「ファンタジーアース ゼロ」4周年記念インタビュー
“危機的な1年”を乗り越え、2011年は誰もが楽しめるゲームへ
株式会社ゲームポットが運営しているWindows用オンラインアクションRPG「ファンタジーアース ゼロ(FEZ)」が、12月21日でサービス開始から4周年を迎えた。前身である「ファンタジーアース ザ リング オブ ドミニオン(RoD)」から数えると約5年のサービスとなり、オンラインゲームとしては老舗タイトルに名を連ねる段階に入ってきた。
しかしながら今年1年も積極的なアップデートが重ねられてきた。さらに先日はゲームポットと開発元であるフェニックスソフト、ライセンサーの株式会社スクウェア・エニックスの3社が揃ったプレスカンファレンスが開かれ、2011年にはさらに力を入れていくと宣言された。
弊誌では、毎年恒例となった年末のインタビューを今年も実施した。今回お答えいただいたのは、ゲームポットで「FEZ」チーム長を務める劔俊彦氏、フェニックスソフト 開発部部長の野口健太郎氏、株式会社スクウェア・エニックス 第二オンライン企画運営部 プロデューサーの小山博典氏。ちなみに野口氏は以前はコンシューマーゲームの開発に携わっており、その経験から「FEZ」の開発を任されている。
■ “最も危機的な1年”を乗り越えて2011年へ
ゲームポット「FEZ」チーム長の劔俊彦氏 |
フェニックスソフト 開発部部長の野口健太郎氏 |
スクウェア・エニックス プロデューサーの小山博典氏 |
――まず、今年1年を振り返っていかがでしたか?
劔俊彦氏: 2月にラグ問題が発生し、お客様に対して大変ご迷惑をおかけしました。それが終わって、今度は夏にログイン障害が起こり、本当に寝ずの番をやっていました。去年、一昨年よりも倍くらい大変な年でした。
野口健太郎氏: 開発と運営は2人3脚ですので、運営と同じく大変でした。12月に実装する「チャリオット」は、初めての新たな召喚獣でしたので、その部分の企画も含め、いろんな意味で「FEZ」を見直す機会になりました。
小山博典氏: 「RoD」からアイテム課金化して「FEZ」となってから、1番危機的な状況に陥った年でした。運営チームと開発チームも大変で、その間のチームのムードはかなり落ち込んでいましたが、お客様が見捨てないでいてくれたおかげで乗り越えられたと思います。
――今年は90万アカウント突破の発表がありました。昨年は70万アカウントでしたが、この辺りの数字は順調と言えるのでしょうか?
劔氏: ゲームで勝利するモチベーションにつながる部分が薄まってきていると、各データやお客様の声から見て取れています。後手に回ってしまいましたが、そこは急ピッチで手をいれなければと考えています。会員獲得の実績についても、運営チームの不手際でロスしている部分はあったと思います。そういうところをなくしていって、来年はよりよい年にしていきたいと思っています。
――開発の様子はいかがでしょうか?
野口氏: 「FEZ」はお客様の数がすごく多くて、こちらが考えたことに対する反応の大きさに驚かされます。その開発へのフィードバックから生まれる発想や、発見される問題点について、レスポンスをもっと早くするための道がいろいろと見えてきたと感じています。お客様に支持していただいてここまでやってこられたので、これからはより高いレベルでお客様に恩を返していきたいと考えています。
――スクウェア・エニックスさんとしては、誕生から5年が経ったコンテンツになりました。これからはどのように付き合っていこうと考えていますか?
小山氏: 次々出てくる新しいタイトルと競争していかなければならないという、厳しい外部環境は変わらないと思っています。ゲームポットさんとは、体力のあるうちにコンテンツの強化を進めましょうと話をしています。具体的にどうしていくかは話をしているところですが、「FEZ」が10周年を迎えられるものにするために、様々な方法を検討しています。
■ 魔導具の実装と、数度のバランス調整を経た現状は?
2010年の新要素「魔導具」 |
広範囲に鈍足効果を与える新スキル「グラビティフィールド」は、プレーヤー間でも度々議論の的になった |
――では今年実装された要素を振り返りたいと思います。まず魔導具の実装についてですが、魔導具のコンセプトがあれば教えてください。
劔氏: 大剣と銃が入りましたので、次はソーサラーの拡張でという流れです。まず外見は、見栄えがする武器は何かと考え、手から離れて浮かぶという魔法使いらしいものになりました。新スキルは3つ追加したのですが、それぞれ状況によってこう使ってもらえれば、と新しい役割の創出を考えて実装しています。
――3つのスキルについては、どういった狙いがありますか?
