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[Viva! GM]

 マイペースに展開中のGM(GAME MUSIC)フリークによるGMフリークのためのGMコーナー!「Viva! GM」。今回は、セガモバPRESENTS 金子剛 With GUEST 「Live@Life」にお邪魔して、金子さん(きんさん)のライブを堪能! ライブ直後にきんさんにインタビューのおまけつき! さらにさらに、プレゼントもあるよ!


■セガモバPRESENTS 金子剛 With GUEST 「Live@Life」 ライブレポート

  以前、Viva!GMスペシャル(3.5回)でもご紹介した通り、8月25日「東京ジョイポリス」にて、“きんさん”こと金子剛氏のファーストアルバム「Life」の発売を記念したライブが開催された。きんさんといえば、「SGGG(セガガガ)」で数多くの楽曲を手がけ、ドリームキャストユーザーに強烈な印象を植え付けたコンポーザーだ。

 今回のライブには、[H.]のメンバーを含め、多くのゲストも応援に駆けつけて舞台を賑わせた。来場したお客さんの中には、このために遠方から足を運んだ人も多数いたようで、1時間超のライブだったが、開幕からアンコールが終了するまで観客総立ちで、大いに盛り上がった。それでは、ライブの様子を、順を追って紹介していこう。

 前説はもうお馴染み、ヒットメーカーのスーパー前説師、西村ケンサク(26)氏が担当。ノリ始めたら止まらないいつもの喋りで、観客の心をがっちりつかんでボルテージをアップしてくれる。そんな中、主役のきんさんが登場すると、待ってましたとばかりに沸き起こる歓声! ライブの冒頭を飾るのは、「セガガガ」より、ライブバージョンとなったOvertrue(SEGA-MIX) ~Guitar Solo~「セガガガ CD 記念歌」。続いて演奏されたのは、これまたライブにもってこいの「セガガガ フォーエバー」。きんさんの歌声に呼応して、熱狂した会場からは、例のテンポいい応援団のような掛け声が飛ぶ。

  2曲が終わったところで、きんさんによってゲストメンバーが紹介される。[H.]の光吉猛修氏、Hiro師匠、福山光晴氏、そして「また、ここで逢いたい…」(セガモバ&セガ店舗イメージソング)の作詞を手掛けたきんさんの相方的存在のtake.D(武村大)氏が、順次舞台に登場して、きんさんと熱い抱擁を交わす。セガモバの伊藤氏より「角松敏生風で作ってほしい」との依頼を受けて金子氏(作曲)と武村氏(作詞)が、「バラードでいいのかなと思って作った」というこの曲。今回のステージでは全員によって演奏されるというゴージャスなバージョンとなった。当然、このメンバーでの演奏は初めてとのこと。きんさんとはまた違う声質の、光吉氏と武村氏のハモリも素晴らしく、福山氏のトランペットの泣きも冴え渡り、Hiro師匠のソロも聞けたりと、まさに序盤のハイライトとも言うべきシーン。MCの通り曲調はゆったりしたバラードだが、会場の熱はお構いなしに上昇していく。


 そして一度ゲストメンバーが舞台から去り、新たなゲストの登場となる。今回のステージで紅一点のボーカリスト・大石有里子さんの登場だ。曲は、かつて都合によりお蔵入りしていたが、「Life」に収録されて日の目を見ることとなった、ガイナックスの「プリンセスメーカー4」イメージソング「PRINCESS MEMORY」。やさしい曲調が、大石さんの素直で伸びやかな歌声とベストマッチ。直前のMCにあったが、歌唱力が彼女を選んだ理由のひとつなのだそうだが、サビの部分で綺麗に響き渡るその声の伸びはさすが! の一言。先ほどの力強い男性ボーカルとはまた違う、大石さんの明るく爽やかな声音に会場が包み込まれた。

 大石さんが一時舞台を去ると、「ゲストが豪華で、お客さんも多いし、緊張してる」ときんさんのMCが入った。そして、「緊張のもう1つの理由」として、次に紹介されて舞台に登場したのは、ポップス、歌謡曲で名曲を手がけている御大・美樹克彦氏。きんさんが長年師事してきた、音楽の師匠が控えていたのだ。

