★Xboxゲームレビュー★


「鉄騎」徹底紹介~解析編~

  • ジャンル:操縦
  • 発売元:カプコン
  • 価格:19,800円(専用コントローラー同梱)
  • 対応プラットフォーム:Xbox
  • 発売日:発売中



■ VTの選択と武装の選択

 ミッションへの出撃前に、プレーヤーは搭乗するVTを選択させられ、続いて武装の選択を迫られる。

 VTは手持ちの配備請求ポイントの範囲内で新規に機体を購入することが可能となっているのは、既に述べたとおり。武装は、機体ごとに適合する武器があらかじめラインナップされている。また、武装は機体とセットで購入したことになっており、武装選択時にお金(配備請求ポイント)はかからない。

 VTは開発年度に応じて第一世代機から第三世代機までがあり、新しい世代機のほうが高性能で強力な武装が装備できる。しかし、そのぶん価格が高い。新型機は基本的にミッションの進捗度によって追加されていくが、ミッション中に発見するか、もしくは敵機を撃破することでも増える。また、ミッション・クリア時には配備請求ポイントのほか、戦功ポイントと呼ばれる戦闘評価スコアが加算され、これが一定値以上に達しても新型機が追加される。

 ちなみに、ROOKIEモードでは配備請求ポイントが高くなる反面、戦功ポイントが低くなるよう調整されているようだ。

VTの選択画面。選択できるのは補給メニューで購入した機体のみ 武装選択画面。武器類は機体に付属して来るというイメージで別途購入する必要は無し。弾薬も同様 ミッションクリア時の評価。雑魚敵も撃破すればポイントになるので、積極的に破壊したい



■ 実際のゲームプレイの魅力と基本戦略 ~コース取りが重要なゲーム展開

 「ゲームジャンル=操縦」の鉄騎においても「敵を撃って撃破する」という行動がゲームを進めていく上での基本行動になっている。しかし、鉄騎では、これに至るまでのプレーヤーに要求される素養が他のゲームと異なっている。

 VT発進後、プレーヤーがまずやるべきことは、敵の位置確認と味方機の位置確認だ。サブモニターのレーダー上には、味方機が青系の寒色系、敵機が赤系の暖色系で表示されている。これを見てプレーヤーは、地理的要因を吟味した上で自分の移動コースを概算する必要がある。

 VTは世代の新しい軽量機を除くと、方向転換には10秒以上かかってしまうため、この時に攻撃されるとかなり不利になる。特に高次ミッションでは“コース取りの失敗がミッションの失敗につながる”ため、機体の移動は確実かつ慎重に行なう必要があるのだ。

 味方機の距離の詰め方も重要で、隘路で味方機と衝突してしまうと、双方動けなくなりここを攻撃されると自滅する。VTは純粋な陸戦兵器という設定であるため、スラスターが搭載されておらず、ジャンプ等の立体的な空間移動は一切行なえず、なおかつ方向転換自体もゆったりとしているため、敵地での味方機との接触も死に直結する。

 結局、味方機を先行させて囮になってもらうパターンと、自機が先行して後ろを固めてもらうパターン、このふたつ進軍の際の基本戦略となるはずだ。

 登場する敵は歩兵、小型戦闘車両、戦闘ヘリ、VTの4タイプが基本で、歩兵や小型戦闘車両、戦闘ヘリはロックオンできず、マニュアル掃射で対応することなる。VTに対しては照準のロックオンが可能で、ロックオン後は常に砲身が敵を追いかけるようになる。これをあえて利用せず、敵の移動速度と発射弾の到達位置を考慮した「予測射撃」を行なうことも可能だ。

 「鉄騎」に登場するほぼ全ての武器には射程距離があり、射程距離を超えて敵に命中させてもダメージを与えられない。敵を撃破するためには、有効射程距離まで近づく必要があるのだ。このことを考えれば、最低ひとつは長射程距離の武器を携行したい。

