ガンホー、「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ」アップデート計画を発表
協力して他国と競う「謎の建造物」、「ストーリークエスト」に注目!


2月下旬より順次実装予定




 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、1月12日、本社にてブラウザシミュレーションRPG「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ」のアップデート計画を発表した。当日行なわれた説明会では4月までの本作の展開と、コンテンツの追加によって明らかとなった本作のコンセプトが語られた。

 「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ」は2011年10月27日よりサービスを行なっているシミュレーションRPGで、プレーヤーは国家に所属するギルドマスターとして、自軍と、自国の領土を拡張していく。正式サービス直前で行なったインタビューでは、ゲームの基本的な要素はできていたものの、国家間での協力要素やゲームの大きな目的となる「ラストダンジョン」など、本作ならではの要素や、コンセプトの提示は今後というところだった。今回の説明会でプレーヤー達の協力要素や、ゲームの明確な目的も見え、よりゲームとしての個性がはっきりしたものになった。

 説明会では、本作のプロデューサーを務めるガンホーオンライン本部第1パブリッシング部制作課課長の廣瀬高志氏、ディレクターの第1パブリッシング部制作課主任の野島俊英氏、プランナーの第2パブリッシング部制作課の田中厚氏から、今後実装されるコンテンツが語られた。


■  今後は「前衛」、「後衛」、「中衛」のメリットとデメリットが明確に

プロデューサーを務めるオンライン本部第1パブリッシング部制作課課長の廣瀬高志氏
ディレクターの第1パブリッシング部制作課主任の野島俊英氏
プランナーの第2パブリッシング部制作課の田中厚氏

 「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ(以下、「ROGM」)」ではプレーヤーは“ギルドマスター”となり、多くのキャラクターを仲間にし、彼らをダンジョンに派兵して勢力を拡大していく。「ROGM」の世界観はMMORPG「ラグナロクオンライン」と同じもので、時代設定も変わらない。復活した「魔王モロク」が冒険者に敗れ、逃亡する際に開いてしまった「異世界」を巡り、プレーヤー達は「ルーンミッドガッツ王国」、「シュバルツバルド共和国」、「アルナベルツ教国」の3つのうち1つに所属し、他国のプレーヤーと戦いを繰り広げて行く。

 現在、「ROGM」は3つのワールドで運営されている。サービス開始当初はゲームが重かったが、サーバーを増強することで対応し、2011年12月には第3ワールドをオープン、2012年1月現在で各サーバーの累計ユーザー数は「リーフ」が13,500人、「アミストル」が10,000人、「フィーリル」が6,500人となっている。

 

 通常のフィールドでは他のプレーヤーの拠点である「キャンプ」を襲うことはできないが、「異世界」では他国のプレーヤーのキャンプを襲うことが可能になっている。他国のプレーヤーに何度も攻め込まれ資源を失ってしまえば撤退するしかない。各国の勢力は色で表示されているため、国のせめぎ合いをプレーヤー達は「色塗り」と呼び、激しい戦いを日夜繰り広げている。

 特にマップ上で「????」と書かれている巨大な建造物周辺での攻防が激しい。現在のところでは「????」は具体的にどういった物かは明らかになっていないにもかかわらず、この建造物の周囲を占拠するために、激しい戦いが繰り広げられている。戦いの理由は、プレーヤーは建造物が「ラストダンジョン」であることを予想しており、このダンジョン攻略に有利な位置を求めているからだ。建造物の近くにキャンプを設置できれば、ラストダンジョンがオープンしたとき、より素速く派兵ができるというわけだ。

 これからの「ROGM」の展開は「ストーリークエスト」、「モンスター勢力の活性化」、「謎の建造物(ラストダンジョン(仮))」、「第1クールフィナーレ」という順番で新要素を追加し、本作ならではの特色を前面に押し出していく。2月の下旬~3月より順次コンテンツを実装していき、4月中旬に第1クールを終了する予定だ。「ROGM」では数カ月に1度のスパンで戦いをリセットし、新たな戦いを開始するというサイクルを考えている。ユーザーのデータの継続などについては未定だ。