 ユーモアを交えて語られる美樹氏のMCは、弟子のきんさんに対する親心が切々と伝わってきて印象的だった。「Life」のジャケットに書かれている内容も含め、きんさんが上京してきた時のエピソードなどが語られた。披露された曲は、美樹氏が自身の失恋を題材にして詞を書いたという「Cry-Max」。美樹氏が、張りのある重厚な歌声で熱唱し、「師匠と一緒にハモれて感無量」と後のMCでも語っていたきんさんとのハモリ具合いも素晴らしく、さすがは弟子と師匠と思わずにはいられない見事なコンビネーションを見せてくれた。

 ライブもいよいよ後半に差し掛かり、ここで改めて光吉氏が登場。アルバム化に際して急遽作らなくてはならないという事情によって作られた曲だが、きんさん自身、大好きな曲ができたという「@Life」が演奏される。ハイテンポで明るい曲調も相まって、先ほどとはガラリと変わった2人のボーカルの掛け合いが、会場を飲み込んでいく。

 そしてバンドメンバーの紹介に引き続き、再び[H.]メンバー、武村氏、大石さんが1人ずつ舞台に登場。全員によって、トリを飾る「歩いていこう」が演奏された。3本のマイクにそれぞれ武村氏ときんさん、Hiro師匠と福山氏、光吉氏と大石さんがついて、遊び心溢れたボーカルの絡みもたっぷり。聴衆をぐいぐい引き込んでくれる。気がつけばプログラムはこれで終了……のはずだったのだが、当然熱気冷めやらぬ会場からはアンコールがかかる。期待に応えて最後に演奏されたのは、ライブの終幕にふさわしい「いつか会えたら…」。会場がひとつになる一体感を全員が味わい、余韻を残しつつもライブは終了した。


 `80年代的な曲が好みに合う私にとって、メロディーを大切にしたきんさんの音楽はとてもノリやすいことを、このライブで改めて体感できた。美樹氏の言葉を借りて言うなら「金子ファミリー」を十分に満足させてくれる、まさにエンタテインメントだった今回のライブ。個性豊かなゲスト陣とのやりとりや、終了後のサイン会も含めて、随所から漂うアットホームなイメージがきんさんの人柄を感じさせた。また次も必ず足を運んで、この空気を味わいたいと思う。


ジャケット写真01
金子 剛「Life」

発売元:Spinning Round Music Ltd.
品番:SRSC-0003
価格:3,150円(税込)

赤盤(一般発売盤)と青盤(セガ盤:D-DIRECTで販売中)の2種が発売中

 そう言えば、最後にきんさんが「次は[H.]のライブかな?」と言葉を投げると、「もちろん! 受けて立ちますよきんさん!」と光吉氏は力強く返していた。今後の[H.]ライブにも期待が膨らむ。とりあえず次の登場は9月のAMショーの最終日に行なわれる予定の[H.]ライブかも? これからも是非、精力的に活動を続けて、我々を楽しませてください、きんさん!

□金子 剛HP「REST THE MUSIC」
http://www.din.or.jp/~kin3/
□ヒットメーカーサウンドチーム[H.]HP「さんぺー」
http://www.hitmaker.co.jp/game/SOUND/home.html
□セガモバ イメージソングHP
http://sega.jp/segamoba/song.html


■おまけ:ゲスト陣の名ゼリフ

・美樹克彦氏

(登場してすぐ)「美樹克彦でございます。西郷輝彦ではございません」

・Hiro師匠

(最後の去り際)「ライブって楽しいねー。機材セッティングしなくていいから(笑)」

・光吉氏

(ライブの折々で)「K(ケイ)ー! 金子のKね」

手を高々と挙げてKの字を作って([H.]ライブで「H.ー!」とやるのをパロって)

 

[Text : 河本 真寿美]




金子 剛(きんさん)

セガのDCソフト「SGGG(セガガガ)」で数多くの楽曲を手がけ、その名を一躍GM業界にとどろかせたコンポーザー

■ ライブ直後のきんさんに突撃インタビュー!!

 ファーストソロアルバム「Life」のCD発売記念ライブイベント「Live@Life」終了後、まだまだ出演者と観客の熱気の余韻が残る会場内で本日の主役、きんさんにインタビューを敢行してみました!

━━おつかれさまでした! まずは今日のライブの感想をうかがいたいのですが?