 武器は基本的には弾数制限があり、弾薬がなくなると攻撃不能となる。また、移動によるエネルギー消費もあり、燃料が底をつくと身動きもできなくなる。こうなってしまうと死を待つかしかない。ミッション遂行中は、常に残弾数とエネルギー残量に気をかけなければならないのだ。

 ミッション2以降は、ミッション遂行中の補給が可能になるが、その補給物資はミッション開始前にあらかじめ購入しておかなければならない。補給時に回復されるのは、弾薬、エネルギー、機体ダメージの3つ。激戦が予想されるミッションや、携行燃料の少ない軽量機を長時間運用する場合、補給は必須といえる。

 敵からの攻撃は、VT側のコンピュータが警報などで促してくれる。例えば、誘導追尾ミサイル系にロックオンされた場合、追尾攪乱用のチャフ散布ボタンが点滅して「これを押せ!」と指示してくれる。一方、一般的な弾頭の飛来はブザーが鳴ることで教えてくれるが、その回避には的確な反射神経と高度な操作が要求される。

 正面からの通常弾頭攻撃に対しては、左スティックを入力した状態でのステップ横移動(スライドステップ)で行ない、横方向からの攻撃に対しては左スティックをニュートラルにした状態での前方(後方)ステップ移動(スライドステップ)で行なうことになる。VTは通常移動や方向転換が異様に遅いためだ。

 ところが、すでに述べたように、スライドステップは何度も連続でできないため、雨のように降り注ぐ銃弾の中をヒラリヒラリとかわしていくのは無理。大勢の敵に十字砲火を浴びた場合、回避はほぼ不可能といっていい。追いつめられないためにも、コース取りが重要になってくるわけだ。

 ミッションは、敵の全滅、目標物の破壊、時間内にゴールを目指す、敵から逃げる、オリエンティーリング系の宝探しなど、バリエーションは豊富でその数全20以上。プレーヤーの行動によらず、ミッション展開やストーリー進行は一方筋だ。

 すでにおわかりかとは思うが、「鉄騎」はヒーローロボットアニメのようにバカスカと敵を撃破していくタイプのゲームではない。「ロボットもの」ではあるが、そのゲーム性は戦略ゲームの味付けがなされた「戦車シミュレータ」といった感じだ。ただし、要求される反射神経は本格的なアクションゲーム以上であるため、その意味でも鉄騎は「新感覚」といえる。

作戦説明はただの飾りのビジュアルではない。「何をすべきか」、「どこへ行けばいいのか」の“あたり”をここでつける マップ画面で敵と味方の位置を確認。表示倍率も変えられる
当たり所がいいと敵は吹っ飛んで倒れることも! 遠慮は不要。倒れた敵は起きあがる前に近づいて追い打ち撃破!



■ 序盤ミッション攻略 ~初心者プレーヤーお助け編

 ここからは、簡単に序盤7つのミッションの攻略ポイントを見ていきたいと思う。全部でミッションは20以上あるため、ここで紹介するの全体の1/4程度ということになる。

 なお、自力でクリアしたい人は読み飛ばして頂きたい。とはいえ、ここを読んだからといって「鉄騎」というゲームの難易度が下がるわけでもなく、ましてやゲームの面白さが低下するわけもない。先遣部隊からの現地情報のように捉えて頂ければ幸いだ。

●MISSION 0 ~実質的には訓練ミッション~ 難易度★☆☆☆☆

 配属初日に強襲された基地で、プレーヤーである主人公は、自らの意志でVTに乗り込む。VTを起動したら、レーダーマップを見て敵を確認し、ここにオレンジ色のマーカーで表示されている敵VTを全て撃破すればクリアとなる。具体的には、格納庫の出口で待ちかまえている一機と、格納庫を出てから一機倒すとクリアとなる。戦車などの雑魚を撃破することもできるが、正式ミッションでないため、いくら撃破数を稼いでも戦功ポイントも配備請求ポイントも得られない。さっさとクリアしたほうがいい。

