Version 0.20となったPlayStation BBのサービスを検証 その2 |
■ ゲーム情報にアクセスするゲームチャンネル
ゲーム関連のコンテンツには、PlayStation BBのトップメニューにあるチャンネルというメニューからアクセスする。このチャンネルのなかには、ゲーム以外にもムービー、ミュージック、フォトの3つのチャンネルが用意されているが、これらは次の機会にあらためて紹介することにして、今回はゲームチャンネルのみを詳しくみていこう。
コレクションメニューに表示されるハードディスク内のタイトル。インストール済みのタイトルの他、PlayStation BBから体験版ソフトなどをダウンロードするとここに登録され、起動できるようになる |
ゲームチャンネルのなかの「PlayStation Now!」は、言うなれば近日発売や発売中のタイトルのカタログ的な紹介コーナーだ。10月9日現在、このメニューはPREVIEWの扱いとされており、本格リリースは10月下旬と案内されている。それでもPICKUP TITLEのなかには8本のプレイステーション 2対応ソフトが登録されていて、パッケージ写真を選択すると、簡単な内容紹介などを参照することが可能だ。注目すべきはCOLLECTIONというボタンで、ここから特典画像をはじめとするさまざまなデータがダウンロードできるようになる模様である。現在はやはり準備中ということで10月下旬からのサービス開始を案内する画面が表示されるのみとなっている。ここがPREVIEWとなっている理由だろう。
サブメニューのコレクションは前述したとおり、従来のゲームチャンネルと同じく、ハードディスクに登録してあるゲームのラウンチャーだ。現時点ではPlayOnlineを起動して「ファイナルファンタジーXI」や「雀鳳楼」などのネットワークゲームをプレイするというのがメインの使い方だと思われるが、PlayStation BBのコンテンツからダウンロードした体験版ソフトなどもこのエリアに登録されるので、コンテンツが充実してくるにしたがって、コレクションに表示されるタイトル数が増えていくことになるだろう。
■ テレビというデバイスを使って見るゲームコンテンツに感じる可能性
次に、ゲームメーカー各社が提供するコンテンツを個々にチェックしていこう。ちなみにここで紹介している内容はいずれも10月9日現在のもので、内容の変更や更新は随時行なわれている。
ソニー・コンピュータエンタテインメントのチャンネルは「SCEJ ch.」。現在提供されているコンテンツは、今冬にβテストの開始を予定している「みんなのGOLF オンライン」に特化した内容となっている。βテスターの募集情報なども、このチャンネルで公開される模様だ。
SCEJ ch.のトップ画面。ファンにはおなじみのスズキさんが登場。方向キーでホールを選び、○ボタンで選択すると各ページが表示されるインターフェイス | 「みんなのGOLFオンライン」の紹介コーナー。拡大鏡のアイコンを選択すると、左のゲーム画面がテレビ画面いっぱいに拡大表示される | ニュースコーナー。βテストのテスター募集情報などもこのコーナーで公開される模様である |
「Catan(カタン)」をはじめ、「ブレス オブ ファイア V ドラゴンクォーター」、「クロックタワー3」など近日発売タイトルの詳しい情報を参照することができる。ピックアップで紹介されているタイトルではストーリーをはじめ、登場するキャラクタの紹介やイベント情報、スクリーンショットなどがコンテンツのなかに含まれており、充実した内容となっている。
残念ながらβテストの開始は再延期となってしまったが、コーエーのチャンネルもオンラインタイトル「信長の野望 Online」に特化したコンテンツとなっている。現在は製品紹介と、プロデューサーのシブサワ・コウ氏からのメッセージを参照することができる。
コーエーチャンネルのトップメニュー。「信長の野望 Online」を全面に出したデザインになっている | 製品案内のコーナー。さらにコンテンツが含まれている部分は、ボタン部分がハイライト処理されていて、方向キーと○ボタンで選択できる | プロデューサーのシブサワ・コウ氏からのメッセージ |
現在、ダウンロードして利用できるコンテンツが充実しているのが「KONAMI CHANNEL」だ。シンプルなトップメニューだが、メニューを選択すると右側のウインドウにそのコンテンツの内容が表示されるのでわかりやすい。「ときめきメモリアルGirls's Side」のムービーや、「ビシバシスペシャル3」の体験版がダウンロードできるほか、「pop'n music 6」のカレンダーなどを見ることができる。音楽データのダウンロードメニューなども用意されているが、こちらは現在準備中だ。
「ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言」が現在のコンテンツの中心になっている「ナムコチャンネル」。ほかに「太鼓の達人」のコーナーが近日公開予定ということで控えている。「ヴィーナス&ブレイブス」のコンテンツでは、ストーリーや世界設定、キャラクタ紹介のほかに、ユーザー向けの占いメニューまであるのが他のチャンネルにはない特徴だ。その日の運勢も表示してくれるので何度でも楽しむことができる。ダウンロードメニューから入手できる静止画は、そのまま参照できるほか、フォトチャンネルのアルバムのなかに保存しておくことができる。ムービーのダウンロードも用意されており、これからも随時追加されるという。
トップメニューのインターフェイスがかっこいい「BANDAI Entertainment World」。トップメニューに用意されているBANDAI CHANNELは、「機動戦士ガンダム」をはじめとするバンダイグループのアニメーションをブロードバンドを介して配信する有料サービス。現在はパソコン向けの配信のみだが、いずれPlayStation BBでも開始予定とアナウンスされている。現在は同社のゲームタイトルのカタログ的な案内が中心で、メニューのひとつになっているムービーのダウンロードも現時点では準備中となっている。
PlayStation BBのサービス自体が開始間もないこともあって、どのチャンネルのコンテンツもまだまだ準備中の部分が目立つ。それでも、ひととおりアクセスしてみると、PlayStation BBの目指すブロードバンドコンテンツの一端が見えてきたような気がする。
コンテンツの量にまだまだ不満はあるが、サービスの将来性も含めて、個人的にはかなり気に入っていると言っていい。
実際、情報量という部分だけに限れば、パソコンを使って各社のサイトや弊誌のようなゲームニュース系サイトを参照すれば、現在のPlayStaition BBで得られる情報量に比べたら、圧倒的に多い情報量が得られるはずだ。それでも、PlayStation BBを使ってみたいと思わせる部分があるのは、“テレビ”という実際にゲームをプレイする表示デバイスを使うことに、パソコンで見たときには得られない、より現実的なゲーム感とでも言うべきものを感じることができるせいかも知れない。より具体的にいえば、パソコンのムービー表示アプリケーションを使って見るゲームのムービーよりも、テレビ画面にそのまま流れるムービーの方が、より身近に感じられるということだ。こうした部分を前提にしたコンテンツ作りと、またそれらのコンテンツがシームレスに実際のゲームと連携していけるようなインターフェイス作りで、こうしたメリットは増していくはずだ。
表示されるコンテンツ一枚一枚が、Macromedia Flashなどを使って作られていることと、インターフェイスがゲームコントローラーで操作することを前提としているため、接続速度や回線の状態、あるいはメニューの切り替え時などに操作が重いと感じられるときもあるが、このあたりはBB Navigatorのバージョンアップや、コンテンツの作り方次第でまだまだ改善の余地はある。現状ではなかなか難しいが、やはりリモコンを使ってテレビのチャンネルを切り替えるようにコンテンツが選べるようになるのが理想だろう。
次回はこれらのゲームチャンネルと、ムービー、ミュージック、フォトチャンネルの連携と、音楽CDを使った音楽ダウンロードや、デジタルカメラで撮影した写真のPlayStation BBへの取り込みなどを紹介する。
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□「PlayStationBB」のページ
http://www.scei.co.jp/psbb/
□関連情報
【9月19日】「PlayStation BB Navigator」がVersion 0.20にアップデート
ゲームメーカー各社のチャンネルが10月1日からスタート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020919/psbb.htm
【9月21日】ソニー・コンピュータエンタテインメント ブースレポート2
みんなのGOLF オンラインは今冬の発売を予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020921/scei02.htm
(2002年10月11日)
[Reported by 矢作晃]