劔氏: 既存の大魔法に匹敵する魔法として、性能もさることながら、見栄えも重視しています。特に「メテオインパクト」は、見栄えをよくしたいというところが検討要素として大きかったと思います。「レディアントシールド」はお客様の中でも賛否両論あったと思いますが、自動反撃型という新しい試みがありました。立ち位置としてはいずれも大魔法なので、大きなダメージや広い範囲が求められていると思いますが、そのまま入れると大味すぎるバランスになってしまうので、悩みながら実装しました。その後も少しずつ調整し、今に至るというところです。
――3つの中でも「グラビティフィールド」は度々修正されていて苦労が見えました。この修正の意図を教えていただけますか?
劔氏: 最初はやはり強かったので、それを若干弱くしようという動きが続いて、今はかなり弱いと言われています。スキルについて議題にした時には、必ず話題に上がるスキルだと思います。範囲デバフというのは多人数の戦争においては大きく影響すると改めて感じていて、四苦八苦している状態です。
――今のままでいいという判断ではないのですね?
野口氏: それはありません。戦場での利用状況や、お客様からの声を見ていて、まだまだ改良の余地があると感じます。戦場にはブームがあり、それによってスキルのあり方も変わります。そこに柔軟に対応していくことも重要だと感じています。スキルの修正は1つだけ見て考えるのは難しく、全体を見る必要があると思っています。
――今年は大きなスキル調整が数度行なわれ、バランス調整にかなり力を入れられていたように感じます。現在の状況を見て、今後はどうすべきだと感じていますか?
野口氏: お客様はそれぞれスキルに愛着をお持ちだと思いますが、不公平があってはいけないと考えています。今は遠距離の打ち合いになっているというコメントが多いので、そこは見ていきます。
劔氏: 少なくないお客様がそうおっしゃっているものの、遠距離職の方からは「近距離職に対処できない」という声もあります。ここはよく見ていこうという状態です。
――フェンサーやセスタスについてはいかがでしょうか? フェンサーの反撃能力が高すぎるとか、セスタスは対建築能力が足りないと言われてきましたが、現状はいかがでしょうか?
劔氏: セスタスは対建築能力が低すぎるという声はなくなったので、スキル調整次第でフェンサーにもう少し手を加える必要が出るのではないかという予感はあります。
――現状のフェンサーで何か改良が必要だと感じている点があるのですか?
野口氏: 最初からフェンサーになれてもいいんじゃないかと思います(笑)。
劔氏: 私個人としては、熟練者の「ストライクダウン」が強いとは感じます。これが私の1個人の意見なのか、お客様に共感していただけるものなのかで、今後の方向性が決まると思います。あと「ペネトレイトスラスト」の消費Pwが少ないとは言われます。消費Pwについては、他のスキルも全体的に見て調整する必要があるので、そこは大きな話になると思います。ただ今のところ、調整についての具体案は挙がっていません。
野口氏: スキル調整は大きな枠で見る必要があります。例えば今回「チャリオット」を入れることになって、また新しい話が出てくると思います。それはまた、全体を調整しながらより完成度を高くして、どんどん刺激を増やしていくことを開発の目標として考えています。
――バランスに関して、他に考えていることはありますか?
12月21日に実装された新召喚獣「チャリオット」 |
野口氏: 今回「チャリオット」を入れるわけですが、召喚獣のバランスは、将来しっかり見直す必要があると思っています。あと個人的には、クリスタルに紐付く部分にも手を入れたいところです。僻地クリスタルの運用など、ストラテジー的な流れがもっとあったほうが戦争ゲームとして楽しいのではないかと思っています。単純に操作のうまい人が偉いという風になると、戦争ゲームとしては片手落ちなので、そこは考えていく必要があると思っています。
劔氏: あとはドラゴンですね。特に問題視されているわけではないと思いますが、「ドラゴンが出たらどうなんだ」という雰囲気もあります。そこも召喚のバランスを考える上で、何か解決に向けられればいいなと思っています。
――スキル調整に関しては、今年は何度か公開テストが行なわれました。しかし昨年のインタビューでは、公開テスト以外の方法を考えようという話もされています。今はどういった方針でしょうか。
劔氏: 例えば、あるワールドでは問題視されていないものが、別のワールドでは非常に問題視されていることがあります。運営チームとしても、全てのワールドの声を網羅して最善の答えを出すのは難しい状況です。ですからお客様のご意見を広くいただき、判断の材料にさせていただくことは重要だと思っています。ご意見をそのまま実装しようと考えているわけではありません。実装されたスキルが短期間に何度も変わるのでは混乱を来たしてしまうので、そういったバタバタ感をなくすためにテストを積極的にやっていきたいということになりました。
――実際テストを行なわれてみて、どう感じますか?