 プレイし初めだと、つい全速状態から方向転換をしがちだが、これを行なうと確実に転倒してしまう。その際に覚えておくといいのが、スライドステップによる転倒防止行動。転倒しそうになった瞬間にスライドステップを発動すると、自機VTは転倒しないで踏ん張ってくれるのだ。これは全ミッションで応用が利くので、覚えておいて損はない。

 「訓練ミッションはない」とされている鉄騎だが、実質的にはこのミッションが練習ミッション的な役割になっており、このミッションに限っては失敗しても配備請求ポイントのロスがない。よって、何度でも再度挑戦が可能となっている。

 
格納庫のシャッターが開くなり外では敵がお出迎え 格納庫出口の敵VTと、外の敵VTを倒せばクリア


MISSION 1 ~敵を殲滅せよ~ 難易度★☆☆☆☆

 輸送船からの揚陸作戦。劇場映画「プライベートライアン」を連想させるシーンだが、敵の火力はさほど大したことがなく、自信がないプレーヤーは味方機の後にくっついていき、おこぼれを撃破するだけでもクリアできる。ただし、このミッションから評価が適用されるため、雑魚はもちろん敵VTは味方機の背中越しからでも攻撃して自分の手柄にしたいところだ。

 作戦行動時間は長くはないので、弾薬や燃料が尽きる心配もほとんどない。好き放題乱射してもいい。

 
輸送船から揚陸。水は浅いので大丈夫 MISSION1は味方が多いので失敗はまず無いはず。たくさんの敵をやっつけてポイントを稼ごう


MISSION 2 ~断崖の敵をどう討つか~ 難易度★★☆☆☆

 基本的には敵を全滅させるミッションだが、初心者は高台からこちらを一方的に攻撃してくる敵VT軍団の撃破に頭を悩ませるはず。この高台へは、マップ上の「あるポイント」から登ることができる。高台の上には敵VTの数が多く、一度に大勢を相手にしないコース取りが重要になってくる。

 高次ミッションからの出戻りプレーヤーであれば補給無しのクリアも可能だろうが、初心者プレーヤーは、念のために補給物資の確保を作戦開始前にしておくべき。

 
このミッション、味方がちょろちょろしててうるさい。誤射しないように 高台の上の敵とは1対1で戦うことを心がけよう。ここまで来て死ぬのは馬鹿らしい


MISSION 3 ~戦火の中を走り抜け~ 難易度★★★☆☆

 出撃前の作戦説明(ブリーフィング)を、よく理解しているかが問われるミッション。ここまでMISSION1~2と敵殲滅作戦が続いたため、ここでもそれをやらなければならないのかと勝手に思いこんでいるとハマる。このステージはゴール地点まで生きて走り抜けることが目的なのだ。どこに行けばいいかは、作戦説明の際に表示されるマップに記載されている。

 味方の数機と組んで作戦行動開始となるが、まずやるべきことは、進軍の先頭を確保すること。そして橋を確実に渡りきることがこのミッションの第一目的だ。橋の真ん中に差し掛かった頃、橋の出口付近に敵VTの姿が見えるが、これに攻撃を加えつつ5速で猛進する。なぜ急ぐかといえば、敵は橋を爆破してこちらを橋ごと水没させることを狙っているためだ。言うまでもなく、水没したら作戦失敗となる。味方機は橋を渡りきれず水没してしまうことも多く、橋を渡りきってからは高確率で1対大勢の図式の戦闘となる。

 ここからは、プレーヤーの力量に応じた行動を取るべき。クリア優先の初心者は、敵からの攻撃をなるべく避けて(多少の被弾は覚悟して)そのままゴールに向けて突進するといい。評価ポイント優先の荒くれ者は、橋の出口の敵を殲滅後、各所に点在する敵VTを一機ずつ撃破していく。この道を選ぶ予定のプレーヤーは補給が必要だろう。

