開発/発売元 マイクロソフト
マイクロソフトが10月17日に発売を予定している経営シミュレーションゲーム「Zoo Tycoon Complete Edition 日本語版」の体験版。2002年11月21日版で紹介したPlayable Demoを日本語化したもの。「フライト シミュレータ 2004 翼の創世紀」の発売と重なっているのが少しかわいそうだが、動物の可愛さに魅せられて、ついつい遊び込んでしまう圧倒的な吸引力を備えた佳作だ。
この体験版は、原題の「Zoo Tycoon Dinosaur Digs & Marine Mania」が示すように、北米で本編が大ヒットした後に相次いで発売された2本のアドオン、「Dinosaur Digs」および「Marine Mania」の内容を試すことができるというもの。「Dinosaur Digs」はチュートリアル1ステージ、「Marine Mania」はチュートリアル3ステージ収録されており、両タイトルのコンテンツを盛り込んだフリープレイが1ステージ用意されている。
チュートリアルはものの10分もあれば終わるほどのボリュームだが、フリープレイはなかなかうまい具合に経営を進められずに、何度も再プレイしてしまってあっという間に数時間が経つ。経営がうまくいかない理由は明々白々で、本編に登場する比較的利益を上げやすい動物が一切飼育できず、最初からメンテナンスの難しい恐竜や海の動物を飼うことになるためだ。
体験版で飼える恐竜は中型以下の比較的小型のものばかりだが、恐竜専用の高圧電流付きの柵が高価で、周りを囲うだけでごっそり資金が持っていかれる。のみならず、居住エリアのアクセサリーに対する要求がやかましいばかりか、せっかく植えた樹木を破壊したりするので、いちいち残骸を掃除して、新しく植え直さなければならないといった具合になかなか大変だ。
同作は経営要素をかなりシビアにシミュレーションしており、とりあえず食物とドリンクショップで小銭を稼いで、小動物を小出しにしつつ、少しずつ園内を拡張していく、というような従来型のゲーム的動物園経営はできなくなっている。見せ物となる動物たちが快適に暮らしている環境が整備できるまでは、充分な人は集まらず、ショップ系は軒並み赤字になる。
徐々に減ってくる残金と、突然どかんとやってくる月ごとの支払いにおびえつつ、園内のすみずみにまで気を配るさまはまさに経営者そのものであり、単なる動物愛護ゲームに止まらず、シミュレータとしてきちんとチューニングしているところに同作の大きな魅力がある。動物好きかどうかに関わらずぜひ一度試してほしい作品だ。
(C) 2003 Microsoft Corporation. All rights reserved. .
ダウンロードはこちら(マイクロソフト)