インタビュー

「FFXIV」「パッチ4.1 英雄の帰還」吉田Pインタビュー

リターン・トゥ・イヴァリース、絶バハ、演奏、PvPなどなど全コンテンツを聞いてみた

10月上旬 実装

「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏

 スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター(以下、FFXIV)」では初となる大型アップデート「パッチ4.1 英雄の帰還」を10月10日に実装する。

 このアップデートでは、シナリオに松野泰己氏、ボスモンスターデザインを雨宮慶太氏が手掛ける24人アライアンスレイドダンジョン「リターン・トゥ・イヴァリース」や、「次元の狭間オメガ零式:デルタ編4層」をクリアした人だけが挑戦できる超高難易度コンテンツ「絶バハムート討滅戦」などファン待望のコンテンツがいよいよ実装される。

 さらに、新PvPコンテンツ「ライバルウィングス」や「極神龍討滅戦」をはじめとした多くのバトルコンテンツや、新ハウジングエリア、楽器演奏などの生活要素など、ボリューム満点の大型アップデートとなっている。

 プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏から話を聞く機会があったので、まもなく実装されるアップデートの主だったコンテンツについて、できうる限り多くの項目を聞いていた。アップデートの情報が発表される「第39回FFXIVプロデューサーレターLIVE」の前の収録なので、多少重複する部分があるかもしれないが、それぞれに期待しているコンテンツの話題を捜して欲しい。

帰還してくるのは、ラムザやディリータだけではない

メインアートにはラムザとディリータが描かれている

――今回はものすごく盛りだくさんですね。

吉田氏: 今回は通常通りの3.5か月ペースの維持を必死に達成しようとしたのですが、その割にはすごく多くなりました(苦笑)。開発チームが本当に頑張ってくれた証です。

――情報を整理していても、こんなにあるんだと驚きました。まずはパッチタイトル「英雄の帰還」についてお伺いします。キービジュアルを見ていると「リターン・トゥ・イヴァリース」に関連したものなのかなとも思いますが、もちろんメインストーリーにも関わりがあると思いますが。

吉田氏: いつもはメインタイトルやアートはメインストーリーからイメージを持ってくるのです。ただ今回はゲストクリエイターとして、世界的に有名な2人に入って頂いたので、新規の人に興味を持って頂くためにも、「FFTの続編なの?」と思ってもらえるくらいのインパクトを出していくべきかな、という考えがありました。「ファイナルファンタジータクティクス(FFT)」20周年のタイミングで、「リターン・トゥ・イヴァリース」シリーズが始められるのは、PRとしても効果的だと考えたからです。

――ということは帰還してくる英雄は、やはりキービジュアルの2人なんですか?

吉田氏: パッチタイトルに「リターン」という単語を使うことはすぐに決まったのですが、この「帰還」が何に対しての言葉なのかは、キーワードをいくつかに絞って議論をしたうえで、分かりやすく「英雄」という風に付けました。もちろん、いつも通りメインストーリーにも大きく関わってきます。それだけではなく、「大迷宮バハムート」の悪夢が「絶」となって再び帰ってくるという意味もあり、コンテンツ全体的にいろんなものにまた回帰していくという意味が込められています。我々としても、「4.0」リリースという大仕事から、一旦パッチシリーズに回帰するので、そういった意味で全編がまとまったかなと思います。キービジュアルに描かれた2人は、まだ幻影の中にある……といった感じでしょうか。

――確かに今回は、ネールやバハムートといった、悪役としても歯ごたえのある奴らが戻ってきますね。

吉田氏: メインストーリーを終わってから「リターン・トゥ・イヴァリース」を見てもらえば、さらにしっくりくるタイトルになっているのが分かっていただけるのではないかと思います。

――トレーラーを見せていただいた感じだと、メインストーリーの中ではラウバーンがかなり重要なポジションを占めているようでした。ラウバーンも祖国への帰還ということになるのですか?

吉田氏: 果たしてどうなるかは……、完全に伏せてあるシーンも多いです。「旧FFXIV」から約7年、新生してから4年進んできて、大きな一連の流れにまたひとつ決着がつくパッチになります。ただ、いつものパッチストーリーに比べると静かな立ち上がりというふうに捉えています。今回も声優の皆さんが素晴らしい演技をしてくださいました。特にメインストーリーの後半やラスト付近は、じっくりご覧いただけると嬉しいです。

物語は「4.0」直後の混乱期から始まる

――時系列的には終わってすぐの話になるのですか?

吉田氏: だいたい直後だと思っていただければ大丈夫です。まだまだ混乱している頃です。

――そこに、新たな陰謀が立ち上がったりするわけですか?

