トミー「バトルタワースタジアム」
シリーズ最新作の「エメラルド」も軽々と売り上げ100万本を超えるなど、変わらぬ人気を誇るポケモン。今週はそんなポケモンを題材にしたトイ「バトルタワースタジアム」を紹介しよう。この「バトルタワースタジアム」は、いわば遊び場。遊ぶためには「DCデータキャリアポケモン」が必要となる。 「DCデータキャリアポケモン」とは、デジタルデータを埋め込んだフィギュアのこと。一体のポケモンにつき、種類、名前、属性、性別、誕生日、そして持ちわざが記録されており、例えば同じピカチュウのフィギュアでも、違う誕生日だったり、違う種類のわざを持っていたりするのだ。内蔵されているデータを読み取るには、「DCリーダー」という専用の機械が必要で、今回の「バトルタワースタジアム」はその多機能版だと理解すればいい。
子供でも大人でも好きな作品があれば、その登場人物のフィギュアやグッズを持ちたいと思うもの。大量生産されるフィギュアが、ひとつひとつの商品ごとに独自の個性を持っているのだとしたら、それは嬉しいものだろう。とりわけ一匹として同じポケモンは存在しない「ポケットモンスター」の世界観には、非常に合っている。フィギュアに新たな価値を与えた「DCデータキャリアポケモン」。ポケモンに興味がなくても、覚えておいて損はないだろう。 ■ フィギュア2体付きの豪華なセット!
内蔵されているフィギュアのレックウザとデオキシスは、いい感じの仕上がり。トミーが「ポケットモンスター赤・緑」の頃から発売し続けているフィギュアシリーズ「モンスターコレクション」とほぼ同等のクオリティで、ひと周り大きいサイズ。なるほど、これだけしっかりしたフィギュアで、しかも独自のデータが内蔵されているとなると、小さな子供ならたちまち夢中になってしまうだろう。
筆者は勢い余って別売のカイオーガとジラーチも購入した。これで存分にバトルを楽しめる。
「バトルタワースタジアム」本体は、アニメシリーズで主人公のサトシたちがバトルを繰り広げるポケモンスタジアムを模したデザイン。2匹のポケモンが対峙するバトル場があり、プレーヤーの行動を指示したり、バトルの結果を表示したりする液晶画面がある。手前にある赤いボタンの列と青いボタンの列は、そのままふたりのプレーヤーに対応していて、ポケモンバトルを操作する。
中央にあるモンスターボールのマークが、実はDCリーダーになっている。ここに「DCデータキャリアポケモン」を近づけると、フィギュアに内蔵されたデータがスキャンされ、プレイに反映されるというわけだ。 ■ バトルに勝つと、負けたポケモンが転げ落ちる! 遊ぶためには、プレーヤーとポケモンのデータを「バトルタワースタジアム」に登録する必要がある。電源を入れると、液晶画面が点灯し、「キミのなまえは?」と聞いてくる。3文字の名前を選択すれば、プレーヤーの登録は完了だ。プレーヤーのデータは複数保存することができ、こうすることで対戦プレイを楽しめるようになっている。 ポケモンの登録は、もちろん「DCデータキャリアポケモン」を使って行なう。「バトルタワースタジアム」本体にあるDCリーダーに、「DCデータキャリアポケモン」を近づける。そうして画面の指示に従ってボタンを押していくと、そのポケモンの詳細なデータが読み込まれる、というわけだ。筆者は「DCデータキャリアポケモン」のどこにデータが埋め込まれているのかと疑問に思っていたのだが、どうやら背中付近らしく、「DCデータキャリアポケモン」の背中がDCリーダーに触れるように乗っけると、誤認識されることなく、確実にデータが読み込まれるようだ。
このデータを読み込む行為、なかなか楽しい。「へえ、このレックウザはこんなわざを持っているのか」と強さを推し量ることができるし、原作のゲームにはない誕生日も興味深い。「このジラーチは1月31日生まれか。早生まれだな~」などと想像をめぐらせることができる。
