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【連載第158回】 あの、おもちゃを徹底レポート




メガドライブが玩具のスタイルで復活!
セガトイズ「メガドライブ プレイTV」

「メガドライブ プレイTV」
発売 セガトイズ
価格 4,179円
電源 単3アルカリ電池×4(別売)
発売日 発売中



 オールドゲームファンなら思わず笑みが漏れそうなアイテムを紹介しよう。「メガドライブ プレイTV」というタイトルからわかるように、メガドライブのソフトを遊べるトイ。ハードにはソフトが内蔵され、コントローラも付属。付属のAVケーブルをテレビに接続すればすぐに遊ぶことができる。

 ……と書くと、何かの玩具を思い出さないだろうか。そう、当連載でも取り上げたエポック社の「エキサイトスタジアム」や、スクウェア・エニックスの「剣神ドラゴンクエスト」の流れを汲んだトイなのだ。

 メガドライブを模した本体には、合計6本のゲームが収録されている。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のようにメガドライブを代表するソフトもあれば、「カメレオンキッド」のようなマニアックなタイトルもあり、「フリッキー」のようにクラシックタイトルもあって、バラエティに富んでいる。

 価格は、4,179円。ゲームメーカーが過去のソフトを1本にまとめてリリースしている“アンソロジーソフト”と比べると、割安といえる価格設定がなされている。このボリュームでこの価格ならば、たとえ10年以上も前のゲームといえど、「遊んでみようかな」という気分にさせられる。「過去の名作を活かした新しいスタイルの商品」としても、期待が寄せられる。

パッケージのデザインは、メガドライブ本体やソフトのイメージを踏襲している 「メガドライブ プレイTV」本体。別売のACアダプタを接続することも可能だ コントローラには、メガドライブのトレードマークである「16BIT」の文字が輝く



メジャーからマニアックまでバラエティに富んだラインナップ

「メガドライブ プレイTV」のメニュー画面。英語版のロゴを選択すると、各ゲームが起動する
 元々、この「メガドライブ プレイTV」は、北米向けに発売されていた商品。なので、収録されているゲームは、どれも英語版だ。どうして「日本版を収録しなかったのか?」と素朴に思うが、今回はこうした商品が日本市場で受け入れられるかどうかのテストケースだと解釈する。もし今後、同趣向の商品が出されるのであれば、日本語版で、さらに魅力的なソフトラインナップになることを期待したい。

 さて、収録ソフトを簡単に紹介しよう。

【SONIC THE HEDGEHOG(ソニック・ザ・ヘッジホッグ)】
セガを代表するキャラクタのデビュー作。ライバルのマリオをぶち抜きにする疾走感が話題となり、北米では日本をはるかに上回る人気を獲得した。メガドライブ版の発売日は、'91年7月26日
【GOLDEN AXE(ゴールデンアックス)】
剣士やドワーフを操作し、ガンガン進んでいくアクションゲーム。単なるアクションではなく、住人が魔物から逃げ回ったり、召喚獣を呼んで危機を脱出したり (ドラゴンが火を吐く) 、物語性を感じさせる内容。メガドライブ版は、'89年12月23日発売
【ALTERED BEAST(獣王記)】
パワーアップアイテムを取っていくと、しばらくは筋肉が盛り上がるだけだが、最終的には狼男やドラゴンに変身。変身後は無敵の強さとなり、大きなカタルシスを味わうことができた。メガドライブ版は、'88年11月27日発売
【FLICKY(フリッキー)】
ステージに散らばっているヒヨコを集め、ゴールまで連れて行くアクションゲーム。実はメガドライブ向けには発売されておらず、「ゲーム図書館」でデータをダウンロードして遊ぶスタイルでリリースされた
【DR.ROBOTNIK'S MEAN BEAN MACHINE(ぷよぷよ)】
ご存知「ぷよぷよ」の海外版。海外版は、登場キャラクタが「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の敵役ドクターエッグマンなどに変更された。'92年12月18日発売
【KID CHAMELEON(カメレオンキッド)】
海外版のメガドライブ「GENESIS」向けに制作され、その後、日本のメガドライブ用に日本語化された。ヘルメットをかぶると主人公がさまざまなヒーローに変身するアクションゲーム。日本版は、'92年5月29日に発売



映像も音声も操作性もメガドライブそのまま

 「メガドライブ プレイTV」本体は、ごくごく小さなサイズ。縦横5センチ程度というコンパクトさ。黒いボディに、「MEGADRIVE」とロゴがプリントされているため、見た目に「メガドライブ」のミニチュア版とわかるが、もっとオリジナルのディテールを追求してもよかったのでは? とも感じる。

 コントローラは、ブルーのパーツで成形されてはいるが、メガドライブと同様のもの。大人の手に少し余る大きさで、初代メガドライブのコントローラを彷彿とさせる。遊ぶためには、本体に単3電池を4本入れる必要がある。あのメガドライブが電池で動くなんて! と思うと、驚きがある。

 テレビへの接続は、本体から伸びるAVケーブルをつなげるだけ。電源スイッチを押すと……映った! うわわ~絵がにじんでいる。あちゃ~音がひずんでいる。だけど、これは欠点ではない。なぜかといえば、これこそがメガドライブの本来の映像であり、音声だからだ。発売当時、夢中になって遊んでいた記憶が蘇ってくる。大きくて、やや使いづらいコントローラも、そのまんまのフィーリング。そうそう、これでなきゃ!

 ゲーム自体は、古さを感じさせない。『ナムコミュージアム』に代表されるアンソロジーソフトの大半が'80年代初頭のゲームを収録しているのに対して、「メガドライブ プレイTV」のゲームは'90年代のゲームがほとんど。どれも今遊んでも十分楽しめるし、昨今のゲームと比べるとシンプルな設計なので気軽に何度も挑戦したくなる。

 唯一の欠点は、2人同時プレイに対応していないこと。コントローラが1個しかないためだ。コントローラを増設する拡張性もない。コントローラをもう1個つけて価格を上げるか。それとも価格は安く抑え、現状のように1個のコントローラにするか。意見は好みによって分かれるだろうが、「お気軽さ」こそがこの手のアイテムの真骨頂なので、筆者はコントローラ1個で安さを追求した現在の仕様を支持したい。

 メニュー画面には「ARCADE LEGENDS」という文字が描かれている。「ゴールデンアックス」や「獣王記」がアーケードゲームなのはわかるが、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」や「カメレオンキッド」はどうなのだろう。北米ではアーケード向けにもリリースされたのだろうか。いずれにしろ、「ARCADE LEGENDS」というフレーズは、今後別のコレクションが登場する可能性を示唆している。メガドライブは隠れた名作の宝庫。「家庭用ゲーム機コレクション」や「サードパーティコレクション」など、さまざまなラインナップを編成することが可能だ。今後の展開を望みたいので、「メガドライブ プレイTV」がぜひ一定の成功を収めることを願いたい。

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"SEGA and Sega Logo are registered trademarks of Sega Corporation."
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□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「メガドライブ プレイTV」のページ
http://www.segatoys.co.jp/megadriveplay_tv/
□関連情報
【6月15日】日本玩具協会、東京おもちゃショー2004開催
セガ トイズの「メガドライブ プレイTV」など出展
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040615/toy-s.htm
【7月8日】セガトイズ、テレビにつなぐだけですぐに楽しめる
「メガドライブプレイTV」を9月9日発売決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040708/playtv.htm


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(2004年9月16日)

[Reported by 元宮秀介]


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