吉田氏: 伏線は張ってありますが、よく見ていないと気づかないかもしれません。設定の考察や、この先の展開を予想するのであれば、ボイス付きではないセリフも見落としのないようにしていただければ。もう当面のシナリオの流れは全部決めて、それに向かって進みはじめました。

――着々と伏線を張るフェーズに入っているわけですね。

吉田氏: ヒントを少しずつお渡ししないとアンフェアな伏線になってしまうので、意識的に何カ所か入れてあります。でも本当に静かな立ち上がりなので、あまり肩に力を入れずにご覧いただけると嬉しいなと思います。

――アラミゴ王宮に入れるようになるのは、メインストーリーの終了後ですか?

吉田氏: そうです。「4.1」のメインストーリー終了後にNPCとしてゲートキーパーが立つようになるので、それに話しかけるとあそこに行けるようになります。スクリーンショットを撮りたい方は、ぜひメインシナリオが終わった後に訪れてみてください。全時間対応していますので、夜空も見えますし、夕焼けも見えます。

ラウバーンにとっても「帰還」の物語になるのか?

新ギミック盛りだくさん。松野節を「FFXIV」で楽しんで!

「リターン・トゥ・イヴァリース」第1弾は「失われた都 ラバナスタ」

――「リターン・トゥ・イヴァリース」ですが、吉田さん自身も松野信者で松野作品に対するこだわりはかなり強いと思いますが、そういった要素を「FFXIV」の中に組み込んでいくのに苦労されたのではないですか?

吉田氏: もし松野さんから「作ってもいいよ、好きにやって」と言われたのだったら、恐らくものすごく苦労したと思いますが、今回は松野さんご自身が書かれていますから僕自身がとても楽しみにしていました。松野さんが書いて決めてくださったものを、僕らは粛々と実装して、後は松野さんのテキストにニヤニヤするだけで。
 ただ、シナリオチームが苦労したポイントとしては、松野さんのテキストは思わせぶりなところがあるんです。設定はすべて決まっていて、松野さんの中に答えはあるのに、敢えて説明しない。人間が話すセリフとしてしか書かないから、すごく言葉が残るんだと思います。しかし「FFXIV」はMMORPGでロアが重要で割と説明セリフが多いために、シナリオチームから見ると説明が足りないんじゃないかと思えたポイントがいくつかあるみたいで、そこを加筆するかどうかで悩みました。

――それは確かに難しい判断ですね

吉田氏: 結局、最終的な判断として必要ないと、そのままにした部分が圧倒的に多いです。きっとそれはあれこれ考えて答えが出る。それに、もし分からなかったら議論すればいい。それこそが松野さんのテイストだから、せっかく「FFXIV」の中に新しい空気や流れを作るために参加してもらっているのだし、そのままにしようと。ですので、他のコンテンツとは明確に雰囲気が違うと思います。

――ストーリーは、プロットの段階から完全に松野さんが考えているんですか?

吉田氏: はい、そうです。僕らの方からは、例えば「リターン・トゥ・イヴァリース」シリーズの第1章では、完全新規のキャラクターは何体作ることができます。いわゆる顔改造では何体作れますと、ようは全体のコスト感がパッチごとに決まっているので、それを最初にお伝えして、どうしても新規で作りたいものがあると言う場合は、こちらでディスカッションしてからお渡しして、その範囲内をびっちり使って書いていただいています。

――ゲームだと、小説のように自由にキャラクターを出すわけにはいかないのですね。

吉田氏: 松野さんはゲームデザイナーで、ディレクターもやっていらして……松野さんの仕様書を見せていただいたこともありますが、本当にすさまじくきっちりとした仕様書を書かれる方なのです。そのあたりの事情もちゃんと理解して書いてくださったので、とても助かりました。

――ゲームデザインの部分、ボスの攻撃であるとかギミックとか、そういう部分には松野さんのアイデアは入っているのですか?

吉田氏: ボスを誰にするかというのは、当然松野さんから指定が出てきていますが、そこから先のゲーム体験は任せるからと言われているので、モンスターチームがそれぞれに担当を1人付けて作っています。彼らも松野信者ばかりです。それに「FFT」や「FFXII」を遊んだ人から「なんだこれは」とは言われたくないという想いが強くて、結局全ボス新規ギミックだらけになっています。調整が大変でした(笑)。