劔氏: 開発と運営のチームがこれでいいのではないかと判断したものをテストしていただき、アンケート結果では概ね好評でした。しかし実装後の戦争バランスについては不満の声もいただいています。この辺りのバランス取りは本当に難しいと感じます。
野口氏: 開発としては、1つ調整を行なう時にはいろいろなデータを集めて分析するのですが、人間にはデータだけでなく感情もあります。アンケートを取らないと感情が見えてこないので、両方が揃ってこそ調整できると考えています。
小山氏: 過去にアンケートを取ったもののうまく行かず、「アンケートを取るべきではないのではないか」という話にもなりました。ただ、そこが問題の本質ではなく、設問や集計方法を工夫したり、最終的にはお客様をカンファレンスという形で集めてみたりと、いろんな手法を組み合わせて、多様な意見を吸い上げて、精度の高い答えを導き出していく手法を試行錯誤しています。確実にお答えできるのは、2011年はいろいろなバリエーションの戦場ルールを組み入れられるので、お客様の多様なご要望にもう少しお答えできる環境ができるはずです。
■ 2011年最大の課題は初心者対策。「半歩」についても対応を継続
――先日テスト実装された「御守り」についてはどのような状況ですか?
野口氏: 能力値を増減させるという目的のもので、テストを行ないました。要素としてはアリだと考えていたのですが、お金をかけたら強くなるという点を、もう少し深く考えるべきだったと思います。能力面でも、使うかどうかで有利不利が生まれるのは、「FEZ」の公平性において問題がありました。公平性を保ちつつ、能力値の増減ができるならいいと思うので、新しい形を模索しています。
小山氏: 無料で遊べることも1つのウリにしていますし、無料で遊ぶお客様がいるから「FEZ」が成り立っていると思っています。その上でどうするべきか考えた上で、改めてお客様に提示したいと思います。それには年内は難しいと判断して告知しました。
――全くなくそうというわけではないのですね。
野口氏: そうですね。逆に強行しようとも考えていません。面白くするためにもっといいアイデアがあるのではないかと考えて、企画の根本からやり直しています。
劔氏: 有料アイテムだけでなく、リングでも購入できる想定ではありました。あとはユニットの強さに影響しない方向性もあると思います。端的に言えば、アクセサリーに「御守り」を入れると、剣が光るとか。あくまで方向性の1つなので実装をお約束するわけではありませんが、能力は変わらず見栄えがよくなるものなら趣味の領域ですので、そういう方向性はアリじゃないかと思っています。
――システム面のアップデートもいろいろありました。最近だとパーティーメンバーの位置がわかるようになりましたが、これに今取り掛かった理由があれば教えてください。
劔氏: パーティー機能に関しては、初心者向けの練兵システムの一環として入れています。既存ユーザーさんが初心者さんを率いて欲しいというのが練兵システムの目的で、そのためにどういう機能があれば便利かを考えています。「今からこのマップに行くからついてきて」というための機能がパーティー参戦で、「今このマップにいるから入っておいで」というのがリストからの所在地確認です。
――初心者対策としては、練兵システムや初心者クエストなどが入りましたが、これらの反応はいかがですか?
劔氏: 基本的にはうまく行っています。すごくいいシステムだという声が上がっているわけではないですが、データを見ると効果は出ています。
小山氏: 「FEZ」は初心者の敷居が高く、そこは何とかしなければいけないと感じています。「FEZ」で少しでもいい体験ができる機会を増やすため、少しでもお役に立てればというところです。
――初心者対策として今後何か考えていることはありますか?
