インタビュー

日本マイクロソフト泉水敬氏にXbox Oneの今後の展開を聞く

「日本のタイトルにこだわらず、常に新しいものを提供し続けていくことが重要」

9月18日〜21日 開催(一般公開日 20日〜21日)



会場:幕張メッセ1〜9ホール



入場料:
前売り 1,000円
当日 1,200円
小学生以下無料

 東京ゲームショウに2年連続の出展を果たした日本マイクロソフト。昨年に続いてXbox Oneを中心としたラインナップを揃え、新しいゲームコンソールの魅力をアピールしていた。

 Xbox Oneは9月4日に日本でのローンチを果たし、来週23日はいよいよ中国でのローンチと、ティア2対象エリアでの展開が本格化し、年末商戦からはいよいよグローバル規模でのプラットフォーム戦争が幕を開ける。“ゲーム機”アピールで先行するプレイステーション 4、「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「マリオカート」など強力な自社IPでハードを牽引するWii Uに対して、Xbox Oneはオールインワンプラットフォームとして、KinectによるナチュラルUIをはじめ、カラオケやSkypeなどの豊富なアプリケーションやTV機能など、ゲーム以外の機能を前面に押し出し、シェアの拡大を目指していく方針だ。

 しかし、メディアクリエイトが発表した日本での初速の数字は約2万5000台と、PS4やWii UといったライバルハードやXbox 360を上回るスロースタートとなった。日本マイクロソフトとしてはゲームプラットフォームの寿命が長期化している点に着目し、初速の数字にこだわらず、数カ年計画で粘り強くプラットフォームの普及に尽力していく構えだが、ローンチ以降の2段階目、3段階目の起爆剤は何になるのか。今回は東京ゲームショウXboxブースにおいて、日本でXbox事業の舵取りを担う日本マイクロソフト執行役インタラクティブエンターテインメントビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏に話を伺った。

今後より豊富なバリエーションとXbox Oneならではの体験を提供

日本マイクロソフト執行役インタラクティブエンターテインメントビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏
Xboxブース
9月21日の「[インサイドXbox]ニコワン」の冒頭には、Xbox事業のトップを務めるフィル・スペンサー氏が挨拶を行なった
日本でもついに本体同梱の限定版パッケージが発売される

――Xbox Oneについて、先日日本での販売台数の速報値が出ましたが、この数字についてどのように考えていますか?

泉水氏: 我々は短期的な数字でどうこうというのはあまり考えていません。Xbox Oneを購入したユーザーからは非常にポジティブな評価を頂いています。我々としてはそういった声を拾いながら、年末商戦に向けてより魅力的なコンテンツ、限定版のコンソールを含めて、ユーザー様に対してより魅力的なオファーを出しながら、それらのコンテンツを中心としたプロモーション活動を通してXbox Oneの魅力をより多くの方に知ってもらうことで、ユーザーの方にご購入頂けるのではないかと思っています。

――サードパーティーさんの中には、当初、マルチプラットフォーム展開を発表していたタイトルを、急遽Xbox One版の発売を取りやめるというメーカーが出てきています。これについてどのように考えていて、今後どのように対応していこうと考えていますか?

泉水氏: 一部そうした動きがあるのは事実ですが、真逆の動きもありまして、我々としてはユーザーの皆さんに楽しんでもらい、満足していただけるラインナップを作っていくということと、同時にXbox Oneならではのゲームを出していく。これは我々ファーストパーティーを中心に展開していくことになりますが、サードパーティーのタイトルの中にもXbox Oneならではのタイトルもあります。そういったタイトルをひとつずつ増やして行くことで、ユーザーの皆さんには豊富なバリエーションとXbox Oneならではの体験を楽しんで頂けると思います。

――たとえば、北米では、Xbox OneでActivisionの「Destiny」が大きなヒットになっていますが、日本では残念ながらXbox Oneではリリースされていません。今後日本で「Destiny」がリリースされることはあるのでしょうか?

泉水氏: それはActivisionさんの計画次第ですので、我々としてはコメントできませんが、我々としては今後、「Halo The Master Chief Collection」がありますし、来年には「Halo 5 Guardians」も控えています。こういったタイトルをはじめ、サードパーティーさんも含めてもっともっと楽しい体験を提供して行ければと考えています。

――日本でのXbox Oneのリリースについて、ゲームコミュニティの意見として多いのは、「日本オリジナルタイトルが少ない」ということでした。それは他のプラットフォームと比較してというだけでなく、Xbox 360と比較してもということですね。こうした意見についてどのように向き合っていくつもりですか?