ポケモンバトルは、「ライバルトレーナーとバトル」と「ともだちとバトル」の2種類があり、それぞれ1人用と2人用になっている。 「ライバルトレーナーとバトル」は、アニメ「ポケットモンスターアドバンスジェネレーション」の主人公サトシやハルカ、あるいはロケット団のムサシやコジローと勝負をし、自分のポケモンと彼らのポケモンを戦わせる。 登録しておいたポケモンを選んだら、バトル開始だ。「バトルタワースタジアム」本体から「レディーゴー!」のかけ声が鳴り響き、バトルがスタートする。バトルの勝ち負けは、原作のポケモンと同様にわざのタイプの相性で決められる。相手のポケモンが弱点とするタイプのわざを選んで、攻撃すればいい。しかし、相性がいいからといって、そもそもわざが当たるわけではない。ボタンを連打して、連打合戦に勝つことができて、初めてわざが相手のポケモンに当たるようになっているのだ。単純な仕掛けといえるが、連打合戦はやはり熱い。小さな子供なら夢中になるだろう。バトルの最中は「お~っと! エスパータイプのわざが炸裂だぁ~」などとプレイと連動したアナウンスが大きな音で流れ、ポケモンバトルらしい臨場感を盛り上げる。 「ともだちとバトル」は、バトルの流れは「ライバルトレーナーとバトル」と同じだが、「DCデータキャリアポケモン」を使って遊ぶ。「バトルタワースタジアム」本体にあるふたつのテーブルの上に、「DCデータキャリアポケモン」をそれぞれ乗せて向かい合わせる。そうしてわざの応酬をするのだが、ダメージを受けたポケモンはテーブルと共に徐々に後退していくのだ。子供ならずとも興奮させられる演出だ。
さらにとどめとなる大ダメージを受けるとテーブルが上下に傾き、「DCデータキャリアポケモン」は下に落とされてしまう。「DCデータキャリアポケモン」が後ろに後退するだけでもインパクトがあるのだが、下に転がり落ちるとは! このド派手な演出、さぞかし子供に受けるだろうし、熱中を誘うだろうなあ。お見事!
■ 種類が豊富なミニゲームでも遊べる ポケモンバトルのほかに、遊べるモードとして「うんどうかい」が用意されている。「うんどうかい」は、ひと言でいえばミニゲーム集。ポケモンバトルと同じように、「DCデータキャリアポケモン」のデータをDCリーダーでスキャンさせて出場させる。 ミニゲーム自体の数は多く、「かけっこ」、「はばとび」、「たまころがし」、「なわとび」、「つなひき」の5種類が用意され、これらでハイスコアを記録すると、「ポケモンクイズ」や「ラジオたいそう」などの隠されたゲームで遊べるようになる。
ミニゲーム自体の内容は、単純そのもの。「かけっこ」ならばゴール目指してボタンを連打する。「なわとび」ならば、タイミングよくボタンを押してなわを飛び越える。「つなひき」なら参加するふたりがボタンをすばやく連打し、連打の数が多いほどなわを引ける。液晶画面にはごくシンプルなドットで描かれた競技者が映し出され、「これのどこがポケモンなのだろう?」と疑問を抱くこともあるが、それはそれ。この「うんどうかい」の存在からは子供たちを楽しませよう、長く遊ばせよう、という狙いが感じられ、むしろ好感が持てる。あるゲームでハイスコアを出すと、新たなゲームが増える、という拡張性も、原作のポケモンを彷彿とさせる。
あくまで小さな子供向けの玩具なので、大人から見れば、単純で物足りないところは正直ある。しかし、もし自分が小さな少年で、これを手にしたらと想像すると、きっと喜んで遊ぶだろうなと実感する。もしこれからの年末のシーズンに、身の周りの小さな子供から「バトルタワースタジアム」をねだられたら、間違いなく買い。喜ばれるプレゼントになるはずだ。 (C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2004ピカチュウプロジェクト
□トミーのホームページ
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) (2004年11月4日) [Reported by 元宮秀介]
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