――「FFT」や「FFXII」のファンで、「イヴァリース」という単語に引っかかって「FFXIV」に興味を持つ人は多そうですね。

吉田氏: メインアートにディリータやラムザが描かれているので、「どういうこと?」と興味を持っていただけると嬉しいです。果たして「イヴァリース」というものが「FFXIV」の世界にとってなんなのかとか、「そもそも獅子戦争とは?」、とか、そういったものを松野さんが敢えて今書かれると、どう解釈されるのかが見えるので、信者ほどドキドキできるかなと思います。もちろん、まったく「FFT」も「FFXII」も知らない方がプレイしても、完全に新しいストーリーとして、いつも通りのレイドシリーズとして楽しめるように作ってあります。「FFT」とか「FFXII」をほうふつとさせるものはきちんと用意しているので、知っているとよりニヤニヤできると思います。

――そういえばトレーラーにバンガ族がいましたね。

吉田氏: このさじ加減が松野さんらしい(笑)

――そこはヴィエラだろ? という声も出そうですが。

吉田氏: 松野さんに、新規モデルコストはないですよと言ってあります(苦笑)。

――今回難易度的にはどうなるんですか?

移動式空中劇場「プリマビスタ」がクガネに現れることで物語が始まる

吉田氏: そこはいつものアライアンスレイドに収まるようになっています。「リターン・トゥ・イヴァリース」だからということではなくて、アライアンスレイドという立ち位置をしっかり守りながら作ってあります。でもみんな気合が入っているので難易度設定は苦労しました。

――雨宮さんのデザインしたボスは、トレーラーに出てきたあの1体のみですか?

吉田氏: いえ、今回は2体デザインしていただいていて、1体はネタバレになってしまうので伏せています。

――今後もそういうペースで実装されていくんですか?

吉田氏: 実は雨宮さんには、レイドシリーズ通じて必要なものはすべて上げていただいているんですよ。

――早いですね。

吉田氏: 2カ月以上前にはもう全て完成していました。

――じゃあもうモデリング作業に?

吉田氏: そうですね。すべて三面図もいただいているので、もう武器防具の発注などが遅れた時に先行して取り掛かっても大丈夫なくらいに。

――「リターン・トゥ・イヴァリース」の報酬はどうなるんですか?

吉田氏: 今回は事前には出さないつもりです。これもちょっとネタバレになってしまうのと、誤解を生みそうなので。

――装備品ですか? どういう誤解を生みそうなんですか?

吉田氏: なぜアレンジされているんだろうと。実は意味があるので、それはプレイしていただいてからの方がいいだろうと思っています。

――今回、アライアンスレイド用のコンテンツルーレットが入りますが、「リターン・トゥ・イヴァリース」は対象になるんでしょうか?

吉田氏: 最新のものはならないです。そうしないと「リターン・トゥ・イヴァリース」を単体で申請している人に引っ張られて、そこばかりマッチングしてしまうので。そうならないように、最新のレイドはルーレットには入れないというパターンにしています。

誰でも気軽に楽しめるという点は相変わらず

「絶バハ」フェーズ1の極悪さは、開発の優しさだった!

――バトルコンテンツについて、まずは「絶バハムート討滅戦」ですが、フェーズ1も超えられないかも、と言われていましたが、実際どんなものになるのですか?

吉田氏: フェーズ1は、ギミック付きのDPSチェックです。フェーズ1を簡単にすると、その先でみなさん辛い思いをすると思うので、かなりきつくしてあります。須藤(バトルコンテンツデザイナー)曰く、序盤の突破を楽にしてしまうと、中盤以降でかなり苦しめてしまうから、と。

――そうなんですか?

吉田氏: はい。そうしないと、ずるずる何時間も続けることになってしまって辛いだろうという配慮なので、あれは須藤なりの優しさだと思います。

――フェーズ1が、ファウスト先生にあたる部分なわけですね。

吉田氏: そうですね。ツイスターダイブは、別に特別な技ではなくて当たり前の技としてガンガン出てきます。

――2つの技を組み合わせた感じになると、前回のPLLでも言われてましたよね。例えば他には、どういったものが組み合わされてでてきますか?

吉田氏: これ以上はご容赦ください。これ以上は言わないでくれという約束でツイスターダイブの話をしたので。

――ツイスターダイブが一番簡単なレベルということですか?

吉田氏: ツイスターもダイブも基本です。始まると即ツイスターが来ます。ツイスターダイブが来ている間に、ああ、このタイミングでファイアーボールがくるの、ええ……みたいな……。組み合わせ技が多いので、慣れもかなり必要だと思います。

――アク・モーンを受けながらカータライズを避けるとか、そんな感じになるのかなあと、いろいろ考えているんですが。

吉田氏: まずは第1フェーズを越えられるかどうか。ワールドファースト争いをする人たちはもちろん止めませんが、3-4週目ぐらいで零式4層を抜けたという方は、ぜひ、3カ月くらいかけてゆっくりクリアするぐらいの気持ちを持っていただいた方が、絶対精神衛生上いいと思います。途中でランダムな部分も結構あるので、タイムラインも組めないと思います。今回はパッチによるアイテムレベルの更新がないので、トータルダメージ的にミスが許されない状態です。ぜひ、余裕を持って攻略に臨んでください。