泉水氏: 東京ゲームショウ初日に発表させて頂きましたが、9月19日から日本オリジナルタイトル「D4」をリリースさせて頂きました。ユーザーの皆さんにとってはサプライズになったかと思います。「D4」以外にもローンチタイトルのひとつとして「Crimson Dragon」もリリースさせて頂いています。また、E3で発表しましたように「Scalebound」をプラチナゲームズさんと共同で開発していますし、そしてなんと言っても「ファントムダスト」があります。

 「ファントムダスト」はもうXboxユーザーでも覚えている方が少ないかもしれませんが(笑)、歴とした日本オリジナルのフランチャイズです。こういったようにすでに複数ラインの日本開発タイトルが走っていますし、これからもそういった取り組みは増やしていくつもりです。そのために今回、Xboxのトップであるフィル・スペンサーも来日しています。東京ゲームショウの会場にも足を運んで、色んなミーティングを通じて、今後の日本展開に役立つ情報を本社に持ち帰っていますので、今後の展開をどうぞご期待頂ければと思います。

――今年、フィル・スペンサーさんの来日の目的は、新たなデベロッパーとの交渉がメインなのですか?

泉水氏: もちろんそれもありますが、彼は日本のことが好きなので、毎年東京ゲームショウに来ているんですね。彼は日本のゲームマーケットが大好きですし、日本のXboxの強力なサポーターでもあります。今回は日本のXbox Oneローンチ後初の来日ということで、どういう反応があるのかの視察がメインになります。

今後の起爆剤は、有力タイトルのリリースと、Xbox Oneならではの新しいタイトルの提供

日本発のXbox Oneタイトルとして期待される「Scalebound」
ホリデーシーズンの期待のタイトル「Sunset Overdrive」
ID@Xboxを利用してXbox Oneで展開される「Mighty No.9」
今後も引き続きXbox Oneの展開に期待したい

――Xbox 360では、日本のメーカーと協力して、日本のゲームファンが好むRPGを次々と世に送り出しました。Xbox Oneでは、今後のてこ入れの材料と言いますか、第2、第3の起爆剤は何か考えていますか?

泉水氏: それはやはり新しいゲームということになると思います。その一方で、日本のタイトルでヒットしている人気シリーズをXbox Oneで揃えていくことも非常に重要です。コナミさんで言えば「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」、スクウェア・エニックスさんでいえば「ファイナルファンタジーXV」、「キングダムハーツIII」といったメジャータイトルをキチンとご提供していくことは大事です。

 その上でやはり新しいものを出していく必要があると考えています。この点に関しては、日本のタイトルだけでなく、海外のタイトルでも、日本のユーザーさんに十分に受け入れられるようになっていると思います。ファーストパーティーで言えば「Sunset Overdrive」です。これは海外のタイトルではありますが、日本のゲームに強い影響を受けています。遊んだ感触はまさに日本のゲームに近いと思っていますので、とにかく日本のユーザーさんに楽しんで頂けるものを、メーカーがどこにあるかにこだわらずに、幅広く集めていきたいと考えています。

――今後ユーザーさんに向けて考えている施策があれば教えて頂けますか。

泉水氏: 発表前なのでまだお話しできませんが(笑)、今回、フィルが来ているというのは、今後も我々は日本の皆さんに新しいエンターテインメントを提供し続けていくというコミットメントも含まれています。ファーストパーティーを含め、そういった取り組みをやっていきますし、これまで通り、日本の大手メーカーさんを中心に、日本のクリエイターの皆さんが作られるタイトルを取りそろえていく努力は今後も継続していきます。ご期待頂ければと思います。

――日本の大手メーカーさんの中には、まだXbox Oneに参入していないメーカーさんもいらっしゃいますが、今後参入していくと期待していいのでしょうか?

泉水氏: はい、そう考えて頂いて良いと思います、そういった取り組みは今後も継続していきますし、今回も出展させて頂きましたが、ID@Xboxを通じて多くの新しいコンテンツが出てきますので、その中からヒット作が生まれていくことを強く期待しています。

――ID@Xboxについては、現在水面下で取り組みが進んでいるわけですが、日本発という点ではどの程度準備が進んでいるのでしょうか?

泉水氏:まず、ID@Xboxから生まれたタイトルという点では、実はローンチタイトルの中に含まれていまして、「Warface」というFPSです。実はID@Xboxから生まれたタイトルで。開発はカナダのデベロッパーですが、日本を含む多くの方に遊んで頂いています。日本のタイトルという点については、これから年末商戦に向けて「Mighty No.9」をはじめ、続々と登場していきます。「Mighty No.9」は今回出展して長い列ができていますけど、今後もそういったタイトルが順次出てきますのでどうぞご期待下さい。

――それでは今後、日本のXbox Oneのタイトルラインナップは順次強化されていくと期待していいでしょうか?

泉水氏: もちろんです。その点はご安心下さい。ご期待に添えるタイトルが揃えていきます。

――最後にXboxユーザーに向けてメッセージをお願いします。

泉水氏: 我々としてはファーストパーティー、サードパーティー、そしてインディーのタイトルを幅広く取りそろえて、ユーザーの皆さんに楽しんでいただけるコンテンツ、Xbox Oneを安心してご購入頂ける環境を作って行こうと考えておりますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。これからも頑張って下さい!

(中村聖司)