発売元 JoWooD Productions
JoWooDが新作リアルタイムストラテジー「SpellForce - the Order of Dawn」のPlayable Demo。ゲーム以前にびっくりさせらたのはその圧倒的なボリュームで、昨年の12月3日分で紹介した「Warcraft III: Reign of Chaos」のPlayable Demoに匹敵するほどだ。シングルプレイ部分のみで3、4時間、マルチプレイも含めればもっと楽しめる。ゲームデザインも見るべき部分が多い。RTSファンはぜひトライしてみてほしい。
「Spellforce」は、オリジナルのファンタジー世界をモチーフにしたリアルタイムストラテジー。グラフィックはフル3Dで、MMORPGを彷彿とさせる広大なフィールドをエピックスケールで描いている。ゲーム視点はフルインタラクティブで自由に動かすことができ、ワンキーでヒーローを中心とした3人称視点に切り替えることもできる。そのシームレスな表現にまず驚かされる。RTS本来の持ち味を存分に生かした見事なゲームデザインだ。
そのゲーム性は、ドイツの新鋭デベロッパーPhenomic Game Developmentの売り文句のひとつに「Warcraft III」と「Dungeon Siege」のミックス型RTSというのがあるが、まさにそんな印象で、ドイツ的緻密さと常識外れのダイナミズムがゲーム全編に貫かれていて、率直に言って北米のRTSとはまったく異なる新鮮なおもしろさがある。「Cossacks」とはまた別アプローチの重厚長大型RTSといっていい。
ゲームの主人公であるヒーローは、戦闘を経ることでレベルアップし、新たな能力を得ることができる。頭から足に至るまで装備品も整えられ、これらは主に街のショップやボスクラスモンスターがドロップするトレジャーボックスから入手できる。そのほか、スペルブックや新たなユニットや施設等が利用可能になるRuneの存在など、「Dungeon Siege」ライクなトレハン要素が大きな楽しみのひとつになっている。
タイトルが示すように、ヒーローは基本的にスペルキャスターで、さまざまなスペルを活用することで戦闘を楽に進めることができる。スペルによってはレベル制限があり、またD&Dライクなスペシャライズシステムを採用しているため、入手したからといってすぐ使えるようになるとは限らない。このあたりにRPGっぽさが濃厚に感じられる。
Demoでは、ゆっくりプレイしても2、3時間は優にかかるチュートリアルステージと、レベル21のヒーローを使って同作のバトルの醍醐味が堪能できるDemoキャンペーン、そしてマルチプレイモードがプレイできる。
チュートリアルは、フルボイスフルテキストによる案内によって、順を追って進められるため、途中で何をしていいのかわからなくなることはない反面、要領が掴めてくると懇切丁寧すぎる説明に辟易してしまう。RTS経験者のためにもワンキーで飛ばせるようにすべきだろう。現状だとテンポが悪すぎて、途中で疲れてしまう。
一方、Demoキャンペーンでは、レベル21のキャラクタを使って、強力なモンスターと戦うことができる。いきなり10種類以上のスペルが利用でき、1戦1戦がかなりの長期戦になり、その模様はまるでMMORPGのソロプレイのような印象だ。死亡するとバインドポイントから再スタートというMMORPGライクなシステムもユニーク。さまざまな点で興味深いRTSだ。
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