――聞いているだけでもドキドキしますね。

吉田氏: このパッチ内ではアイテムレベルを上昇させる方法がないですが、零式4層クリア者のみなので、そこが下限で調整されています。レイドダメージも素で受けきれない値がついているものもあります。必ずバリアするなり軽減アビリティを入れるなり、全員で協力し合わないといけないため、試行錯誤も多くなります。

――まさに上限ですね。

吉田氏: そうですね。一致団結が必要ですので、誰かのせいでクリアできない、ではなくカバーし合う意識をぜひ。

――すごいな。当分できなさそうです。

吉田氏: 見学はもちろん構いませんが、フェーズ1を笑いながらプレイするくらいの気持ちでお願いします。公開はパッチ4.1の2週間後くらいになりますので、ゆっくりお楽しみください。

――4.1すぐには入らない?

吉田氏: はい、「リターン・トゥ・イヴァリース」もありますし、メインシナリオもありますので。それらが終わって落ち着いた2週間後ぐらいに開けます。

「極神龍討滅戦」

――もう一つ、「極神龍討滅戦」ですが、前回は「機工城アレキサンダー零式:起動編」が難しいから、「極ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦」で武器を取って下さいねという位置づけでしたが、今回もまた同じような位置づけになりますか?

吉田氏: 今回も「次元の狭間オメガ零式:デルタ編3層」がもう一息なんだけど、DPSが足りないという方々が、「極神龍討滅戦」で武器を取って抜けてもらえれば、というふうに作られています。ただ、零式2層と3層の中間になっているかと言われると……、個人的にはかなり2層よりの難易度かな? 僕はギミックの説明を受けた後、2トライ目でクリアしたので、程よい感じではないかなと思っています。

――「極ナイツ」ほど難しくない、ということですか?

吉田氏: そもそも、プレーヤーの皆さんがスキルアップされてますから、一概に比較するのは難しいと思います。例えば、「塔が出て来たら踏む」とか「このマーカーは頭割り!」といったように、慣れの比重が大きいです。マーカーの記号化が進んだのと、プレーヤーの皆さんの経験値が上がっているので、当時感じた難しさとの比較って実は凄く言いづらいというか……。作っている人間も違うので、「極ナイツ」と構成が似ているかというと、僕は似ていないと感じました。ただ、派手ではあります。

――トレーラーで神龍の上を走ってましたね。

吉田氏: あれ、PVで出したから担当者は怒らないといいな……(苦笑)。PV映えするのでつい……。

――何事ですか?って感じでした。

吉田氏: 個人的には零式2層の方が、難しいと感じる人もいるんじゃないかなと思います。零式2層は誰かがミスすると、ワイプするタイミングが用意されているんですが、極神龍にはそこがないというか被害がそこまで大きくならない。

――零式2層の方が、リカバリーが大変ということですか。

吉田氏: そうですね。極神龍の場合、何人か死んで蘇生して……とやっていると、どんどんDPSが足りなくなっていきます。個人プレイが要求されるから、人によっては難しいと感じるかもしれないので……やはりちょっと言いづらいですね。

――ちなみに報酬のILはいくつですか?

吉田氏: 毎度のことですが、みなさんの予想通りだと思います。アイテムレベルはパッチまで公開せず、というのを徹底しますが、恐らく予想通りです。

――大体、IL330と340の間辺りに入るんだろうなという感じですか?

吉田氏: そうですね。そう思っていていただければ。

――「水没遺構 スカラ」についても、少しだけ教えていただけますか?

吉田氏: スカラはメインシナリオで行くインスタンスダンジョンになっていて、メインシナリオの本当に序盤で行くことになります。第六霊災の時に水没してしまった場所ですが、アラミゴの歴史とも絡んでいるので、世界設定好きの方はぜひ注目をしてください。その世界設定にちなんだ装飾などもされています。後は、それによって今回エキスパートダンジョンが4つになりますので、4つでのルーレットになります。

見た目ほど難しくない、かも?

3種類のゴブリン兵器で大暴れするPvP「ライバルウィングズ」

「ライバルウィングズ」

――次はライバルウィングズについてお伺いします。24人コンテンツということですが、どういうコンテンツなんですか?

