「大航海時代 Online 2nd Age」開発プロデューサー/運営ディレクターインタビュー
ガナドールとの戦いは? 皇帝選挙の具体的なメリットは? 新要素の詳細に迫る
株式会社コーエーテクモゲームスは、9月20日に発売するプレイステーション 3/Windows用オンライン海洋冒険RPG「大航海時代 Online」の拡張パック第5弾「大航海時代 Online 2nd Age」の先行体験会を開催した。この発表会の後、「大航海時代 Online 2nd Age」開発プロデューサーの竹田智一氏と、運営ディレクターの木部高広氏に話を聞くことができた。
「2nd Age」はこれまで地域を広げていた「大航海時代 Online」に、新たに“時代”という概念をもたらす。この時代は過去から未来に進むだけでなく、プレーヤー達の行動によって、過去に進むこともあるという。発表会では「2nd Age」の基本的な要素が語られた。そこで浮かんだ疑問、システムの詳細や、各要素のメリットといったポイントを質問してみた。
個人的に気になっていたのは、“時代の変化”というものが、どの程度の影響を世界をもたらすかだ。本来、時代という大きな軸が変わってしまえば、 街に住む人々は世代が変わってしまうし、国がなくなってしまうことすらあるだろう。本作がもたらす“時代の変化”は、具体的にどこがどう変わるのか。インタビューによってよりはっきりと今回の拡張パックの姿が見えてきたと思う。
■ 過去や未来へ時代を動かすのは「日々のプレーヤーの行動」。世界全体の変化は今後の要素
コーエーテクモゲームス「大航海時代 Online 2nd Age」プロデューサーの竹田智一氏 |
運営ディレクターの木部高広氏 |
レリックピースを集めることで、歴史的発見ができるようになる |
「大航海時代 Online 2nd Age」は1年前にコンセプトを固め、開発に着手したという。木部氏は「『大航海時代 Online』のプレーヤーさんはのんびりした気質の方が多いという印象を持っています。今回の『2nd Age』はこれまでと少し異なる味付けもあり、新たな可能性を感じていただきたい」と語った。
「2nd Age」の最大の注目点は、プレーヤーの行動により“時代”が過去や未来に変動する「ワールドクロック」と呼ばれるシステムだ。だがこの時代変動の影響が今のところ見えない。「大航海時代 Online」は大航海時代で発見された主要な地域をカバーしている。時代が変わると国が無くなってしまったり、登場人物が変化したりするのだろうか。また、使えなくなってしまう技術等も出てくるのだろうか?
竹田氏は「今回はこれまでできたことができなくなることはありません。時代の変化でどこまでゲーム世界に変化を加えるかは、これからのテーマとなります」と語った。今回実装される「Chapter 1『双頭の鷲』」では時代の幅は“16世紀”に設定されており、この幅での時代の変化が起きる。この時点では世界全体や、技術の変化はない。しかし今後この時代の幅が大きくなることで、世界全体にも変化がもたらせられる要素が実装できるかも知れないという。
プレーヤーは基本的にこれまでと同じ感覚、環境でゲームがプレイでき、さらに時代の変化によって生まれる“様々な可能性”を楽しむことができる。「信長の野望Online」の様に、プレーヤーの選択で国そのものが無くなるようなことはないとのことだ。ただし、時代によってのパワーバランスによる変化は生まれる。
“時代”は大きく時系列で切り分けられ、プレーヤーの選択により、未来か過去に動く。しかし、時代を動かそうとする力が拮抗してしまい、過去と現在を連続して行き来して、同じ時代を体験するということも起こってしまわないだろうか?
