金子 剛(きんさん) |
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セガのDCソフト「SGGG(セガガガ)」で数多くの楽曲を手がけ、その名を一躍GM業界にとどろかせたコンポーザー
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■ ライブ直後のきんさんに突撃インタビュー!!
ファーストソロアルバム「Life」のCD発売記念ライブイベント「Live@Life」終了後、まだまだ出演者と観客の熱気の余韻が残る会場内で本日の主役、きんさんにインタビューを敢行してみました!
━━おつかれさまでした! まずは今日のライブの感想をうかがいたいのですが?
金子剛(以下敬称略) いやもう、なんか燃え尽きたっていうか、最初の2曲ですでに燃え尽きたっていう感じもあるんですけれども(笑)。ファーストライブというか、外で演奏することが滅多になかったんで、やっぱりゲストさんがいるといっても、ソロなんでちょっと緊張気味でしたねー。
━━観客のファンの方の感触もよかったですよね。
金子 はい、皆さんとってもノっていただけてありがたかったかなーと。
━━ほんとうに、会場の皆さん「ワーっ!」という感じで。
金子 最初すごかったですよネ、光吉さんが「ケェーェイ!」とか指でやって煽ってくれて。光吉さんああいうフレーズを発明するのめちゃくちゃうまいんですよ(笑)。
━━前日は寝ていないとかMCでおっしゃってましたね。
金子 ええ、このところあんまり寝てないです。
━━え?緊張で?
金子 いえ、ライブの準備とかしてたので。緊張は、始まるまではしてなかったんですけど「ああ、5分後にスタートだ……」とか思ったとたん急に……滅多に緊張はしないんですけど。寝られなかったのはバンドのことで動いていたので。
━━ライブは準備とか仕込みが大変ですよね、今後はどのような方向に向かって進んでいきたいですか? 合わせて今後の抱負などもお聞かせください。
金子 最近ゲームらしいゲーム、コンシューマーの曲とかやってないんで、コンシューマーをまたやりたいなー、と。もちろんお話があればですが(笑)。今までポップス的なものが多かったので今度はクラシックとか、あんまりドラムを使わないで作ったり。逆にいわゆるピコピコ音を使ったものとか、そんなようなのをやりたいなーと。コンシューマーやりたいです。何かお仕事あったらおネガイします(笑)。
━━ゲームの曲を作られるのとオリジナルの曲を作られるのと、どういう部分が一番違いますか?
金子 あー……そうですねえ、曲作りという点ではあんまり変わらないんですよ。人が歌うメロディもインストのメロディも覚えやすいとか、耳に残らないとどうしようもないじゃないですか。その部分は同じように考えて「どうしたら耳に残るかなー」って考えて作るんですね。よく携帯電話のメモ録音とかに「フンフフーン♪」とかいって入れたりするんですよ(笑)。あと、電車の中で浮かんだメロディが電車を降りたら忘れちゃっているようなのはもう、切り捨てますね。その程度しか自分のなかに印象がないのはダメですね。家まで帰って来てもまだ覚えているようなものはすぐにメロディ起こして曲に作るというような。
━━曲作りはピアノでされるんですか?
金子 そうですね、ピアノとかキーボードとか。最近ちょっとバイオリンも練習してるんです、まだまだ全然下手くそで、音が鳴る程度ですが(笑)。
━━それは聞きたいですね、ぜひライブでバイオリンも披露してください。
金子 あはは、じゃあいつか「セガガガ フォーエバー」をバイオリンでできたらいいですね。
━━そういえば、今日のライブで美樹先生と一緒に「Cry-Max」を歌われてどうでした?
金子 あんまり面と向かって「歌いましょうか」っていうことないじゃないですか。そのうえMCでジーンとくるようなことを話されてて、そのとき、この10年くらいのことを考えちゃってグッときちゃって。「あ、泣くか俺!?」なんて思いながら。泣かなかったんですけれども(笑)。
━━美樹先生のあのMCはグッときましたね。
金子 本当にやさしい師匠で、僕は最近ゲームミュージックとか手がけてますけど、いまだにお付き合いがある。助けてくれるし、いい師弟関係じゃないかなー。
━━とてもいい関係でいらっしゃるのが聞いていて伝わってくるようなパフォーマンスでした。
金子 ええ、師匠との関係はすごくありがたい。助かっている部分がとてもあります。
━━曲作りについてですが、曲を作るにあたり、辛いときと楽しいとき、どちらがより原動力となりますか?
