トミー「おうちでプリクラ」
■ 家庭用のプリクラ、その出来はいかに? '96年に誕生して大ヒットを記録したプリクラも、ずいぶん長い人気を誇っている。さすがに一時ほどの勢いはないが、今でもゲームセンターに一歩足を踏み入れれば、さまざまな機能を追加した機種がところ狭しと並べられている。 今回紹介するのは、トミーから発売された家庭用プリクラ製造機「おうちでプリクラ」。にぎやかなパッケージから想像するに、これは低年齢層のユーザーをターゲットにした商品だ。プリクラを撮りたくても、ゲームセンターになかなか行きづらい小さな子どもたちを対象にしているのだろう。
筆者がこれを取り上げることにしたのは、いったいどんなプリクラを作ることができるのか。プリクラとしての「質」と、マシンの使い勝手のよしあしに、興味がわいたからだ。よしっ、さっそくチェックしていこう。
■ ポラロイドカメラのフィルムを使用する 第一印象は「やはり女の子向けのアイテムだなあ」ということ。全体的に丸みを帯びたデザインで、カラーはライトブルーとピンク色。まさに女の子の部屋に置かれているのが似つかわしい雰囲気だ。 付属物は、「お試し用」と題されたフィルムカートリッジがまずひとつ。そう、この「おうちでプリクラ」は、日本ポラロイド製の「ポラロイドI-ZONEポケットフィルム」を使用するのだ。お試し版のカートリッジでは6枚の撮影が可能で、それ以上は別売のカートリッジを購入することになる。「ポラロイドI-ZONＥポケットフィルム」の価格は、１本パック（6枚分）で770円。１枚の撮影代が約128円の計算になる。ゲームセンターの機械で1回200円を投入することを考えると、確かに安い。そして、完成した写真に貼るシールが１セット。最新プリクラのように、写真の周囲をかわいらしいマークや文字で飾れるようになっているのだ。
フィルムのセットは、さすがに簡単。本体のうわぶたを開けて、カートリッジを入れるだけ。これなら小さな子供でも親の助けを借りずに、セットすることができるだろう。本体の裏側に、アルカリ単3電池を4本入れれば、すべての準備は完了となる。
■ 鏡で表情やポーズを決めて「はいチーズ」! 本体の裏側にあるスイッチをオンにする。そして、前面にあるフラッシュのスイッチをオンにする。これで、いつでも撮影することが可能になった。 撮影の際は本体の中央にある鏡を使用する。えっ、どうしてカメラなのに鏡なの……? と思ったが、疑問はすぐに解決した。ここに自分の顔を映し出して、フレームに収まるように調整し、さらには顔の表情を決めるのだ。ちょうどカメラのファインダーと同じ役割をはたしている、というわけだ。体の位置を変えても、自分の顔がうまくフレームに収まらない場合は、本体の横にあるダイヤルを回して、本体角度を調節することができる。あとは本体横のレバーを下に押し込めば、撮影開始。音声で「鏡の中を映すよ! 赤いランプを見てね!」と目線を指示するアナウンスが流れる。続いて「はいポーズ!」のかけ声。それから数秒してから、快音とともにシャッターが切られる。
すぐに撮影がはじまらず、最終的な準備ができること。いい表情が撮れるように、目線の位置を教えてくれること。いずれもゲームセンターのプリクラにある機能だが、あるとないとでは撮影のしやすさ、楽しさが大きく異なる。
撮影がおわったら、本体からフィルムを引き抜く。あとは写真が現像されるのを待つだけだ。所要時間は、ほかのポラロイドカメラと同様に2～3分。
写真の画質は、ポラロイドカメラとしては十分に鮮明に感じられる。ゲームセンターの最新のプリクラと比べても遜色はないだろう。写真にはタブと呼ばれるガイド用の余分がついているので、切り取り線にそって切り取る必要がある。裏面はシールになっているので、好きなところに貼ることができる。
……これが「おうちでプリクラ」の概要だ。その名にたがわず、家で手軽にプリクラ遊びができる点が、とても楽しい。もし失敗したとしても、すぐに撮りなおせばいい。そんな気軽さが魅力的だ。子供のトイとしてはもちろん、ホームパーティーなどを催したときに、これがあればいっそう盛り上がるだろう。僕の娘は、すっかり気に入って、今度の週末には友だちを呼んでプリクラ大会をする、とその気になっている。
了解、フィルムを用意しておきますよ。
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) (2002年12月5日) [Reported by 元宮秀介]
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