■ 「ニンジャアサルト」の魅力 そもそも、本作のデモシーンなどでの会話は、英語の音声に字幕という形で綴られる。忍びの者が、アサルト(突撃)するというところですでに変わっているのだが、さらにこのニンジャ、銃を撃ちまくり、英語でスラスラ会話してしまうのだ。 だが、プレーヤーキャラがニンジャなのは、別に笑いを誘うためのものではない。これが、ゲーム内容に大きく係わっているのだ。ニンジャならではの身のこなしで、高い屋根の上や切り立った岩場も自由自在に移動しながら、敵との銃撃戦を繰り広げる。このため、画面は高い場所での戦闘も非常に多く、スリル満点。ニンジャの視点で移動していくカメラは、縦横無尽に3D空間を疾走していく感じを味わえて気持ちいい。 ニンジャに対して敵は? というと、人とも魔物ともわからない異形の種族。その攻撃は、人間離れした敏捷性や、特殊能力を活かしたものが多い。画面を左右に激しく移動して飛び掛かってきたり、一瞬消えてまた別の場所に出現し、そこから攻撃に転じるなど様々なものがある。こっちと思ったら次はここだった、というように、終始画面内の様々な方向に対して注意が必要だ。的となる敵の移動が激しく、カメラワークが様々な方向に展開するので、息も吐かせぬ見せ場のシーンが山盛りだ。 敵の攻撃は、飛び道具を使った攻撃も容赦ない。アーケードでは、ステージ1の冒頭から弓矢兵が弓を放ってきたりして、最初から難度が高い攻撃の出迎えに「いきなり本気」という感じがする。また、不意打ちも多い。攻撃が一段落したと思って、ふっと息を吐いた瞬間に、遠くの弓矢兵から矢を放たれて、不意を付かれ、「しまった」と思っていると、目の前ににゅっと現れた落ち武者風の武士にズバっと斬られる、という具合である。 飛び道具は撃ち落とすことが可能だが、特に弓矢や手裏剣などは、遠方からでもかなりのスピードで飛んできて着弾するため、素早く軌道の先を読んで、しっかり狙いをつけて撃ち落とす必要がある。飛び道具の種類は非常に多彩で、中でも手裏剣は色が地味なので、相当手前でハッと気付いたがもう遅い、ということになりがち。予め手裏剣を放つ敵の種類を覚えたり、手裏剣の飛んでくるポイントを知っておかないと対処しづらい。 このように、居並ぶガンゲームの中でも「ニンジャアサルト」は難度が高い。見た目はニンジャが「プリンセス!」と叫んだりして、ちょっと可笑しい印象もあるのだが、彼らの演じる世界は一貫して硬派で、それと同じくゲーム内容も硬派なのだ。 ■ パワーアップした家庭用
【ストーリーモード】 「アーケード」、「紅蓮編」、「群青編」、「葵編」の4つのストーリーが遊べる。 それぞれ、いくつかの章(ステージ)で構成されていて、ひとつの章をクリアすると次に進んでいく。章の最後にボスが待ち受ける場合は、クリアするためにボスを倒さなければならない。ボスによっては、体のどこかの部位に弱点を持つ者もいる。ダメージが与えられていないと思ったら、弱点を見つけ出して、そこに集中攻撃を浴びせればいい。 ライフはゲージ制で、敵の攻撃によってゲージの減り具合も異なる。道中に置かれているつづらを壊せば、救急箱が出現する場所がいくつかあり、救急箱を撃って回収すれば、ある程度ライフゲージが回復する。章クリア後に成績が表示されるが、ここで成績によるライフボーナスなどは無いので、救急箱だけが命綱となる。攻撃を3回食らったら終了、というタイプとは違うので、攻撃を受けた回数のわりに生き残れる、という感じがする。まぁ、先へ進むと攻撃のダメージ量が高い敵も出てきて、そうも言えないのだが……。 「アーケード」は、主人公2人(紅蓮と群青)がプレーヤーキャラとなる。その能力は同じで、弾数8発の魔破銃を使って、最終的に鬼骸王にさらわれた琴姫を救出するため、敵を倒しながら道中を進む。全9章で構成された業務用を再現し、最終ボス「鬼骸王」に至るまでの道のりは、長くて険しいものだ。 先へ進むためのコツは、まずは多種多様な飛び道具をしっかり撃ち落としていくこと。そして、耐久力の高い敵を、しっかり連射して倒していくことだと思う。連射力はボス戦でも必要になってくる。弱点を探して、そこに短時間で集中砲火を浴びせないと、逆に攻撃を食らう、という場面が多いからだ。 「紅蓮編」、「群青編」、「葵編」は、アーケード版とはちょっと違うので、その違いについて話していきたい。 この3つのモードでは、ガンコン2をPS2のどのコントローラソケットに差し込むか(1P側/2P側)によって、以下のように使用キャラが変わる。「紅蓮編(1P:紅蓮&2P:葵)」、「群青編(1P:群青&2P:紅蓮)」、「葵編(1P:葵&2P:群青)」となり、最大の特徴は、キャラそれぞれに特性が加味されていること。キャラによって、1回のリロードで撃てる弾数、1発の攻撃力、防御力などの違いがある。 また、アーケード版には存在しない「忍術」をボタンで使用することができ、これもキャラによって種類が異なる。画面内の敵すべてにダメージを与えると共に、敵の飛び道具も消してくれるため、緊急回避用として使える。手持ちの数が決まっているが、道中で巻物を回収して、ストックを増やしていくことが可能だ。 ここで、それぞれのキャラクタを紹介しよう。 紅蓮……アーケード版の1P。その風貌は「仮面の忍者赤影」現代風とでも言うべきか、やや細面の二枚目忍者。 性能は攻撃に特化していて、弾1発で敵に与えるダメージの量が大きい。