 当然の事ながら、前者コースでクリアしたプレーヤーと後者コースでクリアしたプレーヤーとの評価ポイントの差は大きくなる。

この橋を渡れるかがまず第一の関門 ゴール地点間際には3対1の構図となる激戦が待ちかまえている スライドステップが酷使できないときは建物に隠れてタイミングを見計らうのもひとつの戦略


MISSION 4 ~最初の難関となるはず~ 難易度★★★★☆

 停泊中の戦艦を撃破するという目的が明確なミッションだが、内容は初心者キラーともいうべきステージとなっている。

 機体はブリーフィングで「中型機以上は足場の悪いところで水没の危険性有り」というような警告を受けるが、初心者はやはり耐久力の高い中型機を選ぶべきだろう。なお「水没する」という足場は、この作戦終盤に登場する黒い金網のような地帯で、ここを踏まないように操縦していけば中型機でも問題はない。

 このミッションでは、両脇を水で囲まれた隘路を渡りつつ進軍することが多いため、向こう岸に待ちかまえる敵VTからの攻撃をスライドステップで回避できない。また、巡視船による海からの誘導ミサイル攻撃もあるので、のんびりしたVTの挙動とは裏腹にプレーヤーの行動は忙しくなる。

 水際の隘路の進軍は味方機を先行させて囮になってもらい、一歩引いたところで長距離射程を持つ武器で遠隔攻撃するのが安全。巡視船はサブウェポンのチェーンガンによる大まかな掃射で撃沈可能だ。三隻一組で行動するしつこい巡視艇隊は、できれば序盤で片づけておきたい。敵歩兵がロケット推進弾を撃ってくる局面があるが、これは歩兵が潜むビルを撃破することでまとめて片づけることができることを覚えておくといい。

 コース取りはプレーヤーによってさまざまだと思うが、筆者は最終攻撃目標となる戦艦の正面側に出るコースの方が、幾分楽と感じた。戦艦の正面に出る前には、戦艦を護衛する敵VT3機との死闘が待っているが、ここまで味方機を引っ張ってこれれば、これを囮にしてなんとか倒せるはず。決して、この敵VTを残した状態で戦艦に挑まないこと。十字砲火を浴びて確実に死ぬ。敵護衛VTは戦艦の主砲の射程外の位置で相手をしたい。

 補給はダメージ回復の意味合いからも行なうべきで、そのタイミングは敵VT3機との死闘前か、戦艦を相手にする直前がいい。

 このミッションのボスともいえる戦艦への挑み方はいろいろだが、主砲を撃破して、その後に艦橋を破壊、あとは適当に船体に撃ち込んでいくのが基本となる。使用する武器は、なるべく長射程で、なおかつ一撃の攻撃力が高いものが理想。注意しなければならないのは敵戦艦の主砲攻撃で、直撃を連続で数回受けると死亡する。敵戦艦からの攻撃は激しく、いつ主砲が発射されたのかわかりにくいため、スライドステップで着実に回避していきたい。

 対策はふたつ。ひとつは機内の敵弾飛来を告げるアラーム音に神経をとぎすませること、もうひとつは、メインカメラの望遠機能を使って主砲をよく観察することだ。

 このミッションは初心者キラーステージだが、ここが超えられれば素質有り。以降「鉄騎」というゲームが面白くてたまらなくなるはずだ。
隘路の先に待ちかまえる敵。隘路横断中はスライドステップが酷使できないため敵の的になりやすい。このミッションではこうした局面に何度か遭遇する 味方機を先行させ囮になってもらうのが吉 巡視船は誘導ミサイルを撃ってくるので厄介。チェーンガンによる掃射で早めのうちに沈めてしまおう
これが重い機体だと崩れ落ちる金網床。中型機以上は侵入すると崩れて水没 最終局面までに味方機を複数連れてこられると楽。なぜか。それは囮になってもらえるから 戦艦との一騎打ち。主砲の発射を察知したらスライドステップ準備。直撃だけは避けたい


