編 集 後 記

2010年4月23日版(毎週金曜日更新予定)
中野信二 (nakano-s@impress.co.jp)

 現在執筆中
石田賀津男 (ishida-k@impress.co.jp)


 読者様よりいただくご意見の中に、「ゲームの点数を付けてほしい」というものが時々あります。なぜやらないのか、という理由はいくつかありますが、私が個人として考えていることをお答えします。

 作品を数値化する方法はいくつかあります。よくあるやり方としては、ストーリー性やアクション性、音楽、演出などをそれぞれ点数評価して合算する方法です。例えば私が大好きな「電脳戦記バーチャロン」というゲームは、アクション性は他に類を見ないもので、満点をあげます。しかしストーリー性は希薄ですし(裏設定は色々ありますが、それはさておき)、実はビジュアルもさほど好きではありません。そんな感じで得点化すると、せいぜい70点くらいになりそうです。しかし、私はこのゲームが最高に大好きです。70点なんてとんでもない。100点以外あげられません。

 ではそのとおりに、レビュアーの主観で100点と付けたらどうでしょう。私と趣向や経験が近しい人は納得してくれるでしょうが、小学生の女の子にとっても100点であるとは思えません。つまり、レビューで100点だから安心して買えるなんてことはありません。逆に50点を付けられたゲームのほうが、人によっては面白く感じることもあるでしょう。

 点数化して最も怖いのは、50点のゲームは100点のゲームよりつまらないという絶対評価に見えること……つまり「50点のゲームの存在価値がなくなる」ということです。しかし実際にはそんなことはありません。

 私が記者としてやるべきことは、そのゲームを最も楽しむべき人に、最も楽しめる遊び方を提示するということだと思っています。記事を読んで、どんなゲームなのかがわかるのは当然です。その上で、そのゲームを最も楽しめる人がちゃんと手に取って幸せになってくれるように(あるいは、遊ぶべきでない人がうっかり手に取るという不幸がないように)し、手に取った以上はそのゲームを余すことなく楽しめるように導きたいのです。

 つまり、「記事を読んだらそのゲームを100%楽しめる」というのが理想です。作り手にとっても遊び手にとっても、それが最も幸せな絵のはずです。そしてその答えは、多分、数値化することではないんじゃないかなと思っています。

中村聖司 (nakamu-s@impress.co.jp)

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