吉田氏: 基本はタワーディフェンスです。2陣営にそれぞれ本拠地があって、そこにコアとなるメインタワーがあります。このメインタワーを破壊すれば勝ち、破壊されたら負けというシンプルなルールです。メインタワーには最初シールドがかかっていて、2本あるサブタワーを壊さないとダメージが通らないようになっています。
 自分の陣営から相手のタワーへ向かって、オートで動く兵士たちが勝手に進軍して相手のタワーを攻撃し始めます。その兵士たちはタワーに対する攻撃力が高いので、そのちびっこたちを守りながら相手のタワーを落として、全員でメインタワーを落とすというのが基本の遊び方になります。その中でゴブリン兵器が使えます。マップの特定の場所に「青燐水」という燃料が配置されているので、補給部隊がそれらを取得して、エネルギーを溜めてゴブリン兵器を起動して、それを使ってタワーを強烈に攻撃したり、プレーヤーを薙ぎ払ったりすることができます。

――参加できるレベルはいくつからですか?

吉田氏: レベル30で、ジョブになっていれば参加できます。ほかのPvPコンテンツと同じです。

――フロントラインとは全く別のコンテンツとして入るのですか?

吉田氏: そうです。完全に別です。

――週制限や開催時間などはあるんですか? また、24人以下の場合もマッチングしますか?

吉田氏: 制限は特にありません。必ず24人でマッチングしますが、辞退者がいてもキャンセルされず、補充が行われて試合が開始されます。フロントラインと同様です。

――ゴブリン兵器は何種類ですか?

吉田氏: 3種類で、それぞれに特徴があります。オプレッサーは敵の機構兵器とタワーに対して大ダメージを与えることができますが、プレーヤーに対する防御力はほとんどありません。さらに極端に移動速度が遅いので、ある程度みんなで守ってあげないとだめです。

――攻城兵器のようなものですね。

吉田氏: クルーズチェイサーは対人兵器で、対人に対しては一撃の薙ぎ払いでHPの9割くらいがふっとぶくらい強いです。ただし装甲が紙なので、調子にのって突っ込むと、あっという間に壊されます。そして最終兵器ブルートジャスティスは、タワーが2本破壊されてからしか出陣できないという制限はありますが、全方位に強いです。敵のブルートジャスティスが出て来たら、あいつさえ何とかすれば後は勝てるという感じですね。

――出せるゴブリン兵器は1度に1機だけですか?

吉田氏: 何機か出陣させることができます。兵器によって出陣できる機体の数は変わりますが、複数出せます。最初のうちは、あまりみんなバランスを取らずに、気軽に乗ってもらってもたぶん大丈夫だと思います。

――乗れる場所は拠点ですか?

吉田氏: 拠点の定位置で搭乗条件を満たしていれば、搭乗コマンドが使えます。使うといきなり乗った状態になります。

クルーズチェイサーやブルートジャスティスに乗って暴れよう

――青燐水はゴブリン兵器を動かすのに必要なんですか?

吉田氏: 起動させるためにも必要です。最初に起動させた時にはエネルギーが満タンの状態で技を撃てますが、撃つごとにエネルギーが減っていきます。チャージによってエネルギーが回復します。それも尽きた場合は、パーティの誰かが青燐水を補給すればまた撃てるようになります。

――青燐水を確保すれば、自動的にチャージされるんですか?

吉田氏: 一応リチャージボタンがアクションとして用意されているので、使い切ってリチャージするか、スキを見てリチャージするかは好きなようにしていただければ。ぶっぱなし続けているとあっという間にガス欠になります。「誰か青燐水取ってきて!」みたいな(笑)。

――搭乗時間に制限はありますか?

吉田氏: ありません。

――乗ってしまえば、破壊されるまで乗り続けることができる?

吉田氏: そうです。

――オートでタワーを攻撃してくれるユニットは何を出陣させるか自分で選べるのですか?

吉田氏: 選べません。自動的にポップして、自動的に進軍を開始していきます。

――1度のプレイ時間はどのくらいですか?

吉田氏: おおよそ20分が目安です。それに合わせた報酬払い出しにはしてありますので、楽しくわいわいやってもらえると嬉しいです。クルーズチェイサーで薙ぎ払うのも楽しいですし、オプレッサーをゆっくり森の中進軍させて誰にもばれずにタワーの裏からオプレッサーでミサイルを撃ちまくるのも可能ですからね。

自由に動きまわるNPCたちを鍛えて、精鋭部隊を目指そう

――小隊任務に新しく入るダンジョン攻略はどのようなものになるのですか?

吉田氏: 小隊メンバーのレベルが20を超えて、小隊ランクが2になった状態で追加されるコンテンツです。ですので、それよりももっと上のランクまで育てている方は、パッチが当たった瞬間に開放されています。

――NPCと4人のパーティを組むのですよね。

吉田氏: 小隊ランク2になると、「ダンジョンを攻略してきてくれ」といわれるので、自分が小隊長になって残り3人のメンバーで1タンク、1ヒーラー、2DPSになるように構成します。そして攻略任務の中からダンジョン名を選んで開始すると裏でコンテンツファインダーが動いて、ソロでレベルシンクされて3人のNPCを連れた状態で、いつものダンジョンに行きます。ですので、後はいつものダンジョン攻略のパターンを使ってください。

――NPCへは指示を出せるのですか?