MISSION 5 ~宝探しゲーム!?~難易度★★☆☆☆

 難易度が下がるわりには敵の数が多く、評価ポイントが稼ぎやすい。いわばボーナスステージという感じのミッション。敵を撃破しつつマップ内に隠された3つのコンテナを探し出すのが目的。

 コンテナはオレンジ色の分銅のような形状で、メイン画面で◇状のマーカーで表示される。広いマップ上からこれを探し出すのはたやすいことではないが、「敵がこれを護衛しているはず」と考えれば自ずと探すべき場所は確定される。

 自機VTにまとわりつく戦闘ヘリは、甘く見ると痛い目を見るので、ゲーム開始直後に寄ってきたところをサブウェポンのチェーンガン掃射で全滅させておくと宝探しに集中しやすい。

 基本的には作戦終了時間を気にしつつ、コンテナを探しながら敵を殲滅させていくのがこのミッションの楽しみ方となる。補給はクリア優先であれば不要だが、評価ポイント優先で破壊しまくるのであれば必要だろう。

 武装は適当でいいが、歩兵がかなり出現するミッションなので、サブウェポンを多めに持っていくといいだろう。

戦闘ヘリはロックオン不可能。チェーンガン掃射で撃墜するしかない 背景に同化して見にくい敵歩兵たち。小さいからといって侮ってはならない。油断しているとロケット推進弾を撃ち込んでくる。心を鬼にしてチェーンガンで射殺せよ トレーラーの荷台に積載されたコンテナを発見。こういうのを3つ発見して回収したらクリア


MISSION 6 ~逃げるが勝ちの偵察任務~ 難易度★★★☆☆

 山岳地帯の隘路を進みつつ、敵秘密基地を探し出す偵察ミッション。敵VTは隘路の要所要所に配置されており、これを適宜撃破しながら進んでいくことになる。隘路はスライドステップが行ないにくいため、味方機を囮にしながらの攻撃を行なっていくのが基本方針。

 ミッションは二部構成で、敵秘密基地を発見すると、基地の中から強力な誘導ミサイルを装備した最新鋭VT軍団が大量に姿を現す。このタイミングで入電する味方からの通信でも言われているように、まともに相手をせずに来た道を折り返すのが正解で、隘路途中で頓挫している味方機と合流した時点でクリアとなる。

 敵最新鋭VTも足がそこそこに早く、自機が足の遅い機体では追いつかれ撃破されてしまう。敵の誘導ミサイルはチャフ使用でなんとかなるが、足の遅さだけはどうにもならないので、このミッションは足の早い軽量機が向いているといえるかもしれない。

 なお、軽量機は燃料タンクの数が少ないため、稼働時間が短めだ。逃げている途中の燃料切れはあまりにも悲惨すぎるので、敵基地らしきものを視界に捉えたら、即座に補給を行ないたい。

両脇を岩壁に挟まれた地形条件での戦闘を強いられる。スライドステップが酷使できないときは味方だけが頼り(ただし、囮として) このステージは迷路状になっているので迷ったらマップを見て自分の位置を確認 ん? 敵の後ろに見える人工施設は? マップにそんな情報は記載されていないが……まさか!?


MISSION 7 ~敵基地への侵入~ 難易度★★★★☆

 前ミッションで探し当てた基地に強襲を仕掛けるミッション。すでに先遣部隊が侵入しているという設定で、所属する部隊が援護に向かうという筋書きだ。なお、本ミッションは初の夜戦で、暗視(ナイトビジョンスコープ)モードの使用を余儀なくされる。このミッションも敵秘密基地に到達するまでの進軍フェーズと、敵秘密基地へ入ってからの二部構成になっている。

 隘路の進軍に関する戦略は前ミッションと同じでいいが、このミッションよりステルス機能を装備した敵VTが登場するので、レーダーだけを頼りにはできない。この点だけは注意したい。補給は、敵基地に入ってしまうと行なえないため、かならず敵基地潜入前に行なっておくこと。