金子剛(以下敬称略) いやもう、なんか燃え尽きたっていうか、最初の2曲ですでに燃え尽きたっていう感じもあるんですけれども(笑)。ファーストライブというか、外で演奏することが滅多になかったんで、やっぱりゲストさんがいるといっても、ソロなんでちょっと緊張気味でしたねー。

━━観客のファンの方の感触もよかったですよね。

金子 はい、皆さんとってもノっていただけてありがたかったかなーと。

━━ほんとうに、会場の皆さん「ワーっ!」という感じで。

金子 最初すごかったですよネ、光吉さんが「ケェーェイ!」とか指でやって煽ってくれて。光吉さんああいうフレーズを発明するのめちゃくちゃうまいんですよ(笑)。

━━前日は寝ていないとかMCでおっしゃってましたね。

金子 ええ、このところあんまり寝てないです。

━━え?緊張で?

金子 いえ、ライブの準備とかしてたので。緊張は、始まるまではしてなかったんですけど「ああ、5分後にスタートだ……」とか思ったとたん急に……滅多に緊張はしないんですけど。寝られなかったのはバンドのことで動いていたので。

━━ライブは準備とか仕込みが大変ですよね、今後はどのような方向に向かって進んでいきたいですか? 合わせて今後の抱負などもお聞かせください。

金子 最近ゲームらしいゲーム、コンシューマーの曲とかやってないんで、コンシューマーをまたやりたいなー、と。もちろんお話があればですが(笑)。今までポップス的なものが多かったので今度はクラシックとか、あんまりドラムを使わないで作ったり。逆にいわゆるピコピコ音を使ったものとか、そんなようなのをやりたいなーと。コンシューマーやりたいです。何かお仕事あったらおネガイします(笑)。

━━ゲームの曲を作られるのとオリジナルの曲を作られるのと、どういう部分が一番違いますか?

金子 あー……そうですねえ、曲作りという点ではあんまり変わらないんですよ。人が歌うメロディもインストのメロディも覚えやすいとか、耳に残らないとどうしようもないじゃないですか。その部分は同じように考えて「どうしたら耳に残るかなー」って考えて作るんですね。よく携帯電話のメモ録音とかに「フンフフーン♪」とかいって入れたりするんですよ(笑)。あと、電車の中で浮かんだメロディが電車を降りたら忘れちゃっているようなのはもう、切り捨てますね。その程度しか自分のなかに印象がないのはダメですね。家まで帰って来てもまだ覚えているようなものはすぐにメロディ起こして曲に作るというような。

━━曲作りはピアノでされるんですか?

金子 そうですね、ピアノとかキーボードとか。最近ちょっとバイオリンも練習してるんです、まだまだ全然下手くそで、音が鳴る程度ですが(笑)。

━━それは聞きたいですね、ぜひライブでバイオリンも披露してください。

金子 あはは、じゃあいつか「セガガガ フォーエバー」をバイオリンでできたらいいですね。

━━そういえば、今日のライブで美樹先生と一緒に「Cry-Max」を歌われてどうでした?

金子 あんまり面と向かって「歌いましょうか」っていうことないじゃないですか。そのうえMCでジーンとくるようなことを話されてて、そのとき、この10年くらいのことを考えちゃってグッときちゃって。「あ、泣くか俺!?」なんて思いながら。泣かなかったんですけれども(笑)。

━━美樹先生のあのMCはグッときましたね。

金子 本当にやさしい師匠で、僕は最近ゲームミュージックとか手がけてますけど、いまだにお付き合いがある。助けてくれるし、いい師弟関係じゃないかなー。

━━とてもいい関係でいらっしゃるのが聞いていて伝わってくるようなパフォーマンスでした。

金子 ええ、師匠との関係はすごくありがたい。助かっている部分がとてもあります。

━━曲作りについてですが、曲を作るにあたり、辛いときと楽しいとき、どちらがより原動力となりますか?

