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【連載第96回】 あの、おもちゃを徹底レポート




アームの操作が可能な新型ビットチャーG
「ワイルドチャーG ランブルクロウ」

「ワイルドチャーG ランブルクロウ」
発売 トミー
価格 3,480円
電源 アルカリ単3電池×2(別売)
発売日 発売中



 さまざまなe-Toyの中で、その進化を特に楽しみにしているシリーズがいくつかある。トミーの「ビットチャーG」はそのひとつだ。手のひらサイズの超小型ラジコンの先駆的存在だということに加え、新たなラインナップを矢継ぎ早に投入してくるので、まるで飽きさせない。さらに、かねてからコアテクノロジーを活用して、自動車にとどまらず、多様な乗り物のラジコンを発売するという「ビットホビー構想」を提唱しているので、その動向から目を離すことができないのだ。

 今回紹介する「ワイルドチャーG」は、「ビットホビー構想」の実現と捉えてもいいだろう。専用コントローラに「アクションスイッチ」を搭載し、「前後左右方向への走行」以外のさらなる操作を可能にしているのだ。

 「ワイルドチャーG」の第1弾では、この「アクションスイッチ」を使って、車体に搭載されたアクションアームを上下に動かす操作が楽しめるようになっている。

「ワイルドチャーG」の「ランブルクロウ」。全長は7cm コントローラ。形は過去同様だが、右上にアクションスイッチが追加された マシンの電力はコントローラから供給する。時間は45秒間



大きなタイヤで障害物を走破する

 パッケージに入っているマシンは半完成状態なので、組み立てる必要がある。とはいえ、シャーシにボディをはめてシールを貼る、というごくごく簡単なもの。時間にすれば5分程度の作業だ。筆者が手に入れた「ランブルクロウ」の車体をチェックしてみると、これまでのラインナップとは大きく異なる点に気づいた。まずタイヤが非常に大きい、という点。そして、実在の車をモデルにしているのではなく、オリジナルのデザインになっているという点だ。トミーのサイトをチェックすると、「実車モデルにとどまらない、あそびゴコロを満載したビットチャ-G」なのだという。なるほど。

 コントローラの側面のカバーを開けて、そこにマシンをセットし、充電を行なうという段取りはこれまでと変わらず。充電に要する時間は、たったの45秒間だ。

 ただ単に走らせるだけでは目新しさに欠くので、テーブルの上に鉛筆を並べて障害物に見立てて、走破させてみることにした。「前進」ボタンを押すと、マシンが即座に走り出す。操作感覚は、変わらず良好。走行スピードはややゆっくり目の設定だろうか。若干の物足りなさを感じるが、その分、机やテーブルの上での操作がしやすくなるので、一長一短といったところだ。

 マシンが鉛筆にさしかかろうとしている。行けっ! 乗り越えろ! と心の中で念じるも、目の前では予想もつかない展開が起きてしまった。マシンが鉛筆を乗り越えるのではなく、そのまま押して前進してしまったのだ。鉛筆が軽すぎるのが原因と考え、今度は鉛筆をテーブルにガッチリと貼り付けて、トライしてみることにした。結果は、大成功! マシンが鉛筆に触れても、まるで動かず、きちんと障害物の役目を果たしている。そして、何よりマシンの動作だ。鉛筆に触れると大きなタイヤを使って、「よいしょ」という感じで車体を持ち上げ、乗り越えていくのだ。鉛筆を連続して3本並べてみたが、どれも走破。おおっ、気持ちがいい! スタート位置から鉛筆までの距離を短くとると、助走が足りないのか、鉛筆を乗り越えられないときもある。だからこそ、力を振り絞って鉛筆を突破していくさまには、興奮させられる。これは楽しい。

本体はこのようにたくさんのシールを貼ってデコレーションする タイヤがでかいのが「ワイルドチャーG」の特徴。全体の3分の2を占める大きさだ
テーブルの上に鉛筆を貼り付けて、障害コースを作成。工夫をすればするほど面白くなる
【ムービー】
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障害物を乗り越える「ワイルドチャーG」



爪のついたアクションアームを操作する

 さて、肝心のアクションアームだ。別パーツになっているので、遊ぶ前にマシンのフロントカバーをはずし、ギミックパーツを装着する必要がある。このギミックパーツ、一見するとごくごくシンプルなプラパーツにしか見えない。本当に動くのかいな? とギモンが沸いてくる。

 取り付けを終えたら、さっそくコントローラーのアクションスイッチを押す。動いたっ! 下を向いていたギミックパーツの爪がゆっくりと持ち上がり、完全に上を向いたあとは、再び下に降りていく。「ギッギッギッ……」と鳴る動作音も雰囲気を盛り上げる。このパーツは、走行中も動作可能だ。

 その動作をひとしきり楽しんだあと、ハタと思った。「これってどうやって遊ぶの?」。爪は下に向きなので、床に落ちているものをすくい上げることもできないし……。

 サイトを見ると、疑問は氷解した。別売の「バトルラリーコース」を用意すれば、ライバル車とさまざまな競争が楽しめるようになるようだ。コースの途中にあるポイントを爪で倒して得点を得たり、あるいはライバル車をひっくり返したり。そんな遊びが楽しめるようだ。くうっー。悔やまれるのは、この「バトルラリーコース」を手に入れていなかったこと。次の機会に必ず試したい。

アクションアームは別パーツになっていて、使いたいときに本体のボンネットをはずして取り付ける
【ムービー】
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アクションアームの動作


 遊び終えて感じたのは、「ビットチャーG」シリーズはやはり楽しいということ。そして格別に安いということ。ラジコンのマシンとコントローラーがセット。しかもそのマシンにはアームを取り付けて操作も楽しめる。これだけの要素を詰め込んで、定価は3,480円なのだ。何度も書くようだけど、安い……安すぎる。大手メーカーの商品から「こだわり」を感じるのは少ないけれど、「ビットチャーG」からは「いいおもちゃを安く提供して、多くの人に遊んでほしい」という情熱が確かに伝わってくる。

 さて、次はどんなアイテムが登場するのだろう?

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□「ビットチャーG」のページ
http://www.tomy.co.jp/bit_charg/


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(2003年1月16日)

[Reported by 元宮秀介]


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