竹田氏は「そうはならないです」と語った。時代は必ずしも時系列に厳密では無く、過去と未来2つの区分から抽出し、どちらに行きたいかを選ぶ。1回行った時代や歴史的な出来事はなるべく避ける形になっているという。
9月20日の「2nd Age」スタート時点では公式サイトの投票でゲームのスタート時期が決定されるものの、そこから先はプレーヤー達のゲーム内での“行動”で時代の変化を左右されるようになる。時代は毎月第1火曜日の21時に変わる。この時に判定が行なわれるのだ。この判定には謎の女性エイリアスの“占い”によりプレーヤーが「過去派」と、「未来派」に選別され、彼らのプレイの結果が蓄積され、その結果によって時代の変化がもたらされる。
そしてプレイの結果と共に時代の変化をもたらす要素となるのが「皇帝選挙」と「ガナドールとの海戦」といった歴史的要素である。これまで選挙と海戦は明らかになっているが、今回新たに「大陸の発見」という要素が提示された。現在の「大航海時代 Online」はこれまでの拡張要素により、大航海時代に発見された主要な地域が実装されているが、時代によってはその場所が歴史的には未発見の場合もある。こういった場合、「レース」の様なイベントで、誰が発見できるかで歴史が変わってくる。またトレジャーハントで「エルドラドの発見」といったことを成し遂げることでも変わってくる。
トレジャーハントは「レリックピース」を集めて“合成”することでより高度なレリックピースにしていき、これを使用することで「クエスト」が発生する。エルドラドの発見も、この発生したクエストによるものだが、レリックピースはどのくらい集めるとクエストが発生するのか、クエストがどのくらいあるのか、といったボリューム感がわからなかった。
レリックピースは多彩なものがあり、クエストを発生させる組み合わせに到達するには、様々なピースを集める必要がある。その試行錯誤も含め、プレイをしていながらレリック発見のクエストが発生するようになるには“1週間”くらいかかるのではないかと竹田氏は語った。レリックのクエストは最初は十数種用意されるとのこと。使用するレリックピースによって発生するクエストは変わってくる。レリックピースにはある程度“傾向”があるという。プレーヤー間での攻略も盛んになりそうだ。
■ 「皇帝選挙」、「ガナドール」では、これまで以上に濃厚な歴史との関連性を強調
皇帝候補の“公約”が当選することで政策となる |
ガナドールとの戦いは、コアプレーヤーにとって挑戦しがいのあるものになる |
新しい船も多く登場する |
「2nd Age」の鍵を握る女性エイリアス |
「皇帝選挙」に関しては、時代が変わる1カ月で行なわれることもあれば、途中に歴史的事件に関連する特別な選挙が入ることもあるという。基本的には「時代が動くと選挙が発生する」というサイクルになる。プレーヤー達が誰を支援するかで選挙結果は変わってくる。選挙でのメリットは支援していた人物が皇帝になったことで実現する「政策」だ。
政策は“ボーナス”という形が多く、交易系のボーナスを多くもたらす者、戦闘で有利になる効果をもたらす者といった様に、人物によって違いがあり、支援が大きいと政策が増える。自分のプレイスタイルに合わせた合った候補者に支援を行なっていくスタイルになる。運営側は政策次第でプレーヤーの熱意も変わってくるのではないかと予想している。歴史と候補は史実に従っており、「この時代ならこの候補がいるかな」といった予想するのも楽しいという。
次に、「ガナドール」は“5人1組のパーティーでどこまで戦えるか”を楽しむコンテンツとなるという。挑戦するためには「国家貢献勲記」が必要で、コアプレーヤーならばすでにたくさん持っているので、すぐに挑戦できるだろう。ガナドールにはランクがあり、上位のガナドールは特定のガナドールを倒さないと出現しない。ガナドールとの戦いはいくつかの護衛艦隊を撃破してからガナドールとの戦いになると言うことで、長期戦も見越した準備もしなくてはならない。
上位ガナドールを倒すと、更に難易度が高いハードモードも登場する。また、ガナドールを倒すと様々な恩恵が得られる。目玉は『2nd Age』から実装される新しい船の部品。リーダー同じならば、パーティメンバーを変えても上のガナドールにも挑戦可能となる。ガナドールを倒すと様々な恩恵が得られる。目玉は船の部品。同じガナドールと何度も戦うことも可能なので、特定のアイテムを入手したいときなどは、何度も手合わせすることになるだろう。
これまでも「幽霊船」といった手強い船との戦いはあったが、ガナドールによっては反則的な性能やスキルを持っている場合もあるという。特に今回はガナドール本人を守る手強い護衛艦隊とも連続で戦わなくてはいけない。コアプレーヤーにとって、仲間と共に強い敵をどうねじ伏せていくか、挑戦しがいのあるコンテンツとなる。ちなみにガナドールと戦う空間は閉鎖されたMO空間となり、他の船が通りかかるといったことはない。
少し気が早いが、リリース後のアップデートのスケジュールに関しても質問してみた。竹田氏は「割と早い時期に発表します」ということで、次の要素は思ったより早く提示されそうだ。内容に関してはまだ秘密とのこと。
竹田氏は今回のコンテンツで、プレーヤーに楽しんでもらいたいポイントとして、「時間の概念が導入されることで、世界が立体的に広がるようになり、史実という要素が強化されていく中で“なりきり”の楽しさも感じて欲しいと思います。とはいえ勉強して知識を得ないといけないほど堅いものではなく、時には時代が過去に行き、現在の原因となる物語を体験できるようにもなります」と語った。
木部氏は「今回、皇帝選挙や、ガナドールとの戦い、といった要素が入りましたが、私はライブイベントや、キャンペーンなどの部分で、これまでとは少し味付けの違うものをやっていきたいと思います。より多方面な方向で楽しめる、逆に、史実から少し離れたことも盛り込めるようになります。どういったものになるかは楽しみにして下さい」と語った。
最後にプレーヤーへのメッセージとして竹田氏は、「今回の拡張パックで、「大航海時代 Online」の可能性が大きく拡がります。今お話しできないこともたくさんあり、やりたいこともたくさんです。今後に是非ご期待下さい」。木部氏は、「『2nd Age』は我々として大きなチャレンジとなります。サービス開始後、プレーヤーさんの反応が楽しみですね。もっと面白いだろう、楽しんでもらえるだろう、というものを提供していきます」と語った。
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(2012年 9月 7日)