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【連載第70回】 あの、おもちゃを徹底レポート




流行中のダーツをe-Toy化した「エレキダーツ」

「エレキダーツ」
価格 9,800円
電源 ACアダプター(付属)
発売日 発売中


プラスチックだから壁を傷つけない

 先日、ダーツバーなるものに足を運んで、本格的なダーツを体験した。ダーツのルール、正式な投げ方、そして様々なテクニックを知るにつけ、そうかダーツはスポーツであったのかとはじめて理解した。物心ついた頃から実家に何となく存在していたし、温泉街のスナックなどに所在なさげに置いてある様をたびたび目撃しながら、遊び方が一向に読めなかったダーツ。今回の体験をきっかけに、少しばかり調べてみると、発祥はイギリス。紳士的で社交的な特徴を持ち、子供から老人にまで親しまれているインドアスポーツなのだそうだ。全然、知りませんでした。皆さんはご存知でしたか?

 さて、こうなると現金なもので、とたんに親しみがわいてきた。そうして手に入れたのが、今回の「エレキダーツ」だ。この商品のポイントは、ダーツ(矢)の先端のポイントが金属製ではなく、プラスチックだということ。ダーツボードにダーツが刺さると、スコアがカウントされ、サウンドが鳴る。要は、ダーツのポイントがプラスチックなので、壁にあたっても穴を開けずに済む、というわけなのだ。

パッケージ。東急ハンズにて購入 サイズは縦48センチ、横45センチ

14種類のゲームが楽しめる

 パッケージの中には、ダーツボードとダーツ(矢)が12本入っている。ダーツボードへの電源は付属のACアダプターから供給されるので、これだけで遊ぶことができる。ダーツ自体は、ポイント、ホルダー、シャフト、フライトの4個のパーツに分かれていて、組み立てる必要がある。ダーツボードの表面にはダーツが刺さるように無数の穴が設けられており、下部にはスコアなどを表示するLEDディスプレイが2基用意されている。

 壁へのセッティングは、ボードの背面にあるフック穴を利用。あらかじめ壁に釘や画鋲を打ち付けておき、これに引っ掛ける。高さは、インナーブル(ボードの中心円)の中心が床から1.73メートルの位置が規定だ。ダーツを投げるスローイングラインは、ダートボードの表面から2.37メートルの距離にとる。これで準備は完了だ。

 ダーツには様々な遊び方があるが、この「エレキダーツ」では、14のゲームと60以上のバリエーション(目標得点の変更など)が楽しめるようになっている。ボタンを操作して、ゲームとバリエーションを選択し、プレーヤーの人数を決定すれば、ゲームスタートだ。独立したマニュアルはなく、操作方法、ルールともにパッケージの裏面にビッシリと書き込まれているので、最初は扱いに戸惑うがすぐに慣れる。

ダーツは全部で12本。フライトのデザインが楽しい 画鋲を使い、仕事場の壁にセッティング


ダーツがビシッと刺さる手ごたえ! 快感!

 遊ぶ前に、共通ルールを簡単に説明しておこう。投げる順番は、各プレーヤーが1投ずつ投げて、インナーブルに近く投げた順番に決める。そして、ダーツは1ラウンド1人3投ずつ投げる。ボードから外れた矢や落ちた矢も1投と数え、やり直しは不可。

 数あるゲームの中から最初に選んだのが、「カウントアップゲーム」。合計得点がバリエーションで設定した目標値(100~900)に早く達したか、または超えたプレーヤーの勝ちとなる、最もオーソドックスなゲームだ。仕事場のスタッフを対戦相手に迎え、レッツ・プレイ!

 筆者から投げてみたのだが、当たりまへん。ダーツボードを大きくそれて、壁に激突。床に落ちたダーツのフライトが飛び散る始末。次のトライでは、ボードに当ったものの、ダーツが穴に突き刺さらず、落下。またしてもフライトが取れてしまう。3投を終え、ラウンドが対戦相手に移るが、結果はほぼ同じ。となると、次第に疑念が生じてくる。設計が甘くダーツは、穴に刺さらないんじゃないだろうか。フライトがこんなにも外れるということは不良品……?

 そんなモヤモヤした気分も筆者の次の1投で解決した。力強く放たれたダーツが、ダーツボードにビシッと突き刺さったのだ。しかも場所がダブルリングだったので、「DUBBLE!」と大きなボイスが鳴り響いた。ダーツを見てみれば、フライトは取れていない。なんだ、ボードに刺さらないのも、フライトが外れてしまうのも、我々の腕があまりにヘボすぎたのか。失礼しました。それにしても、ダーツがズサッと命中したときの気持ちよさよ。クセになりそうだ。

 筆者のこのプレイから、お互いの腕は少しずつ上昇し、楽しくゲームを終えることができた。

ボードの表面には、ほぼ1ミリ程度の間隔で穴が開いている ダーツは、ボードにしっかりと突き刺さる


親切ガイドで安心プレイ!

 他には「ランドクロック」というゲームも遊んだ。プレーヤーは、1から数字の順番にエリアを狙って矢を投げていく。最終的にゴールのターゲットエリアに早く矢を当てたプレーヤーが勝ちとなるルールだ。これは相当の腕前が要求される。「シンプルクリケット」は、15、16、17、18、19、20と中心部分(アウターブル&インナーブル)のみが有効エリア、というルール。3回当たったエリアは「CLOSE!」と音声が流れて、無効エリアになる。そうして、すべての有効エリアを早くクローズさせたプレーヤーが勝ちとなる。こちらはインナーブルを豪快に狙える醍醐味がある。

 どのルールにも個性があり、独自の面白さがあり、ダーツの奥深さにまた一歩近づけたようだ。それにしても、ただ片腕をふるっているだけなのに、どうしてこんなに汗をかけるのだろう。とても爽やかな気分だ。いずれのゲームでも、「エレキダーツ」ならではのガイド機能がある。ターゲットが変わるときはLEDディスプレイでそれを表示し、1人のプレーヤーのラウンドが終わったときは「NEXT PLEYER!」と音声で交代を促す。ゲームの最中は、プレーヤー各々のスコアを自動計算してくれるのもありがたい。

 ただし、放たれたダーツがボードに当たらない場合は、例外だ。当然のことながら、1投にカウントされない。こういう場合は、プレーヤーが自己申告し、3投を終えたら自ら「NEXT」ボタンを押し、ラウンドをチェンジする。

操作に使用するボタン。白文字で書かれているのは、ゲームタイトル ディスプレイで、プレーヤー、スコア、ターゲットなどを表示する

 ダーツを気軽に遊んでみたい、はじめてみたいという人には、良いセットだろう。1万円程度でひと通り揃うし、ガイド機能もあるので、安心して遊ぶことができる。何より壁を傷つけなくていい。ダーツの面白さに触れられる「入門キット」としては最適だろう。腕を磨きたいとか、大会に出場するための練習用にとか、それ以上のものを目指すなら、道具を吟味し、本格的なセットを購入すればいい。いずれにしろ、楽しめました。


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(2002年6月20日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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