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【連載第104回】 あの、おもちゃを徹底レポート




手軽な価格で楽しめる本格的なラジコン飛行機
大陽工業「夜間戦闘機 月光」

「夜間戦闘機 月光」
発売 大陽工業
価格 5,999円 (トイザらス)
電源 アルカリ単3電池×8(別売)
発売日 発売中



 すっかり春めいて来た今日この頃。肌寒い日もあるが、コートが不要になる暖かい日もあり、春がもう間もなく訪れることを実感できる。今回は、そんな春の日差しの中でこそ楽しみたい飛行機ラジコンをレポートする。この「月光」が発売されたのは昨年の11月なのだが、屋外で飛行機を飛ばすのにうってつけの季節が来る日まで、温存していたのだ。

 この大陽工業の「月光」の特徴は、その手軽さにある。飛行機は組み立て済み。コントローラも同梱。パッケージを開ければ、すぐに飛行を楽しめる。これまでの飛行機のラジコンといえば、高価で、知識や技術が必要な“大人のホビー”だった。そんな高値の花をグッと身近にしてくれたアイテムなのだ。


本体は柔軟で衝撃に強いEPPを使用

EPP製のため、こんな風に翼を持っても壊れることはない
 モデルとなる「月光」は、第二次世界大戦で活躍をした実在機。日本海軍航空隊では初となる本格的な夜間飛行を可能とし、アメリカ軍爆撃機に対する迎撃任務を与えられていたことで知られている。

 大陽工業のモデルは、そんな「月光」の特徴やディテールをあまねく忠実に再現している……とはちょっと言いがたい。なぜかといえば、本体がEPPで造られているのだ。EPPとは発泡ポリプロピレンのことで、発泡スチロール(ES)と比べると少し硬くて、衝撃に強いことから、自動車用バンパーなどにも使われている素材。飛行機のラジコンといえば、落下による故障が付き物だが、そんなトラブルを少しでも減らそうと考えられて、採用されたのだろう。

 これは、ディテールに凝るよりも、遊びやすさを取ったというわけだ。試しに「月光」の両翼をつかんでグイッと曲げても、素材が柔軟なので、まるで壊れる気配がない。事実、テストプレイで筆者は何度も何度も「月光」を地面に激突させたのだが、塗装が剥げることを除いて、破損は一切なかった。

全体のデザインや塗装などは可能な限り再現されている。先端の塗装が剥げているのは、何度も不時着したため


 コントローラのデザインは、なじみやすいゲームコントローラのスタイル。左右に大きな2つのパッドがあり、左は「月光」の上昇・下降を司るパッド、右は「月光」を左右へ旋回させるパッドになっている。コントローラの底面には、充電用の端子がある。ここに付属の充電池を接続すれば、コントローラにセットしたアルカリ単3電池(別売)から電力が供給される。充電が完了した状態の充電池を「月光」に取り付ければ、準備は完了となる。充電に要する時間は、約4分間。1回の充電で約1分30秒のフライトが可能になる。

コントローラ。付属のリボンは、3種類用意された周波数を示している コントローラから付属の電池へ充電中。作業が完了すると音が鳴る 充電池はコックピットの底部にあるボックスに入れる



美しい飛行に思わず見とれる

 「月光」のフライトを楽しむには、場所選びが重要なポイントとなる。本格的な飛行を実現しているので、相応の広さが必要なのだ。マニュアルによると「障害物のない見通しのきく広い場所」で「岩や藪などのない平らな地面の場所」が指定されている。さらに「風のおだやかな日」であることも付け加えられている。筆者の仕事場はオフィス街にあるので、この条件を完璧に満たす場所を探すのは難しいが、近くの神社をその場所に選んだ。

 飛行の仕組みはこうだ。離陸は手投げ発進で行なう。コントローラを操作してパワーを100%にしたら、手でつかんでいた「月光」を水平に投げる。「月光」が上昇したら、パッドを操作し、パワーを75%程度に抑える。これで安定した飛行が可能になる。着陸の際もパッドを操作して、パワーを25%に低下させる。「月光」が下降してきたら、もう一度パッドを押してパワーを0%にする。こうすれば、安定した着陸が行なえる。

 実際に試してみると、まず2基のプロペラの音に驚いた。パワーが100%の状態だと、プロペラが回転する音がさすがに大きく、今にも飛び立ちそうな迫力がある。「今だ」と思って、「月光」を水平に投げてみると……「ブウウウゥゥゥン」と唸りを上げて、先端から地面に墜落してしまった。投げ方が悪かったのだろうか。マニュアルを再読すると、「風上に向かって投げる」とも書いてある。風が吹くのを待ち、風上を特定してから、再度チャレンジしてみる。今度は……成功だ! 「月光」は勢いに乗ったかのように、想像以上のスピードで一気に前進していく。

 それは「飛行」としか言いようのない完璧な動作で、「ここまで飛べるものなのか」と感激させられた。その美しい軌跡に見とれて操作するのを忘れてしまったため、「月光」が木に激突して不時着してしまった。あわてて拾いに行くが、さすがEPP素材。大きな音が上がった衝突なのに、破損はなし。これなら安心して遊べる。木と接触した箇所の塗装は剥げてしまったが、こればかりはしょうがない。

風上に向かって水平に押し出すように発進させる 慣れれば大空を自由に舞うアクロバティックな操作も可能になる
【ムービー】
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「月光」の手投げ発進から左方向への旋回



風を読み、それに応じたコントロールが必要だ

 次は、左右の旋回に挑戦してみた。旋回をさせる場合もパッドを操作するのだが、この按配がなかなか難しい。長く押すと機体が傾き、バランスを崩して、不時着してしまうのだ。パッドは軽く、数回くり返すようにして押すのがよい。そして旋回した直後にパッドを反対方向に入れて、機体を水平方向に保つようにしなければならない。ラジコンはみなどれも同じだが、操作が難しく、それゆえに面白い。

 風の影響も大いに受けることが実感できた。追い風が吹くと一層加速して気持ちいいが、そのスピードがあまりに速いため、「月光」を見失うこともしばしば。向かい風が吹けば、高度が上がりすぎて、失速してしまう。それぞれの風の特徴を頭に叩き込んで、それに対応できる操作を行なえるようになれば、面白さは飛躍的に増すことだろう。

 今回は広い場所とはいえ、木々が立ち並ぶ場所でのトライだったので、残念ながら風に合わせた柔軟な飛行を楽しむ、とまではいかなかった。いつか晴れた日曜日に、芝生が広がる大きな公園で、飛行を満喫してみたい。


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(2003年3月20日)

[Reported by 元宮秀介]


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