吉田氏: 小隊長のコマンドとして、「ターゲットした敵に対して攻撃開始」と「攻撃を中断して戻ってこい」というものと「リミットブレイクを打ちなさい」という3つが用意されています。それ以外は、自分が部隊長としてパーティ全体をコントロールしながら、自身の役割を果たせば良いです。例えばタンクをNPCにすると、攻撃開始の指示を出すと、まずはタンクから行動するようになっています。

――作戦の切り替えなど、戦闘中のAIの行動は変えられるのですか?

吉田氏: 複数タイプのAIがあるのですが、最初は「自由」というAIしか全員持っていません。この場合、基礎的なこと以外はかなり自由に行動します。ここは敢えてそうしてあります。一応他のNPCはタンクが先に攻撃するまで待つんですが、タンクが斧を投げた瞬間にヒーラーはエアロをぶっ放すし、レンジはいきなり範囲攻撃したりといった状態になります。まったくMMORPGで遊んだことがない友達を3人「FFXIV」に連れてきて、とりあえずロールの役割だけ教えてからダンジョンに行ったらこんな感じかな、という状態からのスタートです。僕はとても楽しめましたし、愛着が生まれたり、勝手に設定を付けたりして遊んでいます(笑)

――最初はみんな素人、なわけですね。

吉田氏: そうですね、彼らはみなさんに憧れてやってきた一般志願兵です。ぜひ、そのくらいの気持ちで鍛えてあげてください。ダンジョンを攻略した後、運が良ければ別の作戦を閃いてくれます。そうなるとセットする作戦に応じて、行動内容がよりパワーアップするようになっています。最初のうちは、若葉を3人連れていったと思って、可愛がってあげてください。

――タンクもヘイトを取らずに攻撃したりするんですか?

吉田氏: ちゃんとヘイトを取ろうとはするんです。でも周りが、「よしタンクが斧を投げたぞ!」、「私たちも一気に!」と容赦なくぶっ放すので敵視が移動して、タンクのNPCは「お前ら敵視をもう少し見ろよ!」みたいな感じで必死にオーバーパワーしようとしたり(笑)。
 今までプレーヤーの皆さんがインスタンスダンジョンで体験したであろう「あるある」が結構再現されるので面白いですね。僕はDPSをやっていて、連れて行ったレンジとターゲットする敵が合わないんです。「コイツ、どうも相性悪いなあ」とか(笑)どう考えてもタンクが敵視を取っているのはこっちの敵なのに、全然違う奴を殴っていて、レンジに合わせるべきなのか、でもタンクのことを考えたらこっちを殴ったほうがいいよな、とか。例えばヒーラーが殴られているので、そいつを先に始末したほうがよさそうなのに無視したり。まあ、僕が命令を出し直せばいいんですが、めんどくさいからいいやとそのままにしていたら、ヒーラーがレンジにヒールしなくて、レンジが死んじゃって「あ、こいつ見捨てたな」と。でもレイズは早いんですよ(笑)。
 彼らは話すわけではないですが、今までやって来たこととすごく結びつく。帰ってきたときには熟練度というものが上がって、熟練度が上がっていくと小隊1人1人にそれぞれバフが付くようになります。それで強化できるので、レベルを上げる以外にも強くする要素があります。どの熟練度が上がるのかは、彼らが持っている運なので「自由」のAIの熟練度ばっかりあがりやがって、こいつ! みたいなのは、自分でキャラクターの性格付けをしながら遊んでもらえると嬉しいですね。適切なAIをセットすればかなり賢いので、最初はちょっと自由にしてしまいました。

いよいよ彼らと一緒にコンテンツに参加できるようになる

――入れるダンジョンの数が決まっているということですが、どこに入れるのですか?

吉田氏: 最初は「魔獣領域 ハラタリ修練所」から「旅神聖域 ワンダラーパレス」までの5ダンジョンに行けるようになっています。今回デバッグで間に合っているのがそこまでなので、今後追加していきます。おそらく「腐敗遺跡 古アムダプール市街」なんかは無理です。プレーヤーが中ボスに食われた瞬間に判定が「Failed」になるようになっているので。そういうIDは追加できないと思いますが、今後デバッグできたものから順次任務に足していきますし、今回初めてNPCとパーティを組んでダンジョンに入れるようになるので、もっとこういうコマンドが欲しいとか、こういう時にはもっとこういう風に動いて欲しいといったフィードバックはより頂きたいなと思っています。ここから仕組みを発展させていきたいです。

――NPCの装備はどうなりますか? 今自動的に装備されてますが。今後はどうなるんですか?