 「ROGM」ではプレーヤーは「前衛」、「後衛」、「中衛」という3つの地域に最初の拠点を構えることができた。しかし現在は前衛以外は異世界までの距離が遠く、“色塗り”に参加しにくい、という点以外でメリット等はなかった。後衛プレーヤーは異世界の戦いに参加せず自軍の拡張を図っているというのが現状で、国家に所属しているという要素が薄かった。

 「ストーリークエスト」は国家間の結束を強める要素だ。プレーヤーはダンジョンなどマップへの派兵だけでなく「ストーリークエスト」への派兵が可能になる。ストーリークエストでは「討伐モンスター」とその護衛のモンスターが設定されていて、プレーヤーがストーリークエストに参加することで、敵の体力を減らしていける。国家間のプレーヤーが協力することで、討伐モンスター撃破を目指すのだ。

 ストーリークエストに参加することで、プレーヤーは経験値などの報酬を得ることができる。このストーリークエストでの貢献度合はランキングに表示され、貢献度合での報酬も変わってくる。異世界の占有は国家間の力のバランスで厳然とした力の差となっているのが現状だが、ストーリークエストでは所属プレーヤーの数でバランスも調整され、異世界での勢力争いとは違う方向性でのユーザーの目標となる。討伐モンスターを撃破することで、「謎の建造物(ラストダンジョン(仮)」での戦いにも影響を及ぼす予定だ。ただし現在のところ、ストーリークエストにプレーヤーは1日に何回派兵できるか、といった詳細は未定で、今後調整を行なっていくという。

 「モンスター勢力の活性化」は国家間の争いだけでなく、“自衛”を求められる要素だ。「ROGM」では異世界以外では他国のプレーヤーから攻められることは無かったが、今後はNPCであるモンスターから襲撃を受けるようになる。モンスターの強さと襲撃の頻度は拠点の位置で異なってくる。前衛地域は頻度は高いがモンスターは弱く、後衛地域では頻度が低いがモンスターは強い。これまで異世界以外のキャンプでは「結界」や守りのための戦力駐屯は必要なかったが、今後は注意が必要となる。


4月までの予定と、コンテンツの概要、ストーリークエストのイメージ。いよいよ本作のコンセプトが明らかになる

■ いよいよ「謎の遺跡」の扉が開かれる。各国の思惑はどのような結末を向かえるか?

ラストダンジョン(仮)周辺。多くのプレーヤーのキャンプで占拠されている
ラストダンジョン(仮)のイメージ。かつて無い激しい戦いとなりそうだ
2月上旬のアップデートでよりプレイしやすくなる

 そして大きな目玉となるのが、現在は「????」とされている「謎の建造物(ラストダンジョン(仮)」だ。ラストダンジョンというのは仮名で、今後正式名称は決まるとのこと。このダンジョンをどこの国が征するか。この戦いが、「ROGM」での大きな競争ポイントとなる。

 「ROGM」は先述したように「ラグナロクオンライン」と同じ世界で、時間軸もほとんど同じである。「ラグナロクオンライン」では「ルーンミッドガッツ王国」、「シュバルツバルド共和国」、「アルナベルツ教国」の3つの国は表向き力を合わせ、プレーヤーに協力を募って突然現われた異世界を探索している。しかし一方で「魔石」という物質を巡り、他国を出し抜こうと活動を開始している。

 「ROGM」ではこの3国の争いが「ラグナロクオンライン」に比べよりフォーカスされている。プレーヤーは所属国家が他国に先んじるため、「謎の建造物」の中に入っていくのだ。「謎の建造物」では、「ラグナロクオンライン」にも登場しないオリジナルモンスターが守護モンスターとしてプレーヤーの前に立ちはだかっている。彼らは異世界の存在であり、守護モンスターを討伐し、謎の建造物を進むことで、「魔石」への秘密に迫っていけるという。

