エポック社「新感覚玉転がしゲーム スーパーダッシュボール」
当連載で定期的にレポートしているエポック社の体感ゲームシリーズに、異変が起こった! 体感ゲームシリーズは、ハードとソフトを一体化したファミリー向けのゲーム機。バットや釣竿、ボクシンググローブなど、ゲームに応じてコントローラーの形状が変わり、手足を動かして遊ぶのが特徴だ。 登場以来、ヒットを続けており、シリーズ作も増える一方。現在は実在のスポーツを題材にした「スポーツ」と、テレビ番組をテーマにした「バラエティ」、そしてハム太郎やドラえもんなどを使った「キャラクタ」の3つに分類できるほどに発展している。 筆者が冒頭で「異変」と書いたのは、最新作の「スーパーダッシュボール」が、この3つの「ジャンル」のどれにも当てはまらないからだ。では、どんな内容なのかといえば、シリーズ初となる完全オリジナルのゲーム! しかもトラックボールを使用して、ボールを転がすゲームなのだという! 筆者は、トラックボールを使ってボールを転がすゲームと聞くだけでグラッと心が揺れてしまう。往年のアーケードゲーム「マーブルマッドネス」(アタリ/'84年)を思い出し、あの感動が蘇ってくるからだ。
さて、21世紀に生まれた「トラックボールを使って遊ぶゲーム」がどのような面白さを持っているのか、徹底的に遊びこんでレポートしてみたい。 ■ トラックボールの操作感覚はとても良好
さっそくトラックボールを転がしてみる。これはいいっ! ボールには適度な重さがあり、心地よい手ごたえを感じる。これぞトラックボール! といえる感触だ。安っぽさは、微塵も感じられない。 遊ぶための準備は、わずか3ステップ。コントローラ1の裏側に単3電池を3本入れる。コントローラ2から伸びている接続ケーブルを、コントローラ1につなげる。そして最後にAVケーブルを使って、コントローラ1とテレビを接続する。これで遊べるようになる。何度やっても拍子抜けするほど簡単だ。
ゲームを始める前に、取扱説明書を読んでみると、登場するボールには設定があることが判明した。ゲームの舞台は、ボールたちが暮らすボールデン銀河。1Pが操作する青いボールの名前は、デコ。いらずら好きで、転がっていない場合は寝ているという。2Pが操作する赤いボールは、ヌーボー。陽気な性格で、転がっていないときは空を眺めているとのこと。ボールに性格付けをする遊び心が楽しい。
■ トラックボールを回す手に熱がこもり、次第に汗をかきはじめる
最初に1P用のゲームを遊ぶことにする。「アドベンチャーボール」は、ボールを転がしてコースの途中にあるクリスタルを取るゲームだ。クリスタルには、青と黄、赤、紫の4種類があり、青はもっとも低い100点、紫はもっとも高い1,000点が手に入る。 操作感覚は良好だ。トラックボールを動かすとボールは即座に反応し、転がり始める。手の動きを速くして、トラックボールを急回転させると、画面の中のボールも猛スピードで回り出す。 青のクリスタルを取るのは簡単だが、赤や紫になるとテクニックが必要となる。十分に加速してからジャンプ台に乗る。あるいはコントローラのボタンを押してタイミングよくジャンプする。ゴールに到着しても、獲得点数が1万点を超えないと次のステージに進めないので、必死になってプレイする。 1Pのもうひとつのゲーム「スピードボール」は、ゴールまでのタイム更新を目指すゲーム。「何秒以内にゴールしないとアウト」などの制限はないので気楽に遊べる。
どちらのゲームも、ステージが進むごとに竜巻が巻き起こったり、床から噴水が噴出したり、と飽きさせない工夫がなされていて好印象。それ以上に印象深いのが、トラックボールを使った操作。ひっきりなしにボールを転がしているので、次第に体が熱くなり、真冬だというのに汗が噴出してくる。さすがは「体感ゲーム」のシリーズ作品だ。 次は事務所のスタッフを交えて、2P専用のゲームにチャレンジしてみる。「クリスタルバトル」は、1P用の「アドベンチャーボール」の2P版だ。コース中に並べられたクリスタルを取りながらゴールを目指す内容は同じだが、2Pになると面白さが俄然と増す。高価なクリスタルをめざして争奪戦が起きるのはもちろん、お互いのボールをコース外に弾き飛ばす妨害合戦も行なうことができ、まさに息をつく暇のない展開となるのだ。1Pでは少々物足りなさを感じていたのだが、そんな不満も2Pで遊ぶと吹っ飛んでしまった。
「スピードバトル」も、1Pにあった「スピードボール」の2P版。「クリスタルバトル」と同様に画面が上下に二分割され、2人のプレーヤーがゴールを競う。1P版と比べるとスタートからゴールまでの距離が短くなっており、疲れを気にせずに全力疾走できるのが楽しい。
「タッチボール」は、ひと言でいえば鬼ごっこ。2人のプレーヤーに、コンピュータが加わり、総勢3人で鬼ごっこを繰り広げる。画面は3D視点から見下ろし視点に切り替わり、トラックボールを上下左右に動かしながら遊ぶ。鬼になったら、ほかの2つのボールを追いかける。うまく触れることができたら、触れた相手が鬼になる。 遊ぶうちにプレイのコツが飲み込めてきた。地形をうまく利用するのだ。障害物でできた通路に逃げ込んだり、上下左右にあるワープトンネルに逃げたりすると、相手をかく乱できる。
制限時間は45秒だが、残り10秒になると大きな仕掛けが発動する。突然、画面上の通路が少なくなり、ほぼまっさらなフィールドで追いかけっこをすることになるのだ。通路に逃げるテクニックは使えなくなり、追うも逃げるもトラックボールさばきにかかっている。いやあ、面白いアイデアだ。筆者は、このゲームがいちばんのお気に入りとなった。
「スマッシュボール」は、円形か四角形のフィールドを舞台に、ライバルのボールを外へ突き落とすガチンコゲーム。ランダムで出現するアイテムを取ると、プレーヤーのボールだけが巨大化したり、重くて頑丈になったりする。ライバルのボールにぶつかって外へ飛ばさないと勝てないし、動き過ぎると外へ出てしまいやすくなる。頭脳プレイが必要なゲームだ。
プレイの感想は、「堪能した!」に尽きる。「ボールを転がす」というシンプルなアイデアだけで、ここまでバリエーション豊かなゲームが用意され、遊びつくせるのだから満足だ。ぜひ家族で遊んでみていただきたい。 (C)2004 SSD CO.,LTD. (C)2004 EPOCH CO.,LTD.
□エポック社のホームページ
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) (2005年1月27日) [Reported by 元宮秀介]
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