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【連載第83回】 あの、おもちゃを徹底レポート




BB弾を発射できるラジコン戦車の最新作
「RCバトルタンク レオパルト2 A5」

「RCバトルタンク レオパルト2 A5」
発売 東京マルイ
価格 15,800円
電源 アルカリ単3電池×8(別売)、9Vアルカリ電池×1(別売)
発売日 発売中



  前回紹介した「コンバットデジQ」や食玩の「ワールドタンクミュージアム」など、素晴らしく出来の良い戦車のトイに囲まれているからだろうか、戦車への情熱が再燃している。そんな気分の中でチョイスをしたのが、今回のトイ。東京マルイの「レオパルト2 A5」だ。「1/24RCバトルタンクシリーズ」として、過去に「陸上自衛隊90式戦車」と「M1A2エイブラムス」の2機種が登場しているシリーズの最新作だ。

 このシリーズの最大の特徴は、砲塔からBB弾を発射できることにある。東京マルイがエアガンで培った技術を投入し、従来の「ラジコン戦車」に新たな魅力をプラスしたエポック的なシリーズなのだ。重要なシリーズとは知りつつも、実は筆者はこれがはじめての体験となる。操作感覚は? 砲弾の威力は? はやる心を抑えつつ、さっそく遊んでみよう。

パッケージ。戦車を想起させる深いグリーンが印象的 中箱。同梱物がきれいにレイアウトして収められている



パッケージを開けてからわずか3分でプレイ可能

 パッケージから「レオパルト2 A5」を取り出して、最初に感じたのは「デカイ!」ということ。最近手のひらサイズの小型ラジコンに慣れているだろうか。砲塔を含めると約40センチあり、両手で支えるとちょうどよいくらいの大ボリュームだ。ディテールに目を走らせると、これが実に細かく、雰囲気満点。随所に「レオパルト2 A5を完全に再現する!」という意気込みが感じられ、眺めていて、飽きることはない。

 ほぼ完成品。戦車長とMG3機関銃のフィギュアを取り付けて、砲台のハッチの中にBB弾を装填。戦車本体に単3アルカリ電池を8本、そしてコントローラーに9Vアルカリ電池をセットすれば、準備はすべて完了。箱を開けてから、わずか3分程度。精巧でボリュームのある製品なのに、このお手軽さは意外だった。

「レオパルト2 A5」はドイツ連邦軍の現用の戦車。A5は'95年に登場 本体のカラーはNATO標準の3色迷彩を忠実に再現している
ボルトや車載工具、マシンガンなど細部も細かく造形されている 背面やキャタピラも見事な出来栄えだ



「扱いやすさ」を考慮し、洗練されたコントローラ

 コントローラをチェックする。いきなりたくさんのボタンが目に飛び込んできて、ギョッとさせられる。が、その心配は杞憂だった。ボタンを非常にわかりやすく配置し、さらに簡潔なイラストによるガイドが添えられている。おかげで、電源スイッチを含め15ものボタンがあるにも関わらず、ひとつひとつの役割が明確に理解できる。これは高く評価したい。

 最も左にあるのが砲塔の操作ボタン。右旋回と左旋回が可能だ。最も右にあるのが、BB弾の発射ボタンと砲身の上下ボタン。BB弾を発射するには、このボタンと、コントローラの裏面にあるボタンを同時に押す必要があり、小さい子が触って誤発射をしてしまわないように配慮がなされている。

 中央にある10個のボタンが「レオパルト2 A5」の駆動に使用する。「1」、「2」、「3」と書かれた数字は、そのまま「1速」、「2速」、「3速」を示している。前進は3段階の速度調節が可能。左旋回と右旋回はそれぞれ2段階。ほかに後進と後方左旋回、後方右旋回が行なえる。

コントローラ。シリーズを経るごとに洗練されている ボタンの配置は考え抜かれ、数が多くても非常に扱いやすい



唸りを上げて力強く駆動する!