 守護モンスターは何人ものプレーヤーが、何度も謎の建造物に挑むことで倒すことができる。育て上げたキャラクターを多数のプレーヤーが派兵することで攻略は進められるだろう。謎の建造物は「上層」、「中間層」、「最深層」となっており、その道のりは厳しい。この謎の建造物に挑めるのは、キャラクターを鍛え上げたプレーヤーのみだ。前衛プレーヤーは、他国のプレーヤーと激しい戦いをするため、キャラクターが強くなっているが、のんびりプレイできる中・後衛プレーヤーはキャラクターも強くないし、謎の遺跡に行こうとしても距離があって難しい。しかし弱いキャラクターしかいなくても、本拠地の周囲のダンジョンを攻撃することで、同じ国のプレーヤーが侵攻している「ラストダンジョン(仮)」の戦闘に対して、間接的な援助が可能とのことだ。

 しかしこの「ラストダンジョン(仮)」の攻略は、各国で大きな差がある。「ラストダンジョン(仮)」はマップ上に3つ存在しているのだが、第1サーバーの「リーフ」の場合2つの「ラストダンジョン(仮)」を1国が占拠してしまっている状況にあるという。こういった戦力差の場合は、敵対国プレーヤー達が「ストーリークエスト」をクリアすることで、敵対国の「ラストダンジョン(仮)」攻略を邪魔できるようにしたいとのことだ。ラストダンジョン(仮)攻略により、国家間の戦争の決着がつく。そして「第一クール」が終了する。まだまだ詳細はこれからではあるが、「ROGM」ならではの国家間の競争要素、協力要素が今回明確に提示された。

 この他、「ROGM」では、不要となったアイテムを、Zenyや資源に交換できる「買取ショップ」。さらに現在未実装のスキルが実装され、アイテムを作成できる「工房」のラインナップが充実する。ゲームとしての完成度を上げるこのアップデートは新要素に先がけ、2月上旬までに実装予定だ。また、年末に予定されていた「ROGM」のスマートフォン版は、2月下旬以降に配信予定だ。「ROGM」はブラウザにより、現在でもスマートフォンからプレイ可能だが、スマートフォン版のアプリを使うことで、インターフェイスがより扱いやすくなる。

 ファンへのメッセージとして、プランナーの田中厚氏は「『ROGM』は、世界観やストーリー、演出にもこだわっていきます。クリスマスのイベントでマップを雪景色にしたり、季節イベントも行なうなど、『ラグナロクオンライン』などのMMORPGファンにも楽しんでもらえるゲームを目指しています。他のブラウザゲームにはない、『ROGM』ならでの魅力を今後も見せていきたいです」。ディレクターの野島俊英氏は、「まだまだ明かされていないストーリーや、バックグラウンドストーリーがあります。“人間の裏表”やNPCの人生、そしてプレーヤー自身のロールプレイ、『どんな世界を楽しんで、ゲームを進めていくのか』など、色々なことを考えながらゲームを楽しんでもらいたいです」。

 最後に廣瀬氏は、「『ラグナロクオンライン』は、コンシューマーゲームなどにも発展しています。『ROGM』もプラットフォームの垣根を広げるタイトルで、『ラグナロクオンライン』をプレイしている人には本作に興味を持ってもらいたいし、そうで無い人には『ラグナロクオンライン』にも興味を持って欲しい。今年は、『ラグナロクオンライン』が10周年を迎えるので、その盛り上がりに『ROGM』も一緒に盛り上がっていきたいと思います」と、語った。


【スマートフォン版スクリーンショット】
スマートフォンに最適化された「ラグナロクオンライン ギルドマスターズ」。2月下旬以降よりプレイできる予定だ

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※画面は開発中のものです


 

(2012年 1月 19日)

[Reported by 勝田哲也]