野口氏: 1つは新たな戦争ルールを考える中での、レベルマッチング的な要素です。自分のレベルと合致する人としか遊べないということではなく、お客様のニーズに合わせて、ベテランプレーヤーと初心者プレーヤーの両者が遊びやすくなるものを提供したいと思っています。「FEZ」に初めて参加した方が10回戦争をやるまでに、楽しかったと感じてもらえる体験をしていただけることを目標にしています。今は具体的にどうするのかを詰めているところで、アイデアがまとまったところで発表していきます。
――「FEZ」は長くやっているゲームだけあってベテランプレーヤーが多く、とりあえず体験してみようといって戦争に入って楽しめるかというと、非常に難しいと思います。ここはかなりの難題ですね。
野口氏: 手は結構あると思いますので楽しみにしていてください。今回の「チャリオット」も、おそらく上級者から初心者まで一緒になって楽しめると思います。例えば「レイス」は49人分の責任を背負って召喚しますが、そういうところを加速させるような召喚獣は今回のアイデアからは下げて、初心者でも楽しめるというところを念頭に置いて開発を進めてきました。せっかく遊びに来てくれたお客様が、早いうちに面白さを体験するのが大切だと思っています。
――他にシステム面のアップデートで何か考えていることはありますか?
野口氏: まだ詳しくお話しできる段階ではないですが、改善すべき点は考えています。例えば、アイテム購入の手順をシンプルにするとか、いろいろな要素でお客様との距離感が近くなるようなところに挑戦して開発していきたいと思います。
――あと1点どうしてもお伺いしておかねばならないのが、位置ズレ問題、いわゆる「半歩」です。先日、公式見解として「現段階では仕様とする」と発表されましたが、その経緯を教えていただけますか?
劔氏: この現象自体は、以前からありました。ただここ最近、お客様の練度が上がって、意図的にできる方が増えたり、動画が掲載されて明らかに位置がおかしいというものが、2009年の夏あたりから認識されはじめました。「半歩」というのがどういうものかを長い間調査していました。そして今年10月ごろ、すぐには問題を緩和できないという答えがでましたので、ひとまず「半歩」は仕様の動作となりますという告知を打ちました。「半歩」以外の位置ズレ行為にはもちろん対処しますが、「半歩」については公には白ですということにさせていただき、お客様の反応を見て、毎年恒例の「バンクェット」をやるべきかを見極めたかったということもあります。
小山氏: ただ発表においてはもう少し率直に説明したほうがよかったかなと思っています。クライアント側からサーバーに一定間隔で位置情報が送られており、それをクライアント側で補完する位置情報の先読みをお客様側が活用して「半歩」の状態を作り出しています。つまり位置情報をどんどん出せばそういう症状は起こらなくなるのですが、そうすると今度は多量の通信がサーバーとクライアントの間で行なわれ、また別の問題が発生します。それで今回、「半歩」には対応できないと発表しました。我々としても何とかしたいという思いはありますが、何とかできるめどが立たない限りは、お客様に期待を持たせるような発表をするべきではないと思っています。
野口氏: いま小山さんがおっしゃってくれたことが根本的な問題です。位置情報のパケットを送る回数のコントロールの問題ということが、お客様にうまく伝わっていないので、そういった部分の説明は今後どうしていくかが課題だと思っています。また問題そのものについてもご不便をおかけしていますし、不公平感を助長しているのは理解しています。告知は出しましたが、運営も開発も対応を諦めたわけではない、ということはお伝えしたいと思います。
■ セキュリティやGM体制を強化。さらに安心して遊べるゲームへ
特徴的な模様を配した「ニベウス」シリーズ(男性ウォリアー用) |
――では今後の展開について伺います。まずセスタスに続く3つ目のクラスについてはいかがですか?
劔氏: 検討案件としては挙がっています。ただ上半期の予定が既にありますし、その後は新しいクラスなのか、建築物なのか、もしかしたら召喚獣なのか、そこは今後の検討課題です。もう新しいクラスを入れないというわけではありません。
――グラフィックスの面では、以前DirectX 9の対応がありましたが、さらにクオリティをアップするというような話はありますか?
野口氏: 「FEZ」は100体のユニークなキャラクターの表現が前提なので、その上で他のオンラインゲームと比較して、表現力が劣っているとは思っていません。クオリティアップとしては、ただ綺麗になる以外に、格好いいとか可愛いといった方向もあります。後者については今年も進化しましたし、来年も進化させます。
――昨年は着ぐるみや月のマスクなど、かなりインパクトのある装備が入りましたが、今年は割と堅実なものが多かったという印象でした。
劔氏: 今年はウォリアーの「ニベウス」シリーズを作ってから、それをイメージした武器を後追いで作ったりしました。挑戦的なデザインとしては去年の着ぐるみを越えるものはありませんでしたが、10月のソーサラー装備のデザインなどは3社でかなり議論しましたし、力を入れています。
――上半期はトラブルの対応もあって装備の実装が遅れたこともありましたが、秋口からは装備が入るスピードが急に上がったように感じています。あれは何か意図があるのでしょうか?
