発売元 Activision
大物FPSが軒並み発売延期している状況下でひとり気を吐いている感があるInfinity Wardの「Call of Duty」。Dawnville Demoは、8月末に公開された「Burnville Demo」に続くPlayable Demo第2弾だ。基本的な作りは同じだが、プレイできるレベルが異なり、また難易度もググンと向上している。シングルプレイ専用だが、遊びがいのあるDemoだ。12月にメディアクエストから日本語版も発売されるので、まずはDemoをじっくり遊び込むといいだろう。
「Call of Duty」は、9月2日版で紹介したように、2001年度を代表するアクションシューティング「Medal of Honor: Allied Assault」を手がけた2015のスタッフが、新会社Infinity Wardで新しく開発しているアクションシューティング。同じく第二次世界大戦をモチーフとしており、プレーヤーは最前線で戦う部隊の隊員のひとりとして、さまざまな戦線で銃撃戦を展開していくことになる。
グラフィックエンジンは、Quake IIIエンジンをベースとした「Return to Castle Wolfenstein」のエンジンが採用されている。純粋なビジュアルクオリティは完全に昨年度のレベルで、「Medal of Honor: Allied Assault」と比較してもそれほど大差はないものの、戦場の描写は格段に向上しており、インプレッションはまったく異なる。
具体的には敵味方双方のAIの動きや演出が抜群で、最前線の戦場における敵味方双方の混乱具合までを含めて、実に見事に描いている。ゲーム展開も、プレーヤーが動かなければゲームが進まないというわけではなく、どちらかというと味方のカバーに回る展開が目立つ。
単身でガンガン進もうとしても敵の集中砲火を浴びて撃退されるだけで、逆に味方AIに任せっきりでチキンプレイに徹していたりすると、その地点が攻撃機の直撃弾を浴びて家屋もろとも粉砕されたりする。要するにチームで動くことがもっとも有効な戦術というわけで、シングルプレイでこれほどチームプレイを意識させてくれるゲームは初めてだ。このAIの優秀さは、「Counter-Strike: Strike Condition」を開発しているRitual Entertainmentにはプレッシャーだろう。
DemoでプレイできるDawnvilleは、爆撃で全壊し無人と化したサント・メール・エグリーズ(St.Mere Eglise)を舞台に、米独両軍が家屋越しに銃撃戦を展開するという内容。プレーヤーはノルマンディ上陸作戦に呼応して空挺降下した101空挺師団の隊員のひとりとなり、軽火器を持って、火力兵力ともに優勢なドイツ軍の駆逐に尽力する。シナリオは前作と同様にスクリプトベースで展開し、チーム全体で敵を片づけ、プレーヤーが特定の位置まで進出することで、新しいスクリプトが作動し、未知のフィールドが開放される、もしくは既存フィールドに新たな動きがあるといった具合だ。
「Medal of Honor」と大きく異なるのは、ステージ全体を有効活用しているところで、同じ箇所を何度も通ったり、いやなタイミングで空爆が再開されたり、時には敵を一掃したはずの地点に、再度、精強な部隊が出現して大混乱に陥ったりなど、ステージの全域に当時を彷彿とさせる凝った演出が組み込まれている。あまりの臨場感の高さに思わず何度もプレイしてしまったが、そろそろマルチプレイも楽しみたいところではある。
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