~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。
■ 思い出って言うより現在進行形……「ライデンファイターズ・JET オリジナル・サウンドトラック」
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アレンジ曲は無いけれど、「JET」の未使用曲1曲を含めた全28トラックは、聞き応え十分! 「ライデンファイターズは時代の流れによる雷電シリーズの進化」との制作者代表コメントも興味深い。
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「ライデンファイターズJET(以下JET)」は、未だにゲーセンでよくプレイするゲームです。「JET」がシューティングコーナーに残してあるお店は、わりとよく見掛けます。セイブ開発の「ライデンファイターズ」シリーズは、「ライデンファイターズ2 オペレーション・ヘルダイヴ」、「JET」と続くのですが、このCDには「JET」が全て網羅されていて、初代と2より4曲ずつセレクトして収録されています。
「JET」のBGM群は、ダンス系テクノを意識して作られていて、全般的にどの曲からも、「後ろから追ってくる何かから、全力疾走で逃げなきゃ!」っていうのがイメージとして伝わってきます。1面(シミュレーション・レベル01)が始まると、アップテンポで軽快なドラムが鳴り始め、上の方で効果音みたいな音色がリズミカルにカラカラ鳴って、メロディ(?)が折り重なるようにがなり立ててくる。何だかよくわからないけどインパクト大の不思議な曲です。
この1面もそうだけど、「JET」の曲って、聞くと焦るんですよね。どのステージ曲も、慌てさせる雰囲気を持ってて、仕事中に聞くとはかどるし、車内で聞くとアクセルをつい踏みたくなる。その理由は、BPMが早いっていうのも勿論あるだろうけど、それだけじゃなく、どこかしら破綻した感じが散りばめられてる印象を受けるからだと思います。1面のカラカラもそうだけど、効果音みたいな高音が曲中に使われていたり、多くの音色が存在して主役の音色がどんどん変わっていったり。だから、良い意味で落ち着かない印象を受けるのかなぁと自分では思ってるんですが。
でね、それらの曲がこのゲームにめちゃめちゃ合ってるんです。砲火に狙われ、炙られるような、冷や汗たら~の激(ゲキ)焦り感。「JET」のGMがもたらしてくれる感覚ってばコレですよ!
煌めく勲章を追いかけながらクイックショットを続けざまにキメたり、敵弾に注意を払いながら一定個所に止まってミクラスを出現させたかと思うと、10万点の妖精さんを出現させるために中型戦車に弾封じをしたり。隠し要素がゲームの最もオイシイ味わいで、点を上げようとすればするほど、とにかく危険危険で忙しいー!! ゲームの内容も「JET」=「忙しい」という印象。なので、それを煽るような曲群が、至上の相性でバッチリはまってると思うんです。
ところで、私個人的には、シューティングゲームの曲のカッコ良さは、ボス曲に集約してほしい! と思っているところがあります。逆に言うと、ボスのBGMがグッと掴まれるものであれば、ステージ道中の曲がさほど好みにハマらなくても許せたりします。だーって、ボスですよ、ボス! その他はザコ! ボスは圧倒的な存在であってほしいし、ほかのどの敵よりカッコ良くあって欲しい。だからその戦闘中に流れるBGMは、どのシーンより印象的であって欲しいし、逆にそうじゃなきゃ萎えるでしょう。
私が好むボス曲は、プレイヤーを急き立てる、どこか狂ったキレた曲。バスドラムがハラに響いて、弾をよけていると脳内からトロッと出てくる「危険=気持いい」物質が、混ざり合って反応を起こしてくれる曲です。
このCDのいくつかの脳内物質反応系曲の中で、イチオシしたいのが「Error.」。「ライデンファイターズ2」の巨大ボスの曲です。これ、さいっこー! アタマに妄想が浮かぶんですよ、敵の攻撃をかいくぐって一瞬の静けさの後、遠方から陽炎のように凶悪な戦闘兵器が見えてくる。で、鼻血が出そうな攻撃を仕掛けてきてくれる、という絵が、曲を聞くだけで、もわーっとアタマの中に描けます(危険?)。
[Text : 河本 真寿美]
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