金子 すっごく悲しいときに楽しい曲を作ったこともあったり。「セガガガ・マーチ」なんかそうですねー(笑)。いやほんとに。そのころ、仕事はやっていたんですがあんまり量がなくて、「明日の生活どうしようかな……」とか考えて「うわ! 俺生きていけないかもしれない!」とか思っていたときに「セガガガ」のお話がきて「がんばろうー!」と思って。朝5時に「セーガセーガ♪」とかやってたっていう感じで。自分に言い聞かせてたのかな(笑)。「がんばろうよ!」みたいな(爆笑)。そういうときもありますよね。
━━曲を作られているそのときそのときの気持ちってリスナーに伝わりますよね。
金子 そうですね、イメージとか感情って入りますからね。「また、ここで逢いたい…」とかは最初に光吉さんのイメージがあって、「このバラードはこんなふうに歌ってくれてすごく胸にくるだろうなー」みたいなのが見えてたのですごくやりやすかったです。
━━完成図が頭に浮かんでいたんですね。
金子 浮かんでましたね。「光吉さん絶対こういうふうに歌う!」って。実際ほんとうにそういうふうになったって感じで。次もいろいろ考えてますし。
━━ライブですか?
金子 ライブ!? そうですね、今日はほんとうに楽しかったから。始まる前からお客さんと一緒に「楽しんでやろう!」と思っていたので。
━━みんな立ちっぱなし、総立ちのままでしたね。聴くほうもやる気がすごかった。
金子 「セガガガ」っていうゲームもそんなノリのゲームだったじゃないですか。僕もそうだし、みなさんそういう印象もあるだろうし。自分としても「さあ騒ごうぜ!」タイプの人間なんで、もう「やっちゃおうやっちゃおう!!」って。
━━引き込みがすごかったですね。
金子 あははは、1曲目2曲目がとくに(笑)。
━━ぜひ次回もこのテンションで。
金子 そうですね、まだ「セガガガ」でもやってない曲いっぱいありますし。やった曲でもいろいろできると思うし。Hiro師匠とかも「生バンド気持ちいいね!」って言ってたんで生バンドでやりたいなあ。まあ、わかんないですけど。
━━今日は武村さんと光吉さんとボーカルセッションはすごかったですね。
金子 そうですね、リハのときからけっこうみなさんノリノリですごく楽しかったですねー!
━━ライブはどのくらいご無沙汰なんですか?
金子 生はもう、7~8年やってないですね。美樹先生のところにきたぐらいのころに一度だけ。それ以降やってないですね。昔はけっこうライブハウスに出ていたんで、大阪にいたときですけど。特にああいう「キャアー!」みたいなのは慣れてますよ(笑)。でも「セガガガ CD 記念歌」をやるとは誰も思ってなかったかな? 生なら絶対やりたかったんですよ。今日はメンバーもすごくいい人ばかりでテクニックもすごいし。
━━[H.]ときんさんのツーマン、ぜひ見たいですね。
金子 そうですね、ぜひやりたいですね。今度はライブハウスで制限なしぶっとおし6時間とかで(笑)。前説も2時間くらい、いや前説5時間ライブ1時間で(爆笑)。
━━それでは、最後にきんさんからファンの方たちにメッセージをお願いします。
金子 今日出ていただいたゲストさんもそうなんですが、すごくファンの方々に助けられてるなーと。「セガガガ」も今回のアルバムも「きんさんアルバム出ましたね! 買いました!」とかHPにメールとか書き込みとかいろいろ見させてもらっててすごくありがたいです。自分としてはファンの方を大切にしていきたい。そして、できればまた今回のように一緒にノッていきたいなと、思っています。ファンの方をどうやって楽しませようか日々考えているので、期待しててください!
━━これからもご活躍を期待してます、今日はありがとうございました!
インタビューの最中も始終笑顔で楽しそうにお話してくれたきんさん。今日のエキサイティングな中にもアットホーム&フレンドリーな雰囲気を漂わせる居心地のよいライブは、仲間やファンをとても大切に思っているきんさんの人柄がそのまま表れていたんですね。サービス精神たっぷりのきんさんが今後どんな形で私達を楽しませてくれるか期待してます!
[Text : 遠藤 美幸]
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