インタビュー
「PsychoBreak」クリエイターインタビュー
「PsychoBreak」のゲームデザインについて
(2013/4/30 00:00)
「PsychoBreak」のゲームデザインについて
――ゲームはオープンワールドですか?
木村氏: オープンワールドではないです。理由がありまして、怖いという点を考えた際、作り始めてから何年か経つ間、色々な論議はあったのです。あったのですが、やはり怖いというところを大事にしようということがあり、それをぶれさせるものは切ろうということになりました。一本道の中に自由度はあるのですが、その自由度がある中でいかに怖さを伝えていくかということに賭けたのです。
――ということは、ゲームとしては一本道と考えて良いですか?
木村氏: 一本道に近いと思います。
――一度クリアした後のリプレイバリューについてはどのようにお考えですか。
木村氏: 色々アイデアがあります。今回三上がデモの最後の方に使っていたのですが、壁につける爆弾のようなものが色々と出てくるのです。三上のタイトルなのでいつもながら弾薬が少なかったりするので、このトラップによっていかに戦略的に場面場面を攻略していくかということに色々なやり方があり、自由度が高いです。そこの部分だけでもリプレイバリューになります。色々なところにたくさんはてながあると思うのです。あれは狙ってやっていることで、そのはてなをどんどん解消していってもらうこともリプレイバリューになると思います。
――1回クリアしただけでは分からないけど、2回3回と繰り返すうちに分かることもあるのですか。
木村氏: そうですね。ストーリーや謎のところにも力を入れていますので色々と掘っていっていただけると色々なものが出てくると思います。
――ただ、今回のデモではストーリー性はあまり感じられませんでした。しっかりとしたストーリーがあるのですか?
木村氏: キャラクタをー描くというところを大事にしていますので、
そこはご期待頂いて良いと思います。
――最初は3人でスタートしましたが、これで固定ではなく、増えたり減ったりするようなイメージでいいのですか?
木村氏: はい。そうですね。
――展開によってプレーヤーキャラクターが変わることもあるのですか?
木村氏: プレーヤーが完全に交代されることはありません。
――主人公はあくまで刑事セバスチャンで、その他の仲間はAIで一緒に戦ったりするイメージですか?
木村氏: そうですね。AIとして一緒に戦うこともあります。色々協力したり、何人かのキャラクタが登場して、そのキャラクタとのキャラクタ性やお話を大事にしようとしています。協力し合ったり反目しあったりも含めてかなり色々なシチュエーションを用意しています。
――なるほど、最近のゲームでは、CO-OPやマルチプレイで、フレンドと一緒に楽しめたりしますが、本作ではいかがですか。
木村氏: 今回色々なシチュエーションがあると申し上げたのはなぜかと申しますと、やはり怖さにつながります。CO-OPやマルチプレイになってしまうと、その時点で怖くないのです。頼れる相方がいる時点で怖くなくなってしまう。ですので、そのような要素は今は考えていません。
――「BIOHAZARD」シリーズはインターフェイスに特有のクセがありましたが、「PsychoBreak」はどうなのでしょう? やはりゼニマックスのタイトルだけにグローバルを意識した操作体系ということになるのですか?
木村氏: 個々の作品にとってそれが必要だったというだけで、三上としては毎回世界への没頭感を大事にしてデザインしていると思います。ユーザーがコントローラーを持って感じる感情と、中の主人公の抱いている感情とをできるだけ一緒にしたいという思いがあります。やばいから逃げよう、びっくりして怖いといった事を大事にしようとしています。それを邪魔しないUIとして設計されています。
――ゲーム視点をショルダー視点にしていました。これに理由はありますか。
木村氏: 怖さの幅を持っておきたかったということがあります。主観に近いカメラになることもありますし、ショルダーカメラになることもありますし、その時々にどう見せるのが怖いのだろうという要素が入っています。
――視点はいろいろ変わるのですか。
木村氏: 色々と変わるシチュエーションがあります。
――かつての「BIOHAZARD」のように視点固定という事もあるのでしょうか?
木村氏: ゲームを作っていく中で、それが一番怖さを演出できるのであれば盛り込むと思います。
片貝氏: 1人称ではなく3人称の視点を敢えて取っているのはプレーヤーのリアクションであったり、プレーヤーの動き対する周りの反応を客観的に見る事ができるからです。引き過ぎず、近すぎずのいいとこどりをしたカメラポジションだと考えています。
――逃げるところを見せるところがホラーにつながるわけですね。
木村氏: カメラが方向的にはおかしな向きになっていることも
あるのですが、怖さを見せようというのが第一の意図です。