今回紹介する「ニトロファミリー」は、韓国の開発会社Deiphieyeによって開発されたFPSだ。一応ストーリーは存在するが、このストーリーが無かったとしても、ゲームの進行にはまったく問題がない、というタイプの作品で、プレーヤーは一本道のステージをとにかく突き進み、現れる敵を片っ端から撃ち倒していけばいい。とにかく「撃つ」、これだけしかないゲームだと思ってもらっていいだろう。 そして、登場するキャラクタ達もこれまた濃くて超ラテン系のキャラクタ達となっている。プレーヤーであるビクター・チョップスキーは、まさしくアメリカンマッチョメンといっていい様相であり、相棒である妻マリア・チョップスキーもこれまたアメリカンセクシーウーマン、そして子供は2歳にしてナイフと散弾銃をおもちゃ代わりに育つ始末だ。要するにあまり難しいことを考えずに撃ちまくれるゲームが「ニトロファミリー」というわけだ。
■ 両手に武器を構え、片っ端から撃ちまくれ!
このため、「近距離まで近づいてきた敵には右手のショットガン、遠い敵には左手のロケットランチャー」といった戦闘スタイルを取ることが可能で、間断なく襲ってくる敵を武器切り替えの隙を作ることなく撃ち続けることができるというわけだ。 このシステムをうまく利用したのが「コンボ」と呼ばれるシステムで、ロケットランチャーやショットガンを当てて吹っ飛んだ敵が空中にいる間、続けて弾を当て続けることで後述する賞金を大量に稼ぐことができる。ロケットランチャーで高く吹き飛ばし、即座に逆の手に持ったマシンガンで弾を当て続けるのが一番稼げそうだ。 とはいうものの、大量に襲ってくる敵をかいくぐり、コンボを続けるのは結構難しい。ちなみに左右の武器は別々にリロードすることが可能で、右の武器がリロードしている間の隙を逃さず襲いかかってくる敵を、左の武器で倒すということもできる。まさに撃ちまくりのゲームである。 敵を倒すと、プレーヤーには賞金という形でクレジットポイントが支給される。このポイントは、ゲーム中要所要所で登場する武器商人リサと交渉することで、武器の威力を強化するグレードアップや新しい武器の購入をすることが可能だ。
とはいうものの、ゲーム初期でできるのは既存武器のアップグレードが中心で、新しい武器はステージが進むと購入できるようになる。ちなみにリサからは、敵に関する情報の入手やムフフなサービス(!?)も受けたりすることができる。
■ 背中に背負うのは最愛の妻! 飛んでけスペシャルアタック!
同作は2人で1組という扱いになっており、彼女は通常はビクターの背に乗っかっているだけだが、乱戦時になるとビクターが撃ち漏らして接近してきた敵を、得意のムチをつかって縛り首にするのだ。 さらにスペシャルアタックも用意されている。マップ中に転がるハイドロジェンガスを拾うことでスペシャルアタックが使えるようになる。これを屋根のない広がった場所で使うと、なんとマリアが携帯型ジェットで敵の上部へすっ飛んで、敵を空爆するのだ!
マップ中特定の場所では、このスペシャルアタックがないと先に進むのが困難になる場所もあるので、むやみやたらに使わないようにしたいところだ。
■ 昔懐かしの味わいが込められた「ニトロファミリー」
「DOOM」や「Duke Nukam」といった、次々と襲いかかってくるモンスターを手に持った銃で手当たり次第に撃ちまくったFPS初期。その後、「Quake」シリーズによって人同士のオンライン対戦が本格的に始まり、次いでしっかりしたストーリーを持った初のFPSとして「Half-Life」が登場した。 そして、リアル系FPSの元祖ともいえる「Counter-Strike」の登場によって、最近のFPSと呼ばれるジャンルに分類されるゲームの多くが「多人数」、「協力プレイ」、「現実にある銃器が登場」、「物理エンジンによって、リアルな世界を再現」といった要素を持つ方向へと進んでいる。 しかし、FPS本来の根本的な楽しみといえば、なんと言っても「敵を撃つ」という点に尽きる。山と襲ってくるモンスターの攻撃を避け、一瞬の隙を逃さず撃つ、そしてモンスターの倒れるのを確認する間もなく次の敵を探す。この繰り返しではあるのだが、対処しきれないほどの大量のモンスターを相手にするうちに、この繰り返しが麻薬的な興奮を引き起こすのだ。このプレイした人間しか味わえない魅力こそが、FPSをメジャーなゲームジャンルに引き上げた原動力といっていい。 そうした点では、今回紹介した「ニトロファミリー」は、この単純な「敵を撃つ」ことに特化した昔ながらのスタイルを忠実に再現したFPSであり、特にここ数年でFPSをプレイするようになったというユーザーがプレイすれば、これまで遊んでいたFPSというゲームジャンルの新たな側面を見いだすことができるだろう。 ただ、最後に難点を挙げておくとすればゲーム全体で5ステージと、FPSをやりなれた人にとっては少々短いのが気になる。なれた人間がプレイすればクリアするのに10時間もかからないだろう。これで6,000円オーバーの価格というのは少々高いといわざるをえない。 とは言うものの、逆にFPS初心者という視点から見ると手頃なボリュームとも言えるので、初めてFPSを遊ぶという方にもおすすめの1本だ。また、このFPSの根本を抜き出したFPSとして少々古いタイトルになるが「Serious Sam」シリーズがある。こちらも是非遊んでほしい1本だ。
(C) 2003 Delphieye,Inc All Rights Reserved.
□ズーのホームページ http://gamezone.zoo.co.jp/ □「ニトロファミリー」のホームページ http://nitrofamily.zoo.co.jp/ □関連情報 【2004年3月9日】本日到着! DEMO & PATCH 「Nitro Family」Playable Demo http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040423/eu2ac.htm (2004年6月4日)
[Reported by tyokuta]
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2002 Impress Corporation All rights reserved. |
|