連射が苦手な人や、狙撃を得意とする人向けのキャラ。使用忍術は、大爆発を起こす「業火の術」。 群青……アーケード版の2P。26歳という若さに驚くほど、落ち着きある雰囲気を持つ忍。 こちらは防御面に特化しており、同じ敵の攻撃を受けても、他の2キャラよりもライフゲージの減り方が断然少ない。飛び道具を撃ち落とす自信がない人や、初心者にオススメ。使用忍術は、電光が迸る「雷神の術」。 葵……家庭用で初登場。紅一点だが、黒い眼帯をした外見や、しゃべり方などが勇ましいくノ一。 その特徴は、銃の最大装填数が16発あること(ちなみに3人のキャラ別ストーリーでは、紅蓮と群青の最大装填数も10発で、アーケードよりは2発多い)。連射力に自身のある人は、残弾数を気にせず撃ちまくれるので、是非葵を使ってみてもらいたい。使用忍術は、空気を切り裂く「破空の術」。
ステージ数は、1番長い「紅蓮編」では全7章、他の2つは全6章で、アーケード版に比べれば1編あたりのボリュームは多少減っており、気楽に遊べるようになった。また、アーケード版になかった新しい章が新規に作られているので、業務用を見慣れた身としては新鮮に感じた。エンディングもそれぞれに用意されていて、キャラごとにその後のエピソードがエンディングで語られる。 多くの隠し要素が仕込まれている本作だが、これらのストーリーモードをクリアすることで、次に紹介する「エクストラゲーム」内の隠れた項目が出現していく。ひとまず全部クリアすることを目標に掲げてみるといいのではないかと思う。また、「ストーリーモード」では、攻撃力3倍の「BUSTERGUN」が使用できるようになる(私がプレイしたときは、その出現は相当後の方だった)。 【エクストラゲーム】 エクストラゲームは、「ミッションゲーム」と「トレーニングゲーム」に分かれていて、射撃の腕前を遊びながら高めていくことができる。内容はそれぞれ以下のようになっている。 ・ミッションゲーム パート1からFINALまで合計6つのパートがあり、それぞれに4個のミッション(FINALだけ12個のミッション)が用意されている。プレイしたいミッションを選んで、指示されるルールを理解したらスタートし、制限時間内に条件を満たせばクリアとなる。 このとき、うっかりルールを読み飛ばすと、何をすればいいのかわからないまま時間が過ぎ去り終了……ということになりかねないので、あわててトリガーを引いて飛ばさないよう注意した方がいい。内容はひたすら敵を倒すものや、まねきねこ(得点アイテム)を集めていくもの、1発で敵を仕留めるものなど、ミッションによってルールも様々なのだ。
・トレーニングゲーム ガンの腕を遊びながら向上させていける、5つのトレーニングが用意されている。もちろん1人でやり込むのも面白いが、このモードは2人でプレイできるので、競い合うのが面白い。特に、画面内に出現する小判をひたすらうち続け、ヒット数で競う「小判道場」や、一瞬の判断力が要求される「武者道場」では、1つの画面で小判や武者の奪い合いとなってかなり熱いので、友達を呼んでプレイすることをオススメしたい。
「ニンジャアサルト」は、敵が多くて動きは素早いし、飛び道具も多いし、ボスの攻撃では来るとわかっていても攻撃キャンセルにかなりの連射力を求められるものが多い。1コインクリアできるだけで、自慢できる内容のゲームだと思う。 こういった、正統派な難しさを持つということは逆に、覚えていくことで確実に上達していけるので、やる気があればどんどん先へ進む楽しみを与えてくれる。連射力などに限界を感じたら、「トレーニングゲーム」でまずはSランクを、できたら更なる高得点を目指していれば、そのうち自分の性能が勝手に上がっているはず。 己を鍛えて先を目指すというところに面白さがあり、クリアできるようになった人には、さらに次なるチャレンジが用意されている。 得点の要素にコンボボーナスがあって、敵を撃ち続けるとコンボが加算されていき、狙いを外して壁や空などを撃ってしまうと、コンボが途切れる。これ自体は既存の要素だが、本作では5ヒットすると500点が加算され、10ヒットで1,000点というふうに、5ヒットごとにボーナスが500点ずつ増えていく。より多くつなげることに目標を設定すると、その道のりは、またぐーんと長くなる。 私としては、この5ヒットごとのボーナス得点もさることながら、点数表示に炎が立ち上る派手な演出が気に入っていて、異様に奮い立たされる。先にも述べたが、別に章をクリアした際、Sランクを取ってもコンボがどれだけ繋がっても、ライフが増えるなどのボーナス要素はない。けれど、つながったときの楽しみは、クリアすることとはまた違っていて、同じステージでもクリアの重みがぐんと変わってくる。楽しい反面、途切れたときの悔しさもまた特別。最初は20、これができたら50辺りを目標に、是非チャレンジしてみてもらいたい。 (C)2000 2002 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED
□ナムコホームページ (2003年7月17日) [Reported by 河本真寿美]また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved. |
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