吉田氏: 今回からレベル50になるとミラージュプリズムができるようになるので、好きなコーディネイトで上から上書きしてあげてください。強さは自動的に更新されるので、あくまで見た目をお好きなように、と。

――将来的にはリテイナーのように、必要ない武器や装備を渡して装備できるようになったりするのですか?

吉田氏: プレーヤーのアイテムレベルと同じ強さにしてしまうと、バランスが取れないのです。プレーヤーと同じように動くわけではないので、少し強い特別なパラメータ付をしています。だからやっぱり見た目だけかな。中身は固定値にしてしまった方がバランスはとりやすいのです。

――見た目だけは好きな装備にできるんですね。

吉田氏: そうです。僕は全員にハイアラガンを着せていますが、こんなかっこいい見た目でどこいくんだよおまえは、と(笑)。

――見た目はいいので余計かっこ悪いことになっているわけですね。

吉田氏: でもそれで愛着がわくんですよね。

――コンテンツに週制限などはありますか?

吉田氏: いえ、今回ダンジョン攻略任務は時間制限も何もないので、好きなだけ言っていただいて大丈夫です。

――入るためのトリガーアイテムのようなものもない?

吉田氏: 彼らに支払う軍票が必要なだけです。彼らにもお給料が必要なので、ブラック企業にならないように(笑)。

楽器演奏、合奏システムは現在準備中

――楽器の演奏は吟遊詩人のアクションということですが、トレーラーでもハープで演奏していましたね。

吉田氏: 今回はハープです。

――ということは今後、色々追加されるんですか?

吉田氏: そうです。音色の追加もしていこうと思いますし、演奏中に例えばですが、スティック操作をするとエフェクトがかけられるとか、徐々に増やしていこうと思っています。グループポーズと比較した場合、スクリーンショットが撮れるようになりました!というのが出発点。今回の楽器で言うと、音が鳴らせるようになりました!というところです。今後、例えば音色を増やしたり、譜面を登録しておいて、パーティを組んで何人かで演奏するというように、少しずつ機能を増やしていって、最終的には「いったい何なんだこのゲーム」というところまでいければいいなと思っています。今回は第一歩なのでとにかく音を鳴らせるというところですが、上手い人は頑張ってみてください。

――将来的には、ミィ・ケット音楽広場で、この前のエオルゼア交響楽団みたいなのができるようになりますか?

吉田氏: かなり難しいことはやろうとしています。

――楽器の音ですが、アクションにセットして鳴らすというのは、アクションキーを鍵盤のように叩いて音を出すということですか?

吉田氏: ゲームパットやコントローラが楽器になるというイメージで思っていてください。

――音符の長さはどうなるんですか?

吉田氏: 今回は音の長さは固定です。

――シャープやフラットはありますか? 音階はどのくらいあるのですか?

吉田氏: シャープはあり、音階は3オクターブ用意していますので、その範囲内で演奏できるものを、まずは奏でていただければと思います。

――もっと半音がないと演奏しにくそうに思いますが?

吉田氏: 用意することはできるんですが、今のままだと単純にアクションの数が増えてしまうだけなので、エフェクターをかけるとか、他のボタンを押しながら演奏すると変えられると言う風にしていかないと、鍵盤の数分だけアクションが必要ということになるので、次の段階で計画しています。

――マクロにも対応しないのですね。

吉田氏: マクロは敢えて使えないようにしています。ネットに投稿されているモノをコピーすれば同じ演奏ができるというのでは、つまらないと思うんです。そこはロールプレイだと思っているので。最初はプレーヤーの皆さんでいろいろ工夫してやっていただけたらと思っています。

――今のグループポーズのように、音の最初の出始めを合わせたりということはできないんですか?

吉田氏: 今はできないです。

――自分たちでタイミングをとってやるしかないのですね。

吉田氏: かなり難しいとは思います。なぜなら自分が押した音は押した瞬間鳴りますが、相手の音は必ず0.3秒のサーバー通信があってから鳴り始めます。しかも、それが第3者にどう聞えているかを確認する手段も存在しないためです。今後合奏は専用のシステムを開発しようとしています。

――では、今回はどちらかというと個人で演奏して楽しむというものですか。

吉田氏: ただ、その苦労の壁を突破しようとする人たちは絶対いると思っています。だから、それこそがロールプレイだと思うので、今はそれでいいかなと。多分合奏のシステムはわりと早いタイミングで実装できると思います。

――そういう合奏であるとか、いろんなエフェクトなどがきて、その次の段階として、楽器のバリエーションを増やすという形になるのでしょうか?

