発売元 Dreamcatcher Interactive
今年6月にM3エンターテインメントから発売されたホラーFPS「Painkiller」のMultiplayer Demo。製品版発売後のリリースだけあって、最新バージョン1.3をベースにしている。ただし、マルチプレイモードのみなので、過去に2回ほど公開されたSingleplay Demoと合わせて楽しむといいだろう。
「Painkiller」のマルチプレイモードは、「Unreal Tournament」、「Quake」シリーズなどを彷彿とさせるスポーツ系のゲームデザインになっている。インターフェイスもまるっきり同一なので、上記のゲームの経験者は比較的違和感なくマルチプレイを楽しめそうだ。良く言えば親しみやすく、悪く言えば個性がない。
「Painkiller」最大の個性である猟奇的な描写に関しても、マルチプレイで極端に薄められているのが少々気になった。たとえば、銃器にしても、メインとして使われるのはスポーツ系FPSでは比較的ポピュラーな存在であるロケット弾やレーザーガンの類で、敵に杭を打ち込んで壁に貼り付けの刑にするストックガンや、ゲームの題名にもなっている敵をたちまち肉塊に変えるペインキラーといった猟奇的殺人兵器は見ることができない。
また、敵を倒した際に飛び散る血しぶきや肉塊にしても、同一の戦場で多数の敵と戦うというマルチプレイモードの特性上、一定時間をおいてそれらが自然消滅するようになっている。パフォーマンス維持のためという理由はよくわかるのだが、そうした混沌そのものの描写こそが同作のアイデンティティであったはずであり、それを捨ててまで果たしてマルチプレイモードを実装する意味があったのかどうか。
グラフィックスに関しては、スポーツ系では現役の「Unreal Tournament 2004」あたりと比較しても遜色のない出来映えだが、ネットコードには雲泥の差があることは指摘しておかなければならない。快適な環境でプレイしたいのであれば、国内を初めとしたPingの低いサーバーでプレイする必要がありそうだ。
マップは、「Unreal Tournament」シリーズを意識した高低差のあるマップが2枚収録されている。上階にはジャンプ台を使って移動し、マップの各所には強力な武器やアーマーなどが一定間隔ごとに出現する。最大参加人数は16人まで対応しているが、マップサイズとしては8名前後が遊びやすい。GameSpyのシステムを使ったサーバーブラウザが内蔵されているため、気軽にプレイしてみるといいだろう。
(C) 2004 Dreamcatcher Interactive
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