 敵基地内は要所要所が扉で閉ざされており、これを開けつつ奥へ奥へと進んでいく。常に心がけたいのは、扉を開けたらその向側には敵VTが待ちかまえている可能性があるという点だ。敵基地内序盤、対面側の廊下に設置された固定砲台は、自機VTの方針を90°回転させた状態で3速以上のスピードで全速前進しながら、メインウェポンのロックオン掃射でなんとかなる。

 途中、怪しげな格納庫がいくつかあるが、これには何か秘密(?)がありそうだ。最後に待ちかまえている強力な敵は、壁を盾にしつつメインウェポンを地道にあてていくか、もしくは高威力版プラズマ・トーチをひっさげて肉弾戦を挑むのもいい。戦艦ミッション同様に、最終敵までにいかにダメージを少なく進むかが成功の鍵を握っている。

暗視スコープを使ってのミッション遂行 レーダーに映らない敵も出現。視界が悪いので不意打ちを食らうことも。やはりここも最初は味方を囮に…… 静まりかえった夜の敵基地。何が待ちかまえているのか
このミッションでもロケット推進弾を持った歩兵が少数ながら出現する。やはりチェーンガンは携行したいところか 扉のロックを解除したり、エレベータを操作したりする様はちょっとアドベンチャーゲームチック。その際使用するのは、言うまでもなくロボットハンド
「扉を開けたら敵が待ちかまえていた」という局面が多い。唐突な接近戦では速射性の優れた武器かプラズマトーチで畳み込むのが有効 固定砲台トラップは砲身を真横に向けてのカニ走り撃ちが有効



■ まとめ

 絶対クリアできないと思ったミッションも、敵VTと自機VTの特性を理解して行動していくことで、プレーヤー自身のスキルが向上するため、粘ればなんとかクリアできる。カジュアルゲーマーを突き放した難易度設定は賛否両論だが、全体としてみればバランス調整はまずまずといったところだとおもう。

 難易度が高い分クリアしたときの達成感は大きく、これが「鉄騎」というゲームを魅力的なものにしている要因のひとつだと思う。逆に、登録データ抹消システムはやる気を削ぐ一因になっており、このあたりは微妙なところだ。前半の10個のミッションはROOKIEモードでは登録抹消がないなどの配慮があれば、もうちょっと「カジュアルゲーマーに優しいゲーム」にもなり得たのではないだろうか。

 そして、少々残念だったのは「鉄騎」の基本コンセプトであったはずの「戦場の臨場感の演出」に反するシーンが垣間見られた点だ。

 ひとつは、味方機AIが無能であることだ。岩壁の向こうにいる敵をロックオンし、延々と岩壁に向かって射撃している僚機を見ると、ちょっとつらい。隘路を進軍していると岩壁にひっかかり身動き取れなくなって付いてこれなくなったり、自機と接触してパニックになっている僚機を見ても同様だ。

 そして、作戦行動中、援護要請などの僚機への通信が行なえるが、いまひとつ有機的な連携行動が取れないのが不満だ。常に自機の後ろを付いてくるだけだったりで、ミッション中、僚機達は囮以上の活躍をしてくれないのだ。「戦場の臨場感の演出」を行なうのであれば、「頼れる戦友」の存在が欲しいところであろう。

 「鉄騎」はオンライン化を含めた続編が検討されているようだが、ぜひとも次回作ではゲームエンジンとグラフィックスの改善だけでなく、システム面やAI等のバージョンアップをお願いしたいところだ。

今作では味方機は囮専門という感じ。前に先行させて…… このように自機の変わりに敵弾を受けてもらうバリア的な活用しかできないのが残念



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□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「鉄騎」公式ホームページ
http://www.tekki.jp/
□関連情報
【9月12日】Xbox「鉄騎」コントローラ体験リポートとミッション2の情報を掲載
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020912/tetu.htm

(2002年10月25日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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