~ライターによる、GM思い出 暴れ語り~
●担当ライターが思い入れたっぷりにゲームとGMを語ります。
■ がんばれ晴海スラッシャーズ!……「Fantasyscape SLASHOUT -Original Soundtrack-」
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オリジナルは網羅されてますがアレンジバージョンがないのはちょっとさみしいですね。コンポーザーの庄司さんのインナーコメント、用語がわからなくて調べまくりました。テンションコードとかドンシャリとか(笑)でもどうやら庄司さんの曲は私と波長が合うようです。どれもこれもみんなグッドです!
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「スラッシュアウト」は剣と魔法の世界、いわゆるファンタジーを題材にした3Dアクションゲームです。大人気の全作「スパイクアウト」の流れを汲み、攻撃とチャージ(魔法)を駆使してフィールドマップの中を暴れまわりステージを進んでいきます。もちろん4人同時協力プレイが可能です。
今でもゲームセンターで現役で稼働している「スパイクアウト」とくらべると「スラッシュアウト」はあれよあれよという間に4台が3台、3台が2台と数が減っていき、ここ最近は見かけることもなくなってきました(涙)。
私が見ている目の前で「機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン」にとって代わられた日はそりゃあもう、ブルー入りましたってば。
近頃レアな「スラッシュアウト」ですが、実はプレイ中もBGMに聞き耳をたてる余裕がないほど難易度が高くて(あくまで私には、です)、ステージが始まってキャラクタが動けるようになるまでのちょっとの間、つまりイントロしか聴くことができないんです。誰と話をしていても私と同じような意見しかなく、みんなゲームに夢中なんだかBGMの音量が小さいんだか、身内の話題の端にも登らないまま不憫な「スラッシュアウト」のサントラCDは発売されたのです。
さっそく聴いてみてびっくり、「剣と魔法のデジロック」ともいえるサウンドは私的には「スラッシュアウト」の疾走感にドンピシャ、大ヒット大コーフンでした。
にもかかわらず、相も変わらず身内のスラッシュプレイヤーにはピンとこないらしく「おススメ!」と聴いてもらってもあまりいいリアクションは返ってきません。もっとゲームゲームしている音楽がみんな好みなんでしょうか?
それなら、メロがはっきりしていてわかりやすいし、ほかの曲とはちょっと路線がちがう湖ステージの曲「Day
of lake」を聴いてほしいと思います。
この「Day of lake」は私が一番好きな曲です。別にキャッチーだからといった理由ではなく、青い湖にきらめくちょっと傾き掛けた太陽の光がまぶしいステージに透明感のあるコードの音色と水滴っぽいシンセのリフが絶え間なく流れているところが気持ちよく、さらに高音が空も雲も突き抜けて高く上っていくのを目で追えるようなメロディラインがなんともグッときて泣けちゃうからです(プレイしてもこのステージは辛くて泣けちゃう)。
この曲だけは、ドライブ&高揚感がメインの「スラッシュアウト」サウンドのなかでは異色で、ステージの厳しさとはうらはらにキレイ系でまとまっていて、なかなかに聴きやすいと思います。湖の面の美しさとともに「Day
of lake」に耳をかたむけてほしいのですが、エクストラステージなので、ゲーム中に聴くのは意外と難しいかも。
ほかにもステージ1の「First Battle」、ステージ3(ノーマル)「1480F5」などはノリがよく馴染みやすいのでおすすめです。まずはとっかかりから、聴きやすい曲で「スラッシュアウト」サウンドに興味をもってもらえたらしめたもの。「剣と魔法のデジロック」を楽しんでくれればいいですね。
ところでタイトルの「晴海スラッシャーズ」とはなにか?
というと、私個人の「スラッシュアウト」サークルなのです。メンバーも1人抜け2人抜け、現在は2人こっきりのさみしいサークルですが、これ以上「スラッシュアウト」がゲームセンターから消えないようにインカムをあげようとがんばっています。
「スパイクアウト」じゃだめですよ、だって「スパイクアウト」にはスラッシュちゃんいないんだもん。
[Text : 遠藤 美幸]
■ 達人を超えて王となれねぇ……「達人王」
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他には、高音の延びる部分が綺麗な1面「LIVE IN FUTURE」も、かなり好きです。手拍子がしゃんしゃん鳴るのも妙にかわいく爽やかで、1面にはぴったり。東亜プランの長調の曲に好きなものが少ない中で、珍しく1面と5面は好きの部類に入ります。東亜節というと3面、4面を連想する人も多いと思いますが、私はその意味ではコンティニュー画面「SOMEWHERE」が好きです。「鮫!鮫!鮫!」などと絶妙に似てますよね。
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東亜プランのGMは、1タイトルの中の数曲だけが飛び抜けて好きで、残りは大して好きじゃない、ということがよくあります。しかし、『達人王』については、あんまり好きじゃない曲よりも好きな曲の方が多いので、「このゲームの音楽が好き」と胸を張って言えます。
1番気に入っているのが、ボスの曲「HEAVY LONG」と、最終面にあたる6面「FAZE」です。両方とも、とにかく印象がかっこ良くて、うぉー戦っちゃるぜー! という気分を盛り上げてくれます。改めて聞いてみると、曲を通してパーカッションがしゃんしゃんチリチリ鳴っていて、そこに独特の音色で、高音がキュイーンと延びたり、低音がずーんと入るところが特徴的です。
ついにここまで来たぜ、という感慨にむせぶ6面は、オクターブで主旋律が始まり、この低い方の音が、心に響く重低音! って感じで、ほれぼれポイントの加算に一役かっています。オクターブの進行がやんだ後に続く高音のメロ、この音色もでたらめに気に入っている点のひとつです。
曲がループして開幕の重低音に戻ってきたときに、じわーっと広がるような、染み出すような渋さを感じます。ここが、最も盛り上がる部分なんじゃないでしょうか。
ボスの曲については、やっぱりパーカッションでしょう。メロより断然重視してあって、これだけで聞けるくらいカッコイイです。「HEAVY LONG」という名の示す通り、1回のボス戦には長~い時間を必要とします。ボス戦に限らず全面を通して、1周約1時間という長いゲームなので、必然的にどの曲も繰り返しループすることになります。とりわけボス曲は1ループが短いぶん、繰り返しも多いのだけど、いつまでも飽きずに聞いていられる格好良さがあります。
『達人王』の曲の何が好きかと問われると、PCM音源を使用したとインナーに書かれていたパーカッション、そしてギラついた感じのギュンギュンいう音色、コレでしょう。ゲーム中に何度も何度も聞いて刷り込まれているぶん、特にこの音色には、独特の色気を強烈に感じます。だから逆に、アルバム1曲目に収録されているボス戦のアレンジ曲には、さほど魅力を感じないのかな?
私の部屋では、基板も現役稼動中の『達人王』。5面の通称カニ地帯など、ハマりまくってコンティニューで練習しがちですが、殺しにかかってきてるくせに曲調が妙に爽やかだったりして、そのアンバランスの妙が気に入ってます。曲のサビまで進まずに、最初の数秒で即死することが多く、「ぴろりろりろりろ……ちゅどん!」というのが、一連の曲のように頭に残ってしまうのが悲しい所です。トホ~。
[Text : 河本 真寿美]
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