーツの種類が増えます。カスタムパーツは全部で261種類ありますので、その中から組み合わせて自分なりの特性を出すというイメージです。
――ユニットレベルの最大値はいくつですか?
鳴海氏: 最大は12ですが、その上にEXというレベルがあります。EXでしか装着できないカスタムパーツも存在しますが、今回のアップデート時点ではEXになる手段は実装されません。EXにする手段については今後を楽しみにしていただければと思います。
――「カスタムパーツ」は自由に付け替えられるのでしょうか。
ソン氏: カスタムパーツの種類は、「格闘型」や「射撃型」、「支援型」といった系統に分かれていて、1つの系統の中に様々なパーツがあるというイメージです。
プレーヤーはその中から1つの系統を選び、その系統のパーツの中から選択するシステムになっています。系統は途中で変更することもできますが、異なる系統のカスタムパーツを同時に装着することはできません。
――カスタムパーツの入手方法を教えて下さい。
鳴海氏: カスタムパーツはユニットレベルが上がると自動的に開放されていきます。アイテムの様な概念ではないので、ゲーム内クレジットは不要ですし、付け替えも自由にできます。
――カスタムパーツは同時に何種類装着できるのでしょうか。
鳴海氏: これまでのシステムで「基本カスタム」と呼ばれている値が、そのままスロット数に置き換わります。これまではカスタム数が違っても、わずかにパラメーターが変化するだけでした。「カスタムパーツ」システムでは、1つのパーツによって大きく特性が変わりますので、カスタム数1つの影響がこれまでに比べて大きくなります。
――こちらも先行して韓国に導入されています。韓国のプレーヤーの反応を教えて下さい。
ソン氏: こちらも概ね好評です。ただ「カスタムパーツ」の導入により、一部バランスが取れてない部分もあります。こちらに関しては順次修正を進めています。
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