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【連載第60回】 あの、おもちゃを徹底レポート




通算100万台を突破した超小型ラジコンにニューアイテムが登場!
トミー「ビットチャージー 100万台記念スペシャルパッケージ」

100万台記念スペシャルパッケージ
第1弾 カストルールニスモGT-R
100万台記念スペシャルパッケージ
第2弾 4バンドマルチコントローラー
100万台記念スペシャルパッケージ
第2弾 ブースターマシンセット
発売 トミー 発売 トミー
価格 3,480円 価格 各2,200円
電源 アルカリ単3電池×2 電源 アルカリ単3電池×2
発売日 発売中 発売日 発売中


「ビットチャージー」が売り上げ数100万台を突破!

 本体サイズは、わずか5センチ。価格は、コントローラ込みで3,000円足らず。ラジコンの常識を破壊する衝撃のスペックで世に送り出された、トミーの「ビットチャージー」。昨年の7月に発売されて以来、好調な売り上げを記録。1年を待たずして、100万台以上の売り上げを記録したというのだから、その人気の高さにあらためて驚かされる。

 今回紹介する3つのアイテムは、100万台突破を記念して発売されたスペシャルパッケージだ。どれも、その名にふさわしい充実したギミックを備えており、見逃せないアイテムとなっている。


最速のモーターを搭載した「競技用最速セッティング」マシン

 最初に紹介するのは「100万台記念スペシャルパッケージ 第1弾カストルールニスモGT-R」。マシンとコントローラのパックというスタイルは、これまでと同様だが、中身が違う。

 パッケージには「競技用最速セッティング」と銘打たれており、マシンのモーターには、シリーズ初となる「マイクロビー2.6」が採用されている。「マイクロビー」は、これまでに標準の「1.0」と高速の「2.2」が発売されているが、「2.6」はそのどちらをも上回り、最高速度を叩き出せる能力を持っている。マシンも「ロックダイトゼクセルGT-R」、「ザナヴィヒロトGT-R」、「ペンズオイルゼクセルGT-R」、「カストロールニスモGT-R」と、レース仕様の車種が用意されている。いかにも速そうではないか。

 筆者は「カストロールニスモGT-R」を入手。マシンは半完成品なので、組み立ての作業があるが、いたって簡単だ。タイヤをはめる、マイクロビーを本体にセッティングする、などの作業をいくつかこなせば、完成となる。時間にすれば、3~5分程度。この手の作業は苦手、という人でも心配はいらない。逆に言えば、組み立て作業があり、自分の手で作ったという想いがあるからこそ、マシンに愛着が沸くのだ。完成品では、面白さは減るかもしれない。

 マシンの充電は、コントローラから行なう。コントローラの側面にあるフタを空けると、充電用の装置が顔を出す。そこにマシンの底面を当てると、充電がはじまる。充電に要する時間は、約45秒間。一回の充電で、約2分間の走行が可能となる。

コントローラとマシンが同梱されており、これだけで遊べる 「カストロールGT-R」。付属のシールで外観を飾れる


 「カストロールニスモGT-R」の最大の注目点は、「マイクロビー2.6」が叩き出すスピードだ。いったいどれだけ速いのだろうと思うと、ワクワクしてくる。テーブルから落ちてしまわないように、すぐに指を離せるように意識しながら、レバーを前進に倒す。シュッン! 「カストロールニスモGT-R」がテーブルの端から端へ一気に駆け抜けた。スタート直後のスピードも速いが、その後さらに加速する。筆者がこれまで遊んだ車種は、「マイクロビー1.0」の搭載マシンだけだったが、目算にして2倍ほど速く感じられた。

 速度は出ているが、左右方向への操作も無理なく行なえる。ただし、疾走するマシンのスピードと自分の操作がピタリのタイミングでハマるのはさすがに難しく、練習が必要だ。「競技用最速セッティング」の名はダテじゃない。机の上で自由自在な操作が楽しめるように、ほどよいスピードに設定された「マイクロビー1.0」の搭載マシンとは、また異なる魅力がある。仲間とレースを目的に遊ぶなら、これがいいかもしれない。

マシンの再現度が高いのも特徴。見よ、このディテールの細かさを マシンの後部に見えるのが「マイクロビー」。実寸は2センチ弱 マシンの充電は、コントローラで行なう。時間が短いのがうれしい



様々な機能が追加された新型コントローラー

 次は「100万台記念スペシャルパッケージ 第2弾」。「4バンドマルチコントローラ」と「ブースターマシンセット」だ。「4バンドマルチコントローラー」は、今後トミーが展開する「ビットホビー」に対応した新世代のコントローラ。ビットホビーとはビットチャージーをも含んだシリーズ全体の名称であり、「小型」で「低価格」の路線を踏襲した戦車や潜水艦など、多様なラジコンの発売が予定されている。