劔氏: 今年度中は同じペースで出せると思います。特に舶来ルーレットもありましたので、余計に早く感じられるかもしれません。年度スケジュールとしては予定通りなので、3月までは続けていきます。来年度については改めて話し合います。
野口氏: 元々こういうスケジュール感でお客様に届けたいと考えていました。「FEZ」はアバター性をご評価いただいているので、いろいろなバリエーションを出していくのは我々の義務だと思っています。そのアバター要素も、今が限界ということはありません。開発の野望としては、ブームを起こせる、みんなが欲しがって流行になるようなところまでデザインで盛り上げたいと考えています。
――以前はスクウェア・エニックスさんのゲームとのタイアップもありましたし、ゲームポットさんもタイトルが増えましたので、コラボレーション企画も面白そうですね。
劔氏: コラボレーションはいろいろやりたいですね。今日もいいお話をいただいたので、ご期待いただければと思います。
――サービス面では今年、GMコールが入りました。今後の方針があれば教えてください。
劔氏: 今後はGMコールで対応する案件を増やそうと思っています。今はGMコールで承っていないものについては、サポート窓口をご案内していますが、GMコールでヒアリングし、生の声をきっちり拾っていけるようにしたいと思います。活動時間は現在は限られていますが、理想は24時間なので、そこを目指していきたいと思っています。人材教育や人材確保もあって、すぐに24時間対応にできるかどうかはわかりませんが、なるべく1から10までお客様をサポートできる体制まで持っていきたいと考えています。安心して遊べる環境作りを目指していた2010年の方針を、引き続き進めていきます。
――安心といえば、セキュリティ対策はいかがでしょうか?
劔氏: 「FEZ」を含めたゲームポットタイトルにおいて、ワンタイムパスワードの導入を進めています。その後も必要に応じて、随時対応していきます。ゲームデータはお客様の所有物に近いものですので、そこをきっちりと守れる仕組みは整えておくべきだと思っています。
――次に、SNSについては今後アップデートの予定はありますか?
劔氏: 直近ではありませんが、まずTwitterとの連動は考えています。あとは検討中ですが、デザインのリニューアルも考えています。いきなり大きな変更を加えるというよりは、徐々に使い勝手やナビゲーション、他のサービスとの連動などをやっていこうと思っています。
――あと年末年始のイベントについての予定を教えていただけますか?
劔氏: 年末年始は毎年恒例のイベントを行ないます。他にもお客様が企画されるイベントにGMを呼んでいただいていて、そういうところに顔を出したりもしています。あと2011年1月は、月末イベントを何かしらやる予定です。
――では5年目の「FEZ」のサービスに向けて、一言ずつお願いします。
劔氏: 今はオンラインゲーム業界全体で、安全性が問われています。ゲームポットとしてセキュリティの強化はしっかり取り組み、引き続き安心安全なゲームとサポートをお客様に提供していきたいと思います。なおかつ楽しいイベントやキャンペーンをしっかりやっていきます。2010年上半期はいろいろな問題がありましたので、2011年はそういったことのない安定したサービスをご提供できるよう努力していきたいと思います。
野口氏: とても面白いゲームに携われていると思っています。お客様からの情熱もいただいていますし、それをエネルギーにして開発に役立てています。ただ残念なことに、「FEZ」の楽しみに気づけないまま去っていく方も多いと感じています。今年もその点を進化させていますが、来年も引き続き考えていきます。面白さにもマンネリが見えており、そこに対しての手を打たなければいけないので、新しい戦争や新たなモチベーションの創出に向け、来年は全力で開発していきたいと思います。みんなが楽しめる「FEZ」を目指します。
小山氏: 今年前半には大きな問題がありましたが、そこで開発・運営それぞれ体制の強化を図りました。開発には野口さんが入っていただけましたし、運営チームもゲームポットのオールスターチームだと聞いています。実際にそういう体制が作れてきていると感じていますが、体制だけ作っても仕方ないので、その結果を来年にかけてどしどし出していって、「FEZ」はまだまだ面白くなるんだとお客様に感じていただけるようなことをやっていきたいと思います。
――ありがとうございました。
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(2010年 12月 28日)