吉田氏: 楽器については、音色の違うものは割と早めに実装できると思います。音のデータを作るだけなので。ただ、他の楽器だとアニメーションと組み合わせたりしないといけないので、まずハープからはじめているという感じです。ボタンを押して、アニメーションがあり、それから音が鳴る。ですので、やってみると意外と癖のある楽器になっていて、ちょっとハマれます(笑)

――将来的には、笛みたいなものも演奏できるようになるということでしょうか?

吉田氏: とりあえず詩人がすでに持っているアクションやアニメーションでなんとかなるものは早めに入ると思います。新規に作らなくてすむので。

――打楽器などになると、楽器もアニメーションも新規になりますね。

吉田氏: そうなってくると、たいへんですね。すべて作らなければならないので。

ウズネアカナル深層の強欲の罠は、見事大成功すればミリオネア

――「ウズネアカナル」の深層はどのようなものになりますか?

吉田氏: ウズネアカナルを攻略中に地図がドロップすることがあるので、その地図を、普通にディサイファーして、ディグすると100%魔紋がひらいて深層へ突入できるようになります。ディグする場所はすべて水中にあります。中へは、できれば最初の内は8人パーティで入ったほうがいいと思います。

――結構強い敵が出るのですか?

吉田氏: そこそこ遊びごたえがないと、この先ILが上がっていくと飽きてしまうので。それに8人いた方が確実です。報酬が大きいので、全滅したらもったいないと思うので。

――どういう仕組みになるのですか?

吉田氏: 宝箱を開けたらモンスターが出現して、全滅させたら宝箱の中身をもらえるというのは一緒です。ただ、宝箱の中身を得ようとした時に、「強欲の罠」が発動する場合があり、ダブルアップを狙ってやるかやらないかはプレイヤーのみなさん次第です。

――だいたいみんな強欲だから絶対やりますよね。

吉田氏: でも、失敗したら全部なくなるんですよ……。

――やるかどうか考える余裕はあるんですか?

吉田氏: あります。結構長い時間とってあります。

――宝箱を開けた人以外にも見えるんですか?

吉田氏: マップ上にバーンと全員に見えるカードが表示されます。それでハイかローのどちらかを選ぶという感じです。現在やらなければ獲得できる報酬と、やって成功したときの報酬が全員に両方提示されます。

――では、それを見ながら選択するわけですね。

吉田氏: そうですね。強欲の罠なので。5回までダブルアップし続けられるますが、どこまでやるかはお任せします。ちなみに深層を奥に行けば行くほど、強欲の罠が発動したときのリターンが大きくなります。

――5回目成功したら、どういうものが手に入るんですか?

吉田氏: 基本的には成功するたびに、もらえるものが初期値の倍になります。ちなみに最終層で、強欲の罠が発動して、5回のダブルアップ全てに成功すると、軽く1人辺り100万ギル以上になります。何百万ギルなのかは、最初にそれを突破した人のために、言わないでおきます。いちおう上限は決まっているのですが。相当な額だと思います。

――にんまり笑えるような額ですか?

吉田氏: ウヒョーってなると思います(笑)。

次のお得意様取引はメ・ナーゴとの親交を深める

レベル15から自由に装備の見た目を変えられるようになる

――今回ミラプリもレベル制限が下げられましたね。

吉田氏: レベル15からになります。

――自分よりも下のレベルの装備しかミラプリできないという部分は変更なしですか?

吉田氏: それは変わりません。ミラプリという遊び自体が「FFXIV」の中でかなりのウェイトを占めるようになったので、であれば新規で始めた方には、原色の地味な装備からいろいろなものに早めに切り替えたいというのを早めに提供して上げることで、より早く自分のキャラに愛着がわくだろうということで。特にレベル1のおしゃれ装備がかなり増えたので、レベル15に下げてしまえばかなり色々なことができるだろうと。それが大きな判断です。

――今までレベル50までの間は装備の選択肢がなかったので嬉しいですね。最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

吉田氏: 今は新規の方がどんどん入ってくださっている時期なので、レベルカンストして遊んでるプレーヤーの皆さんに遊びを提供すると同時に、新規の方がさらに追いつきやすくなるような工夫や、ミラージュプリズムのレベルを15に変えたりといった便利になる部分をたくさん用意しています。ベテランプレーヤーの皆さんも、新コンテンツでいろいろ楽しんでいただきたいですし、新規の方への訴求も強く続けていきます。後はもうなんと言っても、松野信者の皆さんは、レベル70までは遠いですが、レベルが上がりやすいゲームなので、ぜひ今始めて遊んでいただければ幸いです。

――ありがとうございました!