 「4バンドコントローラー」はその新展開を見据えた設計になっていて、従来のものから大幅なチェンジがなされている。最初のポイントは、レバー。これまでのタイプは2基のレバーが用意され、ぞれぞれ「前進・後退」「右移動・左移動」の操作を担っていた。これに対し「4バンドコンローラー」では、2基のレバーそれぞれで、6方向の操作が可能となっている。例えば戦車を操作するとしたら、左のレバーで本体を移動させ、右のレバーで砲塔を回転させる。あくまで筆者の予想にすぎないが、こんな複雑な操作も行なえるようになりそうだ。

 次は、「アクションボタン」と「マルチバンドスイッチ」だ。「アクションボタン」は、6方向レバーでは実現しない、何らかのアクションを実行させる役目を果たす。「ビットホビー」が実現される中で、様々な役割を与えられていくのだろう。「マルチバンドスイッチ」は、マシンを操作する赤外線のバンドを切り替えられる装置。「ビットチャージー」には「57MHz」、「45MHz」、「35MHz」、「27MHz」の4種類のバンドがあり、異なるバンドのマシンを用意することで、複数台のマシンによるレースが楽しめるようになっている。

 この「4バンドマルチコントローラー」では、スイッチの切り替えによって、4種類のバンドでの操作が可能となる。つまり、これ1台で、どんなマシンでも遊ぶことができるのだ。今後、単体売りのマシンが増えても、これさえ持っていれば大丈夫。コントローラ付きのパックを買う必要がなくなる、というわけだ。

この新型コントローラが今後の遊びのキーとなる 全体のデザインも一新。機能性を追及した雰囲気になった 「アクションボタン」は右手のひとさし指で押す



ブースター機能を搭載し、加速が可能なマシン

 「4バンドマルチコントローラー」にいち早く対応したのが、同じく「100万台記念スペシャルパッケージ 第2弾」の「ブースターマシンセット GT-R R34」だ。「4バンドマルチコントローラー」の「アクションボタン」を押すことによって、マシンがブーストをする。これまでの「ビットチャージー」では不可能な操作が楽しめるのだ。
 「GT-R R34」は、記念パックらしく、シリーズ初のクリアボディとなっている。このまま遊んでもいいし、別売の「ボディパーツ」を組み合わせ、異なる車種として楽しむこともできる。

 組み立て終わったマシンを用意して、さっそく「アクションボタン」を試すことにした。「GT-R R34」を机の端にセッティング。レバーを押し、前進させる。すかさず「アクションボタン」を押すと、タイヤがグィイイインと唸りを上げ急激に加速した。これまでのシリーズと同様に、操作へのレスポンスは迅速で、実に快適だ。もちろん後退時や、左右への移動の最中に加速することもできる。ただし、「アクションボタン」を押した状態からマシンを走らせ、途中でボタンを離しても速度に変化はない。加速によって勢いがついているので、すぐに速度が落ちることはないのだ。

マシン単体のパッケージ。加速を楽しむには、「4バンドマルチコントローラが」必要 「GT-R R34」。クリアボディのため、内部構造が透けて見える



遊び方は工夫次第でいろいろ。「車庫入れ」がおすすめ

 玩具店で商品を購入した際に、紙製の専用マップをもらったので、これで遊ぶことにした。表面にはサーキットが、裏面は町の絵が印刷されていて、それぞれで異なる遊びが楽しめるようになっている。筆者が注目したのは、町のマップの方。長方形の道路の周辺に、コンビニやガソリンスタンドが描かれている。つまり、道路を使ってレースをすることも、あるいは店舗を利用して車庫入れ遊びをすることもできるのだ。

 特に楽しめたのが、車庫入れだ。車を車庫に入れる際は、通常の速度を保ち、ライン内に収まるように操作をする。車を出すときは、道路上の流れに乗るべく、車庫から道路に出ると同時にブーストをする。実際の自動車さながらの繊細な操作が面白く、とても楽しめる。とはいえ、操作には慣れが必要で、なかなか思い通りにはいかない。次こそは美しく、流れるような操作を成功させよう、と心に誓って遊ぶと、軽く30分は過ぎてしまう。マップがない場合は、机の上に文房具などをそれらしく配置すれば、同じように遊ぶことができる。

車庫入れ遊び。簡単そうでいて難しい。この落差がやる気を生む レースのイメージ。最後尾はシリーズ作の「マリオカートアドバンス/マリオ」


 ただでさえ楽しめるビットチャージーだが、これらの新アイテムの投入によって、ますます面白くなってきた。4月下旬には、人気コミックを題材にした「頭文字D プロジェクトセット」の発売が予定されており、こちらも期待できる。そして、その先はいよいよ「ビットホビー」がスタートし、自動車以外のラジコンが発売されるのであろうか。いずれにしろ、今後も「ビットチャージー」から目が離せないことだけは確かだ。

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□「ビットチャージー」のページ
http://www.tomy.co.jp/bit_hobby/


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(2002年4月11日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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