金子 すっごく悲しいときに楽しい曲を作ったこともあったり。「セガガガ・マーチ」なんかそうですねー(笑)。いやほんとに。そのころ、仕事はやっていたんですがあんまり量がなくて、「明日の生活どうしようかな……」とか考えて「うわ! 俺生きていけないかもしれない!」とか思っていたときに「セガガガ」のお話がきて「がんばろうー!」と思って。朝5時に「セーガセーガ♪」とかやってたっていう感じで。自分に言い聞かせてたのかな(笑)。「がんばろうよ!」みたいな(爆笑)。そういうときもありますよね。

━━曲を作られているそのときそのときの気持ちってリスナーに伝わりますよね。

金子 そうですね、イメージとか感情って入りますからね。「また、ここで逢いたい…」とかは最初に光吉さんのイメージがあって、「このバラードはこんなふうに歌ってくれてすごく胸にくるだろうなー」みたいなのが見えてたのですごくやりやすかったです。

━━完成図が頭に浮かんでいたんですね。

金子 浮かんでましたね。「光吉さん絶対こういうふうに歌う!」って。実際ほんとうにそういうふうになったって感じで。次もいろいろ考えてますし。

━━ライブですか?

金子 ライブ!? そうですね、今日はほんとうに楽しかったから。始まる前からお客さんと一緒に「楽しんでやろう!」と思っていたので。

━━みんな立ちっぱなし、総立ちのままでしたね。聴くほうもやる気がすごかった。

金子 「セガガガ」っていうゲームもそんなノリのゲームだったじゃないですか。僕もそうだし、みなさんそういう印象もあるだろうし。自分としても「さあ騒ごうぜ!」タイプの人間なんで、もう「やっちゃおうやっちゃおう!!」って。

━━引き込みがすごかったですね。

金子 あははは、1曲目2曲目がとくに(笑)。

━━ぜひ次回もこのテンションで。

金子 そうですね、まだ「セガガガ」でもやってない曲いっぱいありますし。やった曲でもいろいろできると思うし。Hiro師匠とかも「生バンド気持ちいいね!」って言ってたんで生バンドでやりたいなあ。まあ、わかんないですけど。

━━今日は武村さんと光吉さんとボーカルセッションはすごかったですね。

金子 そうですね、リハのときからけっこうみなさんノリノリですごく楽しかったですねー!

━━ライブはどのくらいご無沙汰なんですか?

金子 生はもう、7~8年やってないですね。美樹先生のところにきたぐらいのころに一度だけ。それ以降やってないですね。昔はけっこうライブハウスに出ていたんで、大阪にいたときですけど。特にああいう「キャアー!」みたいなのは慣れてますよ(笑)。でも「セガガガ CD 記念歌」をやるとは誰も思ってなかったかな? 生なら絶対やりたかったんですよ。今日はメンバーもすごくいい人ばかりでテクニックもすごいし。

━━[H.]ときんさんのツーマン、ぜひ見たいですね。

金子 そうですね、ぜひやりたいですね。今度はライブハウスで制限なしぶっとおし6時間とかで(笑)。前説も2時間くらい、いや前説5時間ライブ1時間で(爆笑)。

━━それでは、最後にきんさんからファンの方たちにメッセージをお願いします。

金子 今日出ていただいたゲストさんもそうなんですが、すごくファンの方々に助けられてるなーと。「セガガガ」も今回のアルバムも「きんさんアルバム出ましたね! 買いました!」とかHPにメールとか書き込みとかいろいろ見させてもらっててすごくありがたいです。自分としてはファンの方を大切にしていきたい。そして、できればまた今回のように一緒にノッていきたいなと、思っています。ファンの方をどうやって楽しませようか日々考えているので、期待しててください!

━━これからもご活躍を期待してます、今日はありがとうございました!

 インタビューの最中も始終笑顔で楽しそうにお話してくれたきんさん。今日のエキサイティングな中にもアットホーム&フレンドリーな雰囲気を漂わせる居心地のよいライブは、仲間やファンをとても大切に思っているきんさんの人柄がそのまま表れていたんですね。サービス精神たっぷりのきんさんが今後どんな形で私達を楽しませてくれるか期待してます!

[Text : 遠藤 美幸]

【プレゼント!】

 セガ様より、きんさんのCD「Life」の赤盤を 2枚、そして、ライブに参加されたアーティストの皆様(西村さんのものも入ってます!)のサイン色紙を 3枚、ご提供いただきました。今回は「Viva! GM」をごらんになられた方々の中から 計5名に、プレゼントいたします。 締め切りは9月2日。当選者は当コーナーで発表いたします。

※ 応募フォームの送信はSSL対応ブラウザをご利用ください。SSL非対応のブラウザではご応募できません。
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 (2002年8月26日)

  [Text by 遠藤 美幸 ・ 河本 真寿美 / Produced by 佐伯 憲司]



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