 走らせてみよう。いきなり3速のボタンを押してみる。「ギュルルルルルゥ……」とモーターの駆動音が鳴り響いたあと、「レオパルト2 A5」が驚くべき速さでが前進。その姿は報道フィルムなどで見る最新鋭の戦車そのもの。キャタピラで地面を押さえつけるかのように、どっしりとした力強い走りで、前へと突き進む。あまりの迫力に血がザワザワと騒ぐ。

 次に砲塔を操作してみる。右斜め40度くらいまで回転させたあと、BB弾を発射。砲塔の根元にある警告灯がチカチカと輝き、ビュッと風切る音を立てて、BB弾が放たれる。あくまで戦車のラジコンなのだから威力はほどほどなのでは……と思い込んでいた筆者は甘かった。放たれたBB弾は仕事場の机や本棚に反射して、なお勢いよく飛び回る。実感値としては、エアガンそのもの。マニュアルには「射程25メートル以上」と記されており、思わず納得。

 左右への旋回も負けじ劣らずの迫力。約40センチのトイが唸りを上げて、左へ右へと自在に回転するのだからたまらない。右旋回と左旋回のボタンを同時に押すと、左右のキャタピラが逆回転し、その場で車体の向きを変える超信地旋回が行なえる。さらには複合的な操作にも対応しており、「走行しながら砲塔を回転する」とか「旋回しながら砲塔を回転し、BB弾を発射する」など、実車に迫るアクションをくり出すことができ、実に楽しめる。

砲塔。6ミリBB弾をホップアップシステムで発射する 「レオパルト2 A5」の特徴のひとつである増加装甲も再現



別売のパーツでキャタピラをディテールアップ

 「レオパルト2 A5」にディテールアップを施してみよう。この「バトルタンクシリーズ」には、「連結式可動キャタピラ」という別パーツが発売されており、戦車の大きな魅力であるキャタピラをカスタマイズできるのだ。付属のキャタピラをこれに変えれば、実際のキャタピラさながらに、一個一個のパーツが路面に合わせてしなやかに動くようになる。

 標準のキャタピラと交換してみると、効果は一目瞭然。見た目もグッと締まり、さらなる愛着も沸いてくる。価格は2,800円と決して安くはないが、得られるものは大きい。シリーズ作の「陸上自衛隊90式戦車」と「M1A2エイブラムス」にもそれぞれ専用の「連結式可動キャタピラ」が用意されているのは、ミリタリーファンなら深く頷けることと思う。

「連結式可動キャタピラ」。ひとつずつ連結させて組み上げていく 「連結式可動キャタピラ」の使用前と使用後。左が製品に付属しているもの。右の写真が「連結可動式キャタピラ」。ぜひ拡大写真で確認していただきたい。連結可動式キャタピラの方が“戦車らしい”。効果はいかがだろうか?


 この原稿を書きながらも、「レオパルト2 A5」を操作したくて、手のひらがうずうずする。そんな興奮を抑えられないでいる。静止しているときもモデルとしての完成度とディテールの細かさに目を奪われるが、唸りを立てて突進する走りはまた格別の魅力に満ちている。定価は15,800円。「大変に安い」といわざるを得ない。

【ムービー】
「レオパルト2 A5」の走行
3.84MB/MPEG
左右への旋回
3.62MB/MPEG
砲塔回転&BB弾発射
3.62MB/MPEG


□東京マルイのホームページ
http://www.tokyo-marui.co.jp/
□「RCバトルタンク レオパルト2 A5」のページ
http://www.tokyo-marui.co.jp/tanks/tanknew.html
□関連情報
【2001年2月1日】戦車ならではの動きを完全再現! 大人のためのラジコン戦車
東京マルイ「RC BATTLE TANK 陸上自衛隊90式戦車」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010201/toy04.htm


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(2002年10月3日